goo

坂本龍一piano concert&...

2009-04-29 17:24:41 | Music
先週末から週明けにかけ、方々で音楽三昧、そして洋館三昧の日々だった。

まず、24日は坂本龍一ピアノコンサート。都内公演のチケットを取り損ねてしまい、
川口文化センターまで足を延ばした。↑これはそのとき撮影したもの。といっても
決して隠し撮りではなく、1曲だけ(composition0919)教授自らが「どうぞ撮影してください」と。
数秒後には暗闇にデジカメや携帯の液晶が無数浮び上がり、シャッター音とフラッシュの嵐に。
そのノイズや閃きごと取り込んだ演出と解釈。(写真は露出が狂って飛んじゃったけど)

教授のコンサートは2006年に渋谷公会堂(現CCレモンホール)で観たalba noteとのコラボ以来。
まあ80年代から四半世紀、矢野顕子コンサートやTV WAR(@筑波万博。。懐っ)なども含めると
このヒトの生演奏を聴いたのは数知れず。YMO時代からそうだけど、坂本龍一のライブの魅力は
絶妙なはずし方。エクスタティックな逸脱とでもいうか。決してCDでは聴けない音を感受できる。

今回は、4年ぶりの新譜『out of noise』の静謐な世界観を前半に、後半はYMO時代にも遡る
珠玉の名曲が続いた。My YMO Best3に入る[Perspective]を弾いてくれた時はもう涙目で。
アンコールの[千のナイフ]の時には完全に十代の頃の自分がそこに居た感じ。
思えば当時から私は教授が今のように世界ベースで活躍するに違いないと周囲に予言していた(笑)

教授の音楽はずっとリアルタイムで聴いてきたが、『千のナイフ』『B2-UNIT』『音楽図鑑』あたりを
もし聴かずに育っていたら、いまとは別の人生だったような気がする。
大学1年の時、夏の集中授業で秋山邦晴氏が坂本龍一の音楽について講義してくれた時は
もう自分のために授業してくれているんじゃないかと思うほどのめった(笑)

教授は今回のレコーディング中に行った北極圏で衝撃を受け、先ごろ出た『音楽は自由にする』でも
「魂を置いてきちゃった感じ」と語っている。そういえばコンサート中、
いいイミで以前より魂が少し抜けちゃったような不思議な透明感があった。
音楽は自由にする
坂本龍一
新潮社

このアイテムの詳細を見る

↑本人の気取りも、編集者の作為もなくまとめられた等身大の好インタビュー。
“せかいのサカモト”みたいな紋切りキャッチで大上段に構えていないのが、いい。
中学時代に通っていた塾の先生が たまたま坂本龍一の高校時代の同級生だったのだが、
その時に訊いた素の坂本龍一像にそのままつながるような内容だった。


さて、翌土曜の夜は音楽3本立て。まずは、お世話になっているデザイン会社 アイロンママの
タガタ氏のバンドPAPANOVAライブ@青山。ベースのタガタ氏とボーカルの奥様の息もぴったり。


さらに雨のなか、新宿3丁目方面へ。こちらはタワレコいそざきさんたちがDJをする“南米ナイト”。


いそざきさんの相方vonちゃんも焼きたてポン・デ・ケージョを持って登場。
黒くてお洒落な選曲の数々を楽しみながら、はぐはぐ。美味しかった~&ごちそうさまでした♪


さらに雨のなか、レイちゃんとうちの近所のNEWPORTへ。ドアを開けたらいきなしクラフトワーク。
YMOやEVERYTHING BUT THE GIRL、CHICANEなどなど、BEAMS RECORDS青野さんの選曲は
ピンポイントでフェイバリットな曲満載なのがうれしい。

↑このディッシュ、お隣のテーブルのが美味しそうだったのでオーダー。訊くとお隣の方々も、
やはり別のヒトが頼んでいた同じディッシュを見てオーダーしたそう。どんな連鎖ですか(笑)


明けて日曜はいいお天気。この日は朝から洋館取材の続きで駒場公園の旧前田侯爵邸へ。
公園はたまに散策するけど、入館するのは近代文学館だった頃以来。そういえば、
父の旧いアルバムにも文学館ができて間もない頃のモノクロームの写真があったっけ。


ちょっとお昼寝し、夕方にはOXYオーリエさんのお誘いで、彼女の家のご近所に開店した
仏料理店Hiromichiのオープニングパーティへ。

帰りはオーリエさんちでユミさん&セージさん、イーちゃん、ヒサダさんと、例によって
YOU TUBEサーフィンナイト。。私はクラウス・ノミで大ブーイングを受け(笑)

YOU TUBEといえば、先日ナクロプさんがメールしてくれた
『親愛なる日記』のワンシーンが何度観ても可笑しい。
(ナンニ・モレッティが、バールのTVでたまたま放映していた若き日のシルヴァーナ・マンガーノの
陽気なダンスに合わせ、ジュースを片手に踊るのだ。2分強の爆笑名シーン)


で、昨日は洋館取材の最終日。朝から雑司が谷のくねくね細道をてくてくしていたら
所々に空き地があり、そのすべてに小ぶりの朱いポピーが群生していた。しばしうっとり。


取材先の雑司が谷旧宣教師館。サンルームの奥には、小さな小さなアンティークのオルガン。


オルガンの脇には「赤い鳥」の復刻版がずらり。児童書コーナーなので、面白そうな絵本もいろいろ。
日がな一日、ここで本を読んでいられたら幸せだろうなあ。今度また来てみよう。


