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驚異の部屋 ドーモ・アラベスカ

2007-12-02 07:53:45 | Tokyo 闊歩・彷徨・建築探偵
土曜日は、よく一緒にお仕事している猫友達なデザイナーふくちゃんのお誘いで
杉並の「ドーモ・アラベスカ」へ。この語感、たまりません。ドーモ・アラベスカ。
所在地は、幼児期に住んでいたエリアに至近。(東京5歳児日記時代

葉っぱのレリーフがびっしりついたエントランス。


心地よい庭を臨む 窓や明り取りの自在なレイアウト。

ドーモ・アラベスカは、異色の建築家が集った「象設計集団」の1974年設計の住宅。
ドーモ・バレーラ(調布)、ドーモ・バレーナ(横浜)、ドーモ・チャンプル(沖縄)といった
“ドーモシリーズ”も展開しており、その本気とも冗談ともつかない脱力ネーミング、
もう大好き。

そう、「本気か冗談か」というのは、象設計集団の掲げる“7つの原則”のひとつ
「あいまいもこ」の主題でもある。
―「建築か庭か街か、内部空間か外部空間か、建物か衣服か、遊びか仕事か、
今か昔か未来か、完成か未完成か、株序があるのかないのか、部分か全体か、
本気か冗談か、生徒か先生か、誰がデザインしたのか、私たちはこのような
ことがらについて、あいまいもこな世界に住み続けていきたいのです」―

さらに「自力建設」という原則の項でも、こんなに魅力的で示唆的な文章に出逢える。
―「機械よりは多くの雑多な人々、知識よりは知恵、速さよりは持続力、
理性よりは情熱、狂気、妥当よりは過剰、規範よりは埓外のものごと、
結論よりは終わりのない問いかけ、形姿に求められるものは魔力。
最後に、空間の緑化がもっとも大切です」―

魔力―築33年のドーモ・アラベスカにも、まさに快い魔力がゆるゆる宿っている。

この家の主は、象設計集団の代表・富田玲子さんの弟である翻訳家の富田靱彦さん。
アルベロベッロのトゥルッリや、マテーラの洞窟住居を彷彿するような、有機的空間には、
至る所に文学、美術、建築…といった多彩な蔵書が 累々と積み上げられている。

スタッフに許可を得て拝見させていただいた2階の書斎。
先日もこのblogで触れた矢川澄子特集のユリイカや翻訳書が机の天辺に…。
周囲には澁澤龍彦の著作も多々。後で富田さんご本人に伺ったところ、
澁澤・矢川作品がお好きなそう。
…まさに、この書斎をはじめ、この家自体が“驚異の部屋”だ。

そんなドーモ・アラベスカの広場ともいうべきリビングで行われたクリスマススペシャルライブ。
翠川ケイトさん(来年2月に南青山で村上ポンタ秀一らのサポートでライブを行うそう)のvocalと、野本晴美さん(今秋2ndアルバム"Belinda"をリリース)のpiano、さらに飛び入り参加のsax奏者(名前を失念!大泉洋似)による演奏はとても心地よく。ビートルズやキャロル・キングのカバーも楽しく。薔薇色に塗られた括り付けの戸棚が美しいキッチンで作られるケータリング料理も美味でした。

なんでも床暖房が壊れちゃったそうで、70名が入っても少々冷えるお部屋ではあったけど、
この家に棲む3匹の猫の一匹「まるちゃん」雄9歳が、ふくちゃんと私の膝上で爆睡してくれた
お蔭で、この上ない湯たんぽ代わりに!
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コメント
 
 
 
ドーモ・アラベスカの会のアイドル (マルちゃん有り難う!)
2012-06-05 03:13:05
マルちゃん!

ドーモ・アラベスカの皆のアイドル マルちゃん!

長い間、沢山の方を楽しませて貰って有り難う。

コンサートの時に、歌手の前で、おどけてみせてくれたり、あまりに専門的なスピーチの時にも、一般人を和ませてくれたり・・・。

楽しい思い出を、沢山私達に残して貰って、マルちゃん有り難う!
 
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