goo blog サービス終了のお知らせ 

⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

迷走セブン&アイ(上)任せていただけないか

2016年04月21日 | 企業研究
【迫真】迷走セブン&アイ(上)任せていただけないか
日本経済新聞 朝刊 2016/4/21 3:30


 18日午後、セブン&アイ・ホールディングス本社(東京・千代田)の9階にある会長執務室。取締役の井阪隆一(58)はある決意を持って会長の鈴木敏文(83)のもとを訪ねた。


 「会長を尊敬している。今後も顧問として残ってほしい」と訴える一方、「経営は私に任せていただけないか」。セブン&アイ社長への昇格が内定していた井阪はグループの全役職から退任する意向の鈴木にこう迫った。

 2カ月前――。同じ執務室で鈴木はコンビニエンスストア事業を担う中核子会社、セブン―イレブン・ジャパンの社長を務める井阪に対し、社長を退くよう命じた。わずか2カ月で2人の立場は大きく変わっていた。

□   □

 セブンイレブン大卒社員1期生の井阪は商品開発部門を歩み、グループ共通のプライベートブランド(PB=自主企画)「セブンプレミアム」の立ち上げで中核の役割を担った。その実績が鈴木の目に留まり、2009年に生え抜きの社員で初めて社長に就任した。

 米国生まれのセブンイレブンだが、育ての親は鈴木だ。おにぎりや弁当を並べ、銀行も備え生活に欠かせないインフラに育てた。井阪を社長に据えた当初、「後継者として検討したい」と話すほど期待していた。

 グループの利益の8割を稼ぐセブンイレブンは16年2月期まで5期連続の営業最高益と業績は好調だ。その裏側で2人の師弟関係はぎくしゃくするようになっていった。

 鈴木は部下と厳しく接することでやる気を引き出す経営者だ。井阪には役員会などで叱責することが常態化していた。期待が大きかった分、「今のセブンイレブンからは新しい商品やサービスが出てこない。おれの考えていることをやっているだけだ」と不満を募らせていった。

 井阪は米セブン―イレブンへ異動する――。15年はじめにはこんな臆測が社内で公然とささやかれるようになっていた。

 □   □

 鈴木の下した決断が微妙だった2人の関係にひびを入れた。セブン&アイの主要株主である三井物産グループとの取引を減らすと言い出した鈴木に対し、井阪は「セブンプレミアムの商品開発で貢献してもらっている。コンビニの取引先にまで口出ししないでほしい」と強硬に反対した。

 三菱商事は三菱食品、伊藤忠商事には伊藤忠食品、日本アクセスとグループに有力な食品卸を抱える。競合との力関係で見劣りする三井物産に鈴木は満足できなかった。

 15年秋の三井物産からの意外な提案も鈴木の三井物産離れを加速させたとみる関係者がいる。米マクドナルドが検討している日本マクドナルドホールディングスの株式の売却に絡み、会食の席で三井物産首脳は「興味はありませんか」と持ち掛けた。鈴木は「相乗効果がない。コンビニをまったく理解していない」と一蹴した。

 その後、井阪の反対を鈴木が押し切り、セブンイレブンは三井物産系の三井食品との取引の大幅削減を決めた。代わりに食品卸3位の国分グループ本社と結んだ契約は年間1000億円を超える。ほとんど付き合いのなかった国分が一躍、大口取引先となる異常な事態。競合する食品卸のある幹部は「三井物産によほどのミスがあったなら分かるが、そんな噂は聞こえてこない」と驚きを隠さなかった。


 15年末には井阪の統率力に対する鈴木の不信が一気に膨らむ事件が起きた。セブンイレブンの幹部2人に関する怪文書がグループ内で出回ったことだ。パワーハラスメントなどを指摘された幹部のうち、1人は降格となり、もう1人が代わりに昇格するという不可思議な幕引きとなった。醜聞騒動を未然に防ぐことができなかった井阪に鈴木は見切りを付けた。

 鈴木が井阪に退任を求めた2月以降、2人の確執は先鋭化する。4月初旬のセブンイレブンの執行役員会議。鈴木が「今のセブンイレブンには新しいモノが何もない」と声を張り上げた。いつもなら沈黙が続くその場で「数字はしっかりとついてきている」と井阪はすぐさま反論した。

