たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

なぜか天目山林道のぶらぶらハイクになってしまった。

2015年05月18日 | 秩父の山
◎2015年5月17日(日)

浦山大日堂バス脇停駐車地(6:20)……林道ゲート・細久保橋(6:56)……グミノ滝カーブ(7:20)……シャクナン尾根取り付き(7:21)……林道出合い(8:39)……分岐林道終点(9:09)……本林道に戻る(9:21)……シャクナン尾根取り付き(11:00)……グミノ滝方面から戻る(11:39)……細久保橋(12:05)……駐車地(12:43)

 羊山公園の芝桜が終わったら早々に秩父の山に行くつもりでいた。盛りに行って、帰路で渋滞にはまったら、飽きて居眠りも出てしまう。
 昨夜の予定では、シャクナン尾根を三ツドッケに上がり、長沢背稜を経由して大平山に出る。大平山で自然破壊を目の当たりにして心を痛め、帰路はチガオノ尾根だか熊取尾根だかを使って天目山林道に下り立つといった、なかなか中味の濃いものであった。
 寝て間もなく蚊に刺されてから眠れなくなってしまった。うつらうつらの状態で目覚めると身体はだるく、頭の働きもいつも以上に鈍い。さらに動悸も激しかった。血圧がかなり高くなっているのではあるまいか。今日の歩きはやめようかなと思ったが、一旦目覚めたら二度寝もできない性分だ。もはや目的もなく秩父に向かった。
 せめて、シャクナン尾根の様子だけでも見に行こう。そして、体調が戻りそうならグミノ滝でも見て来ようか。

(天目山林道に入る)


(もしかして、あのネコ車かねぇ。右上に作業道が続いていた)


(自然と人工物のコラボ。鬼太郎の百目鬼の妖怪にも見えなくもない)


 浦山大日堂バス停脇の駐車地に車を置いて歩き出す。こんな時期だ。ここに車を入れる奇特な方はいない。林道ゲートまで入れようかと思ったが、あそこは、できれば軽自動車で乗り入れたい。今日はゲートからすぐにUターンの可能性もあるので、ここから歩くとしよう。ぶなじろうさんの記事では正露丸の香りが消えたということだったが、無理に嗅いだらかすかに残り香を感じた。鮮明ではない。頭の中にある正露丸の臭いなのかもしれない。
 天目山林道を起点から歩くのは初めてだ。5年前に大クビレからゲートまでは歩いたことはある。3時間かかった。その時はゲート前に車を置いていた。
 ふと右手にオレンジ色のネコ車を見つけた。あの時のネコじゃないのか。パンク修理もなされているようで、その先に作業道が続いていたから、現役なのだろう。HIDEJIさん記事で知ってはいたが、その情報と同じ場所に立てかけてあった。ただ、あの時のネコなのかは、当人の尻の感触でないとわからないものがある。犬2頭に吠えまくられて急いで先に行く。左下の河原には不自然かつ不可思議な造形物があり、よく見ると、大岩が車を圧し、それがひっくり返ったものだった。岩と同化し、コケまでも付き、車輪がなかったら車だとは気づくまい。こうに至るまで相当な年季も要したろう。

(林道を進み)


(細久保橋。橋の先に一般車通行止めのゲートがある。)


 大ネド尾根末端にかかる。ここの給水施設の裏手から尾根に取り付いたことはあるが、この先からでも登れるらしい。当面、この尾根に用事はないが、一応見ておこう。ところどころにテープやら踏み跡がある。確かにどこからでも取り付けそうだが、尾根上に至るまではかなりしんどそうだ。むしろ、途中から這い上がるのは、クマがうじゃうじゃいるらしい尾根の斜面では得策ではないだろう。川越ナンバーの軽トラに抜かれる。林道は知らずの間に舗装から未舗装になっていた。
 ゲート前には車が3台。いずれも軽で埼玉県ナンバー。釣りだろう。ここまでかなり汗をかいた。少しは気分も良くなったが、林道歩きながらも息切れが多く、立ち止まり休みを繰り返していた。あわよくばという思いもあったが、体調回復はならず、シャクナン尾根の取り付きを眺めるだけで終わりそうだ。