キムナオさん&編集のにいやさんと共に、午後は三鷹の玉川上水沿いにある山本有三記念館へ。
建物が予想以上に凝っていて面白かった。詳細は6月末発売の[ROSALBAvol.16]をおたのしみに。


帰りにうちの近所で、ばさっと無造作に棄ててあるレコードを発見。
何のレコードかはよくわからなかった。野良猫の爪とぎにはもってこいかもね。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

たんぽぽの精と洋館

2009-04-25 14:49:08 | Tokyo 闊歩・彷徨・建築探偵
花と花の間を彷徨する蜜蜂のような日々(ミツバチ、いまや希少ですが…)。
行く先々で出逢う花々は、へたに手入れされていないものほど、心奪われる。

道路工事現場の隙間に居たヒメジョオン。子どものころ、よく摘んだなあ。


火曜、取材申請の関係で行った目黒区役所側の垣根に生い茂っていた羽衣ジャスミン。
この濃密な香り、たまらない。まさに蜂のようにブーンと吸い寄せられてしまう。

いつかトスカーナで、壁面が羽衣ジャスミンに覆いつくされたワイナリーを取材したことがある。
あのとき試飲したワインの香りはもうあまり覚えていないけど
あの夥しい花弁という花弁から放たれていた蠱惑的な芳香は一生忘れない。


晴天に恵まれた木曜、方々に布団が干された家並みの一角にて
屋根や窓からぶわっっとふき出している羽衣ジャスミンを発見。
こういう弦植物のニッチな叛乱に遭遇すると、むしょうにわくわくしてしまう。



この日は朝から取材@旧岩崎邸庭園。
撮影は『東京建築物語』でも数々の洋館を撮りおろしている
↓キムナオさんなので、仕上がりが楽しみ!

取材の詳細は6/25発売予定の「ROSALBA vol.15」の洋館特集をご覧ください。
(ちなみに今発売中の同誌vol.14には1月に取材したオペラ歌手の幸田浩子さんや
ジャミンゼブのシモン君のインタビュー記事も掲載されているので、こちらもぜひ。
WEBでも一部読めます)

と、取材中、旧岩崎邸の広大な芝生を我が物でとっとこ横切る野良猫くんを発見。
最近は、陽気につられておもてを闊歩する猫たちにたびたび遭遇する。目に福です。


近所の幼稚園の子どもたちも庭園にお散歩にやってきた。
どの子も遊びたくてうずうずしている仔猫みたいな表情なのが可笑しい。


庭園に群生しているのは、西洋たんぽぽとは異なる日本在来種のたんぽぽなのだそう。
先生のGOでわーっと綿毛のように散らばる子どもたち。
どうみても、たんぽぽの精だ。


私が4年前に初めて旧岩崎邸を訪れた時は 緑やピンクの光線でライトアップされていた。
スタッフに伺ったら「あのライトアップはラブホテルみたいで悪趣味だと評判悪くて…」とのこと。
物陰から怪人二重面相がひらんと現れそうな江戸川乱歩風キッチュで、案外面白かったけどなあ。
(↓2005年12月に撮った期間限定ライトアップ中の旧岩崎邸)

ちなみに、邸が戦後GHQに接収されていた頃は、この地下で思想犯の拷問もあったのだとか。
豪奢な室内の壁もペンキで無残に塗り潰されていたらしいし、銃痕も残っているよう。
旧い建物の情趣というのは、よくも悪くもそうした年月の陰影によって醸し出されるものだが、
たんぽぽの庭園に響き渡る子どもたちの歓声と かつての銃声は、あまりにかけ離れたものに思えた。


翌金曜も洋館取材の一環で、朝一取材@東京都庭園美術館。個人的にも大好きなところだ。
詳しい学芸員の方に隅々まで案内していただくと、思わぬ発見があって非常に興味深かったし、
旧岩崎邸も庭園美術館も、スタッフの方々が館を心底愛しているのがしみじみ伝わってきた。


庭園にいたブロンズの豹は、来館者に撫で撫でされているらしく、全身つやぴかだった。
編集部のわたなべさんも猫好きなので、一緒に撫で撫で。




今週は取材の帰りにちょこちょこお散歩。
こちらは近所の神社でおなじみのクロちゃん。この日はコマイヌの足元でコマネコと化していた。


同じくお散歩コースの代々木公園にて。思わずここでお昼寝したくなる。


散歩帰りに連れて帰った、清浄な香りのハーブ。
「名前? それが忘れちゃったのよねえ…」とお花屋さん。どなたか判ります?


