
◎2008年12月29日(月)─1人
今回の金峰山は、雲取山に行った時に決めていた。八ヶ岳もいいが、1人で行くんじゃつまらない。そんなイメージが八ヶ岳にはある。一人黙々と歩く山としては、「ちょっと」いう感じ。むしろ、冬でも「皆でワイワイ」と行くところかな。それで、1人歩きに似合う金峰山となったのだが、廻り目平から入るには、家からのアクセスが少々遠いから、前夜に佐久平駅前の東横インに泊まった。タダ券もあったし、どうせ途中だしと。ところが、支払いの際、日曜日だったためか3,800円とのこと。だったらここでタダ券を使うのはもったいない。7,000円の所でもそのまま使える。タダ券はやめにして現金払いにしたが、このホテル、コンビニが遠いところにあり、夕飯の買出しに行ったら、身体がすっかり冷え切ってしまった。駅前は、安中榛名よりは活気があるけど静かなところだねぇ。夜がえらく長く感じた。持参の本を一冊読み切ってしまった。
さて翌日、6時18分にホテルを出た。偶然か、いつもの出勤タイムだ。国道140号線は信号もスムーズに行き、川上村に入るともう夜が明けている。八ヶ岳の全容が見える。気温は-11度。車の中だから感じないが、かなり寒そう。川端下行きのバスを追い抜く。バスにはだれも乗っていない。廻り目平に着く。7時半。車がしばらく行けそうだったので、つい先に行ってみたら、チェーンが張られていた。狭い所をUターンして、戻って、金峰山荘下のちょっと先に駐車した。他に尾張ナンバーの車が1台。もう雪になっている。不思議に思ったのは、Uターンしたところで男女2人が休んでいたのだが、時間的に、これから出発とばかり思っていた。ところが、オレが出発しようとしたら、下ってきた。もしかして、もう下山かなと、えらい早いなと思った。日の出からまだ1時間もたっていない。
8時出発。雪が被ってはいるが林道が長い。歩きながらしばらく迷っていた。いきなり雪だったから、雪山専用で歩いていた靴を履いた。雲取山は夏靴だった。これがなかなか固くて、足がスムーズに動かない。どうしようかずっと迷っていた。積雪有りとはいっても15cm程度の雪だったら、夏靴でも行けるんじゃないか。今日の靴がこんなに重く感じるのだったら、今日はヤメにした方がいいかな。出だしの気分、体調が常に後に響く。ずっと、そんなことを考えていた。正直のところ、その時点では、もう帰ろうなとまで思っていたが、結論がつかないままで林道終点。車に積んでいる靴に交換するにしても、時間が遅すぎる。8時44分。ジムニーとオレンジのテント。ジムニーはおそらく小屋関係者だろう。テントは酔狂な人もいるものだといった感想。2人くらいの小さなテント。
山道に入って、ようやく雪山靴も足に慣れてきてくれた。積雪は20cm程度になった。林道が切れてからは登山道に入る。登りにも靴の違和感を味わなくなった。ここからは本格的に、秩父の山にありそうな樹林帯に入っていく。足がようやく楽になったら、急に、あの出がけに下山して来てカップルが気になった。金峰山小屋から2時間だとして、小屋を出たのはおそらく5時半。まだ暗い。ライトで下りて来たのだろうか。随分と慌ただしい山行だ。結構、ワケ有りカップルだったりして。そんなヒマなことを想像していたら、騒がしい感じのオバサン3人組が下りてきた。樹林の中、遠くから声が聞こえた、あの尾張ナンバーの車の方たちだろうか。すれ違った。3人のうち、2人はアイゼンをつけ、1人はピッケル。オレはずっと何も無しで歩いてきた。車にはピッケルを積んではいたが、雪の状況を見て、この間の雲取同様に、杖を1本ザックに括りつけ、アイゼンはザックに入れたまま。ただ、そろそろ付け時かなとは思っていた。休憩に手頃な場所を、今度は本気で探し、そこでアイゼンを付けたかった。だが、手頃な場所もないままでいた。そして、犬連れの若者下ってきた。きっと小屋関係者だろう。ゴム長を履いていた。