(営林署小屋先に鳥居2つの神社。これは帰りに上がってみた)


 「3KM」の標識。林道起点からの距離だろう。サルが2頭、するするっと電柱に上がっていく。それをぼんやりと眺めた。そして営林署小屋。鳥居があって神社があるのはこれまで気づかなかった。工事の安全を祈願するものかとは思うが、もしくは集落があったのだろうか。この辺、シゴー平と呼ばれているらしいが、シゴーというのは地名だろうか。余計なことだが、この細久保谷沿線の沢、すべて「谷」と称されている。沢を谷に置き換えるのには、どうも違和感がある。
 仙元林道が分岐して仙元谷。この仙元谷を遡ればグミノ滝に至る。仙元林道の終点には仙元峠への指導標があるらしい。秩父専門に歩いていれば、そこまでマニアックな探索もしてみたいところだ。

(グミノ滝カーブ。直進でグミノ滝。シャクナン尾根が張り出している)


(シャクナン尾根に出るにはここからがたやすい)


 グミノ滝カーブにさしかかり、ちょっと行くとシャクナン尾根の取り付きになる。小さなハシゴがかかっていた。この辺はネット情報で知っている。別にこのハシゴを使わずとも、グミノ滝標識脇の突端から尾根に取り付いてもいいのだろうが、いずれは合流するだろう。ハシゴの先には踏み跡が続いている。
 さて、ハシゴを見ていたら、ちょっと探索するかという気分になった。三ツドッケまでは無理でも、下半分くらいは歩けるのじゃないのか。その前に一服するか。いつもなら、きついところを登る直前の喫煙は避けるものだが、今日の体調では、何も影響しないだろう。続けて2本吸った。じゃ、登りましょう。

(しっかりした道が続いていた。尾根に乗るなら、ここから早々に移動すべきだった)


(直進方向左下がグミノ滝だろう。右側にシャクナン尾根に続く尾根が見えている。しかし、尾根がどんどん上がっているのに、こんな水平歩きを続けていていいのだろうかと一抹の不安)


 踏み跡を追った。明瞭な踏み跡だ。植林関係の作業道だろう。ところどころ九十九折になっている。そして、直線。山腹巻きになった。実は、この辺で尾根に直登すべきであったが、どうせどこを通っても上で林道に出るのだから、苦労することもあるまいと、つい確実な踏み跡を追うことになってしまった。しかし、尾根に出たところで、おそらく、今日の具合では登り切れなかっただろう。

(ここから植林の中に入る。ここからでも右を直進すれば尾根直登。踏み跡は左に続く)


(植林内部の踏み跡)


(見下ろして)


(見上げて。空が見えない)


 植林内部に入った。一瞬、踏み跡は消えたが、よく見ると周囲に散らばっていて、一番はっきりとした踏み跡を選んだ。植林の中を大きく九十九折に登って行く。ところどころで踏み跡の分岐があり、その都度、濃い方を選んだが、踏み跡は次第に細くなる。それもそのはず、この植林は急斜面で、見上げると、斜面が天に向かって突き上げているといった感じで、上下を見ているだけでエンドレスといった按配で、恐ろしくもあり、尾根の上部すらも視界に入らない。いずれは尾根にと思っていたが、これではと、あっさりとあきらめてしまった。
 途中、一か所迷ったが、引き返しのポイントだったらしく、後ろ上に歩くとまた踏み跡に出られた。次第に踏み跡が明瞭になってきた。散らばっていた踏み跡が集まってきたというところだろう。ということは林道も近いか。

(看板があった。そろそろ第1ステージも終わりだろう)


(また太くなった踏み跡を直進すると)


(林道の石垣が見えた)


 左から、小尾根が上がってきた。見上げても、尾根の頭は依然として見えていない。果てしなさを感じもするが、そのまま真っ直ぐになった踏み跡を追うと、上がぽっかりと開けて石垣が見えた。あれが林道だろう。

(天目山林道に復帰。踏み跡追いとはいえ、きついショートカットだった)


(ペットボトルのマークもあった)


