フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

英語学習と音楽の共通点

2007-07-30 | 演奏や練習に関して
会社の研修で、英文ライティング講座へ。

なんというか、半分は上司からの推薦(命令)だったこともあり、なかなかつらい一日・・・・

宿題の英作文が出て、ひとつひとつ希望者の文章を添削していく、みたいな展開。
以前同様の研修に参加した時は、すごく他のメンバーが積極的で、こんな内容(笑)の研修なのになかなか面白かった。

のだけれど、今回のメンバーは何故かすごーっくおとなしい。ので、活発な議論もなく、ただただ重苦しい時間が流れるばかり。

研修の成否は、参加者にもよるのだなぁ、と思った。
こういうところは、演奏会やライブも同じだ。 ふふふ。


音楽は(とくにジャズで)語学学習と似ている、とよく言われる。
ボキャブラリーを覚えて、うまく使いまわして表現して、そして慣れることが大事。そんな話だったと思う。

そして、何よりも勇気(!)が必要なところが最大の共通点かとも思う。


今回の英語の講師さんが、最初に言っていた。
ダイエットとおなじで(笑)、英語学習には「ウソ」がたくさんあるから注意しましょう、と。

これだけ覚えれば大丈夫、とか、これをやれば終わり、みたいな。
英語もダイエットも、そんなわけないでしょう。という。

ま、楽器を買ったその日から誰でも弾けます、というのは誰も信じない話ではあるがけれど、こんなところも英語と音楽(正確には吹奏楽)との共通点か、と思わず笑った。


英語学習にウソが多い理由として、受験などを目的としているので、深い理解を消費者から要求されていないことがあるだろうと言う。
「習うより慣れろ」では困るし、全国どこでも同質な教育ができて、教育者の数も必要である。

なんというか、吹奏楽の世界とそっくりではないか。
表層的なところを持ってきて、それがまるで真理かのように思われて(思わせて)しまう。
それに群がって商売している人もたくさんいるんだろうし。


いいんだけどね。
おかげで楽しいこともたくさんあるわけだし。

そんなことを、研修中に考えてみた。

最近のレッスン

2007-07-26 | レッスン
久しぶりに、フルートを吹く方の話も少し。

レッスンでは、難航していたモーツァルトのコンチェルト1番の2楽章もなんとかパス。3楽章のロンドに突入。少しさらっとかないと・・・

数週間前にクラリネットで吹奏楽の演奏会に出ていたこともあり、すっごくフルートを練習するのが久しぶりな気分。

実際にはオケにも行っているから毎週一回程度はフルートには触っているのだけれど、ここではあまり指を素早く動かすようなことはない。レッスンも3楽章の前は2楽章なので、ゆっくりとした曲だから技術をさらう、ということもしていない。
どちらも、練習というより精神鍛錬という方が正確。
最近(技術を)さらっているのは、クラリネットとバイオリンばかりだった・・・(笑) それに口内炎にも苦しんでいたし。

指が動かねー、と思いつつも2回(2日)ほどフルート(の指の技術)をさらったら、無事に昔(笑)の感覚が復活。よかったよかった。まだ忘れてないね。やっぱりフルートが一番手に馴染むよ。それもリングキー、ストレート、C足部管かな。H管付きは手に馴染むと言うよりは安定感、という感じ。私の手には。


さて、レッスン。

今回は音程の話が出た。

人間とフルートの位置関係で、音程は変わる。

まずは、フルートの回転。
 歌口を向こうに向けたり、こっちに向けたり。

フルートと歌口の距離。
 唇に頭部管を強く押しつけるか、逆に弱い圧力で遠くで吹くか。

顔に対するフルートの角度。
 フルートを吹くときは、胸を開けるようにして構えなければならない。
 従って、フルートを地面に平行近くに構えたい時は、右手が前方に出るように構え、必然的に首は左真横方向にねじることになる。CDのジャケットを見る限りでは、ベネットがそんな感じ。私が見ると異様に首が苦しそうに見えるけど、それはそれで良いらしい。顔が正面を向いたままフルートが真横で水平なのは、胸が窮屈になるのでいい音が出ない。これは吹奏楽でよく見かけるスタイルかも。
 フルートをもう少し体の近くに構えたいとか首を真横に向けるのが苦しいときは、右手が下がった持ち方になる。首はやや左向き、かつ右に倒すことになる。私はこちら。リラックスして見えるとか、エラソーにしているとか、上手そうに見える、とかよく言われる。褒められているのか、けなされているのか。

