昨年に封切られた映画だったと思う。EpisordⅢの頃だったかな。
「アイランド」。
ビデオで見てみました。最近は暇なので。
重大なテーマと言うか、恐ろしい設定の映画だ。
ストーリー自体は、ま、こんなもんでしょう。見るべき新しさも驚くような
珍しさも無いが、さりとてツマラナイ訳でもない。むしろ面白かった。
かようにおいら的には及第点+α的な映画だったのだが、ちょっと興味
深い関心が芽生えた。
自称作家なおいらは、物語を書いている。
文字の羅列。
物語は千差万別、波乱万丈、次々に展開を見せている。
しかし、例えば2メートル離れて眺めた時、それはスタティックな様相を
呈す。文字は、それが何という文字なのかを認識できないと意味を成さ
ない。紙上の模様としては面白みが無い。日本語を解さない人が眺め
た時も同じ結果になる。
対して映画やテレビ等の映像は、ちょっと違った趣きを持つ。人種や言
語を超えた強烈なメッセージ力を有している。
当たり前のことだが、強く再認識させる力がこの映画にはあった。
映画館の大画面で見たら酔ってしまうんじゃないか、と思える程の非常
にダイナミックなカメラワーク。Star Wars EpisordⅢのオープニングとは
手法が違うが、CG無しでも迫力なら匹敵し得ると思った。脱出して砂漠
を駆け抜ける所なんか特に。
これは映像という『視覚』に訴えるツールの持つ力だ。物語を映像で表
現する。音楽に例えるなら、メロディと歌詞にあたるだろうか。
文字で表現される物語は、『感性』だけに訴える。よって、読む者の知見
に多くを依存する。逆に言えば、読む者によってベストな映像が創造され、
作り手側の押し付けは存在しない。
「ミロのヴィーナス」の腕。
しかし、文字列の物語から「アイランド」のカメラワークのような映像を頭の
中で創造する、そんなダイナミックな描写が可能だろうか。
表現力の問題。
と言ってしまえばそれまでだが、難しい気がする。
少なくとも今のおいらには。
訓練が必要だ。
あるいは、目指す処を間違えているか。
いずれにせよ、てごわい。
木星辺りに飛ばした心をそろそろ呼び戻して、じっくり考えることにしよう。
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