docomoの端末をMVNOで運用する際にかかる制限として
- テザリング時に専用のAPNに接続先を変更するため、テザリング利用が不可能
- A-GPSの接続先がdocomoのものに設定されているため、MVNO契約時にはこの接続先が使えずGPSのつかみに時間がかかる
というものがあります。
このうちテザリングについてXPERIAに関しては現在の6.0 FWにアップグレードされた国内docomo版XPERIA Z4/Z5シリーズも含め、非root環境でも設定ファイルにパッチを行うことでMVNO契約時でも利用できるようにすることができるのですが、A-GPSの問題に関してはrootをとって設定ファイルを書き換える(4.4以前だとグローバル版のFWから持ってきたドライバ関連の書き換えも必須とのこと)必要が出てきて非常に面倒だったりします。
ただしこちらのサイトで「端末にdocomo ID(=現dアカウント)を設定するとA-GPSが利用できