たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

なぜかバテバテ、野反湖の山めぐり

2011年09月11日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2011年9月10日(土)

<野反峠(7:40)……弁天山(7:50)……エビ山(8:45~9:00)……高沢山(9:35~9:45)……カモシカ平鞍部(12:05)……大高山(11:05~11:30)……カモシカ平鞍部(12:05)……高沢山分岐(12:25~12:35)……三壁山(13:00~13:10)……キャンプ場(13:45)……野反湖駐車場(14:10)……バス時刻(15:06)……野反峠駐車場(15:20)>

 岩菅山の延長で野反湖周回の山に行きたくなった。今日は夕方から山沿いは雷雨のようだ。早いところ歩き出したいが、同じ群馬でも、六合村は遠すぎる。家を5時に出て、高速を使いながらも、野反湖駐車場に着いたのは7時半。途中、野反湖に向かう国道405号線に入って間もなく、「和光原から野反湖間通行止め」の看板が目に付いた。ここまで来てこれでは困った。時間的に代案は志賀山くらいなものか。和光原なるところがどこかは知らないが、取りあえず、行けるところまで行ってみようと、そのまま車を走らせる。工事個所がいくつかあったが、野反峠に無事に到着。この通行止めは台風12号の影響によるもので、今朝解除されたばかりのようだ。休憩舎がある。登山と釣りは第一駐車場に置けと記された看板があり、車を移動。そこは富士見峠駐車場とも言うらしいが、峠の名前が2つ続き、ここから富士山は見えない。駐まっていた他の1台からは、ご夫婦らしき方が八間山か湖岸周遊の方に向かって歩いて行った。今日は、八間山に行くまでの余裕はない。

(野反峠から野反湖を望む。今日は左の稜線を歩く予定)

(早々に弁天山)


 カメラマンを追い越して、あっさりと弁天山。地図によっては、この先の1652.6mピークを弁天山としているものもあるが、そのピークは密ヤブで行けず、ルートは迂回していた。さて、弁天山での標識を見て、エビ山の名前の由来を初めて理解した。標識には「恵比山」と記されていた。何で、エビ山というおかしな名称になっているのか、事前にいろいろ調べたのだが分からなかった。弁財天、恵比寿ということだったわけだ。やはり現場確認が一番ということだな。しかし、何でまた、エビス山にしないのだろう。これまた疑問が残る。

(リンドウ)

(紅葉か?)

(そうだろうな)


 右下に野反湖を眺め、左手に横手山、白根山、四阿山を望みながら、エビ山に向かう。今回の歩きで一番気持ちのいいコースだった。涼しい風も流れている。やはり、ここも、志賀高原の山の風情だなあ。ハイキングコースには適度な湿り気はあるが、岩菅山ほどのぬかるみもない。何という種類かは知らないが、蕾のリンドウがそこかしこにある。紅葉らしき色付きもチラホラ。こんな気持ちのいい歩きが最後まで続けばいいが。湖に下るルートの分岐が2か所。反対側に下るのもあるが、昭文社版マップには出ていない。地形図を確認すると、花敷温泉の方に下れるらしい。そういえば、そちらから歩かれた手記をネットで拝見したことがある。国道が通じるまでは、そのルートも一般的だったのだろう。

(エビ山)

(エビ山山頂)


 エビ山も例外にもれず、この山域を通じて、はっきりとピークと呼べるようなピークを持つ山が少ない。エビ山も、高原台地の上にあった。暑くなってきた。ここは、陽を遮るものがない。すでに体感30℃超えだ。汗もたっぷりかいたが、今日の汗はサラッとしていなくて、ネバついた汗になっている。そして、獣の体臭がかすかにある。こういう汗は体調があまり良くない時のものだ。やはり、典型的な残暑の中の歩きだな。まだ1時間程度の歩きだが、15分ほど休み、菓子パンを口に入れる。

(高沢山は右の切れた山か。左にカモシカ平が見えた)


 高沢山に向かう。今日のコースは、漠然と、エビ山に登り、カモシカ平を見て、大高山に行けるようなら行く、といった程度で考えていた。つまり、目的はエビ山とカモシカ平。だったら、わざわざ野反峠に車を置かずとも、野反湖駐車場にすればいいだけのことだが、暗に、遊歩道をテクテク歩くことも想定したりしたものだから、何となく野反峠を出発地点としてしまった。ところが、そろそろバテはじめた。途中にある小ピークと、直下の登り(せいぜい標高差150m程度のものでしかないのだが)でやられた。陽が照りつけ、日陰に入っては休んだ。こりゃ、なかなか応えるわ。

(横手山は前回に続き2回目の登場。そして、草津白根山)

(高沢山山頂)


 高沢山でまた10分休憩。今日は長い休みが多くなった。ここは日陰でじっとりした感じで、風も通らず、休憩スポットとしてはあまりお薦めではないが、今は日陰ということだけで十分な休憩場になる。カモシカ平から戻って、ここから帰りをどうするか。エビ山に戻るのが無難かなあ。

