フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

楽器の女王と男女の関係

2008-05-31 | 楽器、その他
最近いろいろと滞りがちなバイオリンのほう。

受験参考書と同じ?で、買って安心する演奏法の本。
仕事関係で渋谷へ行った帰り、例によって渋谷ヤマハでトラップに落ち、「ヴァイオリン奏法のコツ」(音楽の友社)を買ってきてしまった。

立ち読みでぺらぺらとめくった第4章。表題が、「弓とヴァイオリンは男女の関係」とある。

真っ昼間から惹かれるではないか!?
なんか、古本屋のそおいうコーナーでひそひそと読む気分だ。


諸説あるようだが、楽器の女王といえば、バイオリン。

というような単純な話かと思えば。

「・・・・・そのウエストのラインや、下半身がふくよかで・・・・ヴァイオリンには女性の本質がたずさえられている・・・・もののかたちとそれに携えられた本質や機能とは切り離して感がえられるものではありません。・・・・なぜ女性の特有の形をしているのでしょうか。・・・・「音をうむもの」です・・・あらたな生命を「うむ」存在なのです・・・・世界が創造されるときに神はあたらしい生命の誕生を男性と女性というような組み合わせをつくってそれに託しました。ヴァイオリンが女性的な本質をそなえているとするならば、男性的な本質、つまり「うませる」はたらきは、このばあい、やはり弓に託されていることになります。そして、ヴァイオリンと弓とをひとりで手にするわたしたちは、神の存在に共通するはたらきを持ち合わせることにもなるのです。・・・・英語では弓をbowとあらわしますが、これは曲がったものという意味です・・・この両方のテンションが高められた時、始めて音に生を与えることができるのです。もちろん弓が呼び起こす側であり弦はそれに答える側・・・・過度に攻撃的なボーイングは楽器の反応を殺してしまいますし、反対に力のない弱々しい弓づかいは楽器の反応を引き出すことができません。つまりこれは人間のばあいと同じです。・・・・・・・ヴァイオリニストが創造する世界が無限の可能性に満ちていることは、ヴァイオリンのうずまきの形に象徴されています・・・ヴァイオリンによる創造の世界は、あたらしい生命の誕生をくりかえす無限の広がりなのです。・・・・・演奏とわたしたちの生命の神秘とのあいだには分けて考えることのできない密接なつながりがあるということです。・・・・右腕が演奏上のエネルギーの送り手であること、左手の正確さなどの問題を深く追求するうえで、重要な足がかりになります。」


おーっ

楽器の形から単に官能的な妄想を広げてるのか? と思えば、それがキリスト教的(?)世界観や生命の神秘へと展開して、それがまた奏法の話へと戻ってくる。

以前、うちのオケに来てくれているコンミスの先生に、なんでこんな難しい楽器(バイオリンのこと)が何百年もひきつがれてるんですかねーっ、と話をしたことがあるが、それがなんとなくわかった気がした。

少なくとも管楽器では、そんなに深い楽器の意味について考えたことないし、それに触れた文献は見たことがない・・・・

尺八とか、あるいはあっちの方から伝来している龍笛とかの雅楽系の楽器には何かありそうではあるが・・・・。


うちのオケに当てはめてみた。

前列の方では。
あまり、その、男女関係が上手くいっているかというと、神は気まぐれな感じではあるものの、生命の神秘を日夜?真剣に追求している敬虔なる人達。

その後ろの、例えば笛は、ある意味鳥や昆虫の鳴き声と同じ?で・・・要は求愛活動ばかりに励んでいる・・・享楽的な木管??

金管は、地上に災いをもたらし週末を告げる天使の吹き鳴らすラッパかもしれない、が・・・そんなに立派なものではないだろう。


要は、探し求めてもなかなか与えられない弦楽器と、いろんな意味で迷える木管楽器。終末ならぬ週末を待つ金管。
遅れてきた羊飼い(指揮)は群れにならず好き放題の羊に右往左往。


・・・・・・・

それが何か?


なんなんだか自分で考えていることがわからなくなってきた・・・・

もう一つの違い

2008-05-11 | 吹奏楽、管弦楽&アンサンブル団体
いつだったかの記事で、オケ新入団員の隣の上手なObのTさんが、我々と指揮の打点の取り方が違っていてかなり困惑気味であった、いう話を書いた。

ところが先日の練習ではとうとう打点をつかんだらしく、あまりの早い対応に驚かされた。

相変わらず、さすがである。

安心して音の出だしが出せるようになると、また私との演奏上の新たな相違に気がついてしまった。
打点の件は、多数対一人なので、長い方に巻かれるのが正しいあり方である。

