Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

MANON -ABT (Sat, Jun 16, 2007)

2007-06-16 | バレエ
当ブログにもたびたびコメントを返していただいている私の東京のお友達。
彼女のブログは、私のはじまったばかりのバレエ鑑賞のメンターともなっていますが、
その彼女より、この公演に行かないとは何たること!と嘆きのメッセージを頂くこと数回。

そのドラマティックな演技力と確かなテクニックで長らくバレエ界のディーヴァとして君臨してきたフェリ。(ABTに加わったのが1985年で、すでにそれ以前にロイヤル・バレエでスターとしての地位を確立していたそうですから、すでに相当長いキャリア。)
マノンとジュリエットは、彼女のシグナチャー・ロールと言われており、
今年をもって引退の予定の彼女の、最後のマノンが今日の公演。
私のお友達に毎日、なぜチケットをとらないのか?!としかられるのも無理からじ。。

しかも、(公演中、私のそばに座っていた超バレエ・ファンと思しきおばさまの話しているのを盗み聞きしたところでは、)
フェリのご指名により、今回ボッレが相手役を務めることに。
このボッレは、スカラ座のDVD、『白鳥の湖』でそのお姿を拝めるとおり、超美形&長身なゆえにその人気もすさまじい。こんな人、ちなみにテノールではいません。。
(フローレスが最右翼か?)
オペラ・ファンには悔しいことに、スカラ座では、”アラーニャよりもスター”な事件もありました。。
そして、マノンの兄、レスコーを演じるのが、イーサン・スティーフェル。
こんな豪華なキャスト、見逃してどうする!!と、バレエファンの方が嘆くこと、無理からじ。。

そんなわけで、私、勉強不足を覚悟で急遽、行って参ることにいたしました、フェリの最後のマノン。

オペラでは、マノン/マノン・レスコーを見に行ったことがあるので、
若干違いがあるとはいえ、大まかなストーリーはすでに知っているのが何よりのなぐさめ。
あとは、最近購入したバレエの本でにわか勉強。
見所を一夜漬けで頭に叩き込みましたが、今まで実演を鑑賞した経験がないのでそこが不安。

座席は、なぜこんな席がいきなり出てきたのかよくわからないが、
B列(前から二列目)のセンターブロック横の通路をはさんで、二、三席、上手に近い側。
メトで、きちんとダンサーのつまさきまで見るには多分N列とかO列(前から15列目くらい)あたりが理想で、
B列は普通に着席していると、着地時、微妙につま先の頭が切れてしまうのが難ですが、そのかわり、
顔の表情から、手の表情は、もうこれ以上はっきり見れません!というくらいにはっきり見えるので、
それはそれで面白かったです。
ただし、オペラでも同じですが、少し近すぎて、全てに注意を向けるのが難しい。。
なので、誰かをじっと見ていると、その他の部分を見るのがおろそかになり。。という感じ。
この席は、誰かはっきりとお目当てで見たいダンサーがいるような場合には、良いかも知れません。

今、読んでいるBallet 101という、辞典のようなバレエの本に、
現役のWall Street Journalのバレエ評論家である筆者が、
”バレエファンにとって、音楽は踊りの、二の次。極端な話、たとえば、音楽を全て消して、
踊りだけ見たとしても、バレエファンはかなりの確立で満足できる”というような趣旨のことが堂々と書いてあって、
”えーっ!”と驚いたのですが、
確かに、そこまで極端ではないとしても、その傾向があることを今日の公演の観客のリアクションから感じて、二度びっくり。
ここがオペラと全く違うところかも知れません。

ボッレが登場すると、観客から大きな拍手が。
舞台で見ると、本当に大きくて、確かに華があります。
少し、第一幕第一場、不安定な部分がなきにしもあらず、でしたが、
(静止するはずのポーズがバランスを失いそうになって、アジャストする場面も。。)
尻上りによくなっていきました。

