たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

榛名の紅葉には期待していただけに、自分にはちょっとがっかり。

2023年10月30日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2023年10月27日(金)

湖畔の宿記念公園駐車場(8:00)……硯岩方面からの登山道に合流(8:42)……掃部ヶ岳(8:52~9:00)……西峰(9:17)……掃部ヶ岳(9:40)……分岐(9:47)……硯岩分岐(10:01)……硯岩(10:07~10:24)……分岐戻り(10:27)……登山口(10:34)……車道……駐車場(10:52)

 榛名山の紅葉も今盛りなのだろうか。標高の一番高い掃部ヶ岳なら間違いあるまい。36年前に登っているが、どこをどう歩いたのか記憶はまったくない。今回は湖畔の宿記念公園駐車場から登り、北側の硯岩を経由しての周回とした。せっかくだし、せめて榛名富士にも寄りたかったが、3時から用事もあったので、午前中しか現地にいられず、残念ながら掃部ヶ岳だけにした。

(湖畔の宿記念公園)


(榛名湖にはモヤがうっすらとかかっている)


(後ろから失礼とは思ったが、明るく撮れたのはこれぐらいだった)


(登山口)


 「湖畔の宿記念公園」というくらいだから、立派な公園かと思っていたが、地元には失礼だが、「記念」を感じるものはないような小さな公園だった。公園からの榛名湖の眺めも、他の家屋や電線が入り込み、決して良いものではない。かろうじて、湖面にモヤが残っていて、少しは幻想的な感じはしたが、ここからでは逆光で、すっきりとはしない。
 登山口がわからずうろうろした。GPSを忘れてきたので、方向音痴の自分には、地図だけでは位置関係もよくわからない。公園の上の方でようやく掃部ヶ岳に向かう小さな標識を見つけた。山記事を見ていて気になってはいたが、こちらから登る人はそんなに多くはない。メインは硯岩のある北側コースだ。登りながら納得した。いきなりの急登だった。

(青葉もあるし、これからなのかなと思ったが、色づきはかなり焼けている)


(急登にヒイヒイしている)


(こんなのを撮ってもなぁ)


 5分も歩いて音を上げた。地図を確認すると、さほどに等高線が狭まっているわけではないが、北側のコースの方がのんびりとしている。逆歩きにすれば良かったようだ。これがどこまで続くのやら。少なくとも北側コースとの合流点まではこうだろう。ちなみ昭文社地図のコースタイムは山頂まで1時間20分(ヤマップでは50分だが)となっている。北側からは1時間10分。その近くに市営駐車場もある。失敗したようだ。このザマでは2時間はかかるだろう。こうなったら覚悟は決めた。したくもない試練と思えばいい。
 紅葉は乏しい。北コースは針葉樹、こちらは広葉樹マークがあるから期待もあったが、さっぱりだ。むしろ終わったかのようだ。どうでもいいような色づきを見かけては写真を撮る。これは、立ち休みをしたいからだけのことで、決して本意からではない。いつもならパスだ。急な下を見ても、だれも登って来るハイカーはいない。

(平坦になったとほっとしたら一時しのぎだった)


(たまにはこんなのもあるが、濃過ぎないか?)


 ふと、カメラレンズのキャップがなくなっていたことに気づいた。ヤレヤレと下る。撮影タイムの回数が多かったから、下った距離はさほどではない。前の撮影地点に戻って、登り返す。結局、隈なく探したつもりが見つからなかった。カメラは首からぶら下げているし、レンズが割れでもしたら、この先が撮れなくなるのも困るので、レンズフードを付けた。

(ロープには頼ることもなかった)


(このレベルで続けばなぁと思ったが、続かなかった)


(北側コースとの合流点標識)


(そちらを覗けば)


 急登は続いた。何度かだまされた。平坦になってほっとしても、さらに続く。岩場もあったが、正面突破せずとも巻き道がある。ため息が出たところで、右下からの道に合流。標識もあった。直進方向に「掃部ヶ岳0.2Km」とあり、ここが北コースとの合流点だろうと解釈。自分の登って来た方面に向けた標示はない。それどころか、右下の道には、階段とロープが続いていた。

(かなり楽になって)


(榛名湖をちらりと見て)


(掃部ヶ岳山頂。もっと広く撮りたかったが人が写ってしまう)


(西峰と杏ヶ岳方面)


(榛名の山には詳しくもないので何山かは知らない)


