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明日へのチケット、マルゲリータ、Coolie’s Creek

2009-04-20 08:16:59 | Cinema
これは、十年ほど前に南イタリアを列車やバスで旅したときのチケット。
先日、家で『明日へのチケット』(原題『TICKET』)を観て、ふと出してきてみたしだい。
アルベロベッロからバーリへ、バーリからマテーラへ――そんな旅の断片たちだ。
チケットを手にすると、あのときのあの風景の中へ、不意に迷い込んでしまう。

映画『明日へのチケットは』、第1話 エルマンノ・オルミ、第2話 アッバス・キアロスタミ、
第3話 ケン・ローチというカンヌ受賞系の名匠揃い踏みのオムニバス映画。
インスブルックからローマへと向かう列車内を舞台に、各話がさりげなくつながった
秀逸な群像劇となっており、気づくと自分もその列車の乗客のひとりみたいな気分に。

ローマ在住中に列車でヨーロッパを方々旅した経験のある姉が絶賛していた通り、
こういうシニョーラ(おばさま)確かにいるなぁ。。とか、こういうツーリストもいるねぇ。。
といった絶妙なリアリズムに裏打ちされたコメディなのだが、移民、人種、階級などの問題が
そこに巧みに織り込まれており、一筋縄ではいかない各話の滋味深さに感嘆の溜息が出た。

とくにケン・ローチの3話が好きだった。チャンピオンズ・リーグを観に行くと浮かれている
スコットランドの労働者階級の若者たちと、アルバニア系移民家族のチケットを巡る
かなしくも痛快なエゴと良心の応酬劇。

世界と世界の隔たりは、本当のところ、WEBやTVや印刷物だけでは知るよしもないのだ。
それは、ささやかな紙切れであるチケットの先に、生々しく広がっている。
ローマのテルミニ駅に到着するラストシーンを観ながら、そんなことをしみじみ思った。

この時季に発症しがちな“旅に出たいシンドローム”がどうやら今年も発症しつつあるらしい――


そんなことを呟いている間にもときは過ぎ。。さて、例によって先週末からさくっとプレイバック。
木曜はシンシマさんたちと中目黒の聖林館で、マルゲリータをいただきながら打合せ。


食後はスマイリーなカプチーノ。飲み干す直前まで、笑顔は消えず。



お店のエントランスに居た手乗り犬と極小マルゲリータ。か、かわいいぞ!
 Che piccolino!!!

その後、キムリエさんとカッシーがいる武蔵小山のチュニジア料理店「イリッサ」へ。
6ヶ国語に堪能なメリティさんにチュニジアの話をあれこれ伺い。また行きたいなぁ、北アフリカ。



土曜は、キムリエさんとクラスカで開催中の塩川いづみ「ドーブツ展」へ。
2月にNEWPORTで観た「ネコ展」に続き、今度はフクロウやゾウやパンダなど
さまざまなドーブツたちが、塩川さん独特の疎にして密な筆致で描かれていた。
どのドーブツもいとをかし、です。(~5/1)。


帰りにキムリエさんと学大前の古本屋さんなどに立ち寄った後、
駅前のお菓子屋さんでスイーツ休憩。



夜は「アダン・オハナ」のケンさんたちが白金に開店したレストラン・バー「Coolie’s Creek」の
オープニングパーティへ。この店は、ケンさんが30年前に店長をしていた伝説の店と同名だそう。
会場には、その当時を匂わせる筋金入りの大人の遊び人たちが続々と。。

3階建ての民家を改装したお店は、渋谷の「アダン・オハナ」に通じるテイスト。


会場では、インドの打楽器ターブラやフラメンコギター、ヴァイオリンなどのライブ演奏も。
ちなみにスパイラルのCayも、元はケンさんたちが立ち上げたお店だそう(今は別物ですが)。
大人の遊びを知っている彼らの試みなので、新しいお店の料理もライブも期待大。
「Coolie’s Creek(クーリーズ・クリーク)」港区白金1-2-6 ℡ 03・6459・3313

その夜はさらに、クーリーズで合流したキムナオさんやカッシー、ライターのドイさんたちと5人で
中目黒の焼肉屋さんへ。にわか肉食女子と化す。

帰りに目黒銀座の寿司店前でキムリエさんがこれを発見!
 

奇しくもこの日は、ニキの11回目の月命日だった。来月18日には一周忌を迎える。
「おまかせにき」、ぜひ注文したい。

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