視界を斬る 一瞬の翼。あるいは翅。
梅雨の晴れ間の夕暮れ前、飛来するカラスやカラスアゲハが
いつまでもぬるい空に ひらり 帳を下ろしていく。
先日、菖蒲もそろそろ終わりというので、原稿の小休止に明治神宮御苑へ自転車でぴゅう。
参道から庭園に入ると、ここは上高地?みたいな巨木と熊笹に覆われた森閑たる小径がうねうね。
睡蓮がわずかに浮かぶ大きな池伝いにてくてく行くと、さまざまな紫のグラデーションを湛えた
菖蒲田が見えてくる。盛りは過ぎていたけど、その分ヒトもまばらでのんびり観照。
さらに進むと、こんこんと清水が湧き出ている清正井に行き着く。
絶句。水が生きている。しばし呆然と佇む視界に まるい夕陽が見えた。
御苑を出た後、本殿をひと巡り。耳に入ってくるのは中国語、韓国語、英語、タガログ語…。
唯一聞こえた日本語は、境内に響き渡る大声で携帯を片手に商談している人の声だけだった。
それが止むと、御神木の楠の大木から さらさらさらさら…と快い葉擦れの音が聴こえてきた。
楠の足下には赫い葉がちらほら。小さな女の子がとびきり綺麗な葉をそっと拾って駆けていった。
さらに代々木公園を自転車でゆるゆる散歩。ゴンズイの実はまだ青く、
クローバーの原っぱには、ミモザの黒い鞘がふかふか落ちていた。
薔薇の園には、5月に見たのとはまた違う薔薇たちが咲きほこっていた。
黄昏空にぽっと灯った黄色い薔薇の名前は [かぐや姫]。
クリスマスローズの中では、ハナムグリが静かにディナー中だった。
こちらの乙女な2カットは、 [ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ](上)と [恋心](下)。
香りも濃縮乙女。しかし もしこれが[西太后]とか[邪心]という名だったら、印象も違いそう。
帰りに、羽ペンみたいなカラスの置き土産を拾った。
☆
金曜はレイちゃんのお誘いで 夜の銀座のギャラリーを巡る[TOKYO MiLKY WAY]に参加。
「東京で銀河を見る」を標榜したキャンドルナイトの一環で、日没直後から
キャンドルを携え、銀座界隈のギャラリーツアーを楽しむという企画だ。
1丁目から8丁目まで小さな画廊をつぶさに回るにはそれなりに気合がいるし、
自発的にはあまり観ないタイプの作品にも触れることができ 有意義だった。
蝋燭の灯のみに頼る鑑賞には不向きな展示もあったけど、
Gallery art pointで開催していた「Naruhitoガラス展-共鳴する視覚―」は、
企業の廃棄物のみを利用したガラスオブジェとキャンドルのインスタレーションで、
まさに趣旨に合致した出色の作品だった。作家のNaruhitoさんによると、光学メーカーなどに
自ら廃材提供を申し出、賛同してくれた企業から地道に素材を蒐集してきたそう。
ある意味、ジャンクアートの進化形。
奥にいる方がNaruhitoさん↑
2時間たっぷり練り歩いてお腹ぺこぺこになったので、レイちゃんと新橋に流れてゴハン。
夜銀座とは一転、夏の夜の週末シンバシは焼鳥の煙もうもうたるディープな路地に簡易テーブルが
ずらり並び、そこに顔の赤い“おとうさんたち”がぎっしり。ザ・アジアな光景が妙に新鮮だった。
☆THE OMIYAGE
明治神宮に行った折、文化館のお土産店に物見遊山で立ち寄り、
昭和初期の復刻版「小學国語讀本」と、明治神宮参拝記念ココナッツマカロンをお土産に。
土曜からうちに泊まりに来ている母に見せたら、母の小学時代よりさらに古いものらしい。
ナショナリズム色もそれほど激しくなく、ときどき中原中也の詩みたいに思えるものもある。
外国語訛り風に音読すると、意外とはまって面白かった(笑)
☆
夏至の翌朝、ベランダの朝顔が咲いた。
宿根なので数年前に苗を植えて以来、弦のおもむくまま好きにさせているだけなのだが、
毎年 この時季の夜明けに、最初の花が思い出したようにひらく。
夜明け空に染まったみたいな 夜明け色の花。
当然、太陽に顔を向けるので、部屋からは100%後ろ姿しか拝めないのだけど。
