◎2023年11月4日~15日
健診でひっかかった。これまでも頭から尻までかけて何度かあるが、いずれも再検査では異常なしだった。さほど深刻にならずに受けた再検査の翌日に医師から電話があり、精密検査日を予約する羽目に。絶望的になった。ネットで、疑いのある病気の病状やら、近くにあるがんセンターや地元のО病院のホームページを毎日のように眺めていた。精密検査のあとは大病院への紹介状を渡される運びになるだろう。悶々としながら待った精密検査の結果は異常なしの経過観察だった。ほっとしたというよりも、なぜか情けなくなった。
その間、気分的には紅葉めぐりどころではなかったが、身体に異変を感じることはなかったし、精密検査の結果を待つしかない。ここで深刻になっても仕方なく、ヘタすれば、自分にとって、今年が最後の紅葉見物になるかもと思い、用事と天気次第で、紅葉情報を集めては出かけていた。楽しいはずがない。頭の片隅には、70歳までは生きられまいという諦めがもたげていた。若い頃はむしろそれを理想にしていたのだが、この年になると、せめてボケの寸前までは生きたいと思うようになっている。
ブログタイトルに12日に予定していた桐生の鳴神山を加えたかったが、朝起きるとどんより天気。犬の散歩をしながら見る北の空の雲の色はかなり濃くなっていた。雨降りの可能性もある天気予報では、モミジを見てもきれいとは思えないだろう。やはり陽があたっての紅葉だ。やめた。鳴神山の紅葉状況は知らないが、標高的に少しは期待をしていた。
群馬の山では中之条の石尊山と、東吾妻の高ジョッキはここのところの恒例になっている。今季もそれだけはやった。他にも見どころはあろうが、よくは知らない。時期的に遅くなっていたし、榛名山では出遅れた。石尊山はともかくとして、11日の高ジョッキは失敗紅葉だった。8日時点では盛りだったらしいが、3日後は色づきの葉も大方が落ちていて、帰りがけに岩櫃山にでも寄るつもりでいたものの、その気は失せた。
これからは里山やら里の紅葉だろう。タイミングを逸しないようにしたいものだが、ヤマップあたりの情報を見ていると、曇り空の中を歩いて、「早かった」だの「見頃は月末」だのといったことが記されていたりする。それは当たり前のこと。青空の中を歩けば「今が見頃」にもなる。真に受けて予定を組むと失敗する。その同じ山を同じ日に歩いて「今年はダメ」、「あと数日」と記されていることもある。すべて、個人的な感覚だ。
【吾妻峡】…11月4日 耶馬渓しのぐ吾妻峡…か。
5日は高田山の予定でいた。とはいっても、紅葉の見どころのない高田山ではなく、その途中の石尊山に行くつもりでいたが、朝起きると、どんよりして、黒い雲すら浮かんでいる。GPV気象予報をみると、群馬県全域に雲がずっとかかり、午後からは一部で雨域が入り込んでいる。今度は「てんきとくらす」で確認すると、高田山の日中は確かに<A>だが、晴天というわけではなく、天候に支障なく歩けるAのようであって、中之条町の天気はずっと曇りで、夜は雨。行くのはやめた。3日に行けばよかったと後悔した。後で知ったが、この5日に石尊山に出かけた方の記事の写真には青空が覗いていた。なんともはやとしかいいようがない。
前日の4日も同じようなことをしている。高ジョッキに行くつもりで東吾妻に向かった。ずっと曇っていて、八ッ場ダムを過ぎてから見えた丸岩の特異な姿はぼんやりしている。先日の中禅寺湖で明らかだった。陽があたっていたから紅葉を楽しめた。曇り空の中での紅葉見物は楽しみも半減だ。高ジョッキはやめにした。どうも「やめにした」という言葉が多発してしまった。
ただ、ここまで来たからにはと、見物したこともなかった吾妻峡探索に切りかえて戻った。何せ、2時間半もかけて来ている。曇天で盛りの紅葉を見られないだろうことは残念だが、渓谷美だけでも楽しめればいい。石尊山、高ジョッキにしろ、数年前なら曇り空であろうと、雨が降っていなければよしと登ったかもしれない。現に、三年前に息子と高ジョッキに行った際には、息子は紅葉に目も向けもせずに歩いていた。目的が違っていた。今は、どんよりした中での紅葉見物には興がそそられない。
上毛かるたに「耶馬渓しのぐ吾妻峡」というのがある。地域かるたの文句はオラが国が一番といったところがあるから、にわかに信じて行くとがっかりするものがほとんどだ。大分の耶馬渓そのものには行ったこともないから比べようもないが、吾妻峡もそれなりに美しい渓谷ではあるのだろう。
吾妻峡のハイキングマップは、高ジョッキ下山後に歩くつもりでいたから用意はしていた。マップを見て、渓谷パーキングに駐車した、道の駅からでは無駄な歩きをしそうだった。
車道歩きを経てハイキングコースに入る。柵があっての車道沿い。すぐに車道からは離れる。向かいの山肌は、晴れていれば、紅葉盛りだろうの雰囲気だ。承知で歩いているものの残念としかいいようがない。土曜日ゆえか、ぞろぞろと見物人が歩いている。軽装もいれば、山歩きスタイルもいる。まさか、高ジョッキに登るザックでというわけにはいかないから、小型のデイパックにした。