唇に対するフルートの角度
 顔を固定したとき、右手を上下する方向。
 意外とこの角度を注意するのは忘れがち。必ず唇に対して水平でなければいけないかというとそういうわけでもない(びみょー)。巨匠クラスだと、明らかに唇の中心から外れたところに歌口があって、しかも右手の方向がすごく下がっていて、唇がめくれているようなのも見かけるしなぁ。
 師匠が試しで見せてくれて面白かったのは、音をディミヌエンドして切るとき、そのままでは音程が下がってしまうけれど、音を絞りつつ顔はそのままで右手を下げるようにして吹くと、そのままの音程を維持したまま音を切れる。
 なるほど~。とは思うけれど、なんとなくアンフェアな雰囲気が漂う・・・・


要は、音程をチェックするときはフルートの位置や角度をちゃんとしましょう、ということかな。今日は絶好調なんだけれど、なぜか音程だけはどうも・・・・とか、疲れてるんだけど音程ははまっててよかったネ、とか、そういうことはよくあることだから。

鏡を見てチェックが一番いいのだろうけど、私は鏡が嫌いなのでちょっと・・・


・・・・レッスンの音楽編へ続く(予定)

悪代官とカモネギのサロン

2007-07-25 | フルート本体
すごく久しぶりに、「水戸黄門」をテレビでじっくりと見た。

 ・・・文句有りで面白い。

正義のヒラ役人が悪役に捕まって拷問されるのがわかっているのに遠方の殿様に訴える旅に旅立たせてしまうとか、殿様が既に登場しているのになぜか悪役とチャンバラをしなければ気が済まないとか、黄門様が仕切っている場面なのに殿様が勝手に悪役に沙汰を下してしまうとか・・・??

 ・・・まあ、それが良いところでもあるけどね。

まだ自分がちっちゃかった頃に見たのとはだいぶスネた目でテレビを見ている自分って、少し(かなり)嫌かも。それが大人になるっていうこと?

本音と建て前と欲望とがミックスされている「大人」のわかりやすい表現も、この勧善懲悪物語の代表である水戸黄門の良いところだろう。


さて、先週に日本フルート界の「大人」大代表??である、新宿のムラ○ツフルートに楽譜を見に行った。移転してからは初めてだったので、どんな風になったのだろうと、少し、かなり期待してみた。

まあ、一言で言って、移転前と何も変わっていない。
多少レイアウト変更はあるが。

シックいうよりは、薄暗い内装。

人はどうなんだろう? と思っていたら、ほどなくおねえさんが寄ってきてお探しのものは? と聞いてくる。
もしかして、少しは一般客相手に接客する気になったのか? と驚く。

何度か書いているが、私の新宿ムラ○ツに対する印象は、はっきり言って良くない。

店内で店員が仲良くしているお客のグループがいるとしたら、それは水戸黄門のイメージで言うと、袖の○目当ての悪代官(先生)とネギを背負ったカモ(生徒)達。カモネギでない一般の我々は、まるでそこに存在しないが如く・・・・

私の聞いた内容では件のおねえさんには荷が重かったと見え、奥へ行ってベテランが交代して出てくる。

すごい。どうしちゃったんだろう。
私に対して、頼んでもいないののにVIP(悪代官)待遇かっっっ?
少し見直したかも?

