曇り、26度、91%
5月に入ると日本からはお花畑の便りが届きます。生憎、この香港はお花畑のような物がありません。お花やさんの店先には季節感のない栽培された世界中の花が集まっています。その中でも、ラナンキュラスは数年前までは冬の終わりから初夏にかけてしか入荷されませんでした。巨大花市場のアムステルダムの温室栽培の花達です。
ラナンキュラスが本当に花をつける季節を知りませんが、私にとっては春を告げる花です。色も様々。白、赤、ピンク、黄色、オレンジ、紫。どの花色も好きです。花びらの薄さが、まるでシルクのようで薄く薄く透けています。花びらが波打つようなフリルの花、フラットな花があり、フリルの方は華やかですし、フラットな方は慎ましやかです。
ラナンキュラスのまだ堅い緑の莟の頃、そしてその莟がほころび始めるとほころび目から花の色が顔をのぞかせます。 ゆっくりと花が膨らみます。一晩で開いてしまった時はなんだかがっかりします。開き始めは、色がギュッと固まったように濃く感じますが、開き始めると拡がりとともに色も薄く散って行くようです。 まだ芯の方の花びらには色が濃く残っています。段々に見えて来るめしべやおしべ、花の持つバランスを全て見せてくれます。
どんな小さな花でもきれいだと思います。もちろんゴージャスな薔薇の花も素敵です。私がラナンキュラスに感じるのは、品の良さでしょうか。
この球根の花、茎が中折れしてしまうのが唯一姿を損ねるように思います。