先日「MAKIKYUのページ」では、高松琴平電気鉄道(琴電)の1080形電車に関して取り上げましたが、今日は琴電の最新形式でもある1300形電車に関して取り上げたいと思います。
この車両は先日取り上げた1080形と同じく、元は京急の旧1000形電車ですが、こちらは旧1000形の中でも当初から集中型の冷房装置を搭載した後期形の車両が種車となっており、この車両ですら本家京急では普通車ばかりで運用され、快特や地下鉄直通で活躍する姿は…という有様ですので、時代の流れを感じさせられます。
また同じ京急旧1000形でありながらも、先日取り上げた1080形とは全く異なる1300番台の形式を名乗っているのも大きな特徴で、この車両は京急ずくしの琴平線ではなく、終日2両編成で運行される長尾線用に導入されているのですが、その事もあって他車両との併結を考慮しなくても良いために、今まで京急→琴電への移籍車両では定番となっていたブレーキ装置の改造が実施されていないのも特徴です。
そのため長尾線の電車も琴平線に乗り入れる高松築港~瓦町間では、琴平線で活躍する1080形との顔合わせも日常茶飯事でありながらも、同じ京急旧1000形同士でも併結出来ない状況になっており、琴電名物の異形式併結も見られないなど、異色の存在になっています。
ただブレーキ装置の改造は行われていないとはいえ、車内は座席モケット・床材・つり革などが京急時代とは異なるものに取り替えられており、この点は同じ京急旧1000形の琴電移籍車両の中でも、原型を強く留める1080形との大きな違いとなっているのも特徴ですが、日頃京急旧1000形には時折乗車するMAKIKYU(最近はその機会も随分減りましたが…)としては、雰囲気の違いが強く印象に残ったものでした。
現在1300形は長尾線でやはり京急からやって来た1200形(元700形)や、旧名古屋市営地下鉄の小型車両と共に活躍しており、京急時代は地下鉄に乗り入れ、更にその先にある首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)まで乗り入れていた車両が、所変わっても地下鉄車両と同じ線路を走る事はこの車両の運命なのか…と感じてしまいます。
現状では他車両との併結が不可能ですので、終日2両編成での運行となる長尾線以外に導入線区の選択肢はなく、今後も引き続きこの車両を導入して長尾線既存車両の他路線転出→他路線の経年車代替が行われるのか、異色の少数派として走り続けるのかも気になる所です。