TOEFL100点の壁
もし有名大学の学部そしてビジネススクールなどの大学院に行きたい場合に立ちはだかるのが英語力特にTOEFLの点数である。大体ハーバードなどの有名大学だとTOEFL100点以上が科せらえることが多いが、Reading, Listening, Speaking, Writingの4カテゴリーからなるTOEFLは、日本人にとって、100点をとることは至難の業である(特にSpeaking)。
今回知人に紹介していただいて、TOEFL100点を目指す会というのに参加してきた。講師は現在ハーバード留学中で日本にいるときに1年間の間にTOEFL40点から95点まで伸ばした猛者の方である。もともとの目的は語学学校に留学中でハーバードロースクールを目指す若者にTOEFL100点を取らせようというのが趣旨なのだが、そこにおじさんたちがのっかった形である。
音読&写経がTOEFL上達の極意
その猛者の方の極意はとにかく力技である。
1)TOEFL模擬問題の量をこなす
2)音読
3)書き写し(写経)
の3つがその極意となる。まずはTOEFLの模擬問題をこなすこと。基本は4日1セットをこなすとして、初日にざっと問題を解く2日目以降はReading1セットずつ&リスニング全部を繰り返し復習するというものであり。
Readingの復習は音読しながらの書き写し(”写経”と彼は呼んでいる)
Listeningはシャドーイングと可能ならばディクテーションもしくはスクリプトを見ながらの写経
が主なメニューとなる。
またこの基本メニューにスピーキングのためのレアジョブとwritingコースが入る。
基本的には小学生が日本語を習得するのに必要なアプローチをまねているというわけである(*)。
積み重ねが肝心!平均一日0.1点の向上
講師の方は奇特なことにほぼ2週間に一回TOEFLを受けておられたため、その向上の奇跡をシェアしていただいた。その奇跡を回帰分析させていただくと、R^2が0.7196なので着実な上昇が認めらるのはいうまでもないのだが、回帰式はY=0.1256X+60.05なので、平均一日0.13点上がった計算である(**)。
基本30点あげるのにほぼ1年かかるということであり、その猛者のいうようにやれば英語力は着実にあがるもの、時間はかかることはいうまでもない。
またいうまでもないことであるけれど、日々のちょっとした向上を積み重ねていくことが何事においても重要あるというのが実感できる。
ちなみに日数、総得点、各カテゴリの点数の相関係数を出してみると、
であるから、Speakingがのびづらいことはいうまでもない。
一方でそのほかのカテゴリは伸ばしやすく、特にReadingはやればやっただけの効果がでたようであるし、総得点への寄与も高いようである。
勉強の配分としてはある程度18点前後Speakingが取れるようであれば、そのほかのカテゴリを重点的にするのが効果的であるようだ。
実際にTOEFL勉強を開始してみると
最初聞いたときはそんなことできるか!と思ったのだけれど、実際にちょっと試しにやってみると結構よくてはまってしまう。
特にTOEFLは大学生として必要な英語力があるかどうかの試験なので、大学の講義の内容がReadingやListeningに出てきたりする。これがどれもよい文章で、いろいろなところで使えそうなものなのだ。
書き写したり、シャドーイングすることで少なくともミーティングや学会発表に必要な英語表現、いいまわしのバリエーションは頭に入りそうなので、やればTOEFLの点数だけでなくいろいろと副産物がありそうである。
(*)その方は言語学者の方について英語のレッスンをうけていたのであるが、その言語学者の方曰く、非常に理にかなった方法ではあるが、普通の人はできないでしょうとのこと。。
(**)統計サマリーはこんな感じ!
Call:
lm(formula = x[, 2] ~ x[, 1])
Residuals:
Min 1Q Median 3Q Max
-6.460 -5.235 1.054 3.728 9.487
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 60.05300 2.86834 20.937 8.17e-11 ***
x[, 1] 0.12593 0.02148 5.862 7.69e-05 ***
---
Signif. codes: 0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1
Residual standard error: 5.334 on 12 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.7412, Adjusted R-squared: 0.7196
F-statistic: 34.36 on 1 and 12 DF, p-value: 7.695e-05
(追記)回帰分析に使用したR scriptは簡単ですが備忘録がてら載せておきます。
> setwd("c:/Username/yourfolder")
#ファイル読み込み
> x <- read.table(file="TOEFL.csv",header=T,sep=",")
#グラフ作成
> plot(x[,1],x[,2],ylim=c(40,100), xlab="days")
> plot(x[,1],x[,2],ylim=c(40,100), xlab="Days", ylab="Score")
> abline(lm(X[,2]~x[,1])
#グラフ作成2
plot(x[,1],x[,3],ylim=c(0,30), main= "Reading", xlab="Days", ylab="Score", col=2)
abline(lm(x[,3]~x[,1]))
#相関係数計算&表示
> data.model <- lm(x[,2]~x[,1])
> data.model
#Call:
#lm(formula = x[, 2] ~ x[, 1])
#Coefficients:
#(Intercept) x[, 1]
# 60.0530 0.1259
#統計分析詳細表示
> summary(data.model)
#Call:
#lm(formula = x[, 2] ~ x[, 1])
#Residuals:
# Min 1Q Median 3Q Max
#-6.460 -5.235 1.054 3.728 9.487
#Coefficients:
# Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
#(Intercept) 60.05300 2.86834 20.937 8.17e-11 ***
#x[, 1] 0.12593 0.02148 5.862 7.69e-05 ***
#---
#Signif. codes: 0 ‘***’ 0.001 ‘**’ 0.01 ‘*’ 0.05 ‘.’ 0.1 ‘ ’ 1
#Residual standard error: 5.334 on 12 degrees of freedom
#Multiple R-squared: 0.7412, Adjusted R-squared: 0.7196
#F-statistic: 34.36 on 1 and 12 DF, p-value: 7.695e-05
#相関係数マッピング
#パッケージ'psych'インストール
> install.packages("psych")
#パッケージ呼び出しとマッピング
> library(psych)
> cor.plot(cor(x), numbers=T)
(追記2)多変量解析は草薙の研究ログの記事がusefulで参考にさせていただきました。
またplot関数の色指定は、統計解析フリーソフト R の備忘録頁 ver.3.1さんの記事がわかりやすいです。