晴れ、25度、90%
香港島の北と南では不思議なくらいにお天気が違います。南は南シナ海に面して海が拡がり、高い建物も少ないので空も拡がっています。北側がどんよりと曇っていても、南側は青空が見られます。湿度も低く、気温は高めです。南側のポッフラム道の街路樹はいち早く季節の移り変わりを知らせてくれます。5月に入ると、花は見えませんがこの道を窓を開けて車で走っていると、アカシアの花の香が満ちています。ああ、春が来た、この濃密なアカシアの香りはうっとりとさせてくれます。ところがそれから10日もすれば、赤いこんもりととした高木がこの道を彩ります。鳳凰木です。
鳳凰木の赤い花が咲くと夏の訪れです。信号停車のとき撮った写真、花の一つ一つは見えませんが、ランのような花形です。そして暑い、暑い夏中花をつけています。香りはありません。この花と青空とのコントラストは、亜熱帯の香港の夏です。この鳳凰木は、木ですが豆科の植物、秋も深まると30センチもの長いナタのような豆のさやを付けます。赤い花は散って、茶色いナタ豆がぶらりと下がる頃には香港も寒くなり始めます。
ちょっと迷惑な夏を告げる虫がいます。セミではありません。セミは4月ともなれば鳴き始めます。夏に入る前大量に発生するのが羽アリです。ほんの数日ですが、その数は荒ましい。 外灯に群がる羽アリです。家の窓を開けていると、もちろん闖入して来ます。そして夜も明けると、羽を落としてアリに変身。外灯の下は出来立てのアリと無数の羽で異様な風景となります。この羽アリの洗礼がなくては、香港は夏に入れません。
日増しに気温が上がり始めました。数字からすると、日本の方が高めですが、いやはや湿度の高さで暑さは倍に感じられます。5月も終わりに近付くと、いよいよ青空にムクムクした雲が拡がります。