ベテランだけあって、楽譜を探す手さばきが素早い。・・・通奏低音が入ってもいいですか? とか、・・・それなら現代曲ならあるかもしれませんね、とか、さすがは天下のムラ○ツ、と思わせる知性が言葉の節々に出ているなぁ・・・と思った。


一息ついて、ちょっと周りを見回すと。

なんと驚いたことに、警備員が出入り口のシャッターを下ろしている。
おいおい、まだ客はここにいるぜ。しかも、私だけじゃなくて、もう一人。

どうやら閉店時間が来たようだ。

なーんだ、だから店員がとっとと客を帰そうと思って、検索効率の悪い客にアドバイスを始めたのか・・・・なんだか納得。

でもさあ、フロアは一つしかないんだからシャッターを完全に閉めちゃうことないよねぇ。
帰りは事務所の中を通ってやたらと遠回りして、エレベーターにたどり着く。

高校生の時はよく銀座ヤマハに遊びに(笑)行って、それでも管楽器売り場の人達はみんな良くしてくれて、閉店時間になって蛍の光が鳴りだしても何も態度は変わらず、遅くなればシャッターは閉まってしまっていたがこれはフロアが多いわけだから何ら問題なく、さして不便ではない勝手知ったる(笑)裏口エレベーターから帰してもらったものだった。
その甲斐あってか?すっかり私はヤマハ党。


おい、ムラ○ツ。客を帰したければ、少し余裕を持って蛍の光でも流せばいいじゃん。客は全員見えるんだから、シャッターを全部は閉めちゃうことないじゃん。

どうも、マーケティング用語で言うところの「経験価値」が、私にとって新宿ムラ○ツはいつもいつも、コンスタントに低い。
一瞬新たな展開か?と思いかけたが、やっぱり今回も相性が悪かった。


なぜなんだ~?!

求む、ご印籠。

例の、妙な頭部管について

2007-07-24 | フルート本体
久しぶりに、フルートの話題かも(笑)

例の、妙なアイハラフルート製の頭部管。

レッスンの時に、我が師匠に、ラッパが頭部管についてて、しかも中が貫通している頭部管を見たんですけど知ってますか? と聞いてみた。

いろいろメーカー関係に顔が広い(らしい)師匠なので、もしかしたらご存じ? と思ってみた。

意外、というか、当然だったというべきか。
知っているよ、と、いとも平然としたお答え。
しかも、どういう事情か不明なれど、なんと! 近々ゲットされるらしい。

先日の演奏会でその妙な頭部管を見せてもらって以来、なんとか吹かせてもらえばよかったな~、でも初対面でずうずうしいよな~、でももう二度と会わないかもしれないから多少図々しいぐらい関係ないよな~?、ブログ用と言ってケータイで写真ぐらい撮らせてもらってもよかったか?、かの団体のアンサンブル大会がちょっと先にあるけれど、その頭部管と再開目当てに図々しく出演しちゃおうか??(賛助にも案内が来ている)、などとうじうじしてしまう日々ではあった。

その梅雨の空にも負けない「うじうじ」感を一瞬にして吹き飛ばす、師匠のお答えであった。

次のレッスンまでに、その、怪しいワンショット(だったと思う。そのまんまじゃん!)なる頭部管がゲットできる見込みとのことで、試奏の約束もしてしまった。

ふふふ。次回のレッスン(8月・・・)のあとにはレポートできるかも????

まだまだサラサーテ

2007-07-20 | 関連グッズ
性懲りもなく、フルートのブログなのにバイオリン雑誌の話・・・

今回のサラサーテの特集は、「弦」。
前々回の、バイオリンを作ろう、よりは楽しい記事だ。より身近だし。フルートを自分で作ろう講座があるという工房を見つけて、そんなものがあるのか、と驚いたばかいではあるが。

楽器というのは写真とかの趣味と同様、楽器本体やアクセサリーの、「モノ」と、演奏や練習の「コト」両面の楽しみがあるのが良いところである。

前回は音程のとらえかたという「コト」について感動したが、弦は「モノ」の楽しみである。

一応は、弦のメーカーと種類の紹介。
なんだかすごい数だ。 とても高価だ。
材料もいろいろある。
どうやらスチールやナイロンの新素材よりも、ガットの天然素材のほうが、高価だが不安定で、長持ちするらしいということがわかった。 それは、まあいい。