昨日は東京都美術館で25日から始まる「日本の美術館名品店」の内覧会を観てから
坂本龍一コンサートへ。魔力的なピアノがいまも耳に残響。この話は次回に。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

明日へのチケット、マルゲリータ、Coolie’s Creek

2009-04-20 08:16:59 | Cinema
これは、十年ほど前に南イタリアを列車やバスで旅したときのチケット。
先日、家で『明日へのチケット』(原題『TICKET』)を観て、ふと出してきてみたしだい。
アルベロベッロからバーリへ、バーリからマテーラへ――そんな旅の断片たちだ。
チケットを手にすると、あのときのあの風景の中へ、不意に迷い込んでしまう。

映画『明日へのチケットは』、第1話 エルマンノ・オルミ、第2話 アッバス・キアロスタミ、
第3話 ケン・ローチというカンヌ受賞系の名匠揃い踏みのオムニバス映画。
インスブルックからローマへと向かう列車内を舞台に、各話がさりげなくつながった
秀逸な群像劇となっており、気づくと自分もその列車の乗客のひとりみたいな気分に。

ローマ在住中に列車でヨーロッパを方々旅した経験のある姉が絶賛していた通り、
こういうシニョーラ(おばさま)確かにいるなぁ。。とか、こういうツーリストもいるねぇ。。
といった絶妙なリアリズムに裏打ちされたコメディなのだが、移民、人種、階級などの問題が
そこに巧みに織り込まれており、一筋縄ではいかない各話の滋味深さに感嘆の溜息が出た。

とくにケン・ローチの3話が好きだった。チャンピオンズ・リーグを観に行くと浮かれている
スコットランドの労働者階級の若者たちと、アルバニア系移民家族のチケットを巡る
かなしくも痛快なエゴと良心の応酬劇。

世界と世界の隔たりは、本当のところ、WEBやTVや印刷物だけでは知るよしもないのだ。
それは、ささやかな紙切れであるチケットの先に、生々しく広がっている。
ローマのテルミニ駅に到着するラストシーンを観ながら、そんなことをしみじみ思った。

この時季に発症しがちな“旅に出たいシンドローム”がどうやら今年も発症しつつあるらしい――


そんなことを呟いている間にもときは過ぎ。。さて、例によって先週末からさくっとプレイバック。
木曜はシンシマさんたちと中目黒の聖林館で、マルゲリータをいただきながら打合せ。


食後はスマイリーなカプチーノ。飲み干す直前まで、笑顔は消えず。



お店のエントランスに居た手乗り犬と極小マルゲリータ。か、かわいいぞ!
 Che piccolino!!!

その後、キムリエさんとカッシーがいる武蔵小山のチュニジア料理店「イリッサ」へ。
6ヶ国語に堪能なメリティさんにチュニジアの話をあれこれ伺い。また行きたいなぁ、北アフリカ。



土曜は、キムリエさんとクラスカで開催中の塩川いづみ「ドーブツ展」へ。
2月にNEWPORTで観た「ネコ展」に続き、今度はフクロウやゾウやパンダなど
さまざまなドーブツたちが、塩川さん独特の疎にして密な筆致で描かれていた。
どのドーブツもいとをかし、です。(~5/1)。


帰りにキムリエさんと学大前の古本屋さんなどに立ち寄った後、
駅前のお菓子屋さんでスイーツ休憩。



夜は「アダン・オハナ」のケンさんたちが白金に開店したレストラン・バー「Coolie’s Creek」の
オープニングパーティへ。この店は、ケンさんが30年前に店長をしていた伝説の店と同名だそう。
会場には、その当時を匂わせる筋金入りの大人の遊び人たちが続々と。。

3階建ての民家を改装したお店は、渋谷の「アダン・オハナ」に通じるテイスト。


会場では、インドの打楽器ターブラやフラメンコギター、ヴァイオリンなどのライブ演奏も。
ちなみにスパイラルのCayも、元はケンさんたちが立ち上げたお店だそう(今は別物ですが)。
大人の遊びを知っている彼らの試みなので、新しいお店の料理もライブも期待大。
「Coolie’s Creek(クーリーズ・クリーク)」港区白金1-2-6 ℡ 03・6459・3313

その夜はさらに、クーリーズで合流したキムナオさんやカッシー、ライターのドイさんたちと5人で
中目黒の焼肉屋さんへ。にわか肉食女子と化す。

帰りに目黒銀座の寿司店前でキムリエさんがこれを発見!
 

奇しくもこの日は、ニキの11回目の月命日だった。来月18日には一周忌を迎える。
「おまかせにき」、ぜひ注文したい。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

春先小紅、パスクア

2009-04-16 01:28:22 | Greenベランダジャングル記
初夏のような陽射しの中を歩いていると、ふと旅の途上にいるような錯覚に。
いつかみた眩しい空、いつかみた淡い木漏れ日、いつか触れた甘い風、いつか聴いた春先小紅。





うちのベランダジャングルの小手毬も 昨日まで蕾だったのに、本日開花!



