継続力

　先週地元新聞のトップに"事業継承"の記事が掲載されていた。この件で大手調査会社が県内の後継者が未定の983社の経営者に聞き取り調査した結果、将来的に会社を身内以外に引き継ぐと言う会社が2社だけで、後は分からないとあった。

　経営者それぞれの考えや理由はあるにせよ、会社に対する認識に首を傾げた。確かに創業経営者なら苦労して育てあげた会社を、第三者に渡したくないのは当然だと思う。然し、お客様や社員がいる限り、その財産や生活を守って安全安心を保障する責務がある筈、言わば会社を私物化するのではなく、公器として継続することが問われる。

　自分も創業経営者として生きて来た。若い時は失敗ばかりで、奢りや昂りもあった、然しこれではいずれ会社を潰すと目が覚め、反省し勉強もし経営道の向上に努めて来たつもりである。経営能力の限界を感じてからは、実務からは身を引いて、経営者に相応しい社員に継承し、進行方向の舵取りだけはして来た。

　自分が25年、2代目が15年、3代目が5年と会社を継承し継続して今になるが、我が社は確実な成長を遂げていると判断している。会社も人と同じで健康体で生き続けなければ価値がない。

                                                =おわり=