複数のプロに、弦は何を使っているかを聞いている。
ある人は、こだわらずに?ずっとドミナント。ある人は少しこだわってE線だけは違う銘柄。ここまでは聞いたことはあた。
もっとこだわって、ほぼ線ごとに違う銘柄。こりゃあすごいね。

私のような、まだ中途半端なマニアには、程度がちょうど良い話だ。

フルートも、こういう特集してほしいね、と思う。
雑誌で出てくるのは、あっさりと型名だけぐらいだから。

使っている楽器は? 材質は?
 普通の925がいい、純度が高い(低い)ほうがいい、巻き管が好き、etc.
ついているオプションは?
 べつにふつー、とか、手が小さいからEsキーを改造したとか。
頭部管は?
頭部管を注文する時の要求は?好みのカットは?
 サイドカットやアンダーカットの程度とか。

とか。

あんまりプロ(うるさい客)に特別なこと?をしたと記事にされちゃうと、メーカーが大変なことになるかもしれないからだめかなぁ・・・

サラサーテ記事~音程を良くする方法?

2007-07-20 | 演奏や練習に関して
楽器屋さんに行ったついでにサラサーテ(弦楽器の雑誌)を買ってみた。季刊だとばかり思って油断していたら、いつのまにか2ヶ月に一回発行になっていたようで一冊飛ばしてしまったよ・・・・なので、さっきアマゾンで注文してみた。
まあ、それはどうでもいい。


相変わらず字が多くて読みにくい(慣れるに従い、文句が多くなる・・・笑)なあ、と思いつつ電車の中でページをめくっていたら、驚くべき記事を発見した。

「壁を越える」という表題の連載記事で、「音をイメージするトレーニング」について書いてある。
ご存じの通り、バイオリン族はフレットも音孔もないので、自動では音程はとれない。演奏者がしっかりと音をイメージしなければならないので、そのトレーニング方法が書いてある。

音の高い低い、音色の差、うなり、差音・・・の話がやさしく(でも難しいけど)書かれている・・・までは、まあ当たり前の話。管楽器はうなりや差音を聞くには一人ではできないのだが、バイオリンの場合は自分だけでやれるのが特徴ではある。


ちょっと変わったことが書いてあるな、と思ったのは次のページ。音をイメージするために必要なトレーニング。

まずは、「音を判断する能力」。音の高さと性質(音色?)を区別する方法が書いてある。吹奏楽で管楽器やっていると、高さについてはいろいろ言われても結局わからないままではある。音色を区別しよう、なんて考えたこともない。

ここでは、「性質異なるいくつかの音を聞くことで、その差を頭が認識して、音高を再現できるようになる」とある。

ほお・・・わかったような、わからないような・・・・
要するに、やみくもに音程の違いを検出させようとしてもだめで、まずはいろいろな性質を持った音を区別できるようにすることが先決・・・ということらしい。自分も中学の時は、クラリネットの音程の違いなんてさっぱりわからなかったよな。今から思えば、音色の違いと音程の違いがよく区別できなかったということのように思う。
少なくともここからわかるのは、音程をイメージできるようにするには、ハーモニーディレクターを使うのが有効である、とは解釈できない・・・・


次は、旋律をイメージする方法。
ここに、またまた驚いた文章があった。

「実際に行うことは・・・簡単な楽譜を弾く/歌うことです・・・最初は・・・音程がとれていなくても構いません・・・ いずれにしても、楽器をはじめて間もない人の場合、楽譜がやさしいうちに音がイメージできるようにしておくことが肝心です・・・。
音楽的な経験が少ない人ほど、弾いて歌うという作業をピアノでやってはいけません。平均率の関係は人間の耳に記憶されにくく、平均率に調律されているピアノの音をイメージすることは、音高の感覚を記憶するためにはむしろ害となります。音程が多少ずれていてもバイオリンでやるべきです・・・実際に、家でピアノに合わせて音程を取る練習をしている人は、多少はずれながらでもバイオリンを弾きながらやっている人に比べて、進み方がはっきりと遅いと言えます・・・音程の修正はレッスンでやり、普段の練習は徐々に近づいていくことが大切なのです。」