花期を終えたミモザの先っぽからは、いつのまにかこんなサヤがぶらさがり。。
陽光が当たると、サヤの中にうっすらと小さな豆が透けて見える。
(風が強かったためサヤが揺れまくり、ブレブレ写真で悪しからず)

あいにく未撮なのだけど、小花をいっぱいつけたグミの木には花アブが時々ぶんぶん。
グミの梢にツグミっぽいシルエットの鳥がちょこんととまっているのも何度か目撃。
(ニキがいたら、さぞかしお尻&しっぽを震わせ歓んだだろうなぁ)


そんなあたたかな日が続いた先週末からちょっとプレイバック。
金曜、打合せ帰りに表参道のCINAGROで少し遅めのランチ。前にも書いたけど、
ここはすべてオーガニック素材で美味しいうえ、空間も心地よいので個人的にリスペクト。


土曜はOXYオーリエさんのお誘いで、彼女のご近所に開店したイタリア料理店APONTE
オープニングパーティへ。栗原はるみさんのお嬢さんのお店とか。凄い人波の中でいろいろ賞味。
ご馳走さまでしたー

帰りは快適なオーリエさんちでまたまた朝までお喋りコース。
よくイタリアに買い付けに行くというスタイリストのサトコさんと3人で、YOU TUBEを観ながら
わいわいと。3人共通で盛りあがったのはドアーズ。いつ聴いてもかっこよすぎ。
私がひとり盛り上りしていたのはMr.Scuff。<このmoodogカバー、大好きです。


あけて日曜は、パスクア(復活祭)。私はキリスト教徒ではないけれど、
前夜にイタリアの話題を散々してたので、なんだか懐かしくなり。
パスクアといえば、こんな卵形のチョコを贈るのが慣わし。

ちなみにこの ドデカチョコを抱えているチャーミングな少年は、
将来こんな凄いものを掲げるヒトになりました↓(頭上に輝くのは2006ワールドカップ優勝杯)
<永遠にチャーミングなFrancesco Totti

今年、イタリアでは中部で起きた地震被害者の葬儀がパスクア当日に行われたそう。。
謹んでお悔やみ申しあげます。


明けて月曜はいいお天気だったけど、火曜は午後から雨模様。
街路のつつじにも大粒の雨だれが。。 夕刻、NHKにて取材。

幼少期には私もお世話になった「おかあさんといっしょ」のスタジオを初めてみた。
インタビューしたのは、なんと歌のおにいさん。いやあ、貴重な体験。


水曜は昼過ぎに九段で打合せ後、あまりにぽかぽか気持ちいいのであちこちお散歩。
夕刻、うちのすぐ側の公園をふと覗いてみたら、若葉繁る銀杏の木のかなり高い梢に、
椰子の実みたいなバスケットボールが。。誰がこんなとこでダンクシュートを?!


さらに路地を漫ろ歩いていると、黒猫!
偶然ながら、黒犬を猫またぎ(笑)

ちょうどニキのことをぼーっと考えているときだったので、ちょっと じーん。
最近 ニキの命日が刻々と近づいているせいか、気づけばふとニキのことを思い出している。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

桜トリップ2009

2009-04-10 23:28:37 | Tokyo 闊歩・彷徨・建築探偵
春旅から戻ってぽーっとしているうちに、気が付けば 西へ東へ花絨毯を回遊する日々――

まずは先週3日、目黒川沿いにて、ハカセ&レイちゃんたちと集合。
提灯も寒風にゆれまくる花冷えの夜、ぶるぶる妙にマゾヒスティックなお花見に。。



翌4日は、お花見は小休止し、キムリエさんと共にチュニジア雑貨「さらは」
「パリで見つけたチュニジア展」@代々木上原へ。この日はウード奏者 常味裕司さん(左)と、
レク奏者 和田啓さん(右)のライブがあり、時々、魂が完全に北アフリカにもっていかれた。
2月にもオハナ・アダンで常味さんのライブを体験したが、常味さんは演奏のみならずMCもナイス!
和田さんのレクグルーヴにもぐいぐい引き込まれた。演奏後にもいろいろお話できて楽しかった♪



翌5日は さんぺい家主催のお花見@某穴場公園。桜、大満開&手作りお惣菜の数々、美味! 
左から料理もデザートもプロ級のちよさん&さんぺいさん夫妻、とき緒監督、ジェレミー君。


夕刻からは、宴席をさんぺい家に移動。「うちのこなみのことは事務所を通してもらわないと」
と再三警告するさんぺいさんを尻目に、愛され猫のこなみちゃん、みなに愛されまくり。


昨年は、こなみちゃんを吸い込んでいる妖艶な姿をみせたとき緒監督、
今年は桜吹雪のアンティークなお着物で やはり妖艶でした(ちょいアラーキー風味)


こちらは、こなみちゃんをアクロバティックにパパラッチするハカセ。


こなみちゃんを抱きしめるマリア像のようなレイちゃん。



さらに翌6日(4連ちゃん…)は、フェアーモントホテル跡地にある九段下のNIKIgallery冊に
キムリエさん、カッシー、レイちゃんと集合。暖かな日だったのでみな頬がほんのり紅潮。


窓いっぱいに広がる絵に描いたような千鳥が淵の桜絵巻を愛でつつ、花見弁当を賞味。至福。。


ギャラリーにはなぜかサド侯爵と銘打った謎の人形が。サド侯爵夫人人形も居た(作者の名は失念)


食後は千鳥が淵を4人できゃふきゃふ散策。
桜を借景に、菜の花やフリージアのイエローも一段と鮮やかに見えた。


前回書いた京都の桜守・佐野藤右衛門によれば、明治から昭和初期にかけて一斉に植えられた
ソメイヨシノはクローン桜なので自生できず、寿命も百年ほどらしい。
もっとずっと遠い未来、日本人はやっぱりソメイヨシノで花見に興じているのか、
それとも別のクローン桜に席捲されているのか…?