 直後の7日、鈴木はセブン&アイの取締役会に井阪をセブンイレブンの社長から外す人事案を諮った。

(敬称略)



 セブン&アイの中興の祖、鈴木敏文氏が経営の一線から退く。カリスマ経営者の引退に至るまでの迷走を追う。


新日鉄住金、「鉄冷え」の今こそ好機 国内外で相次ぎ出資、割安で世界に供給網

2016年04月09日 | 企業研究
【真相深層】新日鉄住金、「鉄冷え」の今こそ好機
国内外で相次ぎ出資、割安で世界に供給網 日本経済新聞 朝刊 2016/4/9 3:30
 新日鉄住金が相次ぎ国内外の鉄鋼会社への出資に踏み切っている。過剰な生産能力を抱える中国から安価な鋼材があふれ出し、各国の鉄鋼会社が「鉄冷え」に苦しんでいることが背景。市況が悪い厳冬期こそ割安に世界で供給網を築ける好機とみて、ブラジル鉄鋼大手への追加出資など矢継ぎ早に手を打っている。


新日鉄住金が追加出資するウジミナスの製鉄所
力業で拠点守る

2月、日新製鋼子会社化の記者会見に臨む進藤社長(左)
 市場で資金ショートの噂すら飛び交ったブラジル鉄鋼大手、ウジミナス。新日鉄住金の出資先である同社は18日に予定する臨時株主総会で増資を決め、ようやく一息つく見通しだ。

 「南米の供給拠点を守るために手を尽くせ」。新日鉄住金の進藤孝生社長は2月中旬、担当役員らに号令をかけた。中国産鋼材の流入増やブラジル経済減速でウジミナスの経営が日増しに厳しくなっていたからだ。

 同社を共同で運営するアルゼンチン鉄鋼大手テルニウムは「まず資産売却を検討すべきだ」と主張。再建には増資が不可欠と考える新日鉄住金と主導権争いが続き「チキンレース」(同社幹部)の様相を呈した。

 融資の返済期限などを考えると増資決定のデッドラインは3月中旬。同社の橋本英二副社長執行役員らがブラジルに飛び、調整に奔走した。ウジミナスのホメル・ソウザ社長と国際協力銀行幹部との会談などを通じ、増資を条件に返済期限を延長することで金融機関と話をまとめた。

 だがテルニウムは新日鉄住金と同様に議決権ベースでウジミナス株3割弱を持ち、対等の関係。テルニウムを無視して再建策は策定できない。進藤社長はテルニウムの実質的オーナーと直談判し、交渉に動いた。

 チキンレースを制する切り札となったのは「テルニウムが出さないなら、必要な資金10億レアル(約300億円)を新日鉄住金単独でも出資する」という力業の交渉だった。この提案に他の株主が賛同。テルニウムは反対したが、多数決で増資することが決まった。

かつては「標的」
 かつて欧州アルセロール・ミタルの買収攻勢におびえた新日鉄住金が一転し、買う側に回っている。油田開発用鋼管が原油安で売れず苦境に陥った仏バローレックへも総額400億円強を追加出資し、2017年度に持ち分法適用会社にする。

 中国の増産攻勢にさらされた00年代半ば、新日本製鉄(当時)はミタルからの買収を防ぐため住友金属工業(同)や神戸製鋼所、韓国ポスコと株式持ち合いを進めた。10年ほどたった今、ミタルは15年12月期の79億ドル(約9千億円)の連結最終赤字となり、往時の勢いはない。

 12年の新日鉄と住友金属の合併後、新日鉄住金は負債削減などで財務体質を改善し、時価総額でも世界最大に躍り出た。バローレックは当初提携していた住友金属が一時、数千億円を投じて追加出資を検討したこともある。関係強化に必要な金額は現在、当時の10分の1程度で済む。「鉄冷えの今こそ、投資の好機」との姿勢に転じている。

 国内でも攻勢をかけている。「遅まきながらもやっと動いたか」。日新製鋼の三喜俊典社長が子会社になることを受け入れると打診してきたとの報告を受けた新日鉄住金首脳は周囲に漏らした。

 1990年代から幾度も浮上した再編構想は独立心の強い日新製鋼側が傘下入りを受け入れず膠着していた。だが主力のステンレスは中国の過剰供給で収益が悪化。生産設備の維持は困難とみた日新製鋼が歩み寄り、長年の懸案が前進した。