 ここからは楽な登りだった。下って来るハイカーが4人ほど。こちらは登りだが、その都度に待機して先に下ってもらった。短時間ながらもきつかった。まだ回復していない。
 掃部ヶ岳山頂到着。ここまで公園駐車場から50分。CTよりは30分も早いが、このCTは甘過ぎる。1時間20分どころか、元気な方なら30分程度かもしれない。ヤマップタイムに遅れることはなかったので安心はしたが。
 山頂は広いわけでもない。見晴らしもさほどに良くはない。南方面だけの眺望。榛名湖すら見えない。それでも、時間つぶしにあちこち写真を撮っていたら、山頂にいた三人のうち二人連れが下山し、青年一人だけになった。その青年がラーメンを煮炊きしている。タバコも吸いながらゆっくり休憩もしたいが我慢した。ただ、見ず知らずの二人きりの息苦しさを感じた。ふと、この山に「西峰」があることを思い出した。地図を見れば、杏ヶ岳方面に向かう途中にある。片道20分。40分後に戻って来れば、青年もラーメンを食べ終え、下山しているだろう。そこで改めてゆっくりすればいい。西峰に向かう。

(西峰へ)


(途中で浅間山)


(まあまあといったところだろう)


(西峰)


(色落ちしたのか、読みづらい標識)


(ここからなら榛名湖もはっきり見える)


 どんどん下って、また登り返すことを考えると嫌な気分になったが、程よいところで登りに転じた。登りは緩い。ピークに出た。ここが西峰かと思ったら、まだ先があって下る。すぐにピークが見えてくる。どうやらあれが西峰のようだが、余計なことをしなけりゃよかったと半ば後悔している。周囲の紅葉はといえば、相変わらずくすみ、自分には確実に終わったように思える。
 西峰到着。本峰よりも眺めは良い。榛名湖も見えるし、本峰からはちらりとしか見えなかった浅間山も煙を上げている様子が見える。ただ、ここの西峰も杏ヶ岳への中継点ピークにすぎず、長居できそうなところではない。写真撮りだけしてさっさと戻る。杏ヶ岳まで行く時間の余裕はない。行ったところで、ここまでの経過からして、紅葉は期待できまい。自分の勝手な憶測でやってきたのに、これは被害妄想というものだが、ついだまされた気分になってしまうのは身勝手な話だ。自然相手にそれはないだろう。

(戻る)


(これからなのかなぁ。わけがわからなくなったりしている)


(やたらに赤が多いような気がする)


(これくらいなら満足もできる)


(もう消えて、葉も落ちている)


(それでもこだわってしまう)


(この辺で終わりましょう)


(前後どちらを撮ったのか忘れた。前なら掃部ヶ岳だ)


(さっきも出した写真。違いはススキの存在)


(掃部ヶ岳への登り)


(戻ったがスルー)


 だれに会うこともなく本峰の真下に来た。数人の声が聞こえる。嫌な予感がした。ラーメン青年どころではなくなっているようだ。やはり五人ほどのグループがいて、片隅に追いやられたかのようにオッさんが一人、おにぎりを食べている。グループはワイワイガヤガヤ。リーダー格らしいジイさんが銜えタバコで物知り風なことを言っている。どうも、自分の居場所ではないようだ。立ち止まらずに素通りした。こういう状況だったら、だれもいない西峰で、気兼ねもせずにタバコを吹かしていればよかったと後悔。

(左に下る)


(最初のうちは階段を使ったが、次第に歩きづらくなる)


(期待はしていなかったが)


(そこそこに紅葉はあった)


 北側ルートの分岐に下った。ここからは左に行く。その間に数人と出会った。みんな、自分と同じく紅葉目当てで登ったのだろうが、果たして、満足した方はいたろうか。自分ですら、つい、一昨日の一ノ倉沢トレッキングと比較してしまう。今日はお粗末な紅葉で終わりになりそうだ。この先は針葉樹の中の歩きだ。期待はしていない。
 コースは整備されている。ずっと階段は続き、左右にロープも張られている。その階段は、どこでもあるように、ところどころが雨でえぐられ、素直に階段を下ったら足を痛めるだろう。階段脇の道の方が歩きやすい。やはり、紅葉を期待はせずに下ったからか、緩いながらも長く感じた。地図どおりの針葉樹の中の歩きだ。登りの数人と出会う。鞍部に到着。標識があった。

(鞍部の標識。硯岩へ)


