スピンオフ銭明日編集長

モットーは"年を重ねる毎に幸せになる"銭明日編集長の日記

棘(後編)

2021年10月28日 | Weblog
 ここまで書いて、思い出した。2009.4のブログ"夢を語り合う時もあった"に彼のことをブログしていた。
 最近夢に出てきてくれたので、再度書いてしまったが、もう13回忌とは信じられない。

(彼、佐藤義勝さん遺影)
 彼の訃報を聞い時、親しい元同期仲間を誘い、栃木小山市の自宅に伺って、奥様に詫びを入れ墓参りをしては来たのだが、自分に刺さっている棘は抜けきっていない。

 お互い田舎者で、親元を離れた社会の入り口で悩み合い、東京湾に鬱積したものを雄叫びし、夏の湘南で熱射病になったり、飲めない安酒をあおったり、俺の退職願いを代筆させ、女に振られた時は修復に駆けつけてもくれ、夢を語り、生きることを手探っていた頃、いつも身近にいて自分のことのように接してくれた奴だった。

 この棘は生きている限り刺さったままだろうが、今はこのままにしておこうとおもっている。そう遠くなくなった御世の世界で待ってくれているだろうから・・・・👋
🎶 心が純で 真っ直ぐで
 きらきら光る 瞳をしてた
  歯に噛みながら語る 夢大きい
昨日今日と 2日も同じ夢見た
 笑い 泣いた
  あの頃に乾杯 🎶
(小林旭 "あれから")
            =おわり=

棘(中編)

2021年10月25日 | Weblog
 昭和も前と後、世代では考えも生き方も違うように思う、自分らの前世代生まれの人間にとって、家庭を構える結婚式って、昭和一桁の式たりを引きずり相当意味深く重い人生行事であった。
 戦争の爪痕がまだ残る終戦っ子の我々は、長子より次男三男が多く、戦後の高度経済成長の労働力として、田舎から都会に数多く流れて行った。我々もそんな中の一人であった。

 彼から招待状を受けた当時のことの記憶は薄れて思い出せないが、自分は何故か欠席してしまう。大事な大好きな親友の晴れ舞台を反故にし、祝辞依頼にも穴を開けてしまった。

 あの時、それなりの訳があったのだろうが、どんなことより優先して駆けつけるべきだった。この棘の痛さに、一生苦しむことになる。
自分のとった行動の浅はかさに、何度悔やんだことか・・・

          (新居挨拶)
 あの時から、奴とは時々は酒も飲んだのだが、心のどこかに以前の様には行かない微妙な関係が続いていた。

 いつかは元に戻したい戻りたいと願って35年ほど経った平成21年、64歳で早世で旅立った訃報に接してしまった。
            =つづく=
 




棘(前編)

2021年10月17日 | Weblog
 棘を刺したことは誰でも経験していると思う。我が家の庭に好んで蔓バラを植栽し楽しんでいた頃がある。薔薇って手入れが大変で、よく棘を刺していた。
綺麗な花ほど自己防衛の為に棘があると言われる。女に注意する例えに?も使われる棘である。

 自分も今から50年以上も前になるのだが、未だ抜けない棘がある。
 高校を出て東京に就職して友人となった奴がいた。彼は秋田の横手から技術系で東雲(現在は豊洲)にある大手会社工場で知り合った。この会社は千葉の鎌ヶ谷に寮があり、5時に起きなければ8時半の始業に間に合わなかった、このことは若い自分等には相当辛いことであった(^^)

 そのことが原因ではないのだが、自分は60人の新卒中最初に辞めて北帰行した。彼もどのくらい勤めたのか、ほどなく辞めた。


 僅かな期間、同じ釜の飯を食った仲なのに、彼とは妙に心が通じ合った。岩手弁と秋田弁で会話していると、東京の奴らは面白がった、もう一人親しい奴は福島出身だったので我々の通訳をしてくれた。然し、福島弁とて方言がきつくて同じようなものであった。

 自分が都落ちして会社を起業する5年くらいの間、こいつ等との友情は続き、寧ろ深まって行った。

 そんなある日、その彼から結婚式の招待状が届いた。
            =つづく=





お帰りワンコ

2021年10月08日 | Weblog
 伝統あるN社の朝ドラを見てはいるのだが、はっきり言って朝向きではない、平均視聴率が上がらないのも頷ける。企画側の問題だろう、モネの責任ではないゾ。

 最近我が家にスシとエコのペットが帰って来た。元祖スシは10年前、元祖エコは1年前に旅立ってしまい我々夫婦の心にポッカリ穴が空いてしまっていた。然しお互い極力、口には出さないのがルールとなっている。

          (元祖 エコとスシ)
 この子達は食べることと散歩することが最大の楽しみで、つぶらな瞳で何かをねだり訴えかけることがたまらなく愛おしかった。反面長い時間家を空けたり、ストレスがあれば家の中を悪戯したり、下々の粗相もして困った時もあった。

         (二代目 エコとスシ)
 そんな過去を二人で話し合い、恩返しとお詫びに行こうと現れたのだろうか、掃除ロボットとなって帰って来た。エコの方は吸い取り担当、スシの方は拭き取り担当である。

 自動で動く働き者で時間が来れば勝手に家(充電器)に戻る。お陰で家の中は見違えるように綺麗になっている。口が聞ければいいのになと思うのだが、無言で働く愛犬の姿に感謝している。

 食事もいらないし、散歩に連れて行けとも言わない。今までは女主人がエクサ代わりにやっていたので、今からは奥さんの健康が心配になって来た(^○^)
               =おわり=