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ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

「ロスト・イン・トランスレーション」ソフィア・コッポラに映った都市「東京」

2005年03月27日 | 映画♪
これが日本人の男女が主役で場面が香港だったり、あるいはニューデリーやだったりすると彼らの感じた孤独や違和感にもう少し近づけたのだろうか。「ヴァージン・スーサイズ」のソフィア・コッポラ監督が、自身の東京での経験を下に、異国での孤独や不安といった空気を見事に切り取った作品。あるいは東京の現在をもっとも美しく撮った作品。 ウィスキーのコマーシャル撮影のため来日したハリウッド俳優のボブ・ハリス(ビル・マ . . . 本文を読む

「つめたく冷えた月」と「イノセント・ワールド」

2005年03月21日 | 映画♪
正確に言うとリュック・ベッソンの作品ではないのだけれど、その名につられてビデオを借りて、で、「グランブルー完全版」よりもはまった作品。経済原則だけで調達し「映画への愛」を感じられない近所のレンタルビデオ屋で何故か「つめたく冷えた月」のDVDが…やるな、ビデオ屋。フランスの中堅俳優パトリック・ブシテーが監督、原作はチャールズ・ブコウスキー。「屍姦」をモチーフにした作品だ。 デデ(パトリック・ブシテ . . . 本文を読む

「エレファント」:ガス・ヴァン・サントが描いた今という時代の「何か」

2005年03月20日 | 映画♪
これが事実だなどと語るつもりは到底ない。「ボーリング・フォー・コロンバイン」が「ドキュメンタリー」という名の下で再構成された「虚構」であるのと同様、この物語もあくまで「虚構」に過ぎない。しかしガス・ヴァン・サント監督の描いた世界は、単純に虚構と言いきれない「何か」がある。コロンバイン高校で起きた乱射事件とそれを理解しようとした社会との間にあった「隔たり」。この映画が突きつけているものは実はこの絶望 . . . 本文を読む

APPLESEED-モーションキャプチャーがつくる限界と可能性

2005年02月28日 | 映画♪
原作が士郎正宗だとか、モーションキャプチャーがどうだとか、切り口は幾つもあるのだろうが、この映画の最大の魅力は何と言ってもメカの動きがかっこいいことだ。「スターウォーズ」の「Xウィング戦闘機」にしろ、「ナウシカ」の「メーヴェ」にしろ、「ガンダム」の「ザク」にしろ、古来、SFやアニメはメカがかっこよくないと始まらない。それにしても「暗殺サイボーグ」や「ランドメイド」の疾走感、しなやかさと言ったら、「 . . . 本文を読む

「25時」エドワード・ノートンとスパイク・リーが描いた「アメリカ」

2005年02月21日 | 映画♪
「24」はCTU捜査官ジャック・バウアーが家族のため、大統領候補暗殺事件阻止のために活躍した24時間を追ったアクションものだったが、こちらは刑務所に収監されることが決まっている男の収監までの25時間を追った物語だ。あと25時間後に男の人生が終わるという時、本人にとって、周囲の人々にとっても、真実の有り様が突きつけられる。自分がしたことは何だったのか、彼に対して自分は何をしてきたのか、これからも彼の . . . 本文を読む

シッピングニュース:それでも人生っていいかな、と素直に思う

2005年02月13日 | 映画♪
HAPPYなだけのENDINGの映画は好きではない。そんな風に僕らの人生はできあがっていないから。ただひたすら悲劇的な映画も好きではない。あるゆる出来事を「悲劇」として見てしまうのは自分自身だし、そんな悲劇にするほどナルシストではないから。「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」…ラッセ・ハルストレムの描く映画はどれもそんなにすっきりしない。当 . . . 本文を読む

列車に乗った男:パトリス・ルコントが描く2人の男のダンディズム

2005年02月11日 | 映画♪
「老い」とは何かを許すことなのだろうか、何かを受け入れることなのだろうか―おそらく老いてからでなければ、決して出会うことのなかったであろう2人の男。一人は小さな町で子供たちに「詩」を教えつづけてきた初老の元教師。そしてもう一人は14年間のサーカス暮らしに疲れ果て銀行を狙う男。タイプの異なる2人の男の友情、否、心の触れ合いを巨匠・パトリス・ルコントが描いた秀作。「タンデム」とは一味違った男の世界があ . . . 本文を読む

「竜馬の妻とその夫と愛人」と映画と演劇のコメディの難しさ

2005年01月30日 | 映画♪
一時期、司馬遼太郎にはまった時期があった。きっかけは司馬の「竜馬がゆく」。もう夢中になってそのままその前後の時代(「世に棲む日日」や「翔ぶが如く」)を一気に読んだ。志士として時代の変革に身を投じた彼らを羨ましく思い、自分だったらこの中の誰それタイプかなとか考えつつ…まぁ、そんな話はおいておいて、「竜馬がゆく」にも軽く書かれていたように、坂本竜馬は妻・お龍にぞっこんだったようで、日本ではじめてハネム . . . 本文を読む

