たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

毛木平から甲武信ヶ岳周回

2014年11月16日 | 秩父の山
◎2014年11月14日(金)

毛木平駐車場(6:30)……千曲川信濃川水源地標(9:00)……甲武信ヶ岳(9:50)……三宝山(10:40)……武信白岩山(11:40)……大山(12:40)……十文字小屋(13:15)……五里観音(14:25)……毛木平(14:40)
※表示時刻は到着タイム。

 休暇の年度切り替えが迫り、今年もまた休暇が何日も消えていく。今回こそは無駄にしまいと、10月以来、せっせと休むようにはしているが、それでも何日も消える。以前は、職場の雰囲気に合わせ、自分自身、代休はとっても有給休暇はあまりとらなかったが、今やためらいもなくなった。その一環でもあるが、木金と休んだ。
 話は変わるが、でんさんが雁坂トンネルから甲武信ヶ岳を往復した記事を拝見し、その周辺への思いがぶり返した。以前から、栃本と十文字峠の間を歩いてみたいと思っている。しかし、時間的に日帰りは無理なので、そのままになっている(現在、柳避難小屋側のコースは崩壊で通行止め。そのため、周回はできなくなっている)。せめて、その下準備といってはなんだが、十文字峠くらいは反対側から行って見ておきたい。となると、埼玉県の最高峰・三宝山との組み合わせだろうか。そんなことで、消え去る休暇をこれにあてた。木曜日は何やかやと雑用に振り回され、夜の出発となった。埼玉の最高峰に行くのに長野から入るのも皮肉な話だが、これは致し方ない。日帰りなら長野からしかない。
 川上村に入ったのは21時を過ぎていた。そのまま毛木平に向かってもいいが、真っ暗な、車が一台もないかもしれないところで車中泊するのも気がひけ、途中の体育館の駐車場で泊まることにした。ここなら街灯もある。焼酎をお湯割りで二口飲んだだけで寝た。ちっともおいしく感じなかった。寒さのせいだろう。星空が澄み渡ってきれいだった。

 3時に寒さで目が覚めた。羽毛のシュラフだけではなく毛布までかぶって寝たのに。後は寝られず、身体を震わせてじっとしていた。6時近くになり、ようやく明るくなりかけてから毛木平に向かった。車の窓はバリバリになっていて、気温は-5℃。

(毛木平の駐車場)


 毛木平の駐車場には車が1台。まだ静かだ。息も白くなる。トイレに行くと、この時期、すでに使用禁止。仕方なく、駐車場を離れて用足しに行く。この時、携帯ウォッシュレットを持参したが、これが大失敗。あまりの冷たさに飛び上がるほどだった。ポットのお湯を入れればよかった。駐車場に戻ると、先着の車からオジサンが出て準備中。「お先にー」と言いながら出発した。こちらも10分遅れで出発。オジサンも周回だろうか。
 この周回コース、いずれの方向から回るか思案のしどころだ。前半苦労し、後半は楽チンコースと思えば時計回りとなるが、ほとんどの方が反時計回りになっている。ということは、実際は反時計回りが楽なのだろうと思い、自分もまたそうした。
 東屋にある案内板を見ると、ここの標高は1460m。甲武信ヶ岳は2475mだから、標高差は1000mと、さほどのものでもない。下り後半部の状況をよく知らないから、この時点では楽勝と思ってもいた。

(「右ハ山道」に向かう)

(いい感じの「山道」)

(標識はしっかり置かれている)

(落ち葉の下には霜柱。沢水が凍っているところもあった)


 林道に入る。石仏と石碑3基を見かけた。「三峰山大権現」とある。「元治元年十文字嶺道標権現碑 右ハ山道 左ハ江戸道」。林道は二股になる。左は十文字峠、右は甲武信ヶ岳、千曲川源流。ここは右。この先に車が2台。沢沿いにつけられた道は次第に細くなって山道っぽくなるが、至って明瞭。道標も先々にある。沢を見ながらの歩きのせいか、えらく寒々と感じる。空は青くなってはいるが、こちら側は陽もささない。余計に寒い。
 今日は2001年版の昭文社マップだけが頼りの歩きになっている。マップを広げると、慰霊碑は見たものの、その手前の大山祇神社には気づかなかった。ぼんやりと歩いていた。この先も、後で地図を見て、そんなところがあったのかといったのが続く。沢を渡るところもあるが、濡れることはない。落ち葉の下には霜柱が出来ていて、歩くとザクザクと音を立てる。ところどころにツララも目にする。いまだ-5℃ではそうだろう。ほっぺたがツンツンしている。今のところ、傾斜が急なところはなく、徐々に高度を上げているようだ。確かに楽な歩きだが長い。