 自分が出た林道のスポットにはピンクと白のテープが揺れていた。その50mほど先にもペットボトルがぶら下がり、ピンクテープがあった。覗き込むと、そちらは尾根状になっていた。しばらく休憩。

(第2ステージはここからとなるが、結果として登っても意味がない)


 林道を挟んで向かい側には第2ステージのシャクナン尾根が続いている。ここ、地図ではゲジゲジに囲まれているのだが、なぜか、ここに這い上がる方はいないようで、ネットで軌跡を見る限り、皆さん、林道歩きで回避している。簡単に取り付けるが、何か秘密でもあるのかと、林道を先に行ってみた。地図にわざわざゲジゲジを付けるまでもない斜面が続いている。

(尾根脇の林道を行く。三ツドッケから仙元尾根に続く稜線。三ツドッケから先は長沢背稜とは言わないらしく、ただの都県境尾根か)


(三ツドッケの手前ピークが見えてくる)


 林道の歩きは気持ちがいい。「10KM」標識があった。つまり、林道6km分ほどの、標高差500m弱の区間をシャクナン尾根が通っているということで、林道の上り歩程が2時間弱として、やはり自分が尾根の通過にかけた1時間15分ほどはショートカットと言えなくもない。厳しいショートカットではあるが。
 正面に三ツドッケ手前のピークが見える。その先は見えない。左手に仙元尾根と、それに連なる稜線が見えている。鳥のさえずりが聞こえてくる。林道とはいえ、静かな歩きが楽しめる。

(シャクナン尾根の第2、第3ステージの分断。第3の取り付きが左に見えている。直進が本林道で左に作業林道)


(作業林道に入ってみた)


 この先で林道は右にカーブし、直進の作業林道が分岐する。この分岐で尾根の続きは寸断されていた。キレたところはガケ状になっていて、これでは第2ステージを無理に歩いても下りが危うい。そういうことでだれも歩かないわけか。納得。

(作業林道の終点)


(左の小尾根を覗き見る。これを下ればグミノ滝方面)


(広場の反対側の取り付き。ゴチャゴチャしているがテープもあった。ここを行くとシャクナン尾根に出る。みー猫さんが近々歩かれるらしい)


 納得ついでに、核心部ともなるフィニッシュの第3ステージに入ってみるという案もなくはないが、ここは取り付きのみの確認で済ませた。何せここからがハイライトだ。半端な気持ちではまずいだろうて。夜中に蚊にさされなかったら迷いなく登ったろう。前半部に限っては第1ステージよりも楽かもしれない。代わりに、分岐の作業林道(「細久保林道」というらしい)に入ってみた。荒れてはいず、しっかりした林道になっていた。10分もかからずに終点に着いた。まさに地図上の終点と同じで、こういうのも珍しく、この先は踏み跡すらなかった。ちょっとした車返しの広場になっている。
 終点の左手・東側に小尾根が上がって来ているのが見え、林道に接する樹にはテープが巻かれている。そして、その小尾根の反対側の延長先、右手・西側のヤブにもテープがあった。つまり、グミノ滝側からシャクナン尾根に出る方もいるということだ。こうやって自分の目で確かめてみないと、HIDEJIさんの不可解な行程を窺い知れないというものであり、これでようやく、HIDEJIさんの記録を理解できた気もした。しかし、テクニカルな歩きだ。他人様の後追いとはいえ、これは地図遊びをしていても浮かばないルートだ。さながらドロボウの逃走経路を確認したかのような気分になった。

(分岐に戻って、左に本道を下る)


 まだ9時を過ぎたばかりで、とんでもない時間ではあるが、今日はこれで終了にしておこうか。これから暑くなりそうだし、相変わらず体調も好転しない。下りは第1ステージを下るつもりはなく、こんなせっかくの半端な歩きだしと、ちょっとついでに確認しておきたいところがいくつかあった。作業林道の分岐に戻り、また一服つけた。天目山林道の延々歩き、人によっては邪道ととらえる方もいるだろうが、自分にはあまりそういった意識はなく、林道歩きも景色に恵まれれば楽しいものだ。何せ山道よりも楽だ。ただし、足裏は痛くなるから、それなりの覚悟は必要だ。