結果は面白くも何ともなかった。それでも2時間以上は歩いた。代わりに期待した渓谷美もまたこんなもの? で終わってしまった。すっきり晴れの日に歩いていたら、感想もまた違って、想像の耶馬渓をしのいでいたかもしれない。
※以下、他の紅葉も含めて、写真の羅列だけにする。
「面白くも何ともなかった」と記したわりには、くすんだ写真が多過ぎたか。
【石尊山】…11月8日 数日遅かったような気はするが、やはりここの紅葉は絶品かと思う。
どうかな、もう遅いかなといった感じで出かけた。四万に向かうメロディーラインの広い路肩に駐車。平日の8時過ぎにしては、すでにスペースの半分以上はうまっていた。準備中の方も数人。見上げれば青空。やはり、ここは紅葉スポットなのだと改めて思うし、期待もした。
四年前に石尊山から高田山に行き、破線路もない北側尾根伝いに四万に下ったことがある。四万側間近にしてちょっとしたトラブルはあったものの、石尊山山頂から高田山、そして北尾根下りの区間にさして紅葉の見栄えはなかった。やはり、ここの紅葉は石尊山までのコース途上だろう。今日は石尊山往復だけにし、それでは時間も余るので、渋川の赤城自然園に寄って帰ることにしている。
石屋さんを過ぎて登山口。ヒル除けスプレーが置かれていたが、この時期だしと、敢えてかけもしなかったが、中身は空だったらしい。歩きながら気にして足元を何度も見たが、最後までヒルにやられることはなかった。
クネクネした道を登る。急なところもある。正直、きつかった。何人か、何グループを追い越した。周囲は針葉樹で見るものはない。上に稜線が見えたところで、あそこまでがんばれば何とか行けるかと思ったところで紅葉が始まった。去年は11月7日だった。今年は翌日になる。あれから一年。たかが一年で、こんなに歩くのがきつく感じるとは。猛暑で身体を不具合にした余波がまだ残っているようだ。もしくは、加速度的な体力減退なのか。どうせ70歳までは生きられないのだからというささやきが聞こえてきた。
歩きの速度が半分になった。立ち止まっては写真撮りの回数が増える。自分はむしろ淡い紅葉が好きだが、かなり濃くなっている。そろそろ終盤らしい。あくまでも自分の感覚ではだ。足元を見れば、真っ赤なモミジの葉がかなり落ちている。
紅葉が寂しくなったところで山頂に到着。狭い山頂には4人ほどいた。途中で追い抜いたり、ここにいる方の人数からして、あの車の台数からは、高田山に向かっている方もいるのだろう。長居は無用。見るべきものは見て満喫した。さっさと下る。
同じ道を下る形にはなるが、結局は往路と同じスポットで立ち止まる。陽の位置がずれ、紅葉の趣が違うように感じるし、コースから外れて、きれいどころをわざわざ見に行ったりして、下りでは時間がかかった。ぞろぞろとハイカーが登って来る。これでは、山頂に腰を据える気分にはなるまい。
下山すると、路肩どころか路上にも車があふれていた。せっかくだから、四万方面に向かい、滝を2本(大泉の滝と小泉の滝)見る。紅葉をバックになんて考えていたが、そんな甘い風景はなかっし、小泉の滝に至っては、部分的にしか見えなかった。戻りながら、車窓から眺める四万の道沿いの紅葉はきれいだったが、道端のモミジの写真を撮ってもしょうがない。そのまま渋川に向かう。
写真を出し過ぎたようだ。自己満足と思ってもらえればいい。ただ、写真を羅列して思うのは、樹々の間からの垣間見紅葉が多いこと。それが陰影のポイントになるかもしれない。てなこといって、ただ、こんなのしか撮れなかっただけのことで、ストレートに撮れない分、素晴らしいとは思っても、ここの紅葉の限界なのかもしれないし、それが魅力なのかもしれない。
【赤城自然園】…11月8日 拍子抜けの紅葉にはがっかり。
8日から「イロハモミジのトンネル解放」ということだったので石尊山の帰りに立ち寄った。この赤城自然園はセゾングループが運営していて、入園料は1000円だが、セゾンカードを見せると500円で入園できる。しかし、1000円は高かないか。それは結果を知ってからのこと。300円でも高く感じた。
2年前の4月上旬に来た際の印象は良かったので、紅葉にも期待した。まして、赤城山麓だし、標高も650mほどだ。紅葉があっても、もしかして早かったとしても色づきはあるだろう。ただ、ホームページを見る限り、見頃がいつなのか、明確には記されていなかった。スタッフも見当つかない状況なのだろうか。トンネルをくぐれるだけでも良しでいいだろう。
ところがどっこい。園内を1時間20分かけて一周した。石尊山を登って、クラッチ踏みを繰り返した足は疲れていた。ベンチを見る都度に腰をおろしたくなったのはこらえた。ちょっとでもいい。見ごたえのある秋の景色に触れたかったが、陽があたって、オッ、きれいだと思っても、裏に回れば、すさまじく煤けている。これって、もう終わりじゃないの。