こんなとーしろが言うのもなんですが、私個人的には、しかし、
一幕に関しては、スティーフェルの踊りが素晴らしいと思いました。
この方の強みは、普通に立っている、立ち姿までが美しい。
それぞれのダンサーの持ち味というのもあるでしょうから、一概にどちらがいい、というものではなく、好みの問題もありますが、
ボッレが、ただ立っているときには、少し弛緩してしまう時があるのに比べて、
スティーフェルは、どんなときも常に全身に神経が行き届いている感じ。
踊りの折り目も正しくて、とても小粋なマノン兄でした。
しかも、写真で見るよりも舞台で見るほうが素敵に見えるという幸運な方。
(この方も長身なので、本当に男性陣、映えました。)
オペラでは、いやらしい感じのマノン兄しか見たこと、聴いたことがないので、
このスタイリッシュな兄は大変新鮮でした。
でも考えてみれば妹が魅力的なのですから、兄だって魅力的な方が、
生物学的にも確立が高そう。

ケネス・マクミランの振付は、オペラで言うところのヴェリズモに相当する、
と前述の評論家が言っていたのですが、確かに。
バレエってもっと抽象的、シンボリックな動きが多いのかと思っていましたが、
マクミランの振付は、もっと直接的、というのか、生々しい動きが多くて、
特にこのマノンに関しては、官能的な振りが多く、私のクラシック・バレエのイメージが覆されました。
これは、表現力に定評のあるフェリが演じていたので余計にそう感じられた面も大きいかと思われます。

第一幕第二場の”寝室のパ・ド・ドゥ”はその官能的な部分もさることながら、
マノンの、恋に落ちた喜びが本当にうまく表現されていて、思わずため息。
この場のマノンは、ニ幕以降に、本人がどんどん無意識にファム・ファタル風な雰囲気を身につけていく前の、
まるで子供のような無邪気な喜びがあふれていて、本当にかわいらしい。
全幕通して、官能性をあらわすのに、足のなまめかしい動きが多用されていて、
この幕でも、そういった動きがあるにはあるのですが、
ここでは、まだ自分の性的な魅力を完全には理解しきっていない、
ましてやそれを利用することなど、まだ思ってもいないような無邪気さをフェリがうまく表現しています。
おぼこいデ・グリューと二人、こちらがつい微笑んでしまうような、初々しさを感じさせるラブ・シーンなのでした。

しかし、デ・グリューが手紙を出しに外出してしまって(デ・グリューの馬鹿、馬鹿!!)いる間に、
GMというすけべ爺とレスコー(マノン兄)が現れたところから、どんどん話が暗転します。

GMをマノンのパトロンにして、一財産儲けようとたくらむレスコー。
GMを演じたダンサーがまたいやらしい顔で、これ以上ない適役。
GMがマノンを品定めし、金銭で彼女の心をつろうとするあたり、
マノン兄も加わって、三つ巴で、とても印象的な振りなのですが、
(マノンの足先をつかんで1回転ねじるetc)
この三人がそれぞれ巧者で、それぞれのキャラクターをうまく演じ分けていて、
見ごたえがありました。
ここでもスティーフェルのレスコーが本当にエレガントでため息もの。
兄なのに、こんなに色気があるんですもの、ホント、罪作りです。
先ほど見せていた無邪気さに変わって、だんだん金銭に目がくらむマノン。
マントを身につけて、二人につきしたがって行くときには、
さっきの無邪気な少女とは、顔の表情まで違っているのでした。

さて、いよいよ第二幕が始まるというところで、場内アナウンス。
”レスコー役のスティーフェルが負傷のため、ニ幕以降は、サシャ・ラデツキーが演じます”
これには観客一同、失望大。
”彼、良かったのにねー。”
”いつ怪我したんだろう、わからなかったよね?”とまわりでもざわざわ。
結構、ここまで、彼が出たシーンはぐっとしまるというか、
彼がドライブしていた部分も大きかったので、このあとどうなっていくのか不安も。
でも、怪我では仕方がありません。じわじわと、代役の方を迎える拍手があがって、
いよいよ幕があがりました。