千鳥が淵から赤坂方面まで歩き、ニューオータニのラウンジから日本庭園を見下ろしのんびり。
「悪役の田宮二郎が密談してそう」というレイちゃんの指摘がぴったりな’70年代風ラウンジが
私的にツボだった。バニラの粒々が浮いたクリームソーダを飲みながら、ふと幼少期を思い出す。


夕刻は、先の代々木上原「さらは」に再訪し、帰りに拙宅でシャンパン&パン祭り(?)
春冥利に尽きる ぽっかぽかゆっるゆるの女子的日曜日。


週明け7日は、横浜郊外へ取材に。東横線の車窓からふわふわ綿菓子のような桜がたくさん見えた。
取材した82歳現役の女医さんが、自作の茶托で煎茶を出してくださった。艶やかな牡丹の鎌倉彫。
枝垂桜が掘り込まれた自作の三段お重も見せていただいた。卓上の粋なお花見。



翌8日は、神保町で打合せ後、デザイナーのシンシマさんと約3年ぶりに再会。
つもる四方山話も楽しく。帰りに資料本を探して徘徊していたら、すっかり日も暮れて。
有象無象の本の海に溺れる 春の宵。本の匂ひ、いいなあ。。



翌9日は、渋谷で打合せした帰りに 自転車で代々木公園へ。
花も緑も鳥も蝶も人も、満開の桜の下で 生きものはかくも表情がゆるむのだろう。



うちの近所の桜のある公園にも寄り道したら、砂場も花びら模様に。
放り出されたピンクのランドセルにも、桜の花びらがはらはらと。


夕刻、再び自転車で代々木公園を通り抜け、青山方面へ。途中、桜の海に沈む夕陽が見えた。
骨董通りでキムリエさん、カッシーと会い、sakayori.の秋冬展示会を覗いた後、わいわいゴハン。
散々お喋りに興じ、夜更けにひとりで再び代々木公園の遊歩道を自転車で疾走していたら
春の甘いエキスを湛えた満月が、夜空からずっと併走してくれた。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

春トリップ4 京都編

2009-04-08 22:51:51 | Travel 国内外猫の目紀行
春トリップ最終回は、「京都編」。3月末、りゅうちゃん&はーちゃんに見送られ、倉敷から京都へ。
昨夏取材で訪れて以来、約半年ぶりの京都は、行く先々で枝垂桜づくしだった(昨夏の京都旅blog)

↑これはちょうど一週間前、京都の3代目桜守・佐野藤右衛門さんの庭園でお目にかかった枝垂桜。
全国の名桜保存を担う桜守を継承する佐野さんは、イサムノグチによるパリのユネスコ日本庭園も
手がけており、先代は祇園 円山公園の名枝垂桜を育てたひと。
まさに桜の精のような桜守に代々慈しまれた枝垂桜は、どこまでもたおやかだった。


京都に着いてまず向かったのは、嵯峨嵐山は大覚寺の裏あたりにある瀟洒な和のお宅。
小娘時代に大変お世話になったハヤ先生のおうちだ。ちょうど庭の枝垂桜が満開だったので、
春光が降り注ぐ心地よいテラスにて、いまや翁の風格を湛えた先生と記念撮影。


先生宅には、総勢6匹の猫さんたちが気ままに闊歩しており、噂通りの猫ワンダーランド。
これは、鼻の下にちょんちょんとシンメトリーの黒ぶちが絶妙な元気くん


枝垂桜を眺めながら、思い思いのポーズで日向ぼっこするE.T.似のイーちゃん(上)とシオンくん(下)


到着するや、ハヤ先生&奥様のちえさんが、得意のイタリアンを用意してくださった。
メニューは、3種の凝ったアンティパストに、旬の京野菜たっぷりボッタルガのパスタ。
なんとレシピは私の№1シェフ、ベットラ落合さん仕込みだそう。美味しいわけです。


ご馳走さまでした!

キッチンの引き出しという引き出しには、ちえさんの素敵な器コレクションがぎっしり。
ただし、ルネ・ラリックのボウルもヴェネチアングラスも、軽々と猫またぎされ。。。


悠々自適で創作活動を愉しんでいる先生のアトリエも案内していただいた。
筆が描かれた筆立てや、トクサ柄の筆洗、ヴェネツィアのサン・マルコ広場が描かれた茶碗など
呉須で絵付けした古伊万里風焼き物の斬新なデザインはさすが。魯山人です。


午後は嵯峨野近辺をぶらぶら散策。二尊院の桜はまだ蕾だったけど、それはそれで趣き深く。
院内で、小倉餡発祥の石碑を見つけた。夜は先生ご贔屓の小料理屋さんへ。何を食べても舌踊る。


翌日は、久々に再会したデザイナーのながれさん(靴がピンク!)と猫絵本の打合せをした後、
相変わらず大阪弁がめっちゃおもろいながれさんに、重森三玲庭園美術館まで送っていただいた。
昭和のアヴァンギャルドな庭園家 重森三玲の旧宅だけに、ディテールまで芸が細かい。
茶室には親交のあったイサムノグチの「あかり」が。襖に描かれた市松模様の波もクールです。
近年ここはアクオスのCMロケにも使われたよう。