道が平坦になり、また上り。大きな岩が現われ、小屋が近いことを記憶から蘇った。確かに金峰山荘の屋根が見えた。10時25分。小屋のオジサンが雪かきをしていた。露岩にどっこいしょをして、ようやくアイゼンを付ける。付けながら、暇を持て余し気味のオジサンといろいろ話をした。積雪は40~50cm。昨夜は5人泊まって、2人は夫婦。その夫婦が廻り目平に下りたそうだ。その2人にオレは出がけに会ったわけだ。残りの2人は大弛峠に向かい、1人は増富に下りたとのこと。さらに、オレが途中ですれ違った女3人は、林道終点でテントを張って、忘年会をしたそうだ。すべて話が筒抜け。山では、個人情報も何もない。しかし、よくあんな小さなテントで3人も寝られたもんだなと感心した。ついでに、オジサンに、年末年始の予約はいっぱいでしょ?と聞いたら、「全然」だそうな。今の世情かね。山でも不景気だったりして。
オジサンに、表示の通り、ここから山頂まで20分ですね?と聞いたら、雪があるからもっとかかるんじゃねぇのとは言っていたけど、オジサンとの世間話を終わって山頂に向かったら20分ちょうどだった。11時着。親子連れが3人いた。子供たちは食事をし終わったばかりらしく、もう下山の準備。ジイチャンが「そろそろ下りるよ」と言っていたが、その手には、まだオニギリがあった。孫2人をジイチャンが連れて来たという感じ。孫は完全武装。3人がいる間は、こっちもその辺の景色をカメラに収めて時間つぶし。しかし、掛け声ばかりで、なかなか下りて行ってくれない。富士山バックの写真を終えて、ようやく下りて行った。狭い山頂、出来れば気兼ねなく過ごしたいもの。雲取と違って、風はない。むしろ暑いくらい。完全武装の孫が、オレのフリ―ス姿を見て、奇異に感じたようだったが、それくらい暑かった。5度くらいか。2,600mの高さで、この時期、これは珍しい。今日の富士山は見事だ。晴れ渡り、裾野まで覗き、下に甲府らしき街まで望める。そして、圧巻はやはり八ヶ岳。南アルプスと中央、北アルプスの一角。それに比べてくすんで見えるのが国師。まだ小川山が立派に見える。しばらく、景色に見とれ、親子が行った後にセルフで何枚か。昼飯は五丈岩の下でと下る。そこに、鼻水を固めた青年が上がって来た。背中には、秩父の山には似つかわしくないスノーシュー。どこをスノーシューで歩くつもりで来たのだろうか。
五丈岩の下からの富士山もいい。オニオンスープを飲んで、スポンジケーキを食べた。お湯は東横インで入れた。五丈とは15m。正確には、一丈=10尺=3.03m。×5となる。果たして、そんなに高いのか。当初、ここからの帰路は大弛峠経由も想定していた。金峰山小屋のオジサンも、このルートにはトレースもあると言っていた。だが、大弛峠から国師岳に行くような時間もないだろう。そのまま、来た道を帰ることにした。大弛峠からの下りは2時間半。林道歩きの長距離は、この間の小夜戸山で懲りた。巣神山からの裏ルートはもっとあった。
結構な急坂を下って金峰山小屋。オジサンには挨拶もしないで素通りした。後は退屈な下りだけ。だれにも会わない。面白いね。雲取山には、あんなにわんさか行くのに、ちょっと離れた金峰には、この時期、ほとんど来ない。百名山でも素通りの山なんだね。そんなことを考えていたら、ようやく、登って来るオッサンに出会った。下り時に会ったのはこの方だけ。アイゼンの締めが甘かったのが下りで出てきた。プレートを付けていたのだが、このプレートが滑ってグラグラする。プレートがないと、靴に雪がコブ付くし一長一短だね。気になりながらもそのまま歩き、林道出会いでうっとうしくて外した。テント場は撤収していた。あのオバサン3人組、これからまた、どこか別の山に向かっているのかな。おそらく、オレの車の隣に駐めてあったのが、あの方々の車だろう。真っ暗闇と寒さの中でテントを張るくらいだから、そのまますんなりと名古屋方面に帰るとは思えない。
林道がやけに長い。それにしても、今日の登山道は整備されていた。そのことを金峰山小屋のオジサンに話したら、自分らがやったようなことを言ってはいたが、「不思議に、例年になく、人が入っているんだよね」と付け加えていた。積雪は、例年並みらしい。さて、ここでスノーシューのトレースを発見。林道をおよそ300m。来る時はなかったもの。あの鼻水青年、ここで無理してスノーシューを履き、後はずっと背中だったな。
駐車場に着いたのは13時13分。山頂から1時間40分程度だったけど、久しぶりの冬靴と12本爪で足が疲れた。しかし、先日の雲取に比べたら楽勝だね。