レスコーの愛人役を演じているステラ・アブレラという方、見た目がアジア人っぽくって、
体の線は痩せているのにぎすぎすしていなくて、とっても綺麗だし、
踊りもとっても丁寧なのだけれど、
顔がいかんせん、あまりにアジアンで、これはオペラ歌手にもいえることですが、こういった西洋もののお話のとき、かつらなんかかぶると、あまりにもバタ臭く見えて、
ちょっとげんなり、ということがよくあるのですが、
一幕はまさにそんな雰囲気で、とくに、ここまで舞台に近い席で見ていると、
本当に気になってしようがなかったのです。

ところが、高級娼館を舞台に踊られる、このニ幕の”酔っ払いのパ・ド・ドゥ”では、
そのバタ臭さが、一層の滑稽さを引き出す結果となって、成功。
彼女の踊りもこのシーン、よほど踊りこんだのか、代役のラデツキーとのコンビネーションもすばらしく、見せてくれました。
ラデツキーは、”レスコー、あなた突然ものすごく縮んじゃったのね。。”というくらい背が低くて、
もちろん、とてもスティーフェルのあのエレガントさの比ではないのだけれど、
小さい体の割にはジャンプ力を駆使して、一生懸命踊っている姿が大変けなげで、
観客もつい応援したくなるような雰囲気がありました。
確かに、この場面を怪我をした状態で踊るのは無理だな、とは思いましたが、
スティーフェルで見たかったこともまた事実。。残念!

このあと、娼館を訪れている男性客3人が踊るシーンがあるのですが、
この中の一人がちょっとにわかに信じられないくらい、あまりにあまりな踊りでびっくり。
他の二人がぴたっと息があっているのに、役を覚えていないのか何なのか、
遅れまくるわ、ジャンプやポーズは適当だわ、で、
ABTのメンバーに突然どこかのとーしろが混じったよう。

あまりにもびっくりしたので、この後、じっとウォッチしていると、
なんと、その後、女性男性共に群舞で踊るシーンでは、
アジア系の女性と思しきダンサーの方とペアになっていて、これまた適当な踊りを披露。
適当のみならず、結構女性を放り投げてキャッチ、みたいな場面もあったのですが、
女性を取り落とすのではないかと思うぐらい危なかしく、みているこっちがはらはらしました。
ホント、下手すると怪我にもなりかねない、超危険人物です。

マノンが男性を従えて踊るシーンは、先にも触れた、足を駆使した振付。
特に男性数人(だったと思う)にリフトされながら、スカートの中から、
天井に向かって一本だけあがっている足の角度で、マノンの性的魅力を全部表現している部分は、
これはもう表現力、テクニックのない踊り手の方が演じたら惨憺たる結果になりかねないのでは?と思わせました。
しかし、そこはフェリ。足がこんなにエロティックとは。
どうしたらこのようにまるで観客にどのように見えているかわかっているかのように踊れるのか。。。

デ・グリューのソロでは、少し一幕で不安定だったボッレがいよいよ、
なるほど、これが評価の高い理由か!と納得させる、ソリッドな踊りを披露。
大技をばんばん、綺麗に決めてくれました。
特にあの長身から繰り出される跳躍は本当に美しく、またこの人の踊りには、
嫌味にならない程度に男性らしさがきちんと感じられるところが持ち味ではないかと思いました。

女性に往々にしてありがちな、自分が振った男には冷たい、という、
薄情な態度をとっていたマノンもだんだんデ・グリューの熱意に打たれ、
ついに心を動かされます。
このあたりのフェリの巧みな心理描写は絶品でした。

いかさま賭博のシーンは、トランプのカードが大きくて、
ボッレが上着のジャケットに隠し
入れるのに四苦八苦している様がおかしかったです。
多分遠くの席でもトランプであることがわかりやすいように大判にしたのだと思いますが、
その分上着のポケットも大きくしようよ!っていう。。

第二場、いかさま賭博がばれて逃走したマノンとデ・グリューがパリの宿屋で二人踊るシーン。
ついてきてくれたマノンのことが嬉しかったのか、うきうきのデ・グリューとマノンとのロマンチックな掛け合いと、
その後、この場においてまだ高価なブレスレットに執着するマノンに気付いたデ・グリューの失望と、怒りと、どうしたらいいんだ?という悩みにいたるまで、
ここは、もちろんフェリの力もあってのことですが、ボッレがものすごい表現力を見せて、実は私が今日一番心を動かされた場面かもしれません。
短いなかに、ロマンティックな要素、突然にわきあがる失望、彼女は一生変わらないのでは?という疑惑、
そして、でもついにはほれた弱みからマノンを許してしまう男心、とめまぐるしく変わる感情の機微を踊りで表現尽くしていたのは素晴らしかった。

いよいよ第三幕。
オペラの”マノン・レスコー”では、アメリカに出航する前の、フランス側での港が舞台になっている、
また最後、命を落とすシーンは沼地ではなく、砂漠(この違いはどうよ!)である、等の違いがありますが、
何といっても最大の違いは、オペラには、看守にマノンが乱暴されるというシーン(どころかそんな言及すら)がない点。
考えてみれば、(皆無なわけではないですが)、オペラには、
直接的な性描写が描かれているスタンダードなレパートリーがほとんど皆無なのに気付きました。
両者合意系なら、蝶々夫人とか、トリスタンとイゾルデとか、その描写である、と言われているシーンがなくはないのですが、
それも、もっとオブラートに包まれている、というか、気付かなければ気付かないですんでしまう、というケースもなきにしもあらず。。。
両者非合意系だと、トスカが頭に浮かびますが、彼女の場合はなんとかスカルピアの魔の手を逃げて、
最後には彼の手に落ちる前に殺害してしまうし。。
なので、第二場のマノンが乱暴されるシーンでは、ちょっとあまりにもあからさまで、
オペラファンであるところの私は少し引いてしまいました。
バレエ版ヴェリズモの実践者であるところのマクミランのこのシーンの振付は、
かなりリアルで、
マノン、ひいてはデ・グリューとの二人の悲劇がこれで一層強調され。。ということなのかもしれないですが。
フェリの演技力があるだけに、ちょっと見ていて辛いシーンでもあります。
映画なんかとも共通するのだと思いますが、乱暴される、ということを表現するのに、
直接的な描写というアプローチが一番なのか?という問題がつい頭に浮かんでしまいました。

第三場、いよいよ、”沼地のパ・ド・ドゥ”。
この場面についてはくだんのお友達が送ってくださったyoutubeでの画像(ロミオとジュリエットのコメント内にあります。)を先に見ていたので、
その印象がとっても強かったのですが、
今日の二人の踊りは、それともまた違っていて、
いかに表現には無限の可能性があるかということを痛感。
まず、今日のこの場面の踊りのキー・ワードはへろへろ感でしょうか。
港を脱出し、ろくに飲み食いしないままに沼地にまぎれこんで、
二人で死んでいく場面なので、へろへろであたりまえなのですが、
youtubeで見た画像では、へろへろ感がありつつも、踊りの美しさも重視しているように感じられたのですが、
それに比べると、今日の踊りはもっとエモーショナルで、
マノン、デ・グリューとも、まさにへろへろで、それを描写するために、あえて踊りの美しさをも犠牲にしたとでもいうか。
どうしたの?というくらいに、あえて、時にフォームを崩すボッレとフェリ、
それまでを見るに、この二人なら、このシーンで、美しく踊ることもたやすく出来たと思うのですが、
そこであえて感情表現を優先させた英断に、二人の心意気を感じました。
”崩しの美学”とでもいいましょうか。。
ボッレのサポートはさすが。フェリが心おきなくその乱れ放題を出来たのも、ボッレのサポートがあってこそ。
youtubeのような表現を好むか、こちらの表現を好むか、はもはや見る人の好み次第。
素晴らしい公演でした。

