フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

(悲)ヤマハ渋谷店閉店

2010-12-27 | 楽器、その他
ヤマハの渋谷店が先週末で閉店になった。
なにやら悲しいことではあるけれど、渋谷という街には縁が遠いので、大変お世話になっていた、というほどの店ではない。

渋谷はほとんど縁がないまちであったが、去年までの3年ほどは仕事関係でよく行く機会があった。私のようなじじーには若者の街は馴染めるものではなかったが、その中で唯一、店に入ると落ち着く空間であった。その仕事の行き帰りにちょっと寄り道するのが、渋谷での仕事のささやかな安らぎの時間ではあった。


閉店の話は全然しらず、その二日前の夜にネットを見ていたら偶然みつけた。
これは何か掘り出し物があるはず!と思い、急遽閉店前日の土曜日に寄ってみた。

隙間の増えたショーウインドーは、確かに安い値札がかけられていた。

バイオリン族の弓4割引き(!)とか、ガット弦半額(!)とか、使えない固さのリードが500円とか(笑)。
買えそうでめぼしいものは、当たり前と言えばあたりまえ。もっと早くいくべきだった。

フルートも、25パーセント引きぐらいだったか。この手の店としてはかなり安いが、100万円の木管フルートが75万になっていたとしても、「らっきー!」と言って軽々しく買えるものではなし(涙)。


結局、7掛けになっていたプラスチックのヤマハアルトリコーダー(笑)と書籍類を数冊。ご祝儀?として買って来た。プラスチックとはいえ、木目入りのこのリコーダー、なかなか癒し系な音がしてバカにできない。いつも目を三角にしてフルートを吹いている人にはいいかもしれないなと思った。けれど、このバロック式運指が結構難関で(笑)。普通は中学でアルトリコーダーを習うらしいが、私の学校ではやっていなかったので、これが結構大変。


というわけで、うつろなアルトリコーダーの音色に癒されたい、鬱な日々が続く。

クリスマスコンサート2連発

2010-12-14 | 演奏や練習に関して
先週末は、クリスマスコンサートが続いた。

クリスチャンではないので、クリスマスの何が楽しいかわからない私である。何かわからないコトに対して、世間が浮かれている。不思議だ(笑)。
だっら、なぜお釈迦様の誕生日は盛り上げない?

それはおいておいて、今年のクリスマスコンサートシーズンはは実りあったといえる。


門下生仲間のフルート講師兼ヨガ講師でもあるAさんからの誘いで、彼女がヨガ講師を努めるスポーツクラブ?企画のクリスマスコンサートに出演した。
フルートは、Aさんと私。そしてAさんのご学友のギター講師T氏と、そのお弟子さん、の4人でのコンサート。

フルートとギターは相性がよい、と聞きつつもそのような機会をもつことがなかったので、とても(私にとって)楽しいコンサートとなった。しかも、ギターはプロ!
一応頼まれ仕事なので、レッスン代はもちろん、伴奏料も一切かからず。

基本的にアンサンブルでコンサートは構成されていたが、ギター伴奏でフルートソロも一曲やりなさいと言われ。

じゃ、やっぱりピアソラでしょ。
ボサノバもいいけど。

ということで、「タンゴの歴史」からボーデルをやることにした。
お客さんのウケもいい曲だし、演奏していて楽しいし。ギターT氏も伴奏経験豊富らしく、いろいろなアイデアを出してくれて曲を作って行く過程が楽しくて勉強になった。らっきー、の一言。

曲目紹介をしゃべれ、といわれてちょっと調べた「タンゴの歴史」がどう「歴史」なのか、とか、ボーデルの意味(酒場と訳されていることが多いが、実はいわゆる売春宿)とか、最初のフルートはそれを摘発しようとする警官の呼び笛の音だったとか、いろいろ面白いことを発見。

また、コンサートをきちんと構成して行くT氏の姿勢も感心した。やっぱプロとしてやってくのは大変なんだ。


あとは、女性演奏家の衣装に対する考え(執着?(笑))とか、髪型のセットの様子とか、普段見れないものも見れて、ちょっと人生深まったかも(笑)。そもそもAさんがヨガを始めたのは、フルートの音に磨きをかける為だったということ。みなさん、いろいろ努力してますねぇ。頭が下がります。
男に生まれてよかった、と思った。ははは。

ギターソロ、ギターデュオ、フルートソロ、フルートデュオ、合奏(四重奏)と、聞いたり演奏したりの楽しい一日でした。午前中はちょっと緊張気味で珍しく食欲が衰えたけど、演奏自体はいつもどおりな感じで。めでたしめでたし。


