風邪ひいた。オーケストラの本番二週間前ぐらいのことだった。熱はあまり出なかったのだけど、せきが残った。本番が終わった今も止まっていない。もうせきが一ヶ月近くにもなる。
以前ここのブログで、息の当たるポイントの小さい頭部管はソロに良いのではという趣旨の文を書いた。しかし、風邪ひき中にはそれが通用しないことが今回わかってしまった。かなりショックである。
本番前日のリハーサル。
会社の診療所でもらってきた咳止め薬を飲んで臨む。そうとうやばい
。薬を飲んでいても、息を強く吸ったり、息を吐いて肺の空気が残り少なくなった時にむせる。
要するに、長いフレーズがぜんぜん吹けない。まあ、緊張して吹いているときあまり咳は出なさそうだからなんとかなるかなぁ。
今回の曲は、カルメン組曲から抜粋。例の有名な、フルートの目立つ「間奏曲」がある。フレーズも長い。
通し練習で、いよいよ間奏曲。ハープ(の代わりのピアノ)から始まり、3小節目からフルート。
やばい。音が出てない、というか、かすれた音になってしまっている。
どうやら「やばい!」という気持ちと、薬で感覚が鈍っているせいで上手く唇がリッププレートの適当な場所に乗らなかったらしく、息がきちんと”当たって”いない。そのままの状態でソロの終わりまで修正できずに行ってしまった。
むむー、これは今まで経験のなかったタイプのピンチだ。
しかも最大のピンチだ。どうしよう。
夜、家に帰って考えた。
ここは、吹くのが易しい頭部管を使うことにしよう。でもなあ、普段と微妙に音程の取り方とか変わってしまうので、今から変えるのは危険か? まあ、そんな厳密な演奏してるわけじゃないから大丈夫かな?
本番当日。
日頃の「ポイントの狭い」頭部管と、楽器についていたオリジナルの「ポイントが狭くはない」の頭部管の両方を持って演奏会会場へ。
途中、友人の車に乗せて送ってもらったのだけど、その車が少しタバコ臭がする。それだけでせきがでてしまう。状況は改善していない。
ステージリハーサルでは、「ポイントが狭くはない」方でトライ。まあ、音はでているようだ。今日はこれで行くことにする。
薬も、ちゃんとステージに上がる時間を計算して飲む。
おまじないにと、一錠多めに飲む。
頼むから、楽屋ではみなさんタバコすわないでねと、祈る。
本番終了後。
「本番に強いんだね」(←裏を返せば、GPはそうとうやばかったということ)「えっ、そうなの?全然平気だったよ」などというありがたいお言葉を団員の方々からいただいた。
その後の反省。
録音を聞いた。しかし怖くてあまりじっくりは聞いてはいないのだけど、自分の演奏について(ソロ部分)は次のようなことがわかった。
・咳でむせそうになっている、というのは一応わからない。緊張するとその瞬間だけは咳がとまっていた。
・事前に決めた、フレーズの取り方とか、装飾音のつけ方とか、もろもろの思惑が全部すっ飛んでしまっていた。
雑念と、練習不足によるものに違いない。
風邪で熱がでるなど、悪いコンディションで本番に出ることになった人は、いままでよく見かけてきた。しかし、その時は必ずと言ってよいほど上手くいっている。余計な雑念が入らないからと思われる。プロの演奏家の場合でも、そのような趣旨の話を雑誌等で紹介していることがある。
でも、咳はだめみたい。
集中のしようがない。むせてしまうので、練習はおろか息の使い方のイメージトレーニングでさえできない。
咳止め薬は、市販のものも医者に処方してもらうものでもかなり感覚が狂ってしまう。咳止めは「症状を緩和」するだけなので、場合によっては悪化させてしまうこともあるのでリスクが大きい気がする。
最近になって、漢方薬局で薬を買った。効き目は緩やかではあるものの、徐々に快方に向かっている。今から思えば、咳が出始めたときにこれにしておけば本番に間に合ったかも???