最後、観客の拍手を受けてあらわれたフェリ。観客に愛されている、というのはまさにこういう人のことを言うのでしょう。
パフォーマーとして、もっとも幸せなことではないかと思いました。
また、ボッレがあくまでフェリをたてまくっているのには、
アラーニャ事件によって、ものすごく生意気な雰囲気の人を想像していた私としては、意外にもの好青年ぶり。
また、レスコーを代役で演じたラデツキーは、全員一列でバウイングしているときでも、この二人よりも一歩下がってお辞儀。
まるで、”僕はこの二人とはまるで違うクラスなので。。”と言っているよう。
バレエの世界はものすごい謙譲の精神が残っているのだ、と驚きました。

はじめてフェリの舞台を見たにもかかわらず、つい周りの皆さんの熱い声援に、
あたかも今までずっと彼女を見続けてきたかのように、目頭が熱くなり。。
観客からの彼女に対するリスペクトには並々ならぬものがありました。
ロミオとジュリエットのDVDで見た彼女の初々しさも素敵でしたが、
あれから年月もたって、今日の、踊り手として、本当にストイックな、
強さのようなものを感じさせる彼女の表情には心を打たれるものがありました。

また、踊っているときにはあれほど男らしかったボッレが、挨拶に出てきた瞬間、
結構素で、その素がなんだかかわいらしいのに拍子抜け。
全然イメージと違いました。

さて、余談ですが、インターミッション中、配られたプログラム内におさめられた記事に、私の注意は釘付けになったのでした。
”Petit Paws"というタイトルのもと、ABTのスタッフやダンサーたちがどんなわんこを飼っているのかという特集。
ABTでは、お稽古の時などに犬を同伴してくる人たちも多いらしく、うらやましい限り。
その記事の中、来週観にいく白鳥で王子を踊るマルセロ・ゴメスが、わたくしの二匹の愛息(プロフィール欄参照)と同じ、
ダックスフント(それも超かわいい!)を飼っていて、勝手に親近感倍増!
床でウォーム・アップしながら、そのダックスと戯れる白黒の写真がまた絵になってる。
うちのわんこと遊ばせたい。。


Alessandra Ferri (Manon)
Roberto Bolle (Des Grieux)
Ethan Stiefel/Sascha Radetsky (Lescaut)
Stella Abrera (Lescaut's Mistress)
Roman Zhurbin (Monsieur G.M.)

(写真もAlessandra FerriとRoberto Bolle)

Music: Jules Massenet
Choreography: Kenneth MacMillan
Conductor: Ormsby Wilkins

Metropolitan Opera House
ORCH B Even
***マノン Manon***

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9 コメント

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ブラボー! (yol)
2007-06-18 09:53:10
本日代休の私。
何度もRefreshのiconをclickしながらリアルタイムで読ませていただきました。臨場感のある克明なレポート有難う。行けなかった私ですがものすごく伝わってきました!イーサン・スティーフェルは今まで全然好きじゃなかったけれど急遽「見る人リスト」行き。ボッレは元々踊りが上手いとか切れるとかいうイメージはないのだけれどやはり立ち姿の美しさは非の打ち所なし(のはず)、最後に見たのはもう2年前。8月にはフェリと来日して最後の公演のパートナーとして「マノン」「ロミジュリ」名場面を踊る予定なので楽しみ。ガラ公演であって全幕でないのが悔しい。スカラ座の「椿姫」全幕は絶賛だったので尚更悔しい!しかも引退公演を初演で終らせるなんてフェリも罪な人です。
ブログを読みながら吹き出したり、最後は私まで舞台を想像しながらうるったり、楽しませていただきました。本当にありがとう
追記 (yol)
2007-06-18 10:06:08
マルセロ・ゴメスとお知り合いになったあかつきには私にも紹介してね。
http://www.ferri-bolle.jp/
ゴメスも来日するので楽しみ。