(大平山が見えた)


 右手前方に形の良いピークが見える。地図を広げると大平山のような気もするが、果たしてここから見えるのだろうか。1469m標高点だとすれば、ピーク状にはなっていないはずだしなぁ。まぁ、大平山ということにしておこう。大平山だとして、ここからはHIDEJIさんの見た南面の鉢巻林道は見えない。氷栗谷通過。橋の名前は「ひょうぐりはし」とある。

(白殿谷にさしかかる)


(緑が濃くてわかりづらいが明瞭な踏み跡があった)


 次の沢が「中ノ沢」という沢(谷)だと思っていた。目指す沢だ。ここから大クビレに向けて古道があるらしい。ところが、ここにある標識は「白殿谷」となっていて、橋の名前も「びゃくでんはし」となっている。ネットの記載が誤りだろうか。この沢であることは確かなのだが。後で知ったが、どうも「=」らしい。
 橋の手前にナンバーなしのバイクが置かれていた。放置かなと思ったが、どうも現役らしく、大方、釣り人の林道通行用なのだろう。この状況ではまずいなと思った。やはり、沢の右岸に残った踏み跡を上流に向かうと、釣り人の姿が見えた。
 釣り人との余計ないさかいは避けたい。ここは釣り人が先行して入渓しているのだしと、退散した。古道を辿ったとて、どうせ半端な歩きでおしまいになり、往復で顔を合わすことにもなる。だったら、その時に一発勝負で歩いてみてもいいだろう。ふがいない結論出しであった。

(ツツジがいくらか残っていたが、派手な咲きぶりのものはない)


 ジリジリと暑くなってきた。帽子をぬいで、手ぬぐいかぶる。いくらか風通しが良くなった気分。尾根の突き出した部分に来る。この尾根は1306m標高点を通る尾根なのだが、自分ではここを「熊取尾根」と思い込んでいる。それは、あくまでもネットの情報によるもので、自分が「チガオノ尾根」と思っているところを熊取尾根にしているパターンもあって、沢の名前もはっきり知らないのに、〇〇谷左岸尾根とも右岸尾根とも表記できない。ちなみに十津川村さんの『秩父藪尾根単独行』の中では、思い込みチガオノ尾根を熊取尾根と記されている。
 そんな尾根の名称のことはどうでもいいことなのだが、その思い込みの熊取尾根、地図を見て、ここも大平山に行けなくもないかなと思ってもいたのだが、現物を目にすると、ここを登るのは無理っぽい。擁壁が続いていた。その脇は急斜面になっていて、上まで続いている。ここはパスだろうな。
 「7.5KM」通過。右手にシャクナン尾根が見えだした。ここからも三ツドッケの後方は確認できない。

(分岐の作業道に入ってみた。あの看板で「熊取谷」の位置を確認した)


 確認したいところがもう一か所あったが、この先の林道で作業道が左に一本分岐していた。ヒマだからと、一応、入ってみた。道は沢沿いに続いていた。先に看板地図があり、それを見ると、この沢が「熊取谷」とあった。看板地図には歩道が点線で記されているが、沢からは離れていく。作業用のものだろうしと、それほどの興味はなく引き返す。ここが熊取谷と知ったことだけでも収穫だろう。ということは、これから見るつもりでいる、思い込みのチガオノ尾根は正確には「熊取谷左岸尾根」または「チガオノ谷右岸尾根」というところだろう。ただ、熊取谷はともかく、チガオノ谷そのものは、最後までその名称を確認することはできなかった。
 林道には、ポツンポツンと残ったツツジが咲いていた。殺風景な風景がずっと続いていたので、こんな寂しいツツジでも気が和む。そんな気分をぶち壊すかのようなバイクの騒音が聞こえた。親子らしい2人乗りが上がってきた。続いて2台。いずれもノーヘルだ。せっかく静かな歩きを楽しんでいたというのに。

(1469m標高点に続く何とか尾根の取り付き。)