肝心のトンネルはどこなのかわからずに通り過ぎていたようだ。場所が特定できていたわけではなく、園内を一周しながら、脇道に入り込み、人出が多いらしきところがトンネル付近と思ったが、モミジのトンネルは見あたらない。見逃してはいないはず。
春先の花は連なってきれいだった。紅葉のスポット公園としては弱いようだ。2時半を過ぎたばかりなのに、人出は閑散としていて、歩いているのは自分だけかと思うほどだった。入園した時にはわりと混んでいて、駐車場も一番上まで誘導された。退園する時には、周囲にだれもいなかった。おそらく、トンネル目的で来た観光客がほとんどだったのだろう。残念だったのは自分だけではないようだ。
良いとこばかりの写真を並べた。どこがトンネルかは不明。高い入園料を払った以上はきれいどこをそろえるしかないわけで、自分の技量ではこれが限度でしかなかった。
【高ジョッキ】…11月11日 3日前の紅葉記事を見て、遅ればせながら行ったはいいが、すでに終わっていた。
愛犬のミニダックスを連れてよく山歩をされる<ゆうやけさん>の記事を拝見した。8日に高ジョッキに行かれ、見ごたえのありそうな紅葉の写真が並んでいた。自分の記憶のままの風景だった。ただ、記事文面に「本日を境に終盤へとシフトしていきそうな感じでした」とあった。去年、高ジョッキに行き、紅葉を堪能したのは11月2日だった。かなり出遅れた感はあったが、ゆうやけさんの記事はまだ3日前のことだし、何とか終盤ながらも間に合うかもと出かけた。紅葉見物の恒例スポットでもあったが、今季は半ばあきらめていたところだった。
回りくどいことを記す。敢えてゆうやけさんの名前を出したのにはわけがある。ご当人には記憶もないだろうが、一昨年、アカヤシオ見物で三ッ岩岳からの帰路でミニダックスを連れた方とお会いし、すぐにゆうやけさんだとわかり、その場限りの二言、三言の会話をしたに過ぎない。自己紹介したわけでもない。正直のところ、ゆうやけさんよりも、そのnanacoという名前のミニダックスの方が印象深い。もう3年前に20歳直前で亡くなった飼い犬がミニダックスで、下の娘が小さい頃に、よく連れて一緒に桐生やら足利の山を歩いた。その思い出があって、ゆうやけさんのお歩きの記事はよく拝見していた。
それはともかくとして、3日後ではあまり変わりもせず、せいぜい少しは黒ずんではいても「見られる紅葉」を当てにしていた。普通、高ジョッキだけではなく、丸岩もセットで登るものだが、丸岩は石だらけで歩きづらく、自分の経験では高ジョッキに比べて紅葉はたいしたこともない。むしろ、この時期に歩いたことのない岩櫃山に寄るつもりでいた。
車は高ジョッキ登山口の路肩に一台のみ。自分は下の駐車地に車を置いた。気持ちはガツガツしていた。新三角点までの間にチラホラと黄赤が見えた。高ジョッキのハイライトは新三角点を過ぎてから始まるのだが、ここは序盤戦ながらも何だか様子が違う。色づきの葉は少なく、モサモサしていない。それもそのはず。足元には赤い葉が随分と落ちている。
案の定、新三角点を過ぎてからの稜線歩きに賑やかさはまったくなかった。いつもなら目の前に見える紅葉がかなり下にチラつくだけ。ほとんどの木から葉が落ちていて、寂しい冬枯れ寸前の風景になっている。完全にあきらめた。終盤どころか終焉だった。
このまま引き返してもよかったが、せめて山頂ぐらいは行っておこう。かすかな期待もあった。だが、面白くもなく、ふてくされ気味で登り下りを繰り返し、岩場を登って山頂到着。山頂にはだれもいなかった。ということは、登山口にあった車の方は丸岩先行だったのか。この先の三角点峰まで自分は行ったことはあるが、そんな物好きな方はいまい。
タバコをふかして下る。健診でひっかかったのは肺ではないからタバコは吸う。余計だが、酒も飲んでいる。途中、単独歩きの方3人と出会った。みんな、期待して来たのだろう。もしかしたら見落としがあったかもと、つぶさに左下斜面を眺めながら下ったが、高見の尾根の一本通し。足を止めることはなかった。
駐車地に到着。車は自分のを入れて3台あった。登山口の車はそのまま。出会った人数とは合う。帰り支度をしていると、車がやって来て、「出ますか?」と聞かれたので、車を登山口の路肩まで持って行った。その車は新潟ナンバーだった。まさか新潟からわざわざではあるまい。だとしても、自分と同じくガツガツでやって来たのだろう。これから期待して登る方に余計なことは言わない方がいい。聞かれもしないから黙っていた。
さて、がっかり紅葉見物だった。石尊山で楽しんだから、せめて高ジョッキでも楽しみたかった。これがあらゆる意味で最後かもしれないし。