書院前の枯山水庭園には、咲き誇った枝垂桜がそよそよと。ミラノでランドスケープを学んでいる
カップルとたまたま一緒になり一寸お話したら、日本の庭園事情に詳しくてびっくり。



重森三玲庭園美術館のすぐ側には京大の時計塔が。しれっとしたコピーがたまりません。


鴨川と高野川が合流する三角州にある下鴨神社を目指して、満開のユキヤナギがそよぐ川沿いを
ひたすらてくてく。前方にこんもり見えるのは、ケヤキやムクの原生林が生い茂る「糺の森」。


カラスが飛び交う森に入り(ヤタカラスは下鴨神社の御祭神)、すーっと心浄まるようなせせらぎに
導かれ、朱塗りの桜門に出ると、色づいた山桜がくすくす笑いかけていた。


境内をゆるゆる参拝して回り、みたらし団子発祥の地であるみたらしの池で、しばしぼーっ。
恐ろしく澄みきった気配に あたまもこころもからっぽになる。


さて、これにて「春トリップシリーズ」は終幕。
次回は、東京に戻ってからの 桜トリップの日々を更新します――
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

春トリップ3 犬島編

2009-04-06 17:47:34 | Travel 国内外猫の目紀行
これはどこぞの空爆跡――ではなく、犬島。 前回に続き、春トリップ第3弾は「犬島編」。

犬島精錬所は近代日本の経済を支えた銅精錬所として1909年に造られた近代化産業遺産。
精錬時に発生する煙害対策などから瀬戸内に建設されたものの、銅の暴落で栄えたのは僅か10年。
「犬島アートプロジェクト」第一期は、そのすっかり廃虚化した精錬所の遺構を、
三分一博の建築×柳典幸のアートワーク×岡山大理工学部の環境システムにより、
環境に負荷を与えない形で再構築しようという試みだ。

見学は人数制限ありの事前予約制なので、大混雑のテーマパークみたいには決してならない。
構内のサインはすべて赤錆びたレリーフで表示されており、ロゴも美しい。


精錬所跡は、さながらローマ遺跡の如し。
銅の精錬過程の産物である黒々としたカラミ煉瓦と瀬戸内の青い海景の淵には
廃虚化した人工物のまがまがしさと美しさが分かちがたく同居していた。




遺構を巡りながら、りゅうちゃんいわく「なんだかガス室に送られるような気分(笑)」
今にもくず折れそうな煙突からは、深い深い吐息が漏れ聞こえてくるような気がした。


面白かったのは、煙突を利用して精錬所内の気温調整ができる環境システムに基づいた
三分一博氏の建築と、柳幸典氏のエキセントリックなインスタレーションの絶妙な協働。
背後にマグマのような焔を従え、煙突上空に広がる天光を目指し、暗闇をうねうね練り歩く作品は、
鏡仕掛けの妖しい芝居小屋みたいでトリッキーなのだけど、自然エネルギーの摂理に適っており、
体験としてもなかなかエキサイティング。

驚いたのは、三島由紀夫が思春期から青年記に暮らした渋谷・松涛の家の廃材を駆使した
柳氏のインスタレーション。なぜ犬島でミシマ…?! しかもうちの近所の松涛の廃屋が何ゆえここに?!

先入観を排除するため あえて予備知識を入れずに臨んだので、インパクト絶大。
三島の『太陽と鉄』にインスパイアされたり、最期の檄文の文字をヴィジュアル化した
4つのインスタレーションは、どれもアイロニカルな演劇の舞台空間のようだった。
日本の近代化の残滓である犬島の遺構で、日本の近代化の矛盾を象徴するアイコンとして三島を
モチーフにしたというのが、このインスタレーションの深層らしい。いやはや。

スタッフに訊ねたところ、福武總一郎氏が廃棄されかけていた旧三島邸の廃材を買い取って
このプロジェクトのために提供したのだそう。何から何までやってくれます、福武さん。
ちなみに、三島が12歳から25歳(1937~1950年)まで住んだ松涛の洋館とは、こちら。
『花ざかりの森』も『仮面の告白』も、ここで生まれたわけですね。
(渋谷区郷土博物館・文学館資料より)
このアーチ型玄関扉も作品に使われていた(扉にNHKシールが残っているのをりゅうちゃんが発見)。

それにしても、柳幸典氏の作品には既成概念を揺るがす諧謔パワーがある。
(直島のベネッセアートミュージアムにも彼の作品が幾つかある。そのひとつ、
「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム」は、色砂で作られた各国の国旗に蟻を放ち、
次第に国旗が蝕まれていくインスタレーション。’90年代のヴェネツィア・ビエンナーレでも
ちら見したが、改めてこの時代に見ると感慨深いものがあった)


精錬所跡地見学後は、船が来るまで島の周囲を散策。犬島は直島同様、高齢・過疎化が深刻な島。
船の待合室のベンチにほこほこ置かれた手作り座布団に、なんだかほっとする。



犬顔のお役人が猫を駆逐しようと躍起になっている―そんな宮沢賢治の寓話的世界を勝手に妄想(笑)


真昼の春光にきらめく澄んだ海には、ラリックの硝子細工みたいな海月が2体、ゆらゆら漂っていた。


犬島から再び直島へ戻った後のくだりは、前回blogの通り。りゅうちゃん&はーちゃんのお陰で
寄り道も含めて非常に効率よく周れたし、ふたりの社会学的な見解もなかなか興味深かった。
そして何より一緒に旅できてすごーく楽しかった!(多謝)



