曇り、27度、86%
30年近くの香港生活、大きな西洋の美術展があったのはこのモネ展を含めて4回目だと思います。長蛇の列が出来た印象派の展覧会、モジリアニ、ピカソ、そしてモネ。音楽、舞踊、演劇の公演は以前から盛んですが、美術展に関しては至って後進国です。
場所は、前回ピカソ展があった同じシャーティンの香港文化博物館、確か4年前だったと記憶しています。久しぶりに島を出て本土に渡りました。地下鉄、電車を乗り継いで行きます。この数年の間に、香港の電車網はグングン延びています。駅も乗り換えに便利なように改築され、我が家を出て1時間以内で目的地に着きました。
4年前はまだ真新しく所々工事をしていた駅舎も立派に完成。一歩駅を出ると、何処かのホテルかと思うような立派な門構えのマンションが出来ています。シャーティンは、競馬場や端午節のドラゴンボートで有名な街です。人工の川があり山に囲まれ、香港島には望めない大きな空が拡がっています。 左手の薄茶色の建物が香港文化博物館です。息子がいた頃は毎週日曜日、野球のために通った街です。
今回のモネ展、出展作品数は17点。毎年5月にある「フレンチメイ 法國五月」という行事の一環として行われています。作品中14点は、フランスの美術館より貸し出されたものですが、3点は地元香港の個人蔵のものです。
入館料が日本に比べると非常に安い、$20(300円程)です。毎週水曜日は半額。その上作品の写真撮影も可能です。
THE SPIRIT OF PLACE「他郷情韻」と名前が謳っているように、ロンドン、ナポリ、モネが長く住んだジェヴェルニー、パリ郊外の景色を集めた作品です。1点のみ撮影禁止でした。15点、人ごみの中で映したものをのせます。
この作品はオルセー美術館からの貸し出しです。 同じ風景を時間、あるいは年月を経て書き続けたモネですから、よく似た絵を何処かしこで目にしています。ところがこちら、 ナポリのゴンドラですが、間近で観ると非常に大胆な筆遣いです。ところがこうしてレンズを通すと、不思議なことにやはりモネの絵です。
大きなサイズの藤の花。香港には藤がありません。ちょうど日本は藤の季節ですね。
以下3点が香港の個人蔵のもの、有名な睡蓮もこんな作品があったのかと驚きます。
展示も光の当て具合や余興も随分と進歩しています。展示場内にはジェヴェルニーのモネの家を模して作られた眼鏡橋と睡蓮の池、その周りにはモネが絵を描いている姿が映像で写し出されていました。音声解説機も貸し出されています。写真が撮れますので、図録、目録はありません。
館内の入り口です。上を見上げると、3階では「ブルースリーの特別コレクション」がかかっています。思わず香港らしさに一人で笑いました。7月11日まで、火曜日は休館です。夏休みが始まる前にもう一度この川のある街を尋ねるつもりです。