(上は青いが、下は日陰で寒い)

(奥秩父っぽいといっても、こんなのはどこでもありか)

(ナメの小滝)

(ツララ)


 長野県ながらも、奥秩父らしい風景が続いている。倒木やら、そのままの間伐があって、いい風情とはいえないが、一面のコケなんかを目にすると、いい気分にもなる。ナメの小滝があった。ここはマップ上のポイントになっていて、コースタイムで1時間40分、自分の足で1時間25分か。そんなものだろう。この小滝、上のちょっとしたナメ床と合わせ、夏なら、かなり時間をつぶせそうだが、今はところどころにツララで、沢水に触れたくもない。
 前方の尾根が明るくなってきた。あの尾根は五郎山の方から奥秩父の稜線上の富士見に突き上げる尾根だろうか。途中にある天竺平、明日行ってみようかと迷っている。今夜は川上村の宿に泊まって、明日、五郎山に行こうかと思っている。帰ってから調べると、あの尾根は天竺平尾根と呼ばれているらしい。

(沢は細くなり)

(水源地標)

(水はここから出ていた)


 源流まで2.1km、1.8km、1.45km…と標識が続く。幾分、傾斜も増してきている。渡しの橋も新しい。「前方甲武信ヶ岳」の案内があったが、前方は逆光でまぶしくてよく見えない。それらしき高みはある。ようやく陽が射しこんできてほっとしたが、すぐに消えた。沢が次第に細くなってきた。源流も近いようだ。上から女性の単独が下って来た。女性というよりも女の子といった感じがする。昨夜は甲武信小屋に泊まったそうだ。この時期のウイークディの女性の一人歩きでは、かなりの勇気も要るだろう。
 「千曲川信濃川水源地標」のあるところに到着。この上に沢の流れは見えず、木の下の窪みから水が出ていた。ここで朝食とする。昨夜買ったおにぎりは冷たく、固くなっていて味気ない。無理やり押し込んだ。気温は相変わらず-5℃のまま。さっきから、鼻水がグズグズになっている。じっとしていると寒く、休憩も10分ほどで切り上げた。標識には、甲武信ヶ岳まで1時間10分程度と書き込まれている。

(稜線に向かう)


 急登になった。クネクネの登り。足元はザクザク。これまで楽歩きをしていただけに、先は休みの連続になった。じきに稜線が見えてきた。単独ハイカーが横切って行ったのが見えた。山頂でお会いするだろう。稜線に出る。瞬間、風の冷たさを感じた。今日は風が強いようだ。手袋の中の指先もかじかんでくる。今日は厚手のシャツとフリースだけの格好だが、これは失敗した。ジャケットくらいは用意すべきであった。

(稜線に出て最初に目に入ったのが木賊山)

(続いて富士山)

(白根三山のアップ)


 ようやく陽があたるところの歩きになった。右手に木賊山らしきピーク。おっ、富士山が見えるじゃないか。山頂部は雪だが、陽のあたりのせいか、左側だけが白くなっている。手前の黒いシルエットは黒金山か乾徳山だろう。しばらく眺めていた。上だけ覗いている白根三山は真っ白じゃないか。先へ行こう。

(甲武信ヶ岳山頂に到着)

(山頂から改めて)

(八ヶ岳は荒れているようだ)

(五郎山だろう)

(金峰山方面)


 ガレ場を登りながらも何度も景色を振り返る。以前、甲武信ヶ岳に来た際には、これほどの眺望を味わってはいない。雨で足元しか見えなかった。今日の甲武信は正解だった。山頂に到着。さっきのハイカーの姿はすでになかった。縦走でそのまま甲武信小屋に向かったのだろう。
 携帯のカメラで富士山を撮ろうとしたら、携帯が通じるエリアだった。S男さんに「富士山ライブ」として送ったら、届いた返事は「早朝の眺望ですかね」だった。「ライブ」の意味をご理解いただけなかったようだ。10時近くになって早朝とは言えまいて。
 八ヶ岳と浅間山は上が雲。雪雲だろう。これから向かう三宝山。平らな山だ。その間に御座山、天狗山、男山か。手前に五郎山。明日の選択、男山も迷うところだ。金峰山の五丈岩もよく見えるわ。寒い中、しばらく眺めていた。何せだれもいないから勝手も効く。陽のせいか、風は冷たいものの、体感も少しは暖かくなってきた。