 新日鉄住金が決めた出資額は2月以降だけで総額1千億円超に及ぶ。少子化を受け内需が先細りになるなか、中長期的には海外市場が成長をけん引する見込み。「3年後までに海外事業を何としても黒字転換させる」(同社幹部)。赤字体質が続く海外事業への危機感が強まっている。

 4月1日の入社式。進藤社長は「今年は忍耐、我慢の年になる。だがその先の未来、世界中どこでも新日鉄住金の名前が聞かれるような圧倒的なプレゼンスをもった会社を築く」と語りかけた。厳冬を乗り越えたとき、理想型の生産体制を整えられているのか。進藤社長の視線は再編の先に向いている。

(林さや香)


シンドラー、日本撤退 エレベーター事業 オーチスに譲渡

2016年04月06日 | 企業研究
シンドラー、日本撤退
エレベーター事業 オーチスに譲渡
日本経済新聞 朝刊 企業総合 2016/4/6 3:30

 エレベーター事業を手掛けるシンドラーエレベータ(東京・江東)は5日、保守・修理などサービス事業を日本オーチス・エレベータ(東京・文京)に譲渡すると発表した。シンドラーのエレベーターを巡っては2006年に東京都港区で死亡事故が発生。受注が急減し、07年に日本での新規販売をやめていた。サービス事業の譲渡で日本事業から完全に撤退する。

 譲渡額は非公表。シンドラーと日本オーチスは新会社を設立しサービス事業と約390人いる従業員のほぼ全員を新会社に移管する。シンドラーは年内に新会社の株式を全て日本オーチスに譲渡する予定。他メーカーのエレベーター・エスカレーターの保守作業を手掛ける子会社の全株式も日本オーチスに譲渡する。

 06年の死亡事故以外にも、昨年、男性社員=懲戒解雇=が東京都や千葉県の都市再生機構(UR)住宅で故意にエレベーターを止め、利用者を閉じ込めた事件も発生していた。


日立、佐川と物流提携 相互出資で一体運営 国内2位陣営に

2016年03月30日 | 企業研究
日立、佐川と物流提携 相互出資で一体運営
国内2位陣営に
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/3/30 3:30

 日立製作所と、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは物流分野で資本・業務提携する。日立グループが6割弱を保有する日立物流の株式のうち3割弱をSGに売却する。日立物流は佐川急便株の2割を引き受ける。日立物流と佐川急便は包括的な協力で国内物流2位グループを形成し将来の経営統合も視野に入れる。インターネット通販の拡大や企業のグローバル展開などに対応する総合的な物流網の構築に向け再編に踏み切る。




 日立製作所と日立物流、SG、佐川急便の4社が30日に発表する。日立物流は企業間物流に強い。ネット通販の浸透で増える宅配便を得意とする佐川の物流網と組み合わせる。倉庫の在庫管理から店舗、顧客への宅配まで扱う総合物流グループを目指す。

 国内の陸運大手同士の資本・業務提携は初めて。今回の提携による成果を踏まえ、日立物流と佐川急便は将来の経営統合の可能性についても協議するとみられる。

 日立物流の株式は日立製作所と不動産事業を手掛ける日立アーバンインベストメントが計59%を保有している。6月末までに3割弱を800億~900億円でSGに売却する。日立グループは3割程度を持つ筆頭株主としての立場を維持する。日立物流もSG傘下の佐川急便株の2割を600億円程度で引き受ける。

 日立物流は国内陸運4位で2015年3月期の売上高は6785億円。倉庫の運営を含めて企業から物流業務を一括受託する事業に強みがあり、イオンやユニ・チャーム、アディダス日本法人などの有力顧客を抱える。

 SG傘下の佐川急便は国内宅配便市場で3割強のシェアを持ち、企業間の小口配送に強い。SGの15年3月期の売上高は8574億円。日立物流の売上高と単純合計すると1兆5360億円となる。ヤマトホールディングス(1兆3967億円)を上回り、日本通運(1兆9249億円)に迫る。

 グローバル展開する顧客企業の要望にきめ細かく対応するため、海外事業の共同展開も検討する。日立物流は売上高に占める国際事業の比率が14年度で38%。内需型が多い陸運企業の中では海外で先行している。SGも14年6月にスリランカの物流企業を買収するなどして、海外事業を強化している。両社が得意な地域で顧客の紹介などに取り組む方針だ。