「21グラム」 絶望の果てに見つけた希望の物語

2005年01月16日 | 映画♪
これほど苦しみつづけてまで人は生きていかねばならないのだろうか―。「忘却」こそが人に与えられた最も優れた能力であるとしても、現実はそんなに簡単にはいかない。闇の中をもがき続けている人間は光溢れる世界を想像することなどできない。しかしもしかしたらそんな暗闇の中にでも希望への胎動があるのかもしれない。ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロの3人がそれぞれの苦悩と葛藤を見事に演じきった傑作 . . . 本文を読む

ジャック・ニコルソン×ダイアン・キートンの「恋愛適齢期」

2005年01月10日 | 映画♪
まさかダイアンキートンのヌード姿を見ることができようとは!共演相手は「シャイニング」で怪演を演じているジャック・ニコルソン!しかも恋愛コメディ!この組み合わせだけでもワクワクするが、実際、演技もストーリーも期待を裏切らない。2時間強が退屈することなくアッという間に過ぎていく大人の恋愛コメディの秀作。幾つになってもドキドキする気持ちはコントロールできないのだ。 ハリー(ジャック・ニコルソン)は音楽 . . . 本文を読む

「ホテルビーナス」:草薙剛らが傷ついた者たちを好演!

2004年12月31日 | 映画♪
「LOVE PSYCHEDELICO」の音楽とモスクワ国際映画祭最優秀受賞の話題につられて「ホテルビーナス」を見る。あまりTVを見ないので知らなかったが、この映画、フジテレビ深夜のバラエティ「チョナン・カン」からのスピン・オフ企画だとか。それもあってか映画は全編韓国語。監督は「チョナン・カン」のディレクター・タカハタ秀太で、PVなども手がけているとか。確かに一つ一つのシーンの撮り方やイメージの作り . . . 本文を読む

「めぐりあう時間たち」-自分らしく生きることの「困難さ」と「決意」

2004年12月29日 | 映画♪
日常のささやかの営みの中にこそ「幸せ」は転がっているというのは正論だろう。多くの人々はそうした営みの中にとどまりながら天寿を全うしていくのだから。しかし今、自分の生きている社会や暮らしというものの生き難さに耐えられない人間はどうしたらいいのか?ただ「生きること」を肯定し強要する社会において、自分らしく生きるための選択はそれだけで尊重されるべきだと思う。ヴァージニア・ウルフの選択もローラ・ブラウンの . . . 本文を読む

「ナビィの恋」 女はいくつになっても大胆に!

2004年12月19日 | 映画♪
「ハウルの動く城」では18の少女が90歳の老婆となりそれでも恋のために爆走する!という物語だったけれど、こちら19歳の頃の恋心を60年間の抱きつづけた老婆の恋愛物語だ。といっても「東京夜曲」のように秘めた想いを胸の奥に抱きつづける――なんてのは南国のラテンな気候が許すわけはない。沖縄の美しい青い空の下、真っ赤なブーゲンビリアのようにルビィの恋は咲き乱れる。難いことなしに楽しめる恋愛コメディ。日本の . . . 本文を読む

パトリス・ルコントの「歓楽通り」―無償の愛の行方

2004年12月13日 | 映画♪
女性の「艶っぽさ」を描かせるとパトリス・ルコントは何とうまいことか――「髪結いの亭主」「仕立て屋の恋」などパトリス・ルコント作品の王道を行く作品。娼館の女性たちがいとおしい。 舞台は第2次大戦前後のパリ、まだ娼館が立ち並んでいた頃、その1つ「オリエンタル・パレス」の娼婦たちに囲まれながらプチ・ルイ(パトリック・ティムシット)は育った。多くの女性に可愛がられてきたためか、プチ・ルイは子供の頃から「 . . . 本文を読む

草薙剛氏と竹内結子が共演した「黄泉がえり」

2004年12月05日 | 映画♪
SMAP1の演技派となった草薙剛と「いま、会いにゆきます」でも主演している竹内結子によるちょっと切ないファンタジー。感動すると評判となり、またRUI(柴咲コウ)の歌も大ヒット。まぁ、ハマル人にはハマル映画なんでしょう。 九州の阿蘇地方で死者が自分を想い続けてくれていた人の前に突然姿を現すという現状が起こる。厚労省に勤務する川田平太(草薙剛)はこの現象を確かめるために自分の故郷の町へと乗り込む。そ . . . 本文を読む