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読中 22世紀の民主主義 考えのきっかけに

2022-08-05 02:26:00 | 推薦します!
今、手元で読んでいる本が数冊。その中でも考えるきっかけが溢れているのは、『22世紀の民主主義』だ。

資本主義と民主主義は相性が良い様で悪いという話から始まる。
またここ最近の衆愚政治事例から、果たして選挙という手段は本当に大丈夫なのか?という問いかけが切り出される。

2016年にアメリカに赴任した私は、みるみると赤くなっていく大統領選の州地図をテレビで見て、信じられないと現地の人達にも伝えたが、支持者は身近にもいて、メキシコとの間の国境の強化とか、そもそも移民で出来ている国家なのに、『後から入ってくる人』を煙たがる、自分達を先住民と思って考えている節のある、ルーツを欧州に持つ人々に囲まれていることを実感した。
統一通貨には参加していない英国は、本当に国民投票でEUを離脱してしまったし、スコットランドも独立しかかった。
経済連合が目指してきた平和的で効率的な融通を持つ機構が崩れてしまった。

資本主義は貧富の差を容認・前提とした機能を果たしているのに、民主主義は平等の選挙権から、救済の色合いを齎し、決断の遅延を引き起こし、目先のことに焦点が当たってしまう。
その機構の是正を考えるのが、現制度下で選ばれた政治家達。
彼らが制度の改革など出来るだろうかという自己矛盾。

解決策の項に入る前にこれを書いているが、新書の厚みの前段も前段で揺さぶられている。

著者は、選挙への期待が薄いことを堂々と示し、ここで提唱することは否定されても、礎にされて(良いことだ)別の道に流れていっても全然構わないというスタイルで書いてるから、面白い。

翻って、資本主義の中の革命的な事象に思いを馳せれば、熱烈な創業者に依る世の中の潮流の激変が齎される一方で、政治は利権でそういうものから、既得権益者を守るような規制の温床の様にも見えてしまう。

保護貿易主義が台頭すれば、日本はひとたまりもないし、それに日本も向かっていたらどうするのだろう。社会課題の解決が既得権保護で遅れているのであれば、由々しき事態だが、それに気付かされるような選挙制度なのか?は確かに疑問である。

解決策ではどんな案が出てくるか?大いに期待出来るが、どこまで痛快だろうか?と逆に心配でもある。

専制国家は問題だとしても即応性には長けているわけだ。
政治家がどういう報酬デザインならば未来も身近な課題も同時にこなせるだろうか?
どう選べるべきか?

再選回数に上限持たせる。一定数の新人を常に入れ替える。そもそも人ではなく案に国民の投票が出来たらいいのか?

要約が冒頭についていたが、思い出せない。笑

後でもう一度要約を読み返して欲しいと書かれていたので読むが、その時にはまた感想が変わっていそうである。
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