 日立はAI(人工知能)やビッグデータ解析で交通渋滞の発生を予測して物流業務の効率を引き上げている。SGは日立のIT(情報技術)を駆使することでコスト削減を進める。日通に比べ出遅れていた企業からの物流業務の一括受託でも日立のノウハウを活用する。

 大手陸運は個別に下請け企業を抱えてサービス網を拡大してきたが、国内では人手不足のため単独ではネットワークを維持しにくくなってきた。国内の道路貨物運送業の就業者は50代以上が4割近くになるなど高齢化も進んでいる。SGと日立物流はトラック車両を融通し合うなどして不足する労働力を補う。


アイリスオーヤマ/大山氏の同族経営についての考え方

2016年03月29日 | 企業研究
【私の履歴書】大山健太郎(29)同族経営
創業理念守る兄弟の絆 企業の「格」のために上場せず
日本経済新聞 朝刊 文化 (48ページ) 2016/3/29 3:30


 私には4人の弟がいる。若い頃亡くなった次男を除き、他の3人は長男である私の求めに応じ、それぞれの勤め先を辞め当社の経営陣に加わり私を助けてくれた。


家族と(1982年、後列右端が筆者)
 専務の富生は大学で経営理学を専攻、商社で期待される人材だった。当社の経営が傾きリストラに取り組む時に来てもらい私の右腕として相談相手になった。今は営業や人事などマネジメント全般をみる。買収企業の再生でも方向や原則を示すのは私だが、具体的に汗をかくのは富生だ。

 常務の繁生は博士号を持つ技術者で、研究部門を統括する。大手電気部品メーカーで実績を積んでいたが、当社に移ってもらった。LED電球などの電機分野に進出できたのは彼の力が大きい。

 取締役財務部長の秀雄は理学部卒。コンピューターに詳しく、大型汎用コンピューターのシステムを自社開発し、後にパソコン化も成功したのは彼のおかげだ。グループ全体の金庫番でもある。

 兄弟の絆の核には、母の敏子を思う気持ちがある。

 商売人の父は家を空けることが多く、家の切り盛りは母が一手に担った。町工場を構えて6年後に父が亡くなり19歳の私が社長を継いだ時、母はまだ40歳ほど。8人の子供を抱え、気丈にふるまい泣き言ひとつ口にしない。従業員が帰った後は2人で作業場を掃除した。母と二人三脚で会社を軌道に乗せたのだ。

 韓国・慶州の旧家で厳しく育てられた芯の強い女性だった。私がつきあいなどで午前2時、3時に帰宅すると、布団の上に座って待っている。女性が家長を寝ずに待つのは当然という考えからだ。そんな母を喜ばせたくて私も弟も頑張った。一昨年、92歳で病没。人生の前半は苦労が絶えなかったが、後半は幸せだったのではないか。

 私の長男晃弘も留学後、当社に入社し海外事業を統括している。持ち株会社の代表は既に息子に譲った。グループ企業でまだ私が社長を続けているのはアイリスオーヤマを含め2社程度。それもあと5年、75歳がめどだと考える。弟らの役割は優秀な社員たちが担ってくれるだろう。

 当社は株式を公開していない。何度もお誘いを受けたがお断りしてきた。私にとって大事なのは、事業内容よりも「創業の理念」がきちんと引き継がれることだ。そのためには血のつながった人間による「株式非公開の同族経営」が一番いいように思われる。

 「東証1部上場」は立派な会社の証明と思うが、本来、上場とは資金調達に必要だからするものだ。幸い今は資金の心配はない。今の日本には上場のメリットより問題が多いと感じる。「ガバナンスに役立つ」という主張も、実態を見れば疑問を禁じ得ない。まして企業の格や名誉のために上場を目指しては本末転倒だ。

 私は自分の思う理想の会社像を追求したい。目先の株価のために事業や人を切り捨てさせ、未来の芽を摘み、株価をつり上げ売り抜ける「投機家」のために時間を費やしたくない。そうした種類の株主から口出しされ経営を誤れば被害は従業員にも及ぶ。

 株式公開すれば創業者利益を手にできるのだろう。しかし志を曲げ、自由に指揮できなければ意味がない。トップに大事なのは高い志とそれを実現するリーダーシップだ。株式公開は弊害が大きい。当社の上場は当分ないだろう。