なんとも、認知心理学的に正しそう?な示唆が書いてある。
これを読んだ時、目からウロコ、というか、目そのものが落ちそうになった。

私的には、ピアノは平均率であるから音高の感覚が記憶できない、というあたりは同意できない(否定もできないが)。しかし、仮にピアノが純正律で調律されていたとしても、ピアノ(キーボード)に合わせて音程をとる人よりも、はずれながらでも徐々に近づいていくというアプローチのほうが確かに進みは早いような予感はする。

吹奏楽系の書籍ではこんな深いことは書いてないよなぁ。
数百年の歴史を持つ弦楽器と、均質な詰め込み教育をすることが第一の吹奏楽との差がこんなところに出るのかもしれない、と思った。
ますます、今まで吹奏楽で正しいかのようにやらされてきたいろいろな練習の有効性に疑問が出てくるよ。きちんと反省すれば、ウサギ跳び(昔は有効と考えられていたが、現在は百害あって一理なしとされるトレーニング法)のような練習法がたくさんあるはず。

思えば、買っただけであまり使っていないトレバーワイフルート教本の4巻(音程)も、ピアノに合わせろ、とは一言も書いてなかった(チューニングは除く)ように思う。(あとでもう一度確認してみよっと)

この記事、書いてある内容が私には少し高度で、理解できているとはとても言い難いけれど。音程に悩み、今までの練習方法に疑問のある人は必読!の記事であるように思う。
フルートで音程を直すには、アンブシャー云々以前に、出したい音を事前にきちんとイメージすることが一番大切だから。


音程に悩めるよい子のフルート吹きの皆さん。楽器屋さんに行ってザ・フルートやパイパースを買うついでに、サラサーテでも立ち読みして「壁を越え」よう! (立ち読みで読めるほど軽い内容ではないが(笑))

私の指揮者論 続き

2007-07-17 | 演奏や練習に関して
口内炎が治った。
「空気が読めない」演奏会中は、少し残っていたが、幸い?口内炎は上唇だったので、フルートには影響甚大だったが、クラリネットには影響は微少で済んだ。

さて、口内炎を発端とする私の指揮者論の続き。


<音量>

音量に対する要求は、私の指揮者評価の最も重要な代用特性である。

およそ音楽的によほどおかしいことをやらない限り、フルートに対して音量が大きいという発言がある、それだけで私的にはタコ指揮者である。特に管弦楽において。
フルートに音が大きい、ということがある指揮者は、何故かその他のことも含めて(前述の拍のとりかたとか)総じて感覚がおかしい。

逆に「もっとパワーを!」系の指揮者は、概ね音楽的に共感が得られることが多い。

本当のfやffとはどういうものか。作曲家の求めるffとはどういうことなのか。楽器を本当に鳴らしきるとどんなにすごいことになるのか。一流の演奏に数多く触れることによって感性が磨かれ(麻痺とも言う?)てきた結果であるからだと解釈している。

但しこういう指揮者は要求が高すぎて、楽団員との間に意識の溝ができることもないわけではない。


<音程>

音程も、音量同様に重要な代用特性である。
音程をちまちまとつつきまくる指揮者に限って、なぜか音楽的に変で、楽器指導者としてもイマイチであったりする。

まぁ、ちったぁ人の音聞いて音程合わせろよ、といいたくなる場面が多々あるのは認める。
それはそれで短時間で見切りをつけるのなら良い。


まずは、Fの人~ よくく聞いて・・・合わせて・・・・(この間1分)・・・・  次はCの人~ Fを良く聞いて・・・止めないで続けて(で、2分)・・・ 次のAは低めに・・・