(カモシカ平の鞍部)


 さて、カモシカ平に向かう。想像していた以上に、一旦、ガクンと下って、カモシカ平の鞍部に下りる。これ、帰りの登りはつらいだろうな。見事な笹の原だった。初夏なら、お花畑になるらしい。今は笹だけの世界。遠くの景色まで見渡せる。水場まで往復30分とあった。そんなに時間がかかるんじゃ、今日のような暑い日は、汲んだ水を全部飲み干して戻ることになるんじゃないのか。特別なためらいもないまま、自然に、大高山に向かう。整備されている地元の方には失礼なことだが、刈り払った笹がそのままになっていて、非常に歩きづらい。この状態は大高山まで続いていた。滑りながらカモシカ平の上まで達した。いやあ、ここは暑い。陽を遮るものがない。水は1.5リットルの持参だったが、ここまでで1/3を消費した。こうと分かっていれば、2リットル持って来るべきだったな。

(カモシカ平から振り返る。右が高沢山。三壁山は左ピークのさらに奥)

(大高山への道。後ろにかすかに大高山)


 コースタイムでカモシカ平の鞍部から大高山まで1時間ということだが、これでは1時間はかなりきついだろう。道は刈り払われてしっかりとしているが、歩きづらいし、ぬかるみもある。これまで以上に傾斜はきつくなり、小ピークも2つある。まず、大高山そのものが見えない。目的の山が見えないままに歩くのは、かなり精神的にもしんどいものがある。ようやく、樹間から山の姿を見た時、まだ先にあるのにはうんざりした。

(白砂山が見えた)

(大高山山頂)


 何とかコースタイムで到着。2時間も歩いたような感覚。しばらく日陰で休んだ。展望はあまり良いとは言えないが、風通しだけはいい。今のところ足の痛みはないが、ぐったりした。寝転がった。水はもうぬるくなり、湯を飲んでいる気分。おにぎりと菓子パンを食べる。帰るのが嫌になる。

(ようやくカモシカ平から上がる。バテバテ)


 雲が出てきた。いずれ雨が降るかもしれない。帰るとするか。こういう時だけは天気予報もあたって欲しくない。この先に五三郎小屋があり、天狗平もある。ちょっとそのまま行ってみたが、木が邪魔で何も見えない。これ以上下ると後に響くから、適当なところで登り返し、下る。2人組が登って来る。今日、初めて会ったハイカー。赤石山の方に縦走だそうだ。でかいザックだったからテント泊であろう。陽が隠れはじめ、上も見ると、雲の色も黒くなっている。そして、すぐに陽がまだ出てくる。いずれ確実に雨が降る。カモシカ平を下る。向かいの高沢山を見上げると、うんざりする。やはり、高沢山への登りはきつかった。また晴れだしたから余計だ。ここで下って来る単独氏に会う。大高山の先まで行き、天狗平を見に行きたいと言っていたが、さすが、カモシカ平での下り、上りが気になったのか、帰り道が恐ろしいから、どうなるか分からないとも。

(分岐でまた休む)

(三壁山)

(三壁山山頂)


 高沢山分岐で休憩。かなり疲れた。もう、身体は獣臭になっている。さてどうするか。自分には、ここからエビ山に戻るより、三壁山を経由してキャンプ場に下り、湖岸の遊歩道を歩いて野反峠に出た方が楽チンに思える。三壁山へは最後の上りになる。もうゆっくり行くか。すぐ先のピークが三壁山と思いきや、さらに先だった。三壁山の下でカップルが食事中。こちらの姿はかなり遠くから見られている。これはつらい。写真を撮るふりをしては立ち休みを繰り返す。随分とごゆっくりなハイカーだと思われたろう。カップルの脇を通り、よっこらしょっと三壁山。ここも高沢山のピークに似たり寄ったり。ここでも10分休憩。今日は休憩だけで1時間以上はとっている始末。

(左に八間山)

(三壁山登山口)


 キャンプ場に下る。ここを上りには使いたくないなと思った。道も悪い。冷たい水が流れていた。水筒の水を取り替え、さらにガブガブ飲む。空腹なのだが食欲はない。水を飲んでは、空腹感を満たす。この道を下りながら、時たま見える野反湖の光景、ここを歩いた記憶がある。30年以上も前のことだろうか。記録をつけることもなく、気まぐれであちこちを歩いていた時期があった。ここには、絶対に来ている。どこの山に行ったのかまで記憶はない。白砂山と八間山を歩いた時は、ここを歩いていない。

(ショートカットするにはここから登らないといけないらしい。バテた身体にはきついよ)