短時間歩きの高ジョッキの後の岩櫃山は、あくまでも高ジョッキの紅葉を満喫してからという前提だった。その気になれなかった。晴れているし、吾妻峡の歩き直しという手もあったが、それは後で思うにということであって、その時はそんな思いも浮かばず、素通りして長い家路に就いた。
赤が目立つけど、ここは新三角点からの稜線歩きから右下を眺める紅葉が絶品。それがほとんどなかったから、新三角点までの紅葉でカバーした。実際は、上はすでに土色の世界だった。今年は失敗した。来年はそれがないようにしたい。
【桐生川上流】…11月15日 ここでも感嘆することはなかった。こんな気分は今季としては最後にしたい。里山紅葉に期待するか。
午前中は医院に精密検査の結果を聞きに行った。医院で精密検査までやるのは、そこが専門医だったからだ。患者が多くて待たされた分、どんどん気が滅入っていく。結果は冒頭に記した形になった。実刑にはならず執行猶予が付いた。
気を良くしたわけではない。茫然自失のままに帰宅し、妻に結果をメールした後はしばらくぼんやりしていた。頭がようやく動いた。数日前にNHKで桐生川上流の紅葉が見頃を迎えたと報じていた。それを思い出した。曇り空ながらもドライブがてらに行ってみよう。
「上流」とはいってもどの辺のことなのか。まさか根本沢分岐まではいくまい。せいぜいダムの上のことだろう。だが、ダムを過ぎても紅葉の気配はない。まただまされたようだ。
細い道になった。幸いにも対向車はなかった。桐生川を見下ろしながらキョロキョロと紅葉を探した。とうとう石鴨天満宮まで来てしまった。曇っているせいか、普通の色づきしかなかった。ここでジイさんがお二人、お仲間かと思うが、重装なカメラで撮影をしていた。きれいな紅葉には見えなかった。「ここ、きれいですか?」と失礼なことを尋ねたら、「わからない」と素っ気ない返事。自分には写真撮りするほどの景観ではなかった。
さらに先に行く。100m先にまた撮影中のジイさん。これまた重装備のカメラと三脚。動き回っている。色具合は、天満宮よりは少しマシかもしれない。車を止めるほどでもない。しかしなぁ、自分には、はっきりきれいかどうか、ストレートにはたいしたものでもない紅葉に過ぎないが、おそらくは年金暮らしの年配者が、何十万、もしくは百万円近いカメラセットで、こんなきれいでもない紅葉と川を撮っているのは酔狂にしか思えない。いやいや、高いカメラだからこそ、川を背景に紅葉した葉を数枚入れれば、見事な写真になると言われればそれまでだ。
結局、根本山の登山口まで行ってUターン。桐生川上流の収穫はなかった。陽が出ていたとしても、おそらくは無理のある紅葉だった。ちなみに登山口に車は一台もなかった。
戻る。ジイさん連中はそれぞれに同じところで写真を撮っていた。路肩に車を置いて、歩いては無理して写真を撮った。
帰路の運転で、対向車があったらまずいなと思っていたら、なぜか消防車が来たり、普通車とすれ違った。それぞれに路肩の広いところだったからラッキーだったが、ガードレールもない眼下が川だったら、バックする距離も、長くてはいくら軽とて自信はない。
結局はということで、収穫なしで終わり。このまま帰るのももったいないし、ようやく気分も晴れてきたところだったから、大好きな崇禅寺に向かった。川内の崇禅寺の紅葉はまだ先だろうなことは知っていたが、やはりまだまだだった。
(以下、崇禅寺)
NHKが「見頃」とした桐生川上流の放映は見てもいない。妻からやっていたよと聞いただけのことだ。テレビで流すくらいだから、ここに出したような写真の、冴えない風景ではなかったろう。いくら晴天ではなくとも、それなりに見事な紅葉だったのではないのかなと思う。それがあっけなく終わったのだろうか。青葉を見れば、決して盛りとは思えない。紅葉の通でもないから、自分には何とも言えないし、見逃した見どころがあったのかもしれない。
崇禅寺だけは、確実にこれからだろうから、改めて行きたいと思ってはいる。宝徳寺の床もみじは11月は拝観料1200円のようだ。それなりに庭師の手も入れるのだろうが、曇天では並んでまで見る1200円の価値があるものやら。物価高が日常的になっていて、ラーメン一杯1000円以上が当たり前の感覚も麻痺している。あちこちで便乗のようなものまで結構ある。いくら名所とはいえ、宝徳寺にわざわざ行くことはあるまい。余計なことを記したか。
こんなところで今月の前半部の紅葉は終わった。まともな紅葉に出会えたのは石尊山だけだった。はっきりしたのは、吾妻峡の紅葉も含めて、やはり、陽が出ていたらきれいだったかもしれないということ。そして、明らかに遅かった高ジョッキだった。改めて記すまでもなくタイミングと陽当たり次第ということになる。
まぁ今回はしょうがない。健診の再検どころか、その再検でひっかかったのでは気もそぞろだった。紅葉目当ても、予定通りにはいかなかった。せめてあと一回、贅沢をいえば二回は立ち止まりが続きそうな紅葉を見たいものだ。