ところでフェリが「バレエ界のマリア・カラス」とはこれは表現として適当ではないわね、フジテレビ。コピーライターのとにかく素晴らしいと言うことを説明したいと言う気持ちがこの安易な表現に走らせたのだろうけれど私は「なにこれ?」とひいています。

フェリが取材で引退について聞かれた際に答えた言葉、ピークを過ぎて踊れなくなってから去るのではなく絶頂での引退を選んだ彼女の言葉は本当に綺麗。

「あでやかにお辞儀をして舞台から去りたいの、ローラン・プティのバレエの登場人物のように、シャンパン・グラスを手にして。今最高の踊りが出来るこの時に。」


ほっとしました&ありがとう! (Madokakip)
2007-06-18 13:43:30
まだ片手の指の数にも満たないかというバレエ鑑賞で、いきなりフェリのマノン最後のフル公演をレポートするという大任を預かって、
きっと、無知ゆえにとんでもないクルーレスなことも書いているとは思いますが、
それでも何とか書き終えることができてほっとしておりまする。
yolさんのあつい奨めがなかったら、こんな素晴らしい公演を見逃していたかと思うと、
感謝の限り。本当にどうもありがとう。

マリア・カラス云々に関しては、私はフェリに大変失礼だと思いました。
カラスを引き合いに出さなくとも、彼女はすでに、
彼女の名前のもとに素晴らしいアーティストであり、安易なキャッチ・コピーなんか必要ないと思います。

ぜひ、ぜひ、機会があったら再度スティーフェルを観てみて!オペラでも、ほんの数年の間に大成長を遂げて、
というのはよくある話。
yolさんがどういう感想を持つか、とっても興味あります。
私は踊りのクオリティでは、(怪我で出番が少なかったけれど)、
ある意味、ボッレを凌いでいた部分もあったのではないかと思っています。
ほんと、ゴメス宅でわんこのplay date partyでもやってくれたら、絶対行きたい。
これから、ダックスを連れている人には(今でも、散歩中にダックス連れの人に会うと、つい親近感からこちらから話しかけに行ったりしてしまうのだけど)、
さらに熱い観察の視線を投げかけて、
ゴメスに遭遇するようなことがあったらその場で生け捕りにしたいと思います。
ありがとうございます (najaThe伝道師)
2007-06-20 00:10:46
Yol様のブログで度々お目汚ししております、マニ友Yでございます。
丹念で真摯なレポ、ありがとうございました。堪能しました。フェリのマノンが見られなくて、ほんとーーーに残念っっっっ!!
次は各所で酷評を得ているケヴィン・マッケンジー振り付けの「眠りの森の美女」の批評待ってます。
決定打は沼地のPDDの映像でした。 (Madokakip)
2007-06-20 03:29:36
おお!マニ友Yさん!!!
実は、今回、行くことに決めた決定打は、Yさんからyolさん経由で見せていただいた沼地の映像でした。
こんな素晴らしいものが見れるのなら、と。。
なので、こちらこそありがとうございます。
そう、眠りの森の美女は、なんだかものすごく悪評が高いですね。
時々チェックしているメトのオペラ・ギルドのサイトの掲示板でも、
自称ABTの職員にまで、”あれはひどい!”と言われてました。
ただし、このマッケンジーって人、今はABTのディレクターですよね?
なので、一応、振付とかよりも、セットや衣装が最悪という風に、一応マッケンジーをたててましたが、
実際のところはどうなったのか、気になります。
そのセット、NYCBのロミ・ジュリもひどかったけど、
どっちがひどい?と質問をした人がいて、
堂々、”眠りの森‥”という答えが返ってきたときには、
私、あれ以上のぼろいセットが考えられないので、
めまいをおこしそうになりました。
そんなことなので、いずれにせよ行くのを躊躇したことと思いますが、
”眠り‥”に関しては、どうやら、先週で全日程終了してしまっているようです。
昨夜見たロミ・ジュリがまた素晴らしく、
今日出来れば感想を書き終わりたいと思っていますので、
そちらで!!
Unknown (pourpasseletemps)
2007-06-21 00:24:11
Yol様のブログで発見して拝見しました。わたしは、バレエ鑑賞はまだ初心者なのでたくさんの舞台をみたことはありませんが、マノンは、2005年の英国ロイヤルの来日公演でみて以来大好きな作品です。フェリは、去年のバレフェスでテューズリーとの沼地をみてとてもすばらしかったので、是非全幕でみてみたいと思っていましたが、それはもうかなわないようで残念です。フェリのマノンを全幕でご覧になったことをとてもうらやましく思います。ここでご紹介のあったYou Tubeの映像をみると去年のバレフェスの時とはまた印象が違っており、同じフェリでもパートナーによって印象がかわるのだと思いました。ボッレ&フェリの組み合わせは8月のガラ公演で観れるのでとても楽しみにしています。レポートを拝見して、イーサンのレスコーも見たくなりました。ABTの舞台は生でみたことはありませんが、今度見てみたいです。すてきなレポートをありがとうございました。
初心者どころか!! (Madokakip)
2007-06-21 12:35:50
pourpasseletempsさん、