(アイリスオーヤマ社長)


東芝、中国・美的に白物家電売却へ

2016年03月15日 | 企業研究
東芝、中国・美的に白物家電売却へ
アジアで再編加速
2016/3/15 3:30 日経朝刊

 東芝は冷蔵庫や洗濯機などの白物家電事業を、中国家電大手の美的集団(広東省)に売却する方向で最終調整に入った。会計不祥事を契機にリストラを進める東芝と、日本や東南アジアで家電事業を拡大したい美的の思惑が一致した。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収する協議を進めるなど、アジアの新興企業が参画する形で日本の家電再編が加速する。



 今夏までに全額出資子会社、東芝ライフスタイルの株式の大半を手放す方向で交渉しており、売却額は数百億円とみられる。国内での東芝の白物家電の販売方法や従業員の雇用など美的と詰めの協議に入った。
 美的は「Midea」ブランドで家電を販売し、14年の売上高は約2兆7000億円。英調査会社ユーロモニターによると白物全体の15年の世界シェア(台数ベース)は4.6%で2位。エアコンや洗濯機に強い。東芝の地盤が強い日本や東南アジアに白物家電の販路を広げる足がかりを得て世界戦略を加速する。
 東芝は医療機器子会社の売却に向けてキヤノンと18日までの合意に向けて最終交渉している。パソコン事業も富士通の部門やVAIO(バイオ、長野県安曇野市)と統合交渉中。一定の事業規模がある白物家電の売却先も決めることで、リストラにメドをつける。
 かつて安定した事業だった白物家電はインドネシアなど海外で大半を生産しており、円安の影響で採算が悪化していた。白物を中心とする家電事業の2014年度の売上高は約2200億円で赤字とみられている。
 東芝の白物家電は官民ファンドの産業革新機構が主導してシャープと統合する案が浮上していた。シャープが鴻海の傘下に入る方向になったことで、東芝は以前に交渉していた中国やトルコのメーカーとの話し合いを再開。美的は家電製品で技術提携した実績があるほか、空調事業で合弁会社を設立している。かねて技術と人的な面でつながりが深く円滑に事業を移行できると判断した。
 日本の家電は国内市場の停滞で業績が伸び悩み、海外企業による買収が相次ぐ。12年にはパナソニックが三洋電機から引き継いだ白物家電事業を中国の海爾集団(ハイアール)に売却している。
 アジアの家電事業は1990年代まで欧米発の技術を受け入れた日本がけん引したが00年代以降は韓国企業がテレビや半導体で先行。リーマン・ショック後の日本の電機は企業向け製品やサービスにシフトして再成長を遂げる一方、白物家電は低コスト生産に強い中国などアジアの企業がリードする構図が強まる。

シャープ、液晶生産集約 2工場の一部ライン停止 中国スマホ向け不振

2016年02月21日 | 企業研究
シャープ、液晶生産集約 2工場の一部ライン停止
中国スマホ向け不振
2016/2/21 3:30 日経朝刊

 シャープは不振の液晶事業で国内の生産拠点を集約する。8月末に天理工場(奈良県天理市)
で液晶パネルの生産をやめるほか、三重工場(三重県多気町)の一部でも生産停止を検討する。
中国のスマートフォン(スマホ)向けの販売が低迷し、液晶事業は2016年3月期に300億円の
営業赤字に転落する見通し。外部のスポンサーによる支援とは別に、主力の液晶事業で赤字を
自力で食い止め、経営再建を加速したい考えだ。







 シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などから出資を含めた支援を受ける協議を続ける
のと並行し、かねて液晶パネルの生産体制を見直す検討を進めていた。事業の採算をあらかじめ
改善し、資金支援を受けた後、早期に成長路線に回帰するための布石を打つ狙いがある。
 天理工場の生産停止や三重工場の一部を止める方針は、既に取引先に伝えている。天理工場は
1991年に稼働し、液晶の草創期から生産や開発を支えてきた。研究開発機能を残す一方、スマホ
向けの新型パネルの生産を停止。約130人いる生産の人員は三重県などのほかの拠点に配置転換する。
 亀山工場(三重県亀山市)と並ぶ大型拠点である三重工場は15年に第1工場を閉鎖済み。
第2、第3工場に生産を集めて稼働率を高めようとしたが、販売低迷が続いて第3工場も稼働率が
3割程度まで落ち込んでいる。このため第3工場に2つある生産ラインのうち1つを停止し、
スマホ向けの一部などの生産を亀山工場に移管する方向だ。
 シャープは15年3月期に巨額の最終赤字に転落した。高橋興三社長は当初、16年3月期に通期
で800億円の営業黒字目標を掲げたが、看板である液晶事業の損益が予想以上に悪化。450億円の
営業黒字を見込んだ液晶事業は、中国のスマホ市場が減速した影響を受け、昨年10月末に300億円
の赤字転落見通しへと下方修正した。
 海外のテレビ事業を縮小するなど構造改革に取り組んでいるが、液晶事業の不振が経営全体の足
を引っ張っており、リストラが急務と判断。ラインの停止という抜本的な手段で採算改善を急ぐ。

トヨタ純利益最高 4~12月1.8兆円、北米好調

2016年02月06日 | 企業研究
トヨタ純利益最高
4~12月1.8兆円、北米好調
2016/2/6 3:30 日経朝刊

 トヨタ自動車が5日発表した2015年4~12月期決算(米国会計基準)は、
純利益が前年同期比9%増の1兆8860億円だった。ガソリン安で北米での
大型車販売が伸び、4~12月期として過去最高を更新した。通期は前期比
4%増の2兆2700億円の見通しで、従来予想を200億円増やした。
 4~12月期の売上高は7%増の21兆4313億円だった。日本で軽自動車
増税の影響が出たほか新興国の消費低迷が響き、グループの総販売台数は
763万2000台と前年同期並みにとどまった。ただ「レクサス」など高級車
が米国で伸び、円安・ドル高も収益を押し上げた。
 15年10~12月期だけでみると営業利益は前年同期比5%減った。四半期
ベースでの減益は14年1~3月期以来だ。タイやロシアなど新興国で販売
が落ち込んだ。
 北米の好調を支えに、16年3月期通期の総販売台数は1005万台(前期比1%減)
と従来予想より5万台増える見通し。売上高は1%増の27兆5000億円。
中国のグループ会社の利益が膨らむと想定、その分を純利益予想に上積みした。
 愛知製鋼の爆発事故で部品供給が滞り、8日から13日まで車両工場の稼働
を停止する。大竹哲也常務役員は「停止の影響は業績予想に織り込んでいない」
としている。

資生堂、37年ぶり国内新工場 アジアで日本製需要 日用品各社、相次ぎ増産

2016年02月03日 | 企業研究
資生堂、37年ぶり国内新工場
アジアで日本製需要 日用品各社、相次ぎ増産
2016/2/3 3:30 日経朝刊

 資生堂は37年ぶりに国内工場を新設する。大阪府で約400億円を投じ、
基幹商品である基礎化粧品の生産能力を5割高める。最新のロボット技術
を取り入れ、価格競争力のある商品を国内外で売り出す。主力市場のアジア
は中間層が膨らんでいる。化粧品に加え、薬や日用品といった幅広い分野で
「日本製人気」が広がっており、生活関連各社が国内で高品質な商品を増産
する動きが相次いでいる。


 新工場は大阪府茨木市に建設する。2018年に着工し、20年の稼働をめざす。
敷地は新工場の稼働にあわせて閉鎖する大阪工場(大阪市)の2倍にあたる
約7万2000平方メートル。海外でも人気のある高級品から普及価格帯の化粧水
や乳液などを生産する。
 資生堂が国内に工場を設けるのは1983年の久喜工場(埼玉県久喜市)以来に
なる。同社はベトナムや中国・上海でも基礎化粧品を手がけるが、新工場を世界
の基幹工場に位置づける。
 日本の労働力人口は高齢化で減少が見込まれる。より人間に近い仕事ができる
双腕型などの最先端のロボット技術を生産ラインに取り入れ効率化を図る。
 新工場には大阪工場で働く900人が異動する予定だ。人員を増やさずに生産能力
を5割増の年間1億個に引き上げる。物流施設も併設し、1週間ほどかかっていた
ドラッグストアなどへの配送日数を1日に縮める。
 化粧品に加え、生活に密着した日用品も海外で日本製のブランド力が高まっている。
安心や安全に配慮した信頼性や肌触りの良さといった高級感が受けている。
アジア各国・地域の所得水準の上昇により富裕層だけでなく中間層にも需要が広がり、
インターネット通販でも人気が高い。
 このため化粧品や日用品など生活関連メーカーは、相次ぎ増産投資に乗り出し
ている。花王が国内外を含め紙おむつ工場などに2~3年で毎年300億円程度を
投資するほか、コーセーも17年までに約60億円を投じて群馬工場で高級化粧品
などを増産。同工場の生産能力を約8割高める。
 このほかライオンも中高級クラスの歯ブラシの生産を国内工場で増やす。
小林製薬も4月、中国人観光客らに人気が高く「神薬」と呼ばれている消炎鎮痛剤
や液体ばんそうこうの品ぞろえを増やす方針だ。
 貿易統計によると、15年の化粧品の輸出額は前年に比べ35%増え、1675億円と
過去最高を更新した。中国をはじめとするアジアを中心に需要が伸びている。訪日
外国人(インバウンド)が日本で購入した商品を帰国後も買い求め続ける「リピーター」
需要が押し上げている。資生堂は国内首位の化粧品メーカーだが、顧客の高齢化と
国内市場の縮小への対応を迫られている。

