フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

ヨーゼフのクラリネット試奏

2010-01-26 | 楽器、その他
雑誌に紹介された記事を見てから気になりまくっていた、ヨーゼフのクラリネット。
ヤマハに次ぐ、第二の国産クラリネットメーカーだそうだ。

ヨーゼフと言えば、オーボエの国産メーカー。
有名かどうかは知らないが、私のやっている木管アンサンブルの二名のオーボエ吹きがどちらもここのオーボエを使っていて、素敵な音を奏でている。
そこがクラリネットを作ったと知れば、気にならないわけがない。

と、私のオケのクラ吹きも早速試奏したという。

池袋にあるらしいショールームにはなかなか行けないなぁと思っていた所、銀座山○楽器にて発見。早速マッピを持って試させていただいた。

詳しくは書かないが、今主流のベーム式クラリネットに比べて、キーの形に工夫がある。
実際に実物を見てみると、なんとなくいままで「何か変だな」とおぼろげに感じていたことが、オーボエ作りの視点を生かして、それなりに納得できる形になっているんだな、という印象。

なんか、いいんじゃない?

雑誌等の説明書きによると、内径が細い設計になっていて、ドイツ系の音ということらしい。
これって、ヤマハのCS系と似た設計かしら。

そう思って音を出してみたら、まさに、CS系の音。
というのが第一印象。

これって、私の使っているCS-Vと同じじゃん。
(でも値段は全然ヤマハが安い)

しばらくいろいろ吹いてみて、やっぱり印象は変わらない。
違う所は、鳴りが上から下まで、フルートほどではないにしろ、クラリネットとしては非常に均一な響きを持っているということ。
オーボエという楽器は、一つ一つの音がそれぞれ個性を持っているなあ、と私は感じているが、おそらくそれなりに均一な響きに楽器を作るのが難しいのだろう。それを均一にまとめているオーボエ作りのノウハウを生かすと、クラリネットも(クラリネットとしては)均一な響きの楽器を作ることができた、ということなのだろう。

私のクラリネットに対する印象というのは、フルートに比べてまだまだ未完成な楽器だと言うこと。
なぜならば、一つ一つの音の響きがばらばらだから。一つ一つの音の響きが違うことは、「個性を楽しめる」という解釈ももちろん可能であるが、あくまでも私の解釈としては「不完全」であるとしている。何故なら、フルートはより「均一」な楽器だから。
そういう意味では、私のCS-Vに比べて、値段の差額相応な分は完成度の高い楽器と言えるらしい、ということは確か。

しかし幸いなことに?わざわざCS-Vから買い替えたいと思わせるほどの価値は感じなかった。
もし、私は今CS-Vを所有していなくて、新たに楽器を物色している段階であったとしても、CS-Vが良い、という結果になったと思う。

なぜだろう?と考えていたら、ついでにこの楽器もおすすめしているので試されてはいかがですか? と店員さんが出してくれたのが、ニューモデルであるというヤマハのイデアルG。

昔イデアルを試したことがあるが、結局CS-Vの方が印象が良かった記憶があるので最初はためらっていたが、結局吹かせていただくことに。

イデアルGはほぼヨーゼフと同じ価格帯(少し安い)なので、どんなだろう、と思って吹いてみた。

いやあ、響きがてんでばらばら(笑)。

どの音も、ほぼ同じ方向に向かって出るヨーゼフと違って、音によって右に行ったり左に行ったり。
そうそう。これこそが、クラリネットだよ、ハハハ。


なんかヤマハの楽器を馬鹿にしているかのようだが、そんなことはなく、今回のイデアルGは、とにかく吹いていてものすごく楽しい気持ちになる、させてくれる。これほんと。

例えばセルマーの楽器は、弱く吹いても強く吹いても響きが変わらず、悪く言えば無響室で吹いているかのよう。でもイデアルGは、音量によって響きが簡単に変わって、しかもコントロールしやすくて、楽しいこと楽しいこと。
音色でいえばCS-Vの方が気に入っているが、とうとうCS-V以上に吹くのが楽しい楽器が登場したことにとても驚いた。(CS-Vの新型である、CS-Vmasterは何かが気に入らない)

結局、試奏のあと店員さんと、アマチュアなんだから、吹いて楽しいのが一番いいよね~、なんていう雑談で盛り上がってしまった。


さすがは、ヤマハ。
楽しませてくれるという意味では、一日の長以上のアドバンテージを持っている。

そういう結論の半日の半分であった。