(三宝山に向かう)

(三宝山への登りから。甲武信ヶ岳と木賊山)

(三宝山山頂)


 名残惜しいが三宝山に向かう。この先、ネット記事によれば、繰り返しの登り返しがきついらしい。三宝山の標高は日光の男体山と同じくらいで、甲武信よりも8mほど高い2483m。コースタイムでは甲武信から毛木平までざっと4時間50分。逆コースになると6時間20分もかかる。これだけでも、時計回りをするにはそれなりの覚悟が必要であろう。さて、あまり早く毛木平に下ってしまっても、宿に入る時間の関係上、手持ち無沙汰になる。だからといって、寒い山頂で長時間つぶすわけにもいかない。ゆっくりと下ることにする。その、登り返しを苦に感じなければの話だが。
 薄暗い樹林帯の中をどんどん下る。とはいっても、鞍部までは100mも下らない。登り返しに入ると、幾分展望もよくなった。振りかえると、甲武信ヶ岳と木賊山が並んでいる。ちょっと荒れた道を登ると平地に出た。ここが三宝山の山頂。40分もかからなかった。途中、手前に三宝石というのがあったらしいが、気づかなかった。これも、下ってからマップを改めて見て知ったこと。
 ここの山頂は一等三角点らしい。標石は大きめだが、立派というほどのことはない。ここでまた菓子パンやらチョコレートで腹を満たす。そして一服。なるほど、ここが埼玉県標高一位の山か。甲武信と違って、ここは風もなくて暖かい。気温は5℃になっていた。

(次は武信白岩山へ)

(鞍部に「尻岩」)


 先は長い。せめて大山まで行っていないと落ち着かない。下る。次の武信白岩山までは310m下りの120m登り返しだ。これが逆なら確かにつらいだろう。武信白岩山はその名の示す通り、クサリ場だのがあるらしく、ここの北峰は岩峰で、今は登れないらしい。なまじ登れると、つい行ってしまうかもしれないので、これは助かる。入るなと言われているところに足を向けるつもりはない。
 原生林が続く。標識、案内板がところどころにある。不思議にほとんどが埼玉県発行のもので、長野県のものは見あたらない。埼玉県の熱意を感じるが、なら、埼玉県側からのお手軽ルートをつくればいいのにと思う。栃本、十文字峠経由では泊りがけにもなる。何せ埼玉一の標高の山だ。もっと存在感をPRすべきだろう。ネット記事を読んでいると、埼玉一は甲武信、次は和名倉山としているのもあるくらいだ。通りすがりのピークでもない。しっかりした山だ。そんなことを記しながらふと思った。我が群馬県の標高一の山ってどこだっけ。浅間山は長野県、日光白根は栃木県じゃないのか?
 どんどん下って鞍部に到着。ここにあるのが尻岩。見てみたかった。宮之浦岳に行った際に見たユニークな奇岩の数々を思い出す。お尻だと言われればそう見えなくもない。同時に、その昔、劇場で観た日活ロマンポルノ「桃尻娘」を思い出した。タイトルにひかれて行ったのはいいが、ちっともポルノではなかった。あの頃、その種の映画としては、露骨な大蔵映画作品ばかり観ていたから、それに比べればソフトすぎた。ちなみに、この大蔵映画、いつ観ても、配役は違えど、出演の俳優にあまり変化はなかった。2本立てで、1本目が社長だったのが、2本目では労務者だったりしていた。

(こんな岩もあった。足尾の庚申山に行く途中にもこんなのがある)

(2288mピークか。ヤブの中)


 この尻岩を契機に大きな岩がごろごろ出てくる。いずれも丸いが、上に行くに連れて尖ってくる。素直に登山道を歩く分には岩を越えることも大したことではないが、誤って道をロストしたら、きわどい目にあった。ようやく復帰。その間に最初のクサリ場があったようだ。その先、ロープが張られ、上には行けない。その先で、最初の鞍部に出てしまった。だが、2288mの標高点(2280mとなっている地図もある)は手前の上にあるはず。戻ってヤブをこいで登ると、「三九」と彫られた標石があり、これに「武信白岩山」の山名板が括り付けられていた。かなり古そうだ。

(秩父の町を遠望)

(クサリ付きハシゴ)

(振りかえって南峰?と三宝山)

(こちらは北峰)