健診でひっかかった。これまでも頭から尻までかけて何度かあるが、いずれも再検査では異常なしだった。さほど深刻にならずに受けた再検査の翌日に医師から電話があり、精密検査日を予約する羽目に。絶望的になった。ネットで、疑いのある病気の病状やら、近くにあるがんセンターや地元のО病院のホームページを毎日のように眺めていた。精密検査のあとは大病院への紹介状を渡される運びになるだろう。悶々としながら待った精密検査の結果は異常なしの経過観察だった。ほっとしたというよりも、なぜか情けなくなった。
その間、気分的には紅葉めぐりどころではなかったが、身体に異変を感じることはなかったし、精密検査の結果を待つしかない。ここで深刻になっても仕方なく、ヘタすれば、自分にとって、今年が最後の紅葉見物になるかもと思い、用事と天気次第で、紅葉情報を集めては出かけていた。楽しいはずがない。頭の片隅には、70歳までは生きられまいという諦めがもたげていた。若い頃はむしろそれを理想にしていたのだが、この年になると、せめてボケの寸前までは生きたいと思うようになっている。
ブログタイトルに12日に予定していた桐生の鳴神山を加えたかったが、朝起きるとどんより天気。犬の散歩をしながら見る北の空の雲の色はかなり濃くなっていた。雨降りの可能性もある天気予報では、モミジを見てもきれいとは思えないだろう。やはり陽があたっての紅葉だ。やめた。鳴神山の紅葉状況は知らないが、標高的に少しは期待をしていた。
群馬の山では中之条の石尊山と、東吾妻の高ジョッキはここのところの恒例になっている。今季もそれだけはやった。他にも見どころはあろうが、よくは知らない。時期的に遅くなっていたし、榛名山では出遅れた。石尊山はともかくとして、11日の高ジョッキは失敗紅葉だった。8日時点では盛りだったらしいが、3日後は色づきの葉も大方が落ちていて、帰りがけに岩櫃山にでも寄るつもりでいたものの、その気は失せた。
これからは里山やら里の紅葉だろう。タイミングを逸しないようにしたいものだが、ヤマップあたりの情報を見ていると、曇り空の中を歩いて、「早かった」だの「見頃は月末」だのといったことが記されていたりする。それは当たり前のこと。青空の中を歩けば「今が見頃」にもなる。真に受けて予定を組むと失敗する。その同じ山を同じ日に歩いて「今年はダメ」、「あと数日」と記されていることもある。すべて、個人的な感覚だ。
【吾妻峡】…11月4日 耶馬渓しのぐ吾妻峡…か。
5日は高田山の予定でいた。とはいっても、紅葉の見どころのない高田山ではなく、その途中の石尊山に行くつもりでいたが、朝起きると、どんよりして、黒い雲すら浮かんでいる。GPV気象予報をみると、群馬県全域に雲がずっとかかり、午後からは一部で雨域が入り込んでいる。今度は「てんきとくらす」で確認すると、高田山の日中は確かに<A>だが、晴天というわけではなく、天候に支障なく歩けるAのようであって、中之条町の天気はずっと曇りで、夜は雨。行くのはやめた。3日に行けばよかったと後悔した。後で知ったが、この5日に石尊山に出かけた方の記事の写真には青空が覗いていた。なんともはやとしかいいようがない。
前日の4日も同じようなことをしている。高ジョッキに行くつもりで東吾妻に向かった。ずっと曇っていて、八ッ場ダムを過ぎてから見えた丸岩の特異な姿はぼんやりしている。先日の中禅寺湖で明らかだった。陽があたっていたから紅葉を楽しめた。曇り空の中での紅葉見物は楽しみも半減だ。高ジョッキはやめにした。どうも「やめにした」という言葉が多発してしまった。
ただ、ここまで来たからにはと、見物したこともなかった吾妻峡探索に切りかえて戻った。何せ、2時間半もかけて来ている。曇天で盛りの紅葉を見られないだろうことは残念だが、渓谷美だけでも楽しめればいい。石尊山、高ジョッキにしろ、数年前なら曇り空であろうと、雨が降っていなければよしと登ったかもしれない。現に、三年前に息子と高ジョッキに行った際には、息子は紅葉に目も向けもせずに歩いていた。目的が違っていた。今は、どんよりした中での紅葉見物には興がそそられない。
上毛かるたに「耶馬渓しのぐ吾妻峡」というのがある。地域かるたの文句はオラが国が一番といったところがあるから、にわかに信じて行くとがっかりするものがほとんどだ。大分の耶馬渓そのものには行ったこともないから比べようもないが、吾妻峡もそれなりに美しい渓谷ではあるのだろう。
吾妻峡のハイキングマップは、高ジョッキ下山後に歩くつもりでいたから用意はしていた。マップを見て、渓谷パーキングに駐車した、道の駅からでは無駄な歩きをしそうだった。
車道歩きを経てハイキングコースに入る。柵があっての車道沿い。すぐに車道からは離れる。向かいの山肌は、晴れていれば、紅葉盛りだろうの雰囲気だ。承知で歩いているものの残念としかいいようがない。土曜日ゆえか、ぞろぞろと見物人が歩いている。軽装もいれば、山歩きスタイルもいる。まさか、高ジョッキに登るザックでというわけにはいかないから、小型のデイパックにした。