折りしも週末から連日の花見三昧。その話は次回の旅日記が終わった後、追って更新します。
(次回は、倉敷から京都へ。春トリップ最終回「京都編」なり)
goo | コメント ( 2 ) | トラックバック ( 0 )

春トリップ2 直島編

2009-04-05 06:30:24 | Travel 国内外猫の目紀行
さて、前回に続いて「直島編」。この島のアイコンと化している草間彌生のカボチャは
ストラップとかペーパーウエイトになっていまや直島の定番お土産になっていた。
このヘタが台風で2度ほど沖へぷかぷか流されたという噂だけど、無事回収したらしい。

。。。と、直島に上陸する前に、瀬戸大橋を渡って香川にあるイサムノグチ庭園美術館に立ち寄った。
せっかく香川に来たのだから讃岐うどんを食べない手はないと、美術館の予約時刻直前に駆け込みで
つるっと朝うどん。絶妙なアルデンテ。はーちゃんいわく讃岐うどん文化はなかなか奥が深いよう。

イサムノグチ美術館は、晩年のイサムがNYと往き来しながらアトリエ兼住まいとして
愛した空間に 生前のまま作品が展示されており、夥しい彫刻群の影からひょっこりイサムが
現れても不思議じゃない雰囲気。(館内は撮影ご法度のため写真はなし。これはパンフより)

とくに、見立ての川や滝をしつらえ、借景を取り込んで大胆な起伏を持たせた作品は、
庭園そのものが巨大な彫刻になっていて、回遊しながらその宇宙感をまざまざと体感できた。

昨秋書いた「モダン・インテリア」のイサム ノグチ特集(↓)のときにお世話になった
館長の池田さんのご厚意で、イサム家(や)の中なども特別に見学させていただけてよかった。


美術館の外にあったイサムの遊具と無邪気に戯れる我々いいオトナたち(笑)


午後は高松港からフェリーで一路、直島へ。快適なデッキから
屋島など瀬戸内の島々を眺めていたら、あっという間に到着。


直島は地中美術館、ベネッセハウスミュージアム、屋外作品群、家プロジェクトと見所満載なので
島に1泊して、じっくり堪能。まずは地中美術館から――ここも外観から撮影禁止ゆえ、写真はない。
といっても文字通り、ほぼ地中に埋まっているので外観はとらえどころがないのだけど。

しかし中に入ると、蟻地獄に落ちた蟻のごとく、周到な安藤忠雄ワールドにずんずんはまっていく。
建築家の世界観の強さは、金沢21世紀美術館よりもさらにさらに濃密。モネ、タレル、デ・マリアの
3アーティスト&安藤と、パトロンのベネッセ福武總一郎の呆れるほど完璧なコラボレーション。

自然光を間接的に取り込み、70万個の白大理石が敷き詰められたモネの白い部屋も
光との対峙をテーマにしたタレルの部屋も、空間そのものと一体化した作品となっていた。

特に魅かれたのは↑ウォルター・デ・マリア「タイム/タイムレス/ノー・タイム」2004
どこか異星の王宮にある秘められた祭壇のような、ホーリーな空気感が妙に心地よくて。
けど、あの球体がごろんごろん階段を転がってくるところを つい妄想。。ちなみに、花崗岩の巨大な
球体をどうやって入れたのかとスタッフに訊ねたら、まず球を上から入れてから屋根を覆ったのだそう。

地中美術館の快適なカフェで一息つくと、今度は地図を片手に屋外作品鑑賞の散策に。
ニキ・ド・サンファール「猫」1991
ニキつながりもあって、ニキの奔放な色彩と造形世界は大好きなのだけど、
等身大の作品が多く、も少し大きな作品がでんとあってもよかったような気はした。

まあニキや草間彌生の作品は遠目にも一目瞭然なのだけど、こういうのを不意に発見すると驚く。
岸壁に海景の写真が飾られているという案配。「え、まさかあれ?」となる瞬間のわくわくと苦笑。
 杉本博司「タイム・エクスポーズド」1991

ジェニファー・バートレット「黄色と黒のボート」
これも作品。砂に埋まった船を海辺に置いた大竹伸朗の作品もあった。
こうなってくると、至近でも作品か否かの判断に悩む。 
ただのひび割れた石の塊も作品に見えてきたりして
だんだん、アートのオブセッションに憑かれた懐疑的な探偵みたいな気分に(笑)
まあ、台座に置かれた作品をありがたく拝むだけじゃない能動的なアート体験という意味で
実に愉快なのだけど。


これは直島屈指のパワースポットなるポイントに設置された作品。確かに気が澄んでいた。
ここを見下ろすように、ミモザが大満開だった。中央は漢方薬入りジャグジーとか。
あいにく蓋が閉まっていたが。配された中国の奇岩はどれも何か生きものの形に見えて仕方がない。
蔡國強「文化大混浴」1998

夕刻にはホテル一体型のベネッセハウスアートミュージアムへ。
ここも安藤建築と作品の対話(或いは闘い)の妙が見もの。セレクションも総花的な現代アートではなく、
かなり先鋭的に厳選されている。屋外作品などと連動した関連作もあり、なかなか深い。
ブルース・ナウマン「100回生きて死ね」
暗闇にネオンが点滅するこの作品を観て、ちょっと『気狂いピエロ』のオープニングを思い出した。