(今度は三宝山のみを)


 その先、岩場。巻くのかなと思ったがクサリ付きハシゴになっていて、素直に登る。ここも岩峰じゃないか。展望はいい。三宝山がよく見える。そして北側にはこの山の北峰が聳え立っている。その山頂には標石のような長いものが見える。秩父の街並みが遠望でき、北峰はさながら、遠い秩父の町を見守っているかのように見える。
 クサリを下ってまたロープの張り巡らし。北峰の裾野を巻く。石に「×」の赤ペンキ。見上げると登れなくもない。落石の恐れもあり、その気にはなれない。その先の標識には、「武信白岩山頂」はそのまま残っていて、他の十文字峠やら甲武信ヶ岳までの距離表示はあるものの武信白岩山頂については距離表示がない。つまり、この北峰が武信白岩山の山頂とされているのだろう。

(両神山)

(山名は特定できないが、奥秩父、雲取山方面への稜線)

(正面に大山)


 大山までは1.1km。右手に両神山が見えてきた。右後ろは和名倉山だろうか。大山までの区間、部分的にヤセ尾根になったりするも登り返しはさほどのものではない。しかし、鞍部から見上げる大山は岩峰であった。岩場ももう終わったと思っていただけに、かなりがっかりしたし、大山という名前のイメージからして丸い山かと思っていた。大岩の下を巻いて登ると、左に展望地らしき岩がある。寄り道する。いい眺めだ。八ヶ岳は相変わらず上に雲。かろうじて見える蓼科山は白い。

(大山山頂)

(三宝山から続く尾根。手前が武信白岩山)


 大山の山頂は岩混じりではあるが、ここはくつろげる山頂だ。風も弱い。三宝山はさらになだらかに見え、武信白岩山の岩峰もここからでは目立たない。ここまでゆっくりと来たつもりだが、まだ早いようだ。十文字小屋でゆっくりとするか。

(コケがびっしり)

(栃本に向かう古道)

(十文字小屋)


 先ほどから、シャクナゲが随分と続いているが、ここからの下りも多い。その時期になればきれいなところだろう。クサリ場を下り、木の根がはびこる歩きづらい道を下る。途中、左にカーブする。岩混じりになって「白泰山・栃本」の標識が出てくる。ここか、栃本に向かう古道は。いずれ歩かないとなぁ。途中から分かれる「股の沢・川又」方面には通行止めのお知らせ。柳避難小屋から先が「登山道崩落、う回路なし」となっている。真下に十文字小屋が見えてきた。
 小屋で休憩するつもりでいたが、閉鎖の準備でもしているのか、片づけでワサワサしている。小屋からオッサンが出て来た。作業着だから小屋の関係の方でしょう。いろいろと説明していただいた。古道、観音様のお話。毛木平まで1時間10分もあれば着くそうだ。それを言われると、余計にいづらくなって、先で休むことにして出発。足をとめただけで終わった。
 そういえば、ここに来るまで、毛木平から先行出発したオジサンは会わないがどうしたのだろうか。小屋の中に入っていたのだろうか。あるいは三国峠方面の周回だったのだろうか。当初、自分も今回のコースに三国峠経由を加えて考えなくもなかったが、峠から先の車道歩きになってしまうし、時間もさらにかかる。いずれの機会にでもしようと、これは控えた。

(十文字峠)

(これがずっと続けばなぁ…と思っていたが)

(やはりこうなった)


 いい感じの古道歩きが続いた。陽だまりハイクといった感じではあった。ところが、沢沿いになると、かなり荒れ出し、歩いているのが嫌になってしまった。さらに日陰になり、寒くもなった。おにいさんが上がって来た。ザックの大きさからしてテントだろう。寒いだろうなぁ。
 沢沿いに下り、ようやく日なたを見つけて休憩した。残った冷たいおにぎりを食べて、じっとしていた。時間つぶしでもある。十文字小屋の標高は2000mくらいだろうか。小屋から毛木平までの標高差は540mもある。結果として、時計回りでも反時計回りでも、差し引きの標高差は同じだろうが、やはり、反時計回りでの、毛木平から水源地標までの長いダラダラ登りが、さほど疲れずに標高を稼いでくれたということだろう。現に、水源地標の標高は2200mもあり、大山の高さに近い。ここで本音を記せば、甲武信ヶ岳から大山までの間の登り返しの繰り返しは、さしてゼーゼーするものではなかった。
 ところで、後でGPS軌跡を出してみると、小屋から五里観音の手前まで、正規のルートから大きく外れて歩いている。道標に沿って歩いたつもりだし、紛らわしいところもなかったはずだが、別のコースがあったのだろうか。