もう私など、バレエを見始めたのは、2006年クリスマスからなので、(そう、それはもう、ほとんど今年といってもよい。。)
初心者も初心者、
感想などおこがましく書いてしまっていいのか??というくらいなので、
pourpasseletempsさんのような温かいお言葉を頂いて本当に嬉しいです。

パートナーによる印象の違い、私も同感です。
特にロミオとジュリエット(そちらの感想も上げてみましたので、
よろしければお読みください。)に関しては、
ずっとコレーラ&フェリのDVDで予習をしていたのですが、
同じコレーラが、(もちろん年月がだいぶたっている、ということもあるかとは思いますが)、
ヴィシニョーワというパートナーを得て、また違った雰囲気のロミオ像を作りだしていたのは、
大変興味深かったです。
またお互いのケミストリーというのか、二人が並んだときの醸しだす雰囲気とか、
微妙に別のペアとは違うのも面白いですね。
イーサン・スティーフェルは、レスコー役、
結構はまっていて、私はとってもいいと思いました。
pourpasseletempsさんがABTの舞台をご覧になるときには、
ぜひ感想アップしてくださいね。
楽しみにしています!!
Unknown (chelsea)
2007-06-22 23:23:41
はじめまして。
yolさんのブログから参りました。
大好きなフェリの最後の全幕マノンの詳細レポ、楽しく読ませていただきましたm(_ _)m
私は長年バレエばかりで、オペラはまったく詳しくないのですが、
バレエ版とオペラ版の比較など、
さすがオペラファンの方!と感じる興味深いレポ、面白かったです。
ありがとうございました!
ABTの公演を身近で御覧になれて羨ましいです(^^)
yolさんも罪作りなお人。。 (Madokakip)
2007-06-23 03:09:01
Chelseaさん、

こんにちは。Chelseaさんのお名前もしばしばyolさんのブログで拝見しておりました!
ブログつながりでこうしてお話できるとは、ブログの力は偉大ですね。
このマノン、そしてロミ・ジュリと立て続けてに素晴らしいバレエの公演を見てしまった今、
まさにパンドラの箱を開けてしまったとでもいうのでしょうか、
(これもyolさんのおかげ!)
今までみすみす、近場でこんなに素晴らしい公演が行われていたのに、
見逃していたとは、自分を呪うばかり。
早くも来年は何が見れるのだろう、と楽しみです。

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