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黒猫集会

2007-10-31 23:59:41 | Cat 猫族の甘い生活
10月31日はニコンのスイーツサイト「kashi-kashi.com」で
ハロウィンスイーツの仕事をした関係者が集って「黒猫集会」を決起。

ドレスコードは黒猫。

黒猫ニキータ嬢(婆)と16年同居する身としては、
やはり化けるならニキータに、というわけで
彼女の膨大な撮影データからとりわけ化け猫系の写真を選んでプリントアウト。
はさみでちょきちょき切って、約5分で即席黒猫お面を作成。
かぶってみると、本猫ニキも後ずさるほどのインパクト(↑)。

写真は右からキャットウーマンそっくりのライターあんまさん(大泉洋ファン?!)、
ニキ面をかぶった私、映画ライターの多賀谷さん(№1映画は『男と女』だそう)、
そして仲良しライターでトルコ取材から帰国したてのセクシーダンサー(!)Rayさん。

この黒猫集会発起人で、猫パンチTVで猫ブログも連載中のマルチライターちよさんや、
アラーキー写真集『東京猫』に掲載のとあるキュートな仔猫写真にそっくりな(説明長っ)
仲良しエディター キムリエさんも一緒で、ほんと楽しかった♪
(前日、奇しくも犬本取材でそこはかとないアウェー感があっただけに
sweetなホームに帰ってきた感じでもう!)

黒猫集会では、妖しい黒ミサ、ではなく
なぜか大半は映画の話題でヒートアップ。
猫パンチTVの人気コンテンツ『女社長レナ』の作者ウラさんが
人がムダにばんばん死んじゃうバイオレンスもの好きとは意外!
それにしても、毎度思うけど、映画の好みは人それぞれで面白い。

奇しくも、この黒猫集会に行く直前まで、ドキュメンタリー映画
『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』のレビュー原稿を書いていた。
あの彫刻のような建築を想像し、創造し、しかし完成と共に
「なんてものをつくってしまったんだ」と深く恥じ入るゲーリーが、
やがて再び自らの創造物をそっと愛でる姿に、
巨匠とか天才とか、そういうステレオタイプの枕言葉だけで
このひとをくくるべきではないな、としみじみ思った。
(DVD は11月23日発売予定。必見)
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鳥籠の中の落日とピアノライブ

2007-10-29 03:30:13 | Music
風邪がやっと治ったと思ったら
ここ二週間ほど、連日締切続きで、かなりへろへろな毎日。
朝晩ずっとPCに釘づけで、靴を履いて外に一歩も出ないという日も多々。

ヴェネツィアの記事を書いたそばから、ハワイ関連の広告コピーを書き
さらにSONYのプロダクツについてのインタビューをまとめたと思ったら、
某女子大学関連の制作物のコンペ用コピーをしたため、
それをメールで送ったそばからJALの旅行サイトの八重山紀行の原稿を上げ、
さらに諧謔的な群像をモチーフにした絵画で有名な
吉澤千晴氏に電話インタビューし、取材のはずがなぜか
80年代の坂本龍一サウンドストリートの話で盛り上がり…。

なんだか、闇鍋の渦中を回遊しているような日々。。

そんな日曜の夕刻、
窓辺に吊るした空っぽの小さな鳥籠の中に沈んだ落日を追うように
ふと思い立ち、仕事を置いて家を出た。

向かったのは青山のスパイラルマーケット。
阿部海太郎ピアノライブを聴くために。

愛車ビアンキを漕いで行こうと思ったけれど
連日の寝不足でへたっていたので、諦めてタクシーで向かった。
思いのほか道が込んでいて、お店に入る頃には既にピアノの音色が。。

彼のアルバム「パリ・フィーユ・デュ・カルヴェール通り6番地」には
今夏、かなりはまった。
私はピアノ弾きにはどうも好みに偏りがあり
例えばクラシックの場合は癖のあるグールドや高橋悠治ばかり
好んで聴いてしまうのだが
阿部海太郎氏の奏でるピアノはとても素直で繊細ながら
独特のチャーミングさがあった。

昨年聴いたBEAMS30周年アニバーサリーアルバムの
ラストに収録されていたWorld of echoのカバーした『Free』が聴けば聴くほど実に素敵で、
デニス・ウィリアムスのエンジェル・ヴォイスを絶妙に換骨奪胎した
その儚い主旋律を奏でていたフェンダーローズの奏者が海太郎氏だった。

思いがけず、間近に彼のピアノ演奏を聴ける機会が訪れてよかった。

しかし帰りに、スパイラルマーケットですっかりお買い物モードに入ってしまい
寝不足もたたって帰宅後はさらにへろへろに。。

明日は代官山で椎名桔平インタビュー。
彼の出演する新作映画『魍魎の匣』のDVDチェックをする頃にはかなりぐったり。。
しかし椎名さんの役作りはかなり凝っていて、
遠藤周作か若き日の種村季弘と見まごうばかりの風貌に変身していたのには驚いた。怪優だ。
映画については公開前なのでノーコメント。