→ 嬉しいニュースである。当社も海外向け通販サイトに出店しているが
日本製というのはブランド力抜群である。
ここで話題になっているには大手メーカーである。中小零細企業も負けずに
頑張るべし。


新日鉄住金、日新製鋼を買収 来年3月メド 呉の高炉休止へ

2016年02月02日 | 企業研究
新日鉄住金、日新製鋼を買収
来年3月メド 呉の高炉休止へ
2016/2/1 15:30 日経夕刊

 鉄鋼国内最大手の新日鉄住金は1日、同業大手の日新製鋼を2017年3月を
メドに買収すると発表した。日新製鋼は呉製鉄所(広島県呉市)の高炉2基の
うち1基を19年度にも休止し、新日鉄住金から中間製品を調達する。鉄鋼業界
は中国勢の大量生産による市況悪化で経営環境が悪化している。生産設備の
効率操業で競争力を高める。国内の高炉メーカーは新日鉄住金、JFEホール
ディングス、神戸製鋼所の3社に集約される。



 同日、両社が覚書を交わした。新日鉄住金は日新製鋼への出資比率を現在の
8.3%から51~66%に引き上げる方針。日新製鋼は、新日鉄住金の子会社にな
った後も上場を維持する。
 子会社化の方法については、新日鉄住金による日新製鋼株の株式公開買い付け
(TOB)実施や、日新製鋼が第三者割当で発行する株式を新日鉄住金が取得
することなどを検討する。詳細は5月中旬をめどに詰める。
 新日鉄住金は日新製鋼の筆頭株主で、中間製品の相互供給で提携関係にある。
新日本製鉄(現新日鉄住金)から社長を日新製鋼に派遣していた時期もあった。
新日鉄住金子会社の新日鉄住金ステンレスと日新製鋼を合わせて国内のステン
レス鋼シェアは約5割となり、ステンレス分野で一大勢力が誕生する。
 新日鉄住金は自動車用鋼板をはじめ鉄鋼製品全般を手掛ける。日新製鋼は
ステンレス材や建設用鋼板、自動車部品用の特殊鋼に強い。重複する品種もあり、
子会社化で国内シェアが高まる可能性がある。今後、公正取引委員会の審査を
経たうえで、17年3月をメドに子会社化を進める。日新製鋼の上場は維持すると
している。日新製鋼の1月29日の終値ベースで算出すると、TOB(株式公開
買い付け)で51%まで追加取得する場合、買収額は500億円超となる見通し。
 日新製鋼は呉製鉄所で高炉2基のうち1基を19年度末までに拡大改修したうえで
残り1基を休止する。中間製品の生産量が減るが不足分は新日鉄住金から調達する。
新日鉄住金は自社生産設備の稼働率向上につながる。
 国内鉄鋼業界は国際的な再編圧力や新興国勢の台頭を受けて再編を進めてきた。
12年には新日本製鉄と住友金属工業が合併して新日鉄住金が誕生した。

→ 中国が投売りをして市況が悪化し、高炉メーカーが生き残りを
かけて業界再編。
鉄鋼畑にいた僕からすると高炉が3社に集約されるのは信じられない。
時代は変わったのだと実感する。