翌日の日曜日は、吹奏楽での福祉施設での演奏。
今年は老人ホームとかでも何回か演奏しているけれど、高級老人ホームで妙に耳の肥えていそうな人たちばかりの前で妙に緊張したり、逆にほとんど体の動かないような人たちの前での演奏で反応が薄かったり、ということはなく、今回のはみんな喜んでくれている様子が伝わって来て、またまた楽しい演奏となった。

ここでのプログラムは、ジャパニーズグラフィティーXIという、テーマ別にメドレーとなっている作品の11作目があった。なんでもいいけど、このジャパニーズグラフィティーシリーズは、後になるほど編曲がどんどん難しくなって来ているように思う。本番前にはけっこう上手な人が、難しいソロがあって緊張して気持ちが悪い、とか言っていたらしい。

困るんだよね~ あんまり難しいのも。一般のアマチュアが演奏するんだから。
ま、フルートのソロは楽しいからいいけど。

テンポが間延びするとき

2010-12-07 | 演奏や練習に関して
吹奏楽やオーケストラなどの合奏で、どうしてかどんどんテンポがゆるんでくる時がある。
もしくは、アンサンブルでどうしても他人よりも遅れがち。がんばって早くしようとすると、どこか焦っている感が出てせわしなくなる。テンポが安定しない。特に歌うようなフレーズでそれが顕著になる。

最近、ちょっとオーケストラでこういうことが目立つ曲をやっていることもあり、いろいろ研究してみた。

特徴としては、四分音符やそれより長い音符が間延びする。忙しい音符、16分などは、逆に走る。
タイのかかった音は、間違いなくのびる。
タイのかかった後のウラから入る音からあとはつまってしまうか、そのまま後ろへ押される。
休符で音楽が止まる。

合奏(楽器)経験の長い短いはあまり関係ないようだ。
ベテランだからといって、きちんと音符の長さ通りに演奏できるとは限らない。
いや、かえってベテランの方が頑固に自分のおかしなリズムに固執することさえある。

吹奏楽で、「トトロ」をやっているときに気がついた。
私の大好きな、シンプルでとても美しいメロディー。
どんどん間延びして行く。
ほらほら、そこのクラリネットさん!!
たーっぷり吹こうとするのはいいけど、のびてます。流れが止まってます。
みんなでのびるので、誰もおかしいことに気がついている人がいない。
そうやって、集団で間違ったリズム感が定着していくのだろう。

例えば、「風のとおり道」。
うっとりしてしまう心地よさの中、全部小節の3拍目で曲を止めてしまう。4/4拍子の4拍目はもっと早く入るべきなのに、たっぷり3拍目をのばしてそれで「歌って」いるつもりになってしまう。
誰かが遅いと、それにみんなあわせてしまう。

特にメロディーパートを担当する楽器は、例えばパーカッションのようにリズムを厳密にとろうとする努力をする機会は全くないか、非常に少ない。メロディーはわかりやすいので、聞き覚えでやってしまいがち。楽譜と真剣に向き合う機会は、意外にもメロディー担当パートが一番少ないかもしれない。

この仮説を裏付けることとして、二つ思いついた。

バイオリンの演奏技術が未熟でも1stをやりたがる人が意外に多くて、その理由は2ndだとどう弾いていいかわからないからだという。
吹奏楽でポピュラー・ジャズ系のリズムをとることが、クラリネットやフルートの人は苦手としていることが多い。

つまりこれは、真面目に楽譜を読んでいない、リズムをきちんとカウントしていないことに起因すると言えるだろう。それがトトロのようなシンプルな旋律でボロが出てしまう。

このような微妙なテンポの揺れに気がつききちんと指摘できるのは、トーシローの指揮者ではほぼ不可能。おかしなリズムのメロディーにそのままひきずられてしまうか、曲が崩壊してしまうか、優秀なリズムセクションに助けられてなんとか形になるか。

そうやって、自分の思い込みリズムで間違いないと信じるベテランが育って行く。
その危険性は、メロディーパートが最も高い。

私はたまたまついた先生がリズムの取り方についてくどくどくどくど丁寧に指導してくれたおかげでたまたま気がつくことができている(つもりになっている?)が、手前勝手な歌い方に浸りきって慣れてしまうと、仮に指揮者や同僚に指摘されてもそれが理解できない。とても不幸なことではあると思う。