結果は面白くも何ともなかった。それでも2時間以上は歩いた。代わりに期待した渓谷美もまたこんなもの? で終わってしまった。すっきり晴れの日に歩いていたら、感想もまた違って、想像の耶馬渓をしのいでいたかもしれない。
※以下、他の紅葉も含めて、写真の羅列だけにする。
「面白くも何ともなかった」と記したわりには、くすんだ写真が多過ぎたか。
【石尊山】…11月8日 数日遅かったような気はするが、やはりここの紅葉は絶品かと思う。
どうかな、もう遅いかなといった感じで出かけた。四万に向かうメロディーラインの広い路肩に駐車。平日の8時過ぎにしては、すでにスペースの半分以上はうまっていた。準備中の方も数人。見上げれば青空。やはり、ここは紅葉スポットなのだと改めて思うし、期待もした。
四年前に石尊山から高田山に行き、破線路もない北側尾根伝いに四万に下ったことがある。四万側間近にしてちょっとしたトラブルはあったものの、石尊山山頂から高田山、そして北尾根下りの区間にさして紅葉の見栄えはなかった。やはり、ここの紅葉は石尊山までのコース途上だろう。今日は石尊山往復だけにし、それでは時間も余るので、渋川の赤城自然園に寄って帰ることにしている。
石屋さんを過ぎて登山口。ヒル除けスプレーが置かれていたが、この時期だしと、敢えてかけもしなかったが、中身は空だったらしい。歩きながら気にして足元を何度も見たが、最後までヒルにやられることはなかった。
クネクネした道を登る。急なところもある。正直、きつかった。何人か、何グループを追い越した。周囲は針葉樹で見るものはない。上に稜線が見えたところで、あそこまでがんばれば何とか行けるかと思ったところで紅葉が始まった。去年は11月7日だった。今年は翌日になる。あれから一年。たかが一年で、こんなに歩くのがきつく感じるとは。猛暑で身体を不具合にした余波がまだ残っているようだ。もしくは、加速度的な体力減退なのか。どうせ70歳までは生きられないのだからというささやきが聞こえてきた。
歩きの速度が半分になった。立ち止まっては写真撮りの回数が増える。自分はむしろ淡い紅葉が好きだが、かなり濃くなっている。そろそろ終盤らしい。あくまでも自分の感覚ではだ。足元を見れば、真っ赤なモミジの葉がかなり落ちている。
紅葉が寂しくなったところで山頂に到着。狭い山頂には4人ほどいた。途中で追い抜いたり、ここにいる方の人数からして、あの車の台数からは、高田山に向かっている方もいるのだろう。長居は無用。見るべきものは見て満喫した。さっさと下る。
同じ道を下る形にはなるが、結局は往路と同じスポットで立ち止まる。陽の位置がずれ、紅葉の趣が違うように感じるし、コースから外れて、きれいどころをわざわざ見に行ったりして、下りでは時間がかかった。ぞろぞろとハイカーが登って来る。これでは、山頂に腰を据える気分にはなるまい。
下山すると、路肩どころか路上にも車があふれていた。せっかくだから、四万方面に向かい、滝を2本(大泉の滝と小泉の滝)見る。紅葉をバックになんて考えていたが、そんな甘い風景はなかっし、小泉の滝に至っては、部分的にしか見えなかった。戻りながら、車窓から眺める四万の道沿いの紅葉はきれいだったが、道端のモミジの写真を撮ってもしょうがない。そのまま渋川に向かう。
写真を出し過ぎたようだ。自己満足と思ってもらえればいい。ただ、写真を羅列して思うのは、樹々の間からの垣間見紅葉が多いこと。それが陰影のポイントになるかもしれない。てなこといって、ただ、こんなのしか撮れなかっただけのことで、ストレートに撮れない分、素晴らしいとは思っても、ここの紅葉の限界なのかもしれないし、それが魅力なのかもしれない。
【赤城自然園】…11月8日 拍子抜けの紅葉にはがっかり。
8日から「イロハモミジのトンネル解放」ということだったので石尊山の帰りに立ち寄った。この赤城自然園はセゾングループが運営していて、入園料は1000円だが、セゾンカードを見せると500円で入園できる。しかし、1000円は高かないか。それは結果を知ってからのこと。300円でも高く感じた。
2年前の4月上旬に来た際の印象は良かったので、紅葉にも期待した。まして、赤城山麓だし、標高も650mほどだ。紅葉があっても、もしかして早かったとしても色づきはあるだろう。ただ、ホームページを見る限り、見頃がいつなのか、明確には記されていなかった。スタッフも見当つかない状況なのだろうか。トンネルをくぐれるだけでも良しでいいだろう。
ところがどっこい。園内を1時間20分かけて一周した。石尊山を登って、クラッチ踏みを繰り返した足は疲れていた。ベンチを見る都度に腰をおろしたくなったのはこらえた。ちょっとでもいい。見ごたえのある秋の景色に触れたかったが、陽があたって、オッ、きれいだと思っても、裏に回れば、すさまじく煤けている。これって、もう終わりじゃないの。