(五里観音)

(こんな場違いな感じの橋を渡る)


 沢から離れると、また古道っぽい道になり、水場、炭焼き跡も目につく。渡しの橋は最近のものらしく、小屋の方が整備されたのであろう。ただ、木をつなぐクサビはもっと太いものにした方がいいのではなかろうか。あちこちで浮いていた。自分が改めて来る機会があれば、持参して打ち付けてもいいものだが。
 五里観音を通過。標識には「石像 一理観音菩薩」とある。この石仏はちょっと傾いでいる。これもまた元治元年だ。石仏やら石碑を見る限りは、江戸末期になる。それほど古道でもないようだ。
 広い伐採地を過ぎ、立派過ぎる橋を渡る。環境省が設置した橋のようだ。「千曲川源流挟霧橋」とある。「挟霧」の意味がわかりかねたが、「さぎり」と読み、「狭」は接頭語だそうな。ここに車が2台。シートをかぶせ、いずれも小屋関係の車と思われるが、想像していた熊谷ナンバーではなかった。

(今朝の分岐に合流して)

(毛木平駐車場に到着)


 ここからは林道歩きだ。大権現で今朝の道に合流。車が2台そのまま残っている。間もなく毛木平の駐車場に着いた。車が7台くらい。オジサンの車はすでになかった。どこを歩かれたのだろうか。十文字山と考えられなくもないが、新潟からわざわざ来るほどでもないだろう。そのうち、ハイカーが何人か戻ってきたが、いずれの方とも途中でお会いしなかったから、源流経由の甲武信ヶ岳ピストンかもしれない。

 駐車場でダラダラと時間をつぶした。宿に入るのはせめて3時半過ぎにしたい。途中で時間をつぶせるような施設もない。夜はもっと長くなるだろう。しかし今日は寒かった。最高で5℃だった。このまま家に帰りたいところだが、この時間にキャンセルというわけにもいくまい。
 宿に着いた。旅館とはいっても民宿のようなところで、冷えた身体にはすぐにも風呂に入りたかったが、5時まで入れないとのこと。仕方なく、ストーブのついた部屋で寝そべって長野のローカル局でやっていた「水戸黄門」をだらだらと観ていた。大名家のご落胤騒ぎの話で、印籠を出す前の佳境の部分で「風呂が沸いた」の声がかかった。身体も冷えていたので、ゆっくりと湯につかった。水戸黄門の結末はわかってはいるが、すこぶる気になった。
 夕飯も6時と早く、酒飲んでゆっくりと食事して部屋に戻ったのは7時前。まったくやることがなく、さりとて外に出ても何かがあるわけでもなく寒いだけ。布団に入って、文庫本を読んでいたら、この文庫本、裏表紙に記されたあらすじほどのおもしろくもなく、そのまま7時半頃にはこてっと寝てしまったようだ。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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8 コメント