安藤建築にも雑草が生えちゃってるねー、湿っぽいのかなー?とか言っていたら、
これも作品だった(笑)。なんと木彫り。なんだか好きだな、これ。
須田悦弘「雑草」

アートミュージアムのテラスからちょうどサンセットが臨めた。
夜はベネッセハウスのレストランで仏料理。ボリューミーだったけど美味!
これにて直島1日目は無事終了。



翌朝は船で犬島へ渡って「犬島アートプロジェクト」に(これは次回「犬島編」にまとめて書きます)。
午後は再び直島に戻って、「家プロジェクト」巡り。家プロジェクトとは、300年以上前から続く
直島・本村地区の集落にある高齢・過疎化で増えた空き家を活用したアートの試み。
例えば、元歯科医院の家も大竹伸朗の手にかかるとこんなキッチュに。室内にはロードサイドの
ビデオ屋のサインだったという巨大な自由の女神像が2階までぶち抜きで居たりする。
大竹伸朗「はいしゃ」

島の氏神様でもある護王神社もアートの手に。ここから振り向くと、瀬戸内海の海景色が
目に飛び込んでくる。地下の石室から地上へは、氷みたいな硝子の階段が伸びており、
作者の意図や解釈はいろいろあるようだけど、神がかりなアンタッチャブル感がいとをかし。
家プロジェクトは係のボランティアスタッフに声をかけると資料にないネタも訊けたりして面白い。
杉本博司「アプロプリエイト・プロポーション」

夕刻近くになって、猫の姿がちらほら増えてきた。うれしい限り。
この辺に多い焼杉板を背景に、けもけもの黒猫が「にゃおう」と見送ってくれた。にゃおう。


帰り際、海辺を歩くりゅうちゃん&はーちゃん。いいコンビです。
見た目は大学の先生というより、むしろ学生に近いんだけど。


夜は直島から岡山に戻り、ふたりの御用達レストランで中華薬膳を賞味。謎めいた未体験食材が
満載の薬膳スープを食べたら身体が熱くなって疲れが一気に解消。なんて感動的な医食同源体験!
(次回は「犬島編」なり)
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

春トリップ1 玉島編

2009-04-03 05:36:39 | Travel 国内外猫の目紀行
ハワイ島の溶岩にも似た広大な黒い迷路。これは瀬戸内にある夕暮れの玉島ハーバーランド。

先週末からちょっと西へトリップ。倉敷から直島、犬島、京都あたりをディープに。
長くなりそうなので何回かに分けて更新します。まずは、倉敷郊外の玉島から――


3月27日、弟のりゅうちゃん&はーちゃん夫妻が赴任している倉敷へ。
以前、母と大原美術館周辺の倉敷美観地区は十二分に堪能したのでスルーし、
今回は倉敷郊外にある玉島へ。ここは江戸時代から繁栄しつつ、1980年代末にはすっかり寂れ、
そのままそこだけ時計がフリーズしてしまったように残っている町。

とはいえ、その朽ち方には奇妙にそそられるものがあり。。
1960~70年代には大勢の買い物客で賑わったというアーケード街の入口には、
すべてを暗示するように浮かび上がる色褪せた「思ひ出」。


マックとかドトールとかスタバとかグローバルチェーン系の看板も一切なく、
閑散たるシャッター通りと化したアーケードを、猫が悠々と横切っていく。
たまに開いている店があっても、置いてあるものは相当年季が入っており、
かつては繁盛したらしい映画館跡も、つわものどもが夢のあと。


右を向いても左を向いても、あらゆるものが見事なまでに終わっている。

<町民ではなく、りゅうちゃん


所々にある街角コピーもナイス。隅々まで、昭和のドラマのロケセットみたい。


北前舟で賑わったという問屋街には、黒い板塀やなまこ壁の土蔵、老舗の造り酒屋などが並び、
これまたロケセットのような風情。土蔵の影からひょいと日傘の若尾文子とか現れたりしそうな。


これは「三丁目の夕日」のロケにも使われたという運河の側にあった港排水機場。
錆び朽ちた扉は、さながらヨゼフ・ボイスの作品の如し。


帰りに、瀬戸内海を埋め立てて作ったという玉島ハーバーランドへ。
遠くに臨めるのは水島コンビナート。なんだか、ヴェンダースの「パリ・テキサス」とか
ミケランジェロ・アントニオーニの「赤い砂漠」を彷彿する茫洋たる風景。。


かと思えば、タルコフスキー映画の世界のようでもあり。。


埋立地なので、方々に貝殻がみっしり。


膨大な埋立地にうねり吹きまく海風の冷たさにぶるぶるたそがれる私。。
それにしても、倉敷に居ながら、このマニアックな訪問地の選択はいったい…(笑)


この日の夜は、はーちゃん手製の絶品サムゲタンなど美味な手料理の数々を堪能し、久々に早寝。
そして翌朝には瀬戸大橋を渡って香川へびゅーん。イサム ノグチ庭園美術館から直島へ――(続く)


goo | コメント ( 2 ) | トラックバック ( 0 )