肝心のトンネルはどこなのかわからずに通り過ぎていたようだ。場所が特定できていたわけではなく、園内を一周しながら、脇道に入り込み、人出が多いらしきところがトンネル付近と思ったが、モミジのトンネルは見あたらない。見逃してはいないはず。
春先の花は連なってきれいだった。紅葉のスポット公園としては弱いようだ。2時半を過ぎたばかりなのに、人出は閑散としていて、歩いているのは自分だけかと思うほどだった。入園した時にはわりと混んでいて、駐車場も一番上まで誘導された。退園する時には、周囲にだれもいなかった。おそらく、トンネル目的で来た観光客がほとんどだったのだろう。残念だったのは自分だけではないようだ。
良いとこばかりの写真を並べた。どこがトンネルかは不明。高い入園料を払った以上はきれいどこをそろえるしかないわけで、自分の技量ではこれが限度でしかなかった。
【高ジョッキ】…11月11日 3日前の紅葉記事を見て、遅ればせながら行ったはいいが、すでに終わっていた。
愛犬のミニダックスを連れてよく山歩をされる<ゆうやけさん>の記事を拝見した。8日に高ジョッキに行かれ、見ごたえのありそうな紅葉の写真が並んでいた。自分の記憶のままの風景だった。ただ、記事文面に「本日を境に終盤へとシフトしていきそうな感じでした」とあった。去年、高ジョッキに行き、紅葉を堪能したのは11月2日だった。かなり出遅れた感はあったが、ゆうやけさんの記事はまだ3日前のことだし、何とか終盤ながらも間に合うかもと出かけた。紅葉見物の恒例スポットでもあったが、今季は半ばあきらめていたところだった。
回りくどいことを記す。敢えてゆうやけさんの名前を出したのにはわけがある。ご当人には記憶もないだろうが、一昨年、アカヤシオ見物で三ッ岩岳からの帰路でミニダックスを連れた方とお会いし、すぐにゆうやけさんだとわかり、その場限りの二言、三言の会話をしたに過ぎない。自己紹介したわけでもない。正直のところ、ゆうやけさんよりも、そのnanacoという名前のミニダックスの方が印象深い。もう3年前に20歳直前で亡くなった飼い犬がミニダックスで、下の娘が小さい頃に、よく連れて一緒に桐生やら足利の山を歩いた。その思い出があって、ゆうやけさんのお歩きの記事はよく拝見していた。
それはともかくとして、3日後ではあまり変わりもせず、せいぜい少しは黒ずんではいても「見られる紅葉」を当てにしていた。普通、高ジョッキだけではなく、丸岩もセットで登るものだが、丸岩は石だらけで歩きづらく、自分の経験では高ジョッキに比べて紅葉はたいしたこともない。むしろ、この時期に歩いたことのない岩櫃山に寄るつもりでいた。
車は高ジョッキ登山口の路肩に一台のみ。自分は下の駐車地に車を置いた。気持ちはガツガツしていた。新三角点までの間にチラホラと黄赤が見えた。高ジョッキのハイライトは新三角点を過ぎてから始まるのだが、ここは序盤戦ながらも何だか様子が違う。色づきの葉は少なく、モサモサしていない。それもそのはず。足元には赤い葉が随分と落ちている。
案の定、新三角点を過ぎてからの稜線歩きに賑やかさはまったくなかった。いつもなら目の前に見える紅葉がかなり下にチラつくだけ。ほとんどの木から葉が落ちていて、寂しい冬枯れ寸前の風景になっている。完全にあきらめた。終盤どころか終焉だった。
このまま引き返してもよかったが、せめて山頂ぐらいは行っておこう。かすかな期待もあった。だが、面白くもなく、ふてくされ気味で登り下りを繰り返し、岩場を登って山頂到着。山頂にはだれもいなかった。ということは、登山口にあった車の方は丸岩先行だったのか。この先の三角点峰まで自分は行ったことはあるが、そんな物好きな方はいまい。
タバコをふかして下る。健診でひっかかったのは肺ではないからタバコは吸う。余計だが、酒も飲んでいる。途中、単独歩きの方3人と出会った。みんな、期待して来たのだろう。もしかしたら見落としがあったかもと、つぶさに左下斜面を眺めながら下ったが、高見の尾根の一本通し。足を止めることはなかった。
駐車地に到着。車は自分のを入れて3台あった。登山口の車はそのまま。出会った人数とは合う。帰り支度をしていると、車がやって来て、「出ますか?」と聞かれたので、車を登山口の路肩まで持って行った。その車は新潟ナンバーだった。まさか新潟からわざわざではあるまい。だとしても、自分と同じくガツガツでやって来たのだろう。これから期待して登る方に余計なことは言わない方がいい。聞かれもしないから黙っていた。
さて、がっかり紅葉見物だった。石尊山で楽しんだから、せめて高ジョッキでも楽しみたかった。これがあらゆる意味で最後かもしれないし。
短時間歩きの高ジョッキの後の岩櫃山は、あくまでも高ジョッキの紅葉を満喫してからという前提だった。その気になれなかった。晴れているし、吾妻峡の歩き直しという手もあったが、それは後で思うにということであって、その時はそんな思いも浮かばず、素通りして長い家路に就いた。
