ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

タイマーズから浜田省吾まで、反原発ソングを集めてみた

2011年03月27日 | 音楽
何となく反原発ソングを集めてみました。今更ながら忌野清志郎の存在の大きさを思う。

Love Me Tender -The Timers-



RCサクセション サマータイムブルース~LOVE ME TENDER



チェルノブイリ - THE BLUE HEARTS



警告どおり 計画どおり / 佐野元春



僕と彼女と週末に at渚園(from DVD 僕と彼女と週末に)―浜田省吾



僕と彼女と週末に 櫻井和寿




こうやって見るとやはりチェルノブイリ原発事故の時に活動していた頃のメンバーばかり。ミスチル・桜井の歌もこれは浜田省吾の楽曲のカバーだし。最近の日本のロックはミニマリズム的で、社会問題への関心が薄いからかもしれない。それとも事態が落ち着けばそういった動きも出てくるのだろうか。

忌野清志郎がTIMERSを結成したのは、当時、RCサクセションが所属していた東芝EMIが、反原発ソングだとして発売を自粛したから。親会社の東芝は今でも原子力発電所産業の中核を担っている。

浜田省吾の「僕と彼女と週末に」は、曲中に挿入される詩が何ともいえない。

 週末に僕は彼女とドライブに出かけた。
 遠く街を逃れて、浜辺に寝転んで
 彼女の作ったサンドイッチを食べ、ビールを飲み、
 夜空や水平線を眺めて、僕らはいろんな話をした。
 彼女は、彼女の勤めてる会社の嫌な上役のことや
 先週読んだJDサリンジャーの短編小説のことを僕に話し、
 僕は、今度買おうと思ってる新しい車のことや
 二人の将来のことを話した。
 そして、誰もいない静かな海を二人きりで泳いだ。

 あくる日、僕は吐き気がして目が覚めた。
 彼女もひどく気分が悪いと言い始めた。
 それで僕らは朝食を取らず、浜辺を歩くことにした。
 そして、そこでその浜辺でとても奇妙な情景に出会った。
 数え切れないほどの銀色の魚が、波打ち際に打ち上げられてたのだ。


安易に原発を否定することはできないという人がいる。「計画停電」が示しているように関東圏の電力は原発によって支えられていたのだから。

彼らは言う、より信頼性の高いシステムを構築し、障害を起きないような対策と、障害が発生した後の対処も考えたフォールトトレランスシステムやバックアップシステムを構築する必要がある、と。

こうした思考には2つの点から疑問がある。

1つは経済性の問題。原子力発電が推進されてきた背景には、火力発電が自然への負荷が高いことや石油を海外からの輸入にたよらざろうえないこと、増大する電力需要へ対応といったこともあったのだろうが、やはりコストパフォーマンスのよさがあったからだろう。

しかし今後、今回の東北太平洋沖地震と大津波クラスの災害、あるいはそれ以上の災害にも対処できるような設備やオペレーションを構築しようとすれば当然コストに反映される。そうした中で、果たして原子力発電に妥当性があるのか。

そしてもう1つは、結局「ブラックスワン」の問題は解決しきれないのだ、ということ。

 東日本大震災:福島原発事故とブラックスワン - ビールを飲みながら考えてみた…


それでも原発の必要性を説く人々は、適切な情報があれば「合理的な判断」や「推論」で問題に対処できるという思考の下に成り立っている。

それは今に始まったわけでなく、福島原発の建設の際もそうだったのだろう。後だしの批判は簡単だけれど、その当時の合理的な「想定」では、津波はせいぜい5~6mしか考えられず10mの防波堤を作れば「対処」できるはずだったのだろう。いくつものバックアップシステムがあり、1つや2つの障害でもシステム全体が危険になることはなかった。起こるかどうかわからないものに対処はできず(不要で)、起こりうる可能性のあるものに、適切な範囲で対策を施した。