今回の金峰山は、雲取山に行った時に決めていた。八ヶ岳もいいが、1人で行くんじゃつまらない。そんなイメージが八ヶ岳にはある。一人黙々と歩く山としては、「ちょっと」いう感じ。むしろ、冬でも「皆でワイワイ」と行くところかな。それで、1人歩きに似合う金峰山となったのだが、廻り目平から入るには、家からのアクセスが少々遠いから、前夜に佐久平駅前の東横インに泊まった。タダ券もあったし、どうせ途中だしと。ところが、支払いの際、日曜日だったためか3,800円とのこと。だったらここでタダ券を使うのはもったいない。7,000円の所でもそのまま使える。タダ券はやめにして現金払いにしたが、このホテル、コンビニが遠いところにあり、夕飯の買出しに行ったら、身体がすっかり冷え切ってしまった。駅前は、安中榛名よりは活気があるけど静かなところだねぇ。夜がえらく長く感じた。持参の本を一冊読み切ってしまった。
さて翌日、6時18分にホテルを出た。偶然か、いつもの出勤タイムだ。国道140号線は信号もスムーズに行き、川上村に入るともう夜が明けている。八ヶ岳の全容が見える。気温は-11度。車の中だから感じないが、かなり寒そう。川端下行きのバスを追い抜く。バスにはだれも乗っていない。廻り目平に着く。7時半。車がしばらく行けそうだったので、つい先に行ってみたら、チェーンが張られていた。狭い所をUターンして、戻って、金峰山荘下のちょっと先に駐車した。他に尾張ナンバーの車が1台。もう雪になっている。不思議に思ったのは、Uターンしたところで男女2人が休んでいたのだが、時間的に、これから出発とばかり思っていた。ところが、オレが出発しようとしたら、下ってきた。もしかして、もう下山かなと、えらい早いなと思った。日の出からまだ1時間もたっていない。
8時出発。雪が被ってはいるが林道が長い。歩きながらしばらく迷っていた。いきなり雪だったから、雪山専用で歩いていた靴を履いた。雲取山は夏靴だった。これがなかなか固くて、足がスムーズに動かない。どうしようかずっと迷っていた。積雪有りとはいっても15cm程度の雪だったら、夏靴でも行けるんじゃないか。今日の靴がこんなに重く感じるのだったら、今日はヤメにした方がいいかな。出だしの気分、体調が常に後に響く。ずっと、そんなことを考えていた。正直のところ、その時点では、もう帰ろうなとまで思っていたが、結論がつかないままで林道終点。車に積んでいる靴に交換するにしても、時間が遅すぎる。8時44分。ジムニーとオレンジのテント。ジムニーはおそらく小屋関係者だろう。テントは酔狂な人もいるものだといった感想。2人くらいの小さなテント。
山道に入って、ようやく雪山靴も足に慣れてきてくれた。積雪は20cm程度になった。林道が切れてからは登山道に入る。登りにも靴の違和感を味わなくなった。ここからは本格的に、秩父の山にありそうな樹林帯に入っていく。足がようやく楽になったら、急に、あの出がけに下山して来てカップルが気になった。金峰山小屋から2時間だとして、小屋を出たのはおそらく5時半。まだ暗い。ライトで下りて来たのだろうか。随分と慌ただしい山行だ。結構、ワケ有りカップルだったりして。そんなヒマなことを想像していたら、騒がしい感じのオバサン3人組が下りてきた。樹林の中、遠くから声が聞こえた、あの尾張ナンバーの車の方たちだろうか。すれ違った。3人のうち、2人はアイゼンをつけ、1人はピッケル。オレはずっと何も無しで歩いてきた。車にはピッケルを積んではいたが、雪の状況を見て、この間の雲取同様に、杖を1本ザックに括りつけ、アイゼンはザックに入れたまま。ただ、そろそろ付け時かなとは思っていた。休憩に手頃な場所を、今度は本気で探し、そこでアイゼンを付けたかった。だが、手頃な場所もないままでいた。そして、犬連れの若者下ってきた。きっと小屋関係者だろう。ゴム長を履いていた。