 ミラーのあるカーブにさしかかる。ここか。1469mで峠の尾根に出る尾根だ。これが、自分の頭の中ではチガオノ尾根だったり熊取尾根だったり、さっきからは左岸尾根やら右岸尾根になっている。ここを歩く人はいるようで、テープが垂れている。足元がグズグズし、右下は谷底。そして尾根はヤセの急。樹も細い。ただ踏み跡は尾根伝いに付いているので、しばらくの辛抱といった感じの尾根だろうか。
 今日はこの尾根下りを予定に入れていたのだが、そうしたとして、林道が見え出したあたりから、きっと足が震えだすところだろう。
 ネット情報によると、この尾根は伐採尾根で、上に行くと、作業道が縦横に走っているらしい。峠の尾根も、この尾根が入り込むあたりから、様相が一変してしまっているようだ。今回はその確認歩きだったわけだが、最初のヒヤヒヤを除けば何とかなるだろう。早めに歩いてみることにしよう。
 この尾根もさることながら、最近、<山旅DIARY>の仮面林道ライダーさんが行かれた大平山の山頂写真を見た時、いったいどこの山に行かれたのかといぶかしんでしまった。あれでは山も泣く。
 余談だが、この天目山林道沿線エリアの歩きにはオタク系の方が集まるようで、「大ドッケの福寿草」を除けば、その情報の大半は「山レコ」での仕入れになってしまう。そして、おもしろいことに、ほんの数人がかりでいろんなルートを歩いているのには感心させられるし、今後とも、他の山域には関心を持たずに歩き尽くしていただきたいとも思っている。
 確認しておきたかったところもこれで一応チェックした。まだ早いが、気分をそろそろ帰り支度モードにしよう。

(三ツドッケの奥がかろうじて目に入った)


(大ネド尾根が見えてくる。こうやって見ると、大ネド尾根の存在感は大きい)


 3時間半前のシャクナン尾根取り付きに戻ってきた。そのままグミノ滝入口で腰をおろしてパンを食べて、タバコを吹かす。

(グミノ滝方面に足を向ける)


(ロープが設えられていた)


(ここで引き返す。沢に下る核心部のかなり手前だ)


 このまま帰ってもいいが、これだと6時間歩きにも満たず、その大半が林道歩きでしたという状態になってしまう。せめてちょっとグミノ滝方面に行ってみよう。滝まで行くつもりはさらさらないし、ここに至って未帰還となってしまったのでは目も当てられない。あくまでも「途中まで」だ。危険な思いをする前までといったところで引き返そう。
 グミノ滝に行ったのは5年前だ。鮮明には覚えていないが、感じとして出だしは同じといったところだが、崩れてきているなといった印象は否めない。ただ、ぶなじろうさんやらHIDEJIさんの記事を読んでいなかったら、崩れの気配は感じなかったかもしれない。ましてや、先までにはいかず、片道10数分で戻っている。この程度の歩きでは、その先がどうなっているのか窺い知ることはできない。左下がスパッと切れたか細い道を歩き続けるのも精神的に嫌気がさす。片道時間が長ければ、単純に×2の苦痛になって跳ね返るだけのことだ。
 林道に復帰して、タバコを1本。今日はタバコ吸いタイムが多い。ぼちぼち帰るか。ここまで来たら、この先、仙元林道を辿ってみてもどんなもんだか。空腹を感じるくらいだから、体調は回復しつつあるものの、今さら歩き直しをする気分にはなれない。

(大ネド尾根を見ながらの下り。緑がきれいだ)


(仙元谷の小滝。わざわざ危険なルートを取らずとも、ここを遡上すればグミノ滝に行けるのではないだろうか。)


(シゴー平の神社に寄る)


 営林署小屋が見えてくる。2基の鳥居をくぐって神社に上がってみた。ワンカップの月桂冠と武甲が供えられていた。周囲を見たが、文字のかけらも見えない。
 後ろから軽トラがやってきて、カギを開けて出て行った。ゲート前には、今朝がたの車が3台そのまま。バイクが1台増えている。

(細久保橋のゲートに戻る)


(終点も近い)


 次第に足裏が痛くなってきた。マメが数か所にできたようだ。犬のいる家を通過。静かに歩いたせいか、もしくは寝ていたのか吠えられなかったが、先に行くと、背中に散々吠えられた。

