私は娘の声を虚ろな気持ちで聞いた。
娘は私を見るなり状況を察したのか直ぐに飛び出していったと思ったら、マスクを買って舞い戻り
「インフルエンザだよ、直ぐに医者に診てもらおう、注射一本で良くなるから」と断じ、
高熱と悪寒で震える私を引き立てるように車に乗せた。
驚いたことにカーナビには既に目的地が入力されており、
其処は半年前迄私の主治医だった医師が開院したばかりの病院だった。
私の病歴を知る元主治医は一通りの診断を終えると
「B型インフルエンザです。肺炎が悪くなっている、このまま入院した方がいい、紹介状を書きましょう」
と一気に進んだ。
この「入院」と言う言葉を聞いて娘はホッとした様子だった。
元主治医は直ぐに電話でベッドの空きを確かめた後、紹介状を書いてくれた。
しかし私は内心入院が嫌で堪らないので出来れば注射一本で貰って
このまま帰宅したかった。
総合病院に向かう車中、私は無口だった。
病室の特別の空気、真っ白な部屋に押し込まれた気分や点滴の苦痛への想いが気分を憂鬱にした。
総合病院に着くと娘が緊急救急受付センターと書かれた非常口から入るのだという。
其処は薄暗くヒンヤリとしており恰かも冷暗室の入口のようだった。
若い医師と看護師が私を待っていた。
つ づ く
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2 コメント
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- Unknown (トルク)
- 2018-02-28 08:18:14
- 入院したらいつ出られるのか分からない不安な気持ちお察しいたします。でも、わりと早く退院できてよかったですね。2月1日以降ブログが更新されないので、もしかしたらと思っていました。無理されないように、ボチボチやってくださいませ。
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- Re:Unknown (maria0022)
- 2018-02-28 08:44:07
- 肺炎が難敵で、これたら逃れることはできませんが普段の暮らしには差し支えはありませんが、寒いのは苦手です、早く温かくなるといいですね。
- 返信する
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