 通行止めもあったせいか、キャンプ場はひっそりとしていた。炊事場の水道で顔を洗い、タオルで身体を拭いた。湖畔の道は東西にあるが、東側の方が歩く時間も少ない。これにしよう。キャンプ場を抜け、橋を渡り、駐車場に出た。一応、一日3便のバス時刻も確認。15時6分長野原行きというのがあった。あわよくばと思いもしたが、1時間もあるのでは、歩いた方がいいか。売店の自販機でアクエリアスを買って飲む。さて、遊歩道口を探したが、見あたらない。売店のオッサンに入口を聞いた。白砂山への登山口から入って、途中、すぐに右に行くと駐車場に出る。しばらく行くと、遊歩道入口があるとのこと。簡単な説明を、大声でややこしく説明された。おかげで難しく歩き、急な山道を進み、迷いながらも、何とかその駐車場に出た。何ということはない。国道のちょっとしたショートカットを教わっただけのことで、遊歩道入口は国道をさらに行ってからのこと。「このまま国道を行けば、右手に入口がある」だけで済む話だった。迷いタイムもかかり、国道に出くわすまでショートカット以上の時間を費やした。

 こんなことをしていたら、にわかに空が曇りだし、大粒の雨が降ってきた。国道は坂道になっていて、このまま合羽姿でしばらく歩くのはしんどい。もう、バスに乗ることにし、あわてて戻った。ちょうど、バスが到着したところだった。20分も待てば出発する。トイレ付きの休憩所で雨宿り。バスから降りたバアサンが、何やらぶつぶつ言いながら、その相手探しでつかまってしまった。嫁がバスの終点で降りれば迎えに行くというので、ここまで来たが、向こうは花敷温泉が終点という感覚でいたからか、また花敷温泉まで戻るしかないそうだ。こちらとしては、「ああそうですか。まだ上りのバスがあって良かったですね」としか言いようがない。

(野反峠の駐車場に戻る。山は見えなくなりつつある。これらの車の持ち主も濡れネズミか)


 たかが10分の乗車、されど10分の距離だ。窓から眺めていたら、車道から湖畔への入口は大分先にあった。2つ目の野反峠で下車。雨はすでに上がっていたが、周辺の山々はもう姿が消えていた。縦走のお2人、天狗平見物のオッサン、確実にまだ雨の中だろうな。

 ロマンチック街道を通って帰った。暮坂峠を過ぎると、右手に異様な姿をした岩山が見えた。有笠山。ここは群馬百名山にもなっているらしい。どこから取り付けばいいのやら。「登山口」の看板はその先にあった。帰ってから、ハイトス氏の紀行を読んだ。いとも簡単に登られている。見た目、歩ける山ではないのだが、鎖場付きながらも、ハイキング用のルートもあるんだね。機会があれば、ついでに登ってみるか。機会があればの山がまた一つ増えてしまった。

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4 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2011-09-11 21:22:57
今晩は。
前回に続き、今回も見事に明るい山ですね。たそがれさんのボヤキとは裏腹に、実にサワヤカな写真の数々です。観光パンフレットに採用されてもおかしくないような出来映えですよ。
おいらも行ってみたい衝動に駆られてしまいましたよ。でも遠すぎます。
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-09-11 21:48:00
立て続けのコメントありがとうございます。
私にも、野反湖は遠いところです。渋川から先、草津も嬬恋も遠すぎますよ。運転しているだけで疲れます。つい、栃木の山に目が向いてしまうのも致し方のないことです。おそらく、県内だから近いといった潜在意識があるからでしょうね。
ここも、紅葉はきれいなところです。以前、その時期に地蔵峠から白砂山、八間山と歩いたことがありますが、ただ、見事の一言でしたね。
野反湖 (ハイトス)
2011-09-12 18:41:34
土曜日は好天でしたので暑かったでしょう。
下界も暑くて渡良瀬川河川敷でBBQだったのですがこの日は真夏に戻ったようでした。
皆さん山へ行っておられるだろうなぁと思いながら肉を食べてましたよ。
さて、なんで野反湖周辺なのか???でしたが、岩菅山の延長だったのですね。
この時期これと云って特徴のない(この時期はどこもそうであるが)野反湖西側の山々ですが、晴れた青空とのコントラストがきれいです。
しかし予報通り夕方には雷雨ですが、バスで回避できてよかったですねぇ。
お婆さんのお相手ご苦労様でした。
目に浮かぶようです。
ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-09-12 21:49:14
こんばんは。
ハイトスさんの瑞牆山紀行がなかなかアップされず、その前に寝てしまいそうですよ。
渡良瀬河川敷でBBQですか。いいですね。会社のお仲間がお相手では、立場上、致し方ないですね。
野反湖西岸の山は、別にかねてから行ってみたいと思っていたわけでもないのです。白砂を登っていましたから、この周辺は、いずれ機会があればという程度でした。
ところが、おおせの通り、岩菅山に登った際に、大高山から、岩菅山が見えるのかなと気になり、足を運んでみた次第です。結局は見えなかった。赤石山まで行かないと無理みたいですね。
とはいえ、この周辺の山もいいですね。険峻さもなく、お互いの山が高台にのんびりと存在しているといった、この風情は素晴らしい。再認識した次第です。

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