赤が目立つけど、ここは新三角点からの稜線歩きから右下を眺める紅葉が絶品。それがほとんどなかったから、新三角点までの紅葉でカバーした。実際は、上はすでに土色の世界だった。今年は失敗した。来年はそれがないようにしたい。
【桐生川上流】…11月15日 ここでも感嘆することはなかった。こんな気分は今季としては最後にしたい。里山紅葉に期待するか。
午前中は医院に精密検査の結果を聞きに行った。医院で精密検査までやるのは、そこが専門医だったからだ。患者が多くて待たされた分、どんどん気が滅入っていく。結果は冒頭に記した形になった。実刑にはならず執行猶予が付いた。
気を良くしたわけではない。茫然自失のままに帰宅し、妻に結果をメールした後はしばらくぼんやりしていた。頭がようやく動いた。数日前にNHKで桐生川上流の紅葉が見頃を迎えたと報じていた。それを思い出した。曇り空ながらもドライブがてらに行ってみよう。
「上流」とはいってもどの辺のことなのか。まさか根本沢分岐まではいくまい。せいぜいダムの上のことだろう。だが、ダムを過ぎても紅葉の気配はない。まただまされたようだ。
細い道になった。幸いにも対向車はなかった。桐生川を見下ろしながらキョロキョロと紅葉を探した。とうとう石鴨天満宮まで来てしまった。曇っているせいか、普通の色づきしかなかった。ここでジイさんがお二人、お仲間かと思うが、重装なカメラで撮影をしていた。きれいな紅葉には見えなかった。「ここ、きれいですか?」と失礼なことを尋ねたら、「わからない」と素っ気ない返事。自分には写真撮りするほどの景観ではなかった。
さらに先に行く。100m先にまた撮影中のジイさん。これまた重装備のカメラと三脚。動き回っている。色具合は、天満宮よりは少しマシかもしれない。車を止めるほどでもない。しかしなぁ、自分には、はっきりきれいかどうか、ストレートにはたいしたものでもない紅葉に過ぎないが、おそらくは年金暮らしの年配者が、何十万、もしくは百万円近いカメラセットで、こんなきれいでもない紅葉と川を撮っているのは酔狂にしか思えない。いやいや、高いカメラだからこそ、川を背景に紅葉した葉を数枚入れれば、見事な写真になると言われればそれまでだ。
結局、根本山の登山口まで行ってUターン。桐生川上流の収穫はなかった。陽が出ていたとしても、おそらくは無理のある紅葉だった。ちなみに登山口に車は一台もなかった。
戻る。ジイさん連中はそれぞれに同じところで写真を撮っていた。路肩に車を置いて、歩いては無理して写真を撮った。
帰路の運転で、対向車があったらまずいなと思っていたら、なぜか消防車が来たり、普通車とすれ違った。それぞれに路肩の広いところだったからラッキーだったが、ガードレールもない眼下が川だったら、バックする距離も、長くてはいくら軽とて自信はない。
結局はということで、収穫なしで終わり。このまま帰るのももったいないし、ようやく気分も晴れてきたところだったから、大好きな崇禅寺に向かった。川内の崇禅寺の紅葉はまだ先だろうなことは知っていたが、やはりまだまだだった。
(以下、崇禅寺)
NHKが「見頃」とした桐生川上流の放映は見てもいない。妻からやっていたよと聞いただけのことだ。テレビで流すくらいだから、ここに出したような写真の、冴えない風景ではなかったろう。いくら晴天ではなくとも、それなりに見事な紅葉だったのではないのかなと思う。それがあっけなく終わったのだろうか。青葉を見れば、決して盛りとは思えない。紅葉の通でもないから、自分には何とも言えないし、見逃した見どころがあったのかもしれない。
崇禅寺だけは、確実にこれからだろうから、改めて行きたいと思ってはいる。宝徳寺の床もみじは11月は拝観料1200円のようだ。それなりに庭師の手も入れるのだろうが、曇天では並んでまで見る1200円の価値があるものやら。物価高が日常的になっていて、ラーメン一杯1000円以上が当たり前の感覚も麻痺している。あちこちで便乗のようなものまで結構ある。いくら名所とはいえ、宝徳寺にわざわざ行くことはあるまい。余計なことを記したか。
こんなところで今月の前半部の紅葉は終わった。まともな紅葉に出会えたのは石尊山だけだった。はっきりしたのは、吾妻峡の紅葉も含めて、やはり、陽が出ていたらきれいだったかもしれないということ。そして、明らかに遅かった高ジョッキだった。改めて記すまでもなくタイミングと陽当たり次第ということになる。
まぁ今回はしょうがない。健診の再検どころか、その再検でひっかかったのでは気もそぞろだった。紅葉目当ても、予定通りにはいかなかった。せめてあと一回、贅沢をいえば二回は立ち止まりが続きそうな紅葉を見たいものだ。
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