道が平坦になり、また上り。大きな岩が現われ、小屋が近いことを記憶から蘇った。確かに金峰山荘の屋根が見えた。10時25分。小屋のオジサンが雪かきをしていた。露岩にどっこいしょをして、ようやくアイゼンを付ける。付けながら、暇を持て余し気味のオジサンといろいろ話をした。積雪は40~50cm。昨夜は5人泊まって、2人は夫婦。その夫婦が廻り目平に下りたそうだ。その2人にオレは出がけに会ったわけだ。残りの2人は大弛峠に向かい、1人は増富に下りたとのこと。さらに、オレが途中ですれ違った女3人は、林道終点でテントを張って、忘年会をしたそうだ。すべて話が筒抜け。山では、個人情報も何もない。しかし、よくあんな小さなテントで3人も寝られたもんだなと感心した。ついでに、オジサンに、年末年始の予約はいっぱいでしょ?と聞いたら、「全然」だそうな。今の世情かね。山でも不景気だったりして。
オジサンに、表示の通り、ここから山頂まで20分ですね?と聞いたら、雪があるからもっとかかるんじゃねぇのとは言っていたけど、オジサンとの世間話を終わって山頂に向かったら20分ちょうどだった。11時着。親子連れが3人いた。子供たちは食事をし終わったばかりらしく、もう下山の準備。ジイチャンが「そろそろ下りるよ」と言っていたが、その手には、まだオニギリがあった。孫2人をジイチャンが連れて来たという感じ。孫は完全武装。3人がいる間は、こっちもその辺の景色をカメラに収めて時間つぶし。しかし、掛け声ばかりで、なかなか下りて行ってくれない。富士山バックの写真を終えて、ようやく下りて行った。狭い山頂、出来れば気兼ねなく過ごしたいもの。雲取と違って、風はない。むしろ暑いくらい。完全武装の孫が、オレのフリ―ス姿を見て、奇異に感じたようだったが、それくらい暑かった。5度くらいか。2,600mの高さで、この時期、これは珍しい。今日の富士山は見事だ。晴れ渡り、裾野まで覗き、下に甲府らしき街まで望める。そして、圧巻はやはり八ヶ岳。南アルプスと中央、北アルプスの一角。それに比べてくすんで見えるのが国師。まだ小川山が立派に見える。しばらく、景色に見とれ、親子が行った後にセルフで何枚か。昼飯は五丈岩の下でと下る。そこに、鼻水を固めた青年が上がって来た。背中には、秩父の山には似つかわしくないスノーシュー。どこをスノーシューで歩くつもりで来たのだろうか。
五丈岩の下からの富士山もいい。オニオンスープを飲んで、スポンジケーキを食べた。お湯は東横インで入れた。五丈とは15m。正確には、一丈=10尺=3.03m。×5となる。果たして、そんなに高いのか。当初、ここからの帰路は大弛峠経由も想定していた。金峰山小屋のオジサンも、このルートにはトレースもあると言っていた。だが、大弛峠から国師岳に行くような時間もないだろう。そのまま、来た道を帰ることにした。大弛峠からの下りは2時間半。林道歩きの長距離は、この間の小夜戸山で懲りた。巣神山からの裏ルートはもっとあった。
結構な急坂を下って金峰山小屋。オジサンには挨拶もしないで素通りした。後は退屈な下りだけ。だれにも会わない。面白いね。雲取山には、あんなにわんさか行くのに、ちょっと離れた金峰には、この時期、ほとんど来ない。百名山でも素通りの山なんだね。そんなことを考えていたら、ようやく、登って来るオッサンに出会った。下り時に会ったのはこの方だけ。アイゼンの締めが甘かったのが下りで出てきた。プレートを付けていたのだが、このプレートが滑ってグラグラする。プレートがないと、靴に雪がコブ付くし一長一短だね。気になりながらもそのまま歩き、林道出会いでうっとうしくて外した。テント場は撤収していた。あのオバサン3人組、これからまた、どこか別の山に向かっているのかな。おそらく、オレの車の隣に駐めてあったのが、あの方々の車だろう。真っ暗闇と寒さの中でテントを張るくらいだから、そのまますんなりと名古屋方面に帰るとは思えない。
林道がやけに長い。それにしても、今日の登山道は整備されていた。そのことを金峰山小屋のオジサンに話したら、自分らがやったようなことを言ってはいたが、「不思議に、例年になく、人が入っているんだよね」と付け加えていた。積雪は、例年並みらしい。さて、ここでスノーシューのトレースを発見。林道をおよそ300m。来る時はなかったもの。あの鼻水青年、ここで無理してスノーシューを履き、後はずっと背中だったな。
駐車場に着いたのは13時13分。山頂から1時間40分程度だったけど、久しぶりの冬靴と12本爪で足が疲れた。しかし、先日の雲取に比べたら楽勝だね。