しかしながら、今回は、私はこうしたい、あなたはそうしたい、で、どっちにしよっか? ということであると思う。


例えば二拍子。ここでは6/4拍子の二拍振りだとする。

一般に、一つの小節の中では、最後の拍が一番長い・・・・ここでは二拍目がながい。すなわち、1、2、3、よりも、4、5、6を含む二拍目の方が長い。

この長くなった分をどこでどうやって辻褄をあわせるか。
その考え方モデルが、どうやら私とTさんで違うようだ。

フレーズのつながりによるが、私の場合は、5、6→1 を固まりと考えて、5と6を伸ばす傾向にあるようだ。 →1 のタイミングにあわせて、5と6を逆算して長さを決めるというやり方。

これに対して、どうやらTさんは6を伸ばして、次の1が来るのを待っているような感じだ。


これでどういう現象が起きるかというと、打点の取り方は同じ、テンポ感も全く同じ、で(とても気のあった)演奏しているのに、何故か5と6で私の方が出だしが微妙に遅くなってしまう。1、は全く同じタイミングで入るのに。

今から思えば、アンサンブルをやっている時からこれに関してはうすうす感じてはいたような気がする。

Tさんに聞いてみると、私が思うようには意識して演奏していることはないようだし、この違いも気にはなっていない様子。

これは何の違いだろう。単に本人同士のクセの違いなのか。それとも師匠の方のクセか、流儀の違いなのか。

幸い?指揮者に指摘されるようなずれではない。
オケで、他のパートが走ったり遅れたり、というのはたくさんあるが、それよりもずっと程度として小さいことではあるのだけれど。

しかし、なぜか私はとても気になる。
ずれが生じていることが、ではなくて、何故こういう違いが出てきているのかが。


さて、どうしよう。

解釈がぜんぜん逆ですっ(泣)

2008-05-10 | レッスン
レッスンで現在進行形のバッハ。管弦楽組曲。

どうも先生の言うことと、今まで自分の信じてきたこと?が違って困っていた。ここにきてやっとそういう回路が自分の中にできてきてどうにか対応できるようになってきた。

例えば、組曲の中の一曲目、Overture。
私の考えでは、何かしら単に均等に演奏するのはつまらない時、例えば中間のAllegroでは、各小節の最初の音を、どちらかというとアクセントでテヌート気味。そういう風にやるのが当然だというように理解していた。

昔やった教則本。例えば、ベームとか、アンデルセンとか。みーんなそういう風にやるように教わった気がする。(今とは違う先生だけど)


レッスンでは、最初は全部均等になるようにやった。

それでは違うという。何かせせこましく聞こえる。

どうするかというと、2拍子の場合は、一拍目は通常通り。二拍目はゆっくりという、緩急を(急緩だ)つける必要がある。

モーツァルトの時も同様な指示はあってそれなりに苦労したが、作曲家が変わると?なかなかそれだけのことができないもの(泣)。


指示通りにはなかなかできずいろいろ試した結果、私の場合は、一拍目はアクセント気味とともに強力に間倒しで吹き、二拍目は思いっきりブレーキ。次の一拍目にはいるのにも思いっきりイヤイヤして躊躇する。という考え方モデルで演奏すると、なんとか先生のOKが出た。

ふぅ。(大汗)


帰宅後、うちに一枚だけある管弦楽組曲のCDを改めて聞いてみた。

すると。

なんと、私が最初に考えていた考え方モデルの、一拍めをテヌート、の演奏。思いっきり間違えな演奏ですな(笑)。
きっといろいろな流儀があるのか、最近の研究の結果とか、なんかいろいろ事情があるのでしょう。

まぁ、このCDの演奏は私は好きではなかったので、まあ良しとするか(笑)。

楽器が汗で滑ることについて

2008-05-09 | フルート本体
先日レッスンで、ステージ上などで手の汗で楽器が滑ることがあるが、対処法はありませんか? と先生に聞いてみた。

既に何回か書いた記憶があるが、緊張する本番の暑いステージ上では、私は汗で左手の人差し指の付け根のあたりが滑って運指に支障をきたす人なのである。


まぁ、結論としては、拭くしかないらしい。

拭く、については、手を一生懸命にズボン(ハンカチや)などにこすりつけてぬぐおうとしてもダメで、楽器本体を拭く方が効果が(私にとって)あることがわかったが、それ以上の解決策はないらしい。

というか、先生は汗で楽器が滑って困る、ということがないらしい。

そして曰く、右手の親指で楽器を下から支える人は、滑るという人が多い、という。
本当かしら。

ただ、楽器の響きは下から支える方が良い、という。
本当かしら。

ちなみに私は、見てみると右手親指は楽器の下側にある。

一時期使うことを試みていたフルートを側面から支えることを支援する支持具の「サムポート」は、すっかり使わなくなって久しい。まぁ、これは楽器の響きを抑制するようで、音響的にはイマイチっぽかったが。

先生は楽器の側面から楽器を支えている。(らしい)


そのうち、右手親指の位置と左手人差し指付け根滑りの関係を、知人関係にいろいろ調査してみようと思う。