『魍魎』のテーマ曲も、ラストの東京事変の挿入歌も妙に耳についたが
寝る前には阿部氏のピアノ曲を反芻して眠りたいかな。
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バカボン的現代アート愚考

2007-10-28 09:43:09 | Art
再び朝顔つながりの話題。ますます秋深まるなか、季節外れな。。

12月に創刊される新アート誌『NODE』の原稿を昨夜書いた。
「金沢21世紀美術館」で開催中の日比野克彦による
「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」のレビュー記事だ。
今春、2000株の朝顔の苗が同美術館のぐるりに植えられ
盛夏には、美術館が朝顔にすっかり包囲されてしまった。
11月には、その種の「収穫祭」も行われるそうだ。
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/hibino/index.html

ふと、自然に勝る芸術はない、という“快い敗北感”を思い出した。

自然vsアートという古典的な二項対立を語るつもりは毛頭ないのだが、、
超越的な自然の造形に、小賢しいコンセプチュアルアートなど敵わない…
そんな虚無を、学生時代に現代美術を学ぶ中でしばしば感じた。
当時、頭でっかちでとりすました、そして少しも美しくないポストモダ~ンなアートもどきが
巷に増殖する中で、必要以上に疲弊していたのだと思う。
まあ、頭でっかちすぎて自縛に陥っていたのは、ほかならぬ自分だったんだけど。(遠い目)

現代アートが投資の対象として法外にもてはやされているアートバブルな昨今、
「これでいいのだ」と居直る天才バカボン的アート作品に
「それでいいのか」と思うことも少なくなく。

そもそも、美術館やしかるべき台座に鎮座まします芸術品だけが
アートであるわけもなく、例えば路傍の雑草のシルエットや、
頭上を流れる雲の形に、よほど心ときめくということもままあり。
それはむろん、決してお金に化ける代物ではないけれど、
そうした自然の一瞬の佇まいには、人工物には到底かなわない深遠な世界がある。

金沢21世紀美術館を覆った朝顔プロジェクトは
自然と手を結んだアートとして、実にあっけらかんと潔い試みだと思う。
ダンボールとか、朝顔の苗とか、誰にでも手に入る簡便な素材を用いるのは
日比野氏のオハコだが、それは何かを狙ったあざとさではなく
図工や理科に萌える小学生みたいな、ある種のインファンテリズムに近いもののような気がする。

朝顔プロジェクトでは 多義的なコンセプトを掲げているが、
アートもなんだかんだいって“見た目が9割”だったりする(例外もあるが)。

コンセプトも去ることながら、クリスト作品よろしく自力で美術館を包み込んでしまった
植物のしたたかな美しさを目の当たりにすれば、これはこれで「これでいいのだ」と(笑)。


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返り咲き朝顔

2007-10-27 19:18:34 | Greenベランダジャングル記
夏至の夜明けから咲き始め
9月まで毎朝欠かさず割き続けたベランダの朝顔が
10月半ばの温かな日から再び返り咲き、
秋涼の朝の山手通に季節外れな彩りを添えている。

昨年苗を植えた時は、弦や葉だけが茂るだけ茂った挙句、
ただの一輪も開花しなかったというのに。

それが何の前触れもなくひょっこり咲いたあの朝は、むしょうにうれしかった。
ただ、決まって通りに顔を向けて咲くものだから、眺めるのは後姿ばかり。
花の名は、「インディゴブルー」。
咲くのはみな シジミ蝶の翅のような淡い瑠璃色なのだけれど。

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十五夜、そしてブログのデフォルト。

2007-10-27 03:04:29 | Luna もの思う月
東京はあいにくの雨。
十五夜も分厚い雲の向こうに一瞬、朦朧と透け視えただけ。
ちょっともの足りないので、過去の満月をアップ。

これは、今年8月1日の夜明けに出逢った珠玉の満月。正確には十六夜だったはず。
無数の絹糸のような月光に射抜かれ、不意にさららと涙が。

それは、いままで食べたことのない果実のような月だった。
思えば、この夏から秋も、奇妙な果実のような日々だった。
そういえば、ロバート・ワイアットの「Strange Fruit」を今夏よく聴いた。

金木犀の濃密な香りに包囲され、
しごとにあそびに忙しくしているうちに、まもなく11月。
あの満月からかれこれ100日近く経つ。なのに、
100日経っても、8月の満月の残像が、脳裏にくっきり。
100年経っても、それは煌々と発光し続けているのだろう。
100年経ったら、その意味わかる、と云ったのは
寺山修司(たしか『さらば箱舟』)と漱石(たぶん『夢十夜』の一夜目)。
どっちも十代の頃の記憶だから、少々あやしいが。。

まあいいや。とりあえず、デフォルトは満月から。
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