式のだらだら音程あわせはサイアクである。

合奏前のウォーミングアップ件チューニングに20分かけたりとかもやめてほしい。
時間の無駄だ。

これらは、仲間の白い目を気にしながら、こわごわと音を出す。
ずれていると萎縮を増長し、余計に悪い方向へ行く。


これにハーモニーディレクターで爆音でも出された日には。今日も良い天気だ、楽器なんか吹いてないで自転車に乗っていたほうが良かった。心底そう思ってしまう。ハーモニーディレクターなんてものは、「適切でない前提」による演繹的音楽作りの最右翼だろう。


不思議なことであるが、良い指揮者ほど音程に執着しない(しすぎない)。他のこととバランスを見て指導するのだろう。
悪い指揮者が音程に執着しても、次回の練習はまたはちゃめちゃ音程に戻っている。良い指揮者が指導すれば、萎縮しないで奏法が良くなるのか、音程含めて全体的に良い方向に進んでいく。


およそ管楽器は、フツーに演奏しさえすればよい音程となるように設計されている(そのフツーが難しいのであるが)。良い指揮者の指導を見ていると、合奏での音程の練習が最も無駄で無用なのではないかとも思えることがある。音程のことなんて一言も言わないのに、気がついたら和音もばりっと決まっていたりする。


アマチュア管弦楽相手に指揮をよくしているという外人指揮者で、音程に対してしつこくて有名な人がいるらしい。これに出演した知人の話では、なかなか本番の演奏は良かったとのこと。
が、評判通り、練習は音程しか言わなかったとか。う~ん・・・

空気はまあまあ読めた・・・かも。

2007-07-14 | 吹奏楽、管弦楽&アンサンブル団体
エキストラを頼まれて気軽に引き受けたものの、なんだか空気がよめないと困ってしまっていた楽団のコンサートが終わった。

終わってみれば・・・本番はちゃんと普通の演奏。
空気は読めていなくても、普通の感覚で演奏に参加できた。

3部構成で、1部1st、2部2nd、3部3rdを吹いた。
2部、3部では、プラスチックリードを演奏会デビューさせた。ぱちぱち。高い音はいまいち得意ではないような気がしたから。その代わり、中低音は太くて安定していて吹きやすいように思う。

そうそう、妙なフルートを使っている人がいた。
カクテル計量用のメジャーカップ状の小さなコーンが、頭部管の頭に乗っかるようについている。聞くと、世界初公開だという。そのラッパがくっついていることで、通常反射板で止まってしまう音がそこから拡散するのだという。ジョイント部から頭部管をのぞき込むと、普通はコルクで詰まっているのに、小さな孔が貫通しているのが見える。通常の構造のようにコルクにスクリューが通っているのだけれど、そのスクリューに孔を貫通させているのだとか。摩訶不思議。音は、なにやら大きな音が出ているような感じ。それ以上は何とも言えない。
これはアイハラフルートで開発したものらしい。写真を撮らせてもらえば良かった。残念。

私が見た中では、B♭足部管付きフルート、モイーズモデルのフルートを見た時を遙かに超える珍品度だ。

彼の楽器の本体はマスターズの巻き管。ピッコロはフィンダの茶色い木のやつ。
しかも、今回の頭部管の勢いを駆ってか、アイハラフルートも発注したとか。
やるなぁ。

私よりも数周り上を行くヲタクさん。
こんなところでこんな人と楽器に巡り会えるとは。

同じくクラリネットでエキストラで来ている人がいた。
彼の使用楽器はヤマハのイデアル。
私の楽器を覗き込んで、Vmasterですか? と聞いてくる。いや、ふつーのVですよ、私はVmasterよりも、Vの方が好きなんですよ。と答える。
どうやら私のCS-Vを吹きたそうなので、しばし楽器を交換。

良く鳴りますねー、と、彼。
彼がイデアルの感想を求めるので、鳴りがすごく軽いですね、と私は答えた。

その後、A管を買いたいのだとか、リードは何を使っているかとか。

吹奏楽には、吹奏楽オタクはたくさんいても、楽器オタク密度は比較的少ないように思う。しかし、一挙に二人も、しかも知らない人(笑)、しかも本番の日にいろいろ話をしてしまうなんて。


珍しい一日であった。

私の指揮者論~草稿?

