先月MAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、今年首都圏(ソウル市内とその近郊)で開業したばかりの新路線も幾つか乗車機会がありましたが、その一つが仁川(Incheon)市内を走る都市鉄道2号線です。
仁川2号線は仁川都市鉄道(仁川地下鉄)1号線に続き、仁川広域市では2路線目となる地下鉄路線で、黔丹梧柳(Geomdan Oryu)~雲宴(Unyeon)間の29.2㎞が7月末に一挙開業、運営も1号線と同じ仁川交通公社が行っています。
線路幅は韓国の列車線や都市鉄道各線と同じ標準軌(1435㎜)となっていますが、韓国では「軽電鉄」と呼ばれる小型車両を用いた第3軌条方式の路線で、電圧も架線集電式の1号線とは異なります。
2路線間での車両互換性は全くない事もあり、2号線の車両基地は既存1号線の車両基地とは別に雲宴駅の南側に設けられています。
この駅の周辺は開発もまだまだこれからと言う雰囲気で、発着する市内バス路線も少なく閑散とした印象でした。
南端となる雲宴駅だけでなく北端となる黔丹梧柳駅も、駅周辺は閑散とした状況で今後の開発に注目…という雰囲気でした。
こちらは雲宴駅に比べると市内バス発着系統数こそ多いものの、駅前のバス発着場には停留所ポールがなく、地元民でもない限りは何処にバスが停車するのかも判別できない有様だったのには閉口させられたものでした。
(2号線乗車時には仁川市内在住の知人と行動を共にしており、知人がバス停車場所などを把握していましたので無問題でしたが、単独行動だったら結構厄介だった…と感じる状況です)
また両端駅は他鉄道線との接続がない単独駅ですが、途中駅の黔岩(Geomam)でKORAIL空港鉄道・朱安でKORAIL京仁電鉄線(ソウルメトロ1号線直通)・仁川市庁で仁川1号線にそれぞれ接続しており、統合運賃制のお陰で他事業者路線との乗り換え駅となる黔岩や朱安での乗換でも、運賃負担をほとんど気にせずに利用できるのは有難い限り(黔岩でKTXに乗り継ぐ場合は例外)です。
車両は軽電鉄規格の路線と言う事もあり、開業に合わせて新形式2000系が導入、小型車両で2両という都市鉄道にしては非常に可愛らしい編成です。
韓国内を走る地下鉄各線の中では断トツの短編成ですが、ホームは4両分までの延伸に対応、車両側も将来の需要増を想定し増結が容易に出来る様になっています。
車内は比較的シンプル、韓国の都市鉄道では典型的な雰囲気と言っても過言ではない仕上がりになっていますが、自動運転を実施し基本的に乗務員が乗務しない運行形態(監視要員が乗務する場合もあり)をとっています。
そのため最前部は前面展望が存分に堪能できる特等席となっており、地下鉄故に地下区間が主流ながらも、北側を中心に所々で地上区間も存在します。
前面展望が楽しめない路線も多い韓国都市鉄道の中では、乗って楽しむのも絶好の路線と感じたもので、全線乗り通すと50分程度を要するものの、乗り通しても飽きないと感じたものでした。
仁川広域市内では、全面新規開業の営業路線はこの2号線1路線だけですが、他にもKORAIL水仁線が松島(Seongdo)~仁川間で延伸開業しています。
これに加え仁川国際空港のある永宗(Yeongchong)島でも、仁川空港公社が運営・現時点では運賃無料の磁気浮上鉄道が開業しており、今年の仁川市内は鉄道新線ラッシュと言っても過言ではない状況で、この2路線にも乗車機会がありました。
磁気浮上鉄道は運賃無料の現状では、営業路線とは言い難いですが、全面新規開業路線で趣味的にもかなり興味深い存在と感じ、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。