フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

頭部管を買ったら

2004-04-22 | フルート本体
少し前に、頭部管を買った。

フルートの頭部管は高価である。国産でも7万円以上、外国産なら倍以上である。クラリネットやトランペットなどのマウスピース(フルートの頭部管に相当)は数千円から購入できる。結構たくさん持っている人もいるが、フルートではなかなかまねができない。最も音色や操作性にかかわるところなので、もっと安くなることを望む。そのためには、フルートの構成自体を変えなければだめかな。リッププレートだけ取り外せるようになるとか。

その頭部管はとある小さなフルート工房製である。以前は大手フルートメーカで頭部管を削っていた人だという。管体も制作を始めているのだが、そこまで手を出す余裕はない。

歌口の削りが普通と違う。通常の歌口は比較的四角い穴があいているのだが、これは楕円に近い。購入した店のご主人曰く、こういう形の歌口は今では珍しく、昔の木管フルートでよく使われていた形だという。

吹いてみると、抵抗感が強くて、また良い音の出るポイントが狭い。そのかわり低音から高音まできれいに吹き抜けることができる。音色も少し独特なハスキーで明るい音である。

慣れるのが大変かなーと思ったが、意外にすぐに慣れた。反応も早く、かえって吹きやすいぐらい。古いタイプの歌口なので音量が小さいことを覚悟していたが、それほどでもないようである。というか、音の通りがいいみたいなのでそのへんの欠点は感じられない。久しぶりにいい買い物をしたと思う。

店でいろいろなメーカやタイプを試奏をして決めた。そして、自分の使っている楽器に合わせて、管厚をあわせたオーダーをした。納期は2週間だった。

納品時、試奏時に使ったものと出来上がってきたものを比べてみた。やっぱり、新しくきた方が微妙に悪いといやだからである。そうしたら、新しいものの方が私の楽器との相性がよりよかった。聞くと、私の楽器の仕様(H管)にあわせて歌口の削りを微妙に変えてあるとのこと。そんなことがあるのかーと妙に感心。確かに、H管は管が長いぶん鳴りにくいのだが、新しい頭部管はすっきりと管の先の方まで抜けていく感じがする。試奏したものは、もう少し手前で明るく鳴る。

職人技ってすごいのだなあ、と思った出来事であった。
つぎはその工房に行ってみたことでも書いてみようかな。

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