2007-07-14 | 演奏や練習に関して
口内炎ができてしまった。

犬歯で上唇を噛んでしまい、そのまま口内炎へ突入。
痛みはたいしたことはないのだけれど、フルートの音が出ない~
おかげ先日のオケの練習では終始半べそ。これにはホントまいった。

気持ちが滅入ってくると、思考も後ろ向きに。
仕方がないので、合奏中は指揮者の悪口でも考えて気を紛らわすことにした(笑)

とはいうものの、今回来てもらっている指揮者。都合で毎回は来られないこと、常任にはなれないこと、メールに返事が全然返ってこないこと(!)、以外は前向きな(?)悪口が見つからない。

なんでそうやって演奏しちゃうのかな~○○パートさん、みたいな、いろいろ今まで感じていて、喉まで出かかっていることを、この指揮者は短期間の集中絨毯爆撃で一掃しつつある。
私の口から言いたくないが、私的には、見事だなあ、と感心してしまう。
短期間しか振ってもらえないのは、つくづく残念である。


それならば、私の許せる指揮者とはどんなのだろう。
目の前で繰り広げられる、我がオケの雨後のタケノコのごとき戦後復興の様子を眺めながら、定まらないアンブシャーをだましだまし考えてみた。(いったい何をやってるんだか)


<拍の取り方>

やっぱり、吹奏楽指導的な積み重ね法的な振り方はイヤ。
例えば4拍子なら、4拍目のウラから1拍目へはしっかりしていないと。1拍目への予測が効くように。全部の拍を同等に振られてしまう(打点の位置だけは変化する)と、今は次の音楽的ピークまでのどの位置にいるのか迷子になってしまう。
良い指揮者は、奏者を無意識のうちにその位置へ誘導してくる。

打点が見にくい人も多いが、これは私にはほとんど問題ではない。
奏者への予測を示唆してさえくれれば良い。


今の指揮者は、はっきりと予測型の指揮・指示をする。彼が先日使った言葉では、「演繹ではなく帰納で」という、高級(?)な言葉を一度使っていた。


今確認のために「演繹」をウィキペディアで見てみた。面白かったので、一部を引用する。

>演繹(えんえき、ラテン語 deducere)は、一般的・普遍的な前提からより個別的・特殊的な結論を得る推論方法である。対義語は帰納。帰納の導出関係は蓋然的に正しいのみだが、演繹の導出関係は前提を認めるなら絶対的、必然的に正しい。ただし、実際的には前提が間違っていたり、適切でない前提が用いられたりして、誤った結論が導き出されるケースが多い。

なーんと。吹奏楽コンクール的音楽が、聞いても演奏しても面白くも何ともない理由がばっちりとここに解明されているではないかっ!!

スタッカートは音価の半分、とか、スラーは音を切ってはいけない、とか、pは音量を小さく、とか、スイングは三連、とか。学校で教育される音楽は >適切でない前提 がオンパレードではないか。
教育上の方便に過ぎないにもかかわらず、これらを盲信して音楽をつくると、ああいうことになるのだろう。

なので、こういうウソ(間違ってもいないが適切ではない前提)を平気で言う指揮者はダメである。


・・・・だいぶ話がそれた。

拍の取り方 の続き。
予測型=帰納的、な拍の取り方の話だったっけ(笑)

今回のオケで演奏する曲は、どうも予測型で数えなければならない、ウラ拍から始まるリズムが多い。

で、指揮者は言う。(2拍子)
  「いち、に。 いち、に。」と数えてはダメ。
  「にぃ~いち。にぃ~いち。」と数えて下さい。
よっ、よく言った!そーだそーだ。(心の中で拍手)

