FRETの権威松田道行先生らによると、「レトロウィルスベクターやレンチウィルスベクターを用いてセンサーを導入しても、「おそらく逆転写反応の際に (同じオワンクラゲ由来で遺伝子の似ている)CFP 遺伝子と YFP 遺伝子との間の組換えが起きて、CFP もしくは YFP のみしか光らなくなるものが大部分である」という。
ただこの記述は一部はレトロウィルスをつかって遺伝子導入しても、一部の細胞には組み換えの起こらないセンサーが導入できる可能性を示唆している。
現在研究室で使っているのは、世界最強のレトロウィルス導入法ともいうべき、北村俊雄らが開発したpMXs-IPベクター(*)と、Mark P KampsたちがNature Methodsで報告しているSpin Fection法(プロトコールはこちら)のくみあわせであり、この方法ならある程度組み換えが起こっても、まった組み換えの起こらない細胞もソート可能なほど取れるのではないかと思われた。
実際にマウスの血球系の細胞株で遺伝子導入をトライして、FACSでその効率をみたところ、図に示すように感染効率は30%強であり、CFP もしくは Venusのみしか光らなくなるものもみられるものの、そのうち16%はCFP/Venusのダブルポジティブ細胞であった。
ダブルポジティブ細胞はFRET+のものとFRET-のものがきちんと見られた。このプローブ以外に同様のプローブをもう一種類導入してみたが、やはり10%強はCFP/Venusのダブルポジティブ細胞で、FRETが確認できた。意外と感染を工夫すれば、FRETプローブもレトロで導入可能かもしれない。
(*)このベクターのオリジナル版は、山中伸弥らがiPS細胞を作る際に利用された。
ただこの記述は一部はレトロウィルスをつかって遺伝子導入しても、一部の細胞には組み換えの起こらないセンサーが導入できる可能性を示唆している。
現在研究室で使っているのは、世界最強のレトロウィルス導入法ともいうべき、北村俊雄らが開発したpMXs-IPベクター(*)と、Mark P KampsたちがNature Methodsで報告しているSpin Fection法(プロトコールはこちら)のくみあわせであり、この方法ならある程度組み換えが起こっても、まった組み換えの起こらない細胞もソート可能なほど取れるのではないかと思われた。
実際にマウスの血球系の細胞株で遺伝子導入をトライして、FACSでその効率をみたところ、図に示すように感染効率は30%強であり、CFP もしくは Venusのみしか光らなくなるものもみられるものの、そのうち16%はCFP/Venusのダブルポジティブ細胞であった。
ダブルポジティブ細胞はFRET+のものとFRET-のものがきちんと見られた。このプローブ以外に同様のプローブをもう一種類導入してみたが、やはり10%強はCFP/Venusのダブルポジティブ細胞で、FRETが確認できた。意外と感染を工夫すれば、FRETプローブもレトロで導入可能かもしれない。
(*)このベクターのオリジナル版は、山中伸弥らがiPS細胞を作る際に利用された。