しかし現実には「想定外」の「起こりえないこと」が起こったのだ。

そうしたものは、「合理的」に「想定」できることのないリスクとして存在する。世界最大の津波は1958年にアラスカで起きたもので高さは520mにも及んだという(ただしこれは岩石の崩落によるもので地震が原因ではない)。では、700mの防波堤で囲めば安全だといえるのか。あるいはそういった対処は「合理的」に考えたときに妥当なのか。

またこれまでの調査から福島近郊で起こりうる地震の最大規模はM6.8と想定されていた。そしてそれを下に耐震強度の調査は行われている。では、チリ地震(M9.5)やスマトラ島沖地震(M9.3)以上に耐震性を用意すれば安全なのか。

科学的な思考法、合理的な思考法からすれば、それに安全率をかけることくらいがせいぜいで、結局、どこまで対応すれば安全になるかは語ることができない。不可知の領域は残ることになる。

それを僅かな「リスク」だとして許容できる範囲を、今回の震災~原発事故では超えただろう。起きてしまった後の影響があまりに大きすぎる。

足りない電力をどのように補うか(何によって代替し、どのように需要をセーブするか)を議論する方が、よほど妥当な気がするのだ。


ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 / ナシーム・ニコラス・タレブ


斉藤和義の反原発ソング「ずっとウソだった」が挑む音楽業界の壁 - ビールを飲みながら考えてみた…

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ニューエスト・モデル (やもめ)
2011-04-08 14:15:13
ニューエスト・モデル(現ソウル・フラワー・ユニオン)が沢山発表してました。「ニュークリア・レース・オア・ヒューマン・レース」「ラジエーション」「まどろみ」「杓子定木」等等。2ndアルバムのタイトルはずばり『プリティ・ラジエーション』でしたよ。
反原発ソング (うさぎ)
2011-04-09 15:12:09
たくさんありますよね。
RC ブルーハーツ・・・それとTHE MINKSの「やめてくれ」はスリーマイル島の事故の歌 是非 ご拝聴ください
「僕と彼女と週末と」は・・・ (@snoopy__)
2011-04-09 18:07:44
浜田省吾 作詞/作曲の「僕と彼女と週末と」って、東西冷戦時代の核保有に対して&省吾の父が広島の原爆で二次被爆を受けたことetc.から、反核視点で描かれた曲だと思います。

原発については、彼の曲からは反対とも支持ともとれないというのが正しい解釈なような気がします。

反戦、反核、平和主義、経済格差、日米関係、マネーゲームを憂う曲は多々ありますけど。
Unknown (beer)
2011-04-10 00:41:25
他にもいろいろあるのでしょうね。Dragon Ashの「チェルノブイリに悲しい雨が降る」や頭脳警察あたりにもありそうですよね。他にもあれば、紹介いただければと思います。
ブルーハーツ (きよみっちゃん)
2011-04-10 06:07:08
ブルーハーツは「ばくだんがおっこちるとき」でしたか?うろおぼえですが
マーシーが歌っていましたね。
ブルーハーツ (きよみっちゃん)
2011-04-10 06:09:54
ごめんなさーい、間違えました。チェルノブイリですね。削除お願いします。
A NEW STYLE WAR (ぺいちゃん)
2011-04-10 21:22:12
浜田省吾の「A NEW STYLE WAR」では、
原発に対する警鐘が歌われています。
タイマーズでもう1曲 (catty)
2011-04-10 22:11:38
ザ・タイマーズの「ロングタイムアゴー」もよろしくです。
計画停電はプロパガンダ (kuma)
2011-04-11 08:21:02
計画停電は、原発の必要を印象づけるためのパフォーマンスだったとジャーナリストの上杉隆さんが言っていました。もし本当なら、人命救助第一の時に妨害をするような行いに憤りを覚えます。
はじめまして (まりくーと)
2011-04-12 21:15:49
こちらのページを紹介させてください。
色々な人が色々な形で反原発を表明し、最終的には原発が存続できなくなるといいと思います。一般庶民にもできることがあるはず!頑張りましょう。

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