雨、20度、96%
桜色した香りのよい桜のすし酢を頂きました。 桜の葉っぱの香りを移したお酢です。一緒に筍も頂きました。香港でも筍が市場に並ぶ季節になりましたが、香り、柔らかさは日本のそれとは比べ物にはなりません。
柔らかな筍を薄味で炊いて、寿司ご飯に混ぜました。熱々のご飯に桜のすし酢を加えると、立ち上る桜の香りです。桜の香りと言われて思い出す香りは、桜の花のほのかな香りでなくこの桜の葉っぱの香りだと気付いたのは、随分大人になってからのことです。桜の香りは取りも直さず桜餅の香りです。
筍のすし飯の上には、錦糸卵と柔らかなアスパラガス、海老そして友人が漬けてくれた桜の塩付けを飾りました。 筍が口に当たると、筍の香りとお酢をすったすし飯が口に拡がります。うっすらと桜色に染まったすし飯です。
桜の香りに誘われて、魚屋さんに並び始めた鰆を桜の葉っぱに包んで酒蒸しします。桜の葉っぱの塩気で充分。 いつもの酒蒸しならお酒が香りますが、桜の葉っぱに包んだ酒蒸しは、台所中桜の香りで一杯です。
主人が「頂き物、皆さんのおかげで日本の春の食卓だね。」と喜んでくれました。以前は、日本の食卓を恋しいとは思いませんでしたが、流石に30年近く海外で暮らし、還暦を前にすると日本の食べ物が一番落ち着くと思うようになりました。主人も私も食べる量が少なくなったものです。
桜のすし酢、まだ残っています。次は何のお寿司を作ろうかな。