5月の陽射しに透けた葉脈を眺めていると、
「ぼーくらはみんなっ 生ーきていっるう 生きーているから楽しいんだっ♪」
って、みんなで歌いながら掌を太陽にかざした幼稚園児の気分にふと舞い戻る。
明日はニキの命日“ニキキ”。もう2年になるんだなあ。
5月の木漏れ陽の中で午睡むのが大好きだったニキ。
☆GREEN
先週は一瞬雨がぱらりおちたあと、快い薫風が毎日窓から吹いてきて、緑がしじゅうゆれていた。
なにかが静かにフェイドアウトしていき、なにかが密やかにフェイドイン。
今年初めにせきを切ったように開花した侘び助が凄い勢いで成長している。
11年前、ここに越して来た時は掌サイズの鉢に入っていた筈なのに、今では私の胸の高さほどある。
同じく11年前に食して種を蒔いた(棄てた?)茂木ビワも、今年遂に実がなった。
まだ青いけど、“木の実”好きな私としては、ただただもう無条件にわくわくする。
「雨に濡れた緑を眺めていると、ざわざわしたものが静かに洗い流されていく。
月桂樹、小手毬、ゴールドクレスト、びっくりグミ、ビワ、ばっさばっさ剪定したそばから
旺盛にふき出してくるしたたかな緑の焔に勇気付けられる。
毎朝、ローズマリーと握手し、その香りを嗅ぐのが目下の日課。」 May 11thのツイートより。
最近、試みに始めたTwitter にちょこちょこ呟いているのだが
その時々の自分の呟きは、ちょっとしたメモ代わりになることに気付いた。
勝手にベランダに飛んできて綿毛になったタンポポも、
楚々とした小花を次々に開花させている冬珊瑚も、かわいくて仕方がない。
そうそう、お世話になっているhair splashさんに、愛用の無添加ジザニアシャンプーを
買いに行ったら、小林さんがお店の前に繁茂しているグリーンの一部をおすそ分けしてくれた。
ありがとうございます!早速、花瓶に挿してみたのだけど、あいにく植物の名前は判明せず。
左にくるっと出ているこの丸い小さな葉っぱの子ですが、どなたか名前を教えてください。
☆CINEMA
と、これはうちのベランダではもちろんなく、先週、朝一打ち合わせから帰ってきて
スカパーを点けた瞬間流れていた「ひまわり」のラストシーン。
いきなり、じーん。。
さらに、同じデ・シーカの「昨日・今日・明日」が始まり、ついつい観てしまう。
ソフィア・ローレン×マストロヤンニのゴールデンコンビ作品では、
このいかにもイタリア的な濃いーコメディの方が実は好みだったりする。
3話からなるこのオムニバス映画、1話目のふたりはナポリの貧乏子だくさん夫婦。
情けないマストロヤンニと、元気でしたたかなソフィアのおかみさんっぷりがいい。
それが2話目ではガラリと変わって、ソフィアはミラノのアンニュイなブルジョワマダム役に。
作家役のマストロヤンニは彼女の密会相手。退廃的なアバンチュールのBGMはトロバヨーリで、
原作はアルベルト・モラヴィアとくれば、もう完璧でしょ!
で、3話目では、ソフィアはローマの高級娼婦役に。彼女に首ったけのマストロヤンニは
尻軽のぼんぼん役。ディオールを着こなしたソフィアと飼い猫のショットがなにげにかわいい。
ちなみにソフィアが住むペントハウスのセットからはナヴォーナ広場が一望できる。
ベルニーニのバロック噴水があるこの広場は、私が世界で最も好きな広場のひとつ。
ぼーっとしているとき、アタマによく浮かぶ情景でもある。
この映画を観ている最中、お誕生日コール。うれしい。
で、お誕生会。
うそ、先週から始まった「カンヌ映画祭」のレッドカーペットですw
今年はティム・バートンが審査委員長のよう。
ノミネート作品の中では、アッバス・キアロスタミの新作が気になる。
☆ART
『NODE(ノード)』最新号が、ただいま絶賛発売中です。
私は三菱一号館美術館で開催中の「マネ展」に関する記事や、高橋館長のインタビュー、
丸の内アート散策の記事などを書いています。ぜひご一読ください!
アートつながりでもう1ネタ。
最近、うちの近所にかなりコアなアート系古書店「SO BOOKS」がOPENした。ありがたい!
絶版本も多く、見ているだけで時間を忘れてしまう。斜向いには「ラムフロム」もあるし
さらに行けばアートな器が揃う「亘」もあるし、富ヶ谷図書館もある。
なんてことはない静かな通りに凛と咲く小さな花のようなショップが、いい。
☆MUSIC
また長くなってしまったけど、最後に音楽。
昨夜、三日月と金星が天空で親密に接近している情景を目撃した直後から
なぜかアート・リンゼイがむしょうに聴きたくなり、ややこしい原稿を書くとき以外は
ずっと流している。いずれも’95~’97に出たシリーズ。
5月の空と風と きらきらした木漏れ日に音が融けていく。