本番前に不摂生はしないように、なんて偉そうなことは言わないけれども、「咳」には本当に注意しなくては。
以前ここのブログで、息の当たるポイントの小さい頭部管はソロに良いのではという趣旨の文を書いた。しかし、風邪ひき中にはそれが通用しないことが今回わかってしまった。かなりショックである。
本番前日のリハーサル。
会社の診療所でもらってきた咳止め薬を飲んで臨む。そうとうやばい
。薬を飲んでいても、息を強く吸ったり、息を吐いて肺の空気が残り少なくなった時にむせる。
要するに、長いフレーズがぜんぜん吹けない。まあ、緊張して吹いているときあまり咳は出なさそうだからなんとかなるかなぁ。
今回の曲は、カルメン組曲から抜粋。例の有名な、フルートの目立つ「間奏曲」がある。フレーズも長い。
通し練習で、いよいよ間奏曲。ハープ(の代わりのピアノ)から始まり、3小節目からフルート。
やばい。音が出てない、というか、かすれた音になってしまっている。
どうやら「やばい!」という気持ちと、薬で感覚が鈍っているせいで上手く唇がリッププレートの適当な場所に乗らなかったらしく、息がきちんと”当たって”いない。そのままの状態でソロの終わりまで修正できずに行ってしまった。
むむー、これは今まで経験のなかったタイプのピンチだ。
しかも最大のピンチだ。どうしよう。
夜、家に帰って考えた。
ここは、吹くのが易しい頭部管を使うことにしよう。でもなあ、普段と微妙に音程の取り方とか変わってしまうので、今から変えるのは危険か? まあ、そんな厳密な演奏してるわけじゃないから大丈夫かな?
本番当日。
日頃の「ポイントの狭い」頭部管と、楽器についていたオリジナルの「ポイントが狭くはない」の頭部管の両方を持って演奏会会場へ。
途中、友人の車に乗せて送ってもらったのだけど、その車が少しタバコ臭がする。それだけでせきがでてしまう。状況は改善していない。
ステージリハーサルでは、「ポイントが狭くはない」方でトライ。まあ、音はでているようだ。今日はこれで行くことにする。
薬も、ちゃんとステージに上がる時間を計算して飲む。
おまじないにと、一錠多めに飲む。
頼むから、楽屋ではみなさんタバコすわないでねと、祈る。
本番終了後。
「本番に強いんだね」(←裏を返せば、GPはそうとうやばかったということ)「えっ、そうなの?全然平気だったよ」などというありがたいお言葉を団員の方々からいただいた。
その後の反省。
録音を聞いた。しかし怖くてあまりじっくりは聞いてはいないのだけど、自分の演奏について(ソロ部分)は次のようなことがわかった。
・咳でむせそうになっている、というのは一応わからない。緊張するとその瞬間だけは咳がとまっていた。
・事前に決めた、フレーズの取り方とか、装飾音のつけ方とか、もろもろの思惑が全部すっ飛んでしまっていた。
雑念と、練習不足によるものに違いない。
風邪で熱がでるなど、悪いコンディションで本番に出ることになった人は、いままでよく見かけてきた。しかし、その時は必ずと言ってよいほど上手くいっている。余計な雑念が入らないからと思われる。プロの演奏家の場合でも、そのような趣旨の話を雑誌等で紹介していることがある。
でも、咳はだめみたい。
集中のしようがない。むせてしまうので、練習はおろか息の使い方のイメージトレーニングでさえできない。
咳止め薬は、市販のものも医者に処方してもらうものでもかなり感覚が狂ってしまう。咳止めは「症状を緩和」するだけなので、場合によっては悪化させてしまうこともあるのでリスクが大きい気がする。
最近になって、漢方薬局で薬を買った。効き目は緩やかではあるものの、徐々に快方に向かっている。今から思えば、咳が出始めたときにこれにしておけば本番に間に合ったかも???
本番前に不摂生はしないように、なんて偉そうなことは言わないけれども、「咳」には本当に注意しなくては。