(硯岩のようだ)


 このまま硯岩を経由して下るのかと思ったが、標識を見たら、硯岩はオプションだった。標識を見て、そうか、硯岩だったかと笑ってしまった。ここまで、なぜかずっと亀岩とばかりに思っていた。それはともかく、硯岩方面に登る。
 硯岩には二人連れがいて、女性が小さなぬいぐるみを出し、榛名富士をバックにスマホで撮っていた。こういうのはヤマップ記事を見ているとよくある。この心境がどういうところからくるのか、自分にはよく理解できない。二人はほどなく下って行ったが、彼女の方はどうも足元がおぼつかない。

(あちらに行きたいが、いるんじゃ行けない)


(硯岩から)


(同じく)


(同じく。東吾妻の丸岩を思い出す)


(硯岩の標示板)


(だれもいなくなったところで岩を入れて)


 だれもいなくなったところで、ようやく一服。榛名富士と榛名湖が見える景色でしかないが落ち着ける。硯岩は横長15mほどの岩峰だ。端から端まで行ったところで、見える景色に変化はない。携帯を出すと電波は通じている。アマゾンサイトを開き、レンズキャップを探した。3個セット412円というのがあった。3個もいらないが、ヒモ付き412円ならとオーダーした。
 休んでいる間に、単独のオッさんと二人連れがやって来ては下る。二人連れの女性の方は息切れしながら「体重を減らさないと」と言いながら登って来たが、確かに、お腹がぽっこりしていた。これでいくらかでも減量できたのだろうか。まただれもいなくなった。そろそろ帰るかと腰を上げて下ると、減量オバちゃんの足どりは鈍く、鞍部に至る途中で抜いてしまった。

(鞍部に戻る。あとは帰るだけ)


(こちらには紅葉がなかった)


(車道に出る。これからなんだか、終わりなんだか、それともこのままなのか…)


(車道歩きで)


(かろうじて邪魔なものが入っていない榛名富士)


 平日ながら、登って来るハイカーが何人かいる。相変わらずに長く感じながら車道に向いた登山口に出た。ここからは車道歩き。紅葉は上よりも湖畔の方がきれいなようだが、電線や建屋が入り込み、スポットらしき撮影場所はたいしてない。

(ダメ押しで)


(駐車場に戻った)


(ここの駐車場は閑散としている)


 何だかなぁとがっかりしながら湖畔の宿記念公園に着いた。観光バスが一台。公園では、昔ながらの団体さん写真を撮っている。駐車地に戻ると、オバちゃんが車のフロントガラスにスマホを置いて自撮りをしている。それを見ながら、荷物の整理をしていると、やがて連れのジイちゃんがやって来て、また並んで自撮り。余計なことかとは思ったが、フロントにスマホを置いていたのでは斜めになるだろうにと、いたたまれずに撮りますよと声をかけた。喜んでくれた。「久しぶりにおとうさんと…」と言っていたが、そんなことは、オレにはどうでもよいことで、榛名湖をバックに縦横で撮ってやった。自分ら夫婦だけの写真は、結婚式以来、何十年も撮ったことはない。絵にならないからと、意識したこともなかった。
 紅葉見物目的にしてはかなりの不良消化気分。これから用事があるのでは帰るしかない。この日、北側コースを下っている間、時間的におそらくはすれ違ってコンニチワを交わした単独女性のヤマップ記事を翌日に見かけた。杏ヶ岳手前の杖の神峠先まで行って道迷いされたようだが、掲載された戻るところでの紅葉の写真は賑やかだった。こんなベストな場所もあるのかとがっかりした。こんなのはあくまでも偶然で、どうにもなるまい。道を外して歩けば、素晴らしい紅葉にも出会えるかもしれないが、GPSもなくコースに戻れるかどうかの自信は自分にはない。

 紅葉鮮明な写真ばかりを選んで出したから、何が不満? とお思いの方もいるかもしれないが、少ないきれいどころを並べただけのことで、全体として、自分の感覚ではくすんだ紅葉だった。一週間早く来ていれば楽しめたのかもしれないと思っている。ただ、好みの問題だろうか。翌々日に掃部ヶ岳を歩いた方の記事を拝見すると、「紅葉満喫」という言葉が出ていた。別に、紅葉に関して辛辣な意見を持っているわけではない。ただ、きれい、焼けたり、濃すぎればきたないといった程度の感覚だけなんだけどね。

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