というか、前回の練習ではほとんどこの拍の取り方の指導に終始した。
今まで気になって仕方がなかった、ティンパニのかなり怪しいリズムにもきちんとしたメスがはいったので、だいぶ練習時の胃の痛みも緩和された。


拍の取り方といえば。


振り分けはダメ。

2/2拍子を4/4で振ったり、テンポが遅いからと4/4を8/8で振ったり、6/8を6拍で振ったり。(楽譜指示上4/4を2/2で振ることはよくある)
算数じゃないんだから、2/2=4/4じゃないのよ。音楽の流れは全然ちがうじゃん。頼みますよ、ホントに。


譜面台は叩きすぎない。

合わないと、譜面台や机をメトロノームの代わりに叩く。
ある程度は必要。

但し、合うまでずっとたたき続けるのはダメ。

リズムを掴むため、音楽のきっかけをつかむため、に必要最小限の叩きはよろしい。そこのところ、今の指揮者はとてもバランス良く使っている。

そうそう、歌うのもだめかな。

みんなが合わないと、合わさせるためにそこを歌う人もいた。
歌がなくなると、またみんなバラバラ。結局、本番当日のステリハでも歌い出していて、私は青くなったよ。やっぱ、歌わないと合わないのは、指揮者の力量かなぁ、と思う。

反面、指導で効率的に歌っている人もいた。

旋律と対旋律のからみが合わなかった時。
各パート毎に弾かせる時、旋律に対しては対旋律を、対旋律には旋律を歌っていた。自分だったら、こうやる。ほら、こう演奏すると楽しいでしょ、と。指揮者と奏者が面と向かってこれをやるので、見ていて楽しかった。

こういうのならば、許す。


曲の冒頭や、変わり目でのテンポ指示。

 振り上げただけでテンポのわかる指揮者

 次の拍が来てからでないと、テンポをどうしたいかわからない指揮者

何が違うのかよくわからないが、確実に違う。
ここらへんはセンスというより技術でなんとかなりそうな気がするので、頼みますよ。


・・・・続く(予定)

ピアノトリオ?

2007-07-12 | 吹奏楽、管弦楽&アンサンブル団体
先週末、久しぶりにピアノ合わせをした。

ピアノさんはピアノの先生!なので、レッスンの終わったあと。
私は、小さな吹奏楽の本番があったのでそのあと。
ベースさんは、半ドンのお仕事のあと。

去年あった近所の吹奏楽団との合同のアンサンブル第二弾。それ向けの初顔合わせ。というか、曲決め。

ピアノさんと、ベース(コントラバス)さんと、フルートの私。
曲は、ちょっとじゃずっぽいやつ。
みんなオケの人だから、専門はクラシックだからね。本格的なジャズじゃぁないよ。

ボランのジャズ組曲から抜粋。この曲は、ジャズピアノとクラシックフルート向けに書かれたというもの。少なくともフルートは、クラシックやってればなんとかなるが、ピアノの方はなかなか大変そうで申し訳ない。

曲自体はベースとドラム(ブラシ)はオプションと書いてあるが、ベースを入れてみたらめちゃくちゃ格好良かった。

あと、あの赤木りえさん監修の、日本のメロディー曲集からいくつか。この曲集、編曲がジャズ風でめちゃくちゃ面白い。私のフルートの師匠もよく使うらしい。
ピアノとフルートの本だけど、ベースさんにはピアノ譜を見せて、コードの基音あたりをテキトーにやって、と言ったら、ジャズははじめてにもかかわらずのりのりで楽しんでくれた。なかなか彼は才能がある。

夕方から三時間半も遊んで、そのあと私が差し入れたシュークリームを食べて解散。夜遅くなったので、ベース君が送ってくれるという。

ありがたく彼の車に乗せてもらい、私の地元へ。
じゃあ、ラーメンでも食べない? おごるよ。
と、近所のラーメン屋へ。
久しぶりに行ったら、幹線道路ぞいではないのに、なかなか混んでいる。
ぎとぎと系のお店で、二人でネギラーメンを食べる。


すっごい久しぶりに、学生のノリで楽しい一日であった。