(河童も暑苦しそうだった)


 バス停脇の駐車地に到着。他に東京ナンバーの車が1台あった。どこをお歩きだろうか。車載の気温計は31℃を指していた。この気温、熊谷を経由して家に戻っても下がることはなかった。

 秩父の山もいいが、これからは暑さとの戦いだろう。長い歩きをする際には、高温と無風状態に気をつけないとヘタってしまいそうだ。
 林道歩きが主の歩きになってしまったが、ぶらぶらと、気になっていたところを確認できただけでも成果はあったということにしておこう。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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13 コメント

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Unknown (足尾のRR)
2015-05-19 21:05:31
こんばんは。
お~、ナンバー無しのバイク、一瞬自分のかと思いましたよ。良く考えたら自分は先週でした。そこでカミサンとバーベキューしてました。
シャクナン尾根、ぶなじろうさんと初めて会った時の下山に使いました。まあ林道に出てからは林道を降りましたが。
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RRさん (たそがれオヤジ)
2015-05-19 21:52:13
RRさん、こんばんは。
RRさんも、ちょっくらとこの辺には行かれることがあるんですね。もう、行くこともないのかなと思っておりましたが。
バーベキューですか。奥さん乗っけて、さらに一式持って林道を登るにはきつかったのではないでしょうかね。
あの辺は水場が豊富だし、車も通らないし、いたるところバーベキュースポットではありますよね。
そうですか、ぶなじろうさんと仙元峠でお会いになった時にはシャクナン下りでしたか。
私も、せめて、あの尾根、攻略というほどのこともないということはわかったのですが、一応、歩いておかないと、先に進めない気分になっておりますので、さっさと片付けてしまいますよ。
そうしないと、ここの大平山はおろか、足尾の大平山にもじっくりと足を向けられる心境にはなれないものでして。
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天目山林道 (HIDEJI)
2015-05-19 22:35:09
たそがれさん、こんばんは。
第1ステージは標高差もあり、しかも急登で歩きごたえがありそうですね。第2ステージもゲジゲジがないとのことで、1260Pも気になります。やはりシャクナン尾根は第1ステージから歩かないともったいないですね。私の歩きは邪道でした(^_^;)
それにしても2週間前と比べると、緑も増えかなり暑そうで、かなり印象が違いますが、林道歩きは気持ち良さそうですね。
そして、ドロボウの逃走経路ですか(笑)
あのコース取りは、グミの滝から不明瞭な沢を都県境尾根を進むより、尾根伝いの方が分かりやすいだろうという安直な発想です。
シャクナン尾根も気にはなっていたのですが。
大平山の件、仮面林道ライダーさんの記事拝見しましたが、あんなことになってしまっていたとは驚きました。私はあの辺り十分歩いた気でいますが、まだまだ天目山林道周辺は奥が深そうですね。参考になりました。
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HIDEJIさん (たそがれオヤジ)
2015-05-20 06:03:44

HIDEJIさん、こんにちは。
こんな記事でも参考になりましたか?ありがとうございます。
シャクナン尾根も、尾根通しに歩いてみないと、やはりこの尾根の雰囲気を味わうことはできないような気がいたします。踏み跡は、途中からずっと植林の中に続き、その踏み跡を追うだけでも神経をつかいます。確かに同じ標高差を歩くことにはなるのですが。
HIDEJIさんの歩かれたコースは、歩きごたえのあるコースかと思いますが、グミノ滝から細久保林道に出るまでがルーファンに苦しめられるのではと思っています。ああいう難しいコースは、自分にはきついですね。
安直なんてものではなく、グミノ滝を経由したら、当然、そのコースになるのではないでしょうか。
天目山林道も、あんなに長ければ、いろいろ探せば奥深いコースもあっても不思議でもないですが、実際に歩いてみなければ意味のない話になってしまいます。
林道に出ることを前提にコースを考えると、天目山林道の場合、かなり厳しいと思いましたよ。あちこちが擁壁やらグズグズの急斜面になっていますから、よほど注意しないと、林道を目の前にして下りられない構図になるかもしれません。沢から上がるのも一苦労だし。
新緑はきれいでしたね。そろそろ深緑になりかけています。歩くならこの時期か紅葉でしょうか。

