連続22日間入院したが治療を受けたのは高熱に見舞われた最初の7日間で
それ以外の日々はリハビリだった。
リハビリによってどうにか歩けるようになった頃、「在宅酸素にしますか?」
と主治医から打診があった。リハビリだけの患者を何時までも 入院させて置く
わけにはいかないと考えたのだろう。私に異論はなく直ぐに退院の手続きが
動き出した。
普通の退院であれば病室の荷物を片付けて「ハイサヨウナラ」で簡単だが
私の場合は酸素ボンベを引き連れての退院だから関係する書類を纏めあげ
るのも一仕事だったはず、娘は八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍だった。
まず酸素を扱う業者が来て器械の実物を見せながら取り扱いの説明した。
〈自宅用 酸素発生装置と携帯用ボンベ〉
続けてケアーマネージャーと訪問看護師にさらに市役所の職員も来て私を
面接した。私は娘から介護保険を利用することや障害者手帳を申請出来る
と聞かされていたので「介護が必要な年寄り」のような素振りをして面接に
応じた。
そして退院する日になった。私は携帯用ボンベを手で引き鼻の孔にチューブ
を差して廊下に出た。看護師さんが笑顔で送ってくれたし、遅れて主治医も
声に出して励ましてくれた。
私はふらつく足元に注意を払いながら出口に向かってあるいた。
私は漸く退院した。
お わ り
徐々に歩くことに慣れていってください。くれぐれも無理をなさらないように!
あなたの体調はその後快方に向かっていますか