梅雨の晴れ間の夕暮れ前、飛来するカラスやカラスアゲハが
いつまでもぬるい空に ひらり 帳を下ろしていく。
先日、菖蒲もそろそろ終わりというので、原稿の小休止に明治神宮御苑へ自転車でぴゅう。
参道から庭園に入ると、ここは上高地?みたいな巨木と熊笹に覆われた森閑たる小径がうねうね。
睡蓮がわずかに浮かぶ大きな池伝いにてくてく行くと、さまざまな紫のグラデーションを湛えた
菖蒲田が見えてくる。盛りは過ぎていたけど、その分ヒトもまばらでのんびり観照。
さらに進むと、こんこんと清水が湧き出ている清正井に行き着く。
絶句。水が生きている。しばし呆然と佇む視界に まるい夕陽が見えた。
御苑を出た後、本殿をひと巡り。耳に入ってくるのは中国語、韓国語、英語、タガログ語…。
唯一聞こえた日本語は、境内に響き渡る大声で携帯を片手に商談している人の声だけだった。
それが止むと、御神木の楠の大木から さらさらさらさら…と快い葉擦れの音が聴こえてきた。
楠の足下には赫い葉がちらほら。小さな女の子がとびきり綺麗な葉をそっと拾って駆けていった。
さらに代々木公園を自転車でゆるゆる散歩。ゴンズイの実はまだ青く、
クローバーの原っぱには、ミモザの黒い鞘がふかふか落ちていた。
薔薇の園には、5月に見たのとはまた違う薔薇たちが咲きほこっていた。
黄昏空にぽっと灯った黄色い薔薇の名前は [かぐや姫]。
クリスマスローズの中では、ハナムグリが静かにディナー中だった。
こちらの乙女な2カットは、 [ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ](上)と [恋心](下)。
香りも濃縮乙女。しかし もしこれが[西太后]とか[邪心]という名だったら、印象も違いそう。
帰りに、羽ペンみたいなカラスの置き土産を拾った。
☆
金曜はレイちゃんのお誘いで 夜の銀座のギャラリーを巡る[TOKYO MiLKY WAY]に参加。
「東京で銀河を見る」を標榜したキャンドルナイトの一環で、日没直後から
キャンドルを携え、銀座界隈のギャラリーツアーを楽しむという企画だ。
1丁目から8丁目まで小さな画廊をつぶさに回るにはそれなりに気合がいるし、
自発的にはあまり観ないタイプの作品にも触れることができ 有意義だった。
蝋燭の灯のみに頼る鑑賞には不向きな展示もあったけど、
Gallery art pointで開催していた「Naruhitoガラス展-共鳴する視覚―」は、
企業の廃棄物のみを利用したガラスオブジェとキャンドルのインスタレーションで、
まさに趣旨に合致した出色の作品だった。作家のNaruhitoさんによると、光学メーカーなどに
自ら廃材提供を申し出、賛同してくれた企業から地道に素材を蒐集してきたそう。
ある意味、ジャンクアートの進化形。
奥にいる方がNaruhitoさん↑
2時間たっぷり練り歩いてお腹ぺこぺこになったので、レイちゃんと新橋に流れてゴハン。
夜銀座とは一転、夏の夜の週末シンバシは焼鳥の煙もうもうたるディープな路地に簡易テーブルが
ずらり並び、そこに顔の赤い“おとうさんたち”がぎっしり。ザ・アジアな光景が妙に新鮮だった。
☆THE OMIYAGE
明治神宮に行った折、文化館のお土産店に物見遊山で立ち寄り、
昭和初期の復刻版「小學国語讀本」と、明治神宮参拝記念ココナッツマカロンをお土産に。
土曜からうちに泊まりに来ている母に見せたら、母の小学時代よりさらに古いものらしい。
ナショナリズム色もそれほど激しくなく、ときどき中原中也の詩みたいに思えるものもある。
外国語訛り風に音読すると、意外とはまって面白かった(笑)
☆
夏至の翌朝、ベランダの朝顔が咲いた。
宿根なので数年前に苗を植えて以来、弦のおもむくまま好きにさせているだけなのだが、
毎年 この時季の夜明けに、最初の花が思い出したようにひらく。
夜明け空に染まったみたいな 夜明け色の花。
当然、太陽に顔を向けるので、部屋からは100%後ろ姿しか拝めないのだけど。