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Unknown (ぶなじろう)
2015-05-20 21:53:55
今晩は。
HIDEJIさん同様、大変参考になりました。植林関係の踏み跡が結構あるものだと、あらためて判りましたです。

ぶらぶらハイクとは言え、トータルすれば、三つドッケに到達するくらい歩いているのではないでしょうか。

HIDEJIさんの側面経由か、たそがれさんの通し狙いか、迷う所です。取り敢えず、パクリ名人の私としては、たそがれさんのレポを待つ事にします。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2015-05-21 05:44:50
ぶなじろうさん、ありがとうございます。
このまま終わらせるというのも気分が悪いもので、次の段階にも入れませんので、ここは早々に結論出しをするつもりでおります。
少なくとも、今回は作業道の追いかけでしたので、次は尾根伝いにします。バテて、フィニッシュに行きつけないかも知れませんが、少なくとも第1ステージの作業道、尾根通しの比較の参考にはなるかとは思います。
HIDEJIさんの小尾根、上から見た限りは尾根型明瞭でしたが、取り付き付近がどうだか、活路を早々に見つけ出せれば、意外にあっさりかもしれませんね。
この付近、私の知る作業道もネット情報のみのものですが、それには現れない作業道が無数にあるでしょうね。それを上手に使うことに越したことはないのですが、作業道マップなんてものがあればなぁなんて思っております。
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天目山林道 (ハイトス)
2015-05-21 10:38:50
こんにちは。
この界隈、マニアックルートですので出てくるお名前がそれを物語っておりますね。
画像からは結構暑そうで初夏の趣でしょうか。
その中で小滝の画像がそそられます。

体調が悪い割にはちゃんと歩いておられるので感心致します。
比して自分は相変わらずの状況でして、棒振りや飲み会の翌日は気力が伴ってきません。(泣)
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2015-05-21 20:51:09
ハイトスさん、こんにちは。
やはり棒振り続きですか。確か、昨年もこの時期に集中していたような気がいたします。まぁそれでも、身体を動かして酒を飲む。それが続く。いいじゃないですか。

おっしゃるとおり、この界隈はマニアックだらけというか、エリアがそのもので、天目山林道を延々と歩いて大平山に出たとしてもマニアックな歩きと申せましょう。
唯一、そうでないコースといったら、カラ沢から福寿草、そして峠の尾根下りがポピュラーなコースではないでしょうか。
つぶさに歩いてみるつもりはありませんが、名前のある尾根くらいは歩いてみたいと思っております。最近、足尾も混み出しているようで、どうも積極的には足が向かない始末です。
秩父は暑いところです。こういった沢や小滝を見るとほっといたしますね。いやし系の沢でもあれば、入ってみたいのですが。押溜沢もそのまんまになっているしね。
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Unknown (十津川村)
2015-05-22 19:28:35
たそがれオヤジさん、こんばんは。体調の悪い中、お疲れさまでした。

お写真を見ると、植林帯の下草さえ目が痛いほどの輝きですね。いい季節になりました。
細久保林道の終点付近の様子等、大変参考になりました。山道が続いていないのですね。あと、天目山林道に下りてくる尾根や谷の名前の現地での考証も興味深かったです。

ところで当方、熊取尾根に言及した記憶がないのですが…。忘れてしまったのかも(冷や汗)。
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十津川村さん (たそがれオヤジ)
2015-05-22 20:09:07
十津川村さん、こんにちは。
体調悪いなんていっても、一種の言い訳のようなもので、本当に悪かったら、シャクナン尾根の第一ステージすら登れませんよ。
僭越ながら、熊取尾根につきましては、十津川村さんの『単独行』のP37、後ろから2行目に「1469mで分岐云々」で特定させていただいた次第です。
十津川さんクラスに参考になることなんてものはないとは思うのですが、すべてがネット情報ですよ。

さて、実は、本ブログのやり直しを本日やってきましたよ。シャクナン尾根は直登です。大平山の新林道も確認してまいりました。
数日後にアップいたしますので、また改めての論評をお願いいたします。
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