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冬の青空 (K女)
2014-11-17 10:48:02
読んでいて寒さを感じてきますね。
それにしても、山々に雪がかかり白くなって来ているのは早いと感じました。紅葉がついこの前だったのに・・・
冷たい空気の代わりに、鮮明な写真が撮れましたね、見ていて気持ちよく、清々しくなります。
この頃、山の雰囲気が県によって、違うなと感じています、その土地の傾向があるのですね。
旅館(民宿)での、ゆったりが体力回復になって、続きが楽しみです。
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Unknown (でん)
2014-11-17 11:56:01
もう氷点下の世界になってしまいましたね。
止まって休んでいたり日陰に入ると里山でも冷えてしまいます。
寒さの苦手というよりキライな私はコタツ番ですよ(笑)
画像が鮮明でまるで空気の冷たさが伝わってくるようです。
写真は乾燥しているとクリアーでいっそう鮮明に写るものです。
私も先日の甲武信ヶ岳のときに三宝山まで行こうか迷ったのですが、行っておけばよかったです。
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K女さん (たそがれオヤジ)
2014-11-17 16:55:32
K女さん、こんにちは。
写真が鮮明、ですか?どこも、山のピーク周辺だけが陽が射し、それ以外は薄暗く、かなりの写真がピンボケになっておりました。あまり、出来はよくないのですが。
あの日、空気は風もあったため、刺すような感じでした。
ついこの間まで紅葉にうつつを抜かしていたのに、あっという間の冬景色です。
奥秩父の山々も間もなく雪ではないでしょうか。
泊まったのはれっきとした旅館でして、風呂に入って、さっさと寝ましたから、確かに体力回復にはなっていますけど、翌日は大した山には行っていないですよ。あまり楽しみにしないでください。
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でんさん (たそがれオヤジ)
2014-11-17 17:03:32
でんさん、こんにちは。
今回は、でんさん記事に触発されたところが大です。
三宝山はいずれと思って、流してばかりいましたから、でんさんの記事を拝見しなかったら、また先送りしていたでしょう。
三宝山に対するイメージは薄暗いものがありましたが、陽のあたりも良く、三宝石あたりに行くと、展望もいいみたいですよ。
yamasanpoさんの同コース記事のコメントで拝見しましたけど、でんさんはこのコースまだなんでしょう。地味と言えばそれまでなのですが。やっぱり、でんさんのお好みではないかなぁ。
写真の件、そういうものですか。乾燥していると鮮明にですか。いいこと教わりました。ということは、これからの季節になりますよね。
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三宝山 (HIDEJI)
2014-11-17 19:33:41
たそがれさん、こんばんは。
甲信武ケ岳、十文字峠の周回お疲れ様です。抜けるような青空と、遠方に写る鮮明な山々、写真素晴らしいですね。羨ましいです。以前、私も同じルートを歩きましたが、十文字峠手前の木の根の歩き辛さに、ずいぶんとしんどい想いをした記憶があります。でも尻岩はあまり記憶がありませんでした(笑)
三宝山は埼玉の最高峰として、あまり認知されていないんですね。折角、埼玉の高校生が山頂標識を制作し、知事に手渡したと、地元では新聞記事にもなったのですが。。。
でも、埼玉からの日帰りの難しさや、人を簡単には寄せ付けないようなところも魅力の一つかなと思っております。
あと栃本から十文字峠のルートは、山頂を断念した唯一の山である白泰山があり、気になっております(笑)
いつかはリベンジを(^_^;)
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HIDEJIさん (たそがれオヤジ)
2014-11-17 20:51:21
HIDEJIさん、こんばんは。
HIDEJIさんもこの辺、結構歩かれているのですね。
栃本ルートも含め、今、確認させていただきました。あとで、ゆっくりと拝読させていただきます。でも、雪ではねぇ。それ以降のリベンジがないわけですね。
雪が降る前にお願いしたいところです。
三宝山、私、お気に入りの山になりましたよ。秩父農工でしたっけ。山名標識。新聞記事になってネットににも出ていたのは知ってまして、あれは確認してまいりました。
話は変わりますが、雑記帳で「西上州の山」拝見いたしました。アマゾンで取り寄せしようと思ったのですが、入荷未定になっていまして、勤務先の近くの山ショップにいったらありました。ご紹介ありがとうございます。

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毛木平 (ハイトス)
2014-11-17 21:46:56
こんばんは。
寒さが伝わってきましたよ。
もうこのクラスの山の歩き出しでは防寒対策が必須ですね。
自分らも甲武信ヶ岳のルートを考えたときに毛木平ルートにしようかどうか検討しましたので行ってもいないのに個別のポインントの名称には親しみが湧きます。
色々考えて一番ポピュラーなルートを選択しましたが。

栃本からですと十文字小屋に泊まる1泊2日のルートとなりますが静かな歩きが出来そうですよね。
この時期ではそろそろ小屋も閉鎖となるのはやはり水が氷ってしまうからなのでしょうか。
よく分かりませんが。
小屋のニュースでは24日が小屋閉めと書かれていました。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2014-11-17 22:00:49
ハイトスさん、こんばんは。
寒さが伝わりましたか。おそれいります。鼻水出ませんでしたか?
毛木平からのルート、十文字峠に行ってみたいなと、10年来思っていたのですが、その理由は、正直なところを申しますと、十文字小屋のオネエサンにお会いしたいといったところがあります。
ところが、あのオネエサンの写真、20年近く更新していないようですね。小屋に泊まった方の記事を拝見すると、面影といった度合いになっています。
小屋は一旦閉めても、クリスマスから年末年始は営業するのでしょう。毎年の恒例のようだし。
まぁ、それはともかく、三宝山、何とか百にはなってはおりませんが、あの尾根歩きを含めて、奥秩父のさらに静かな横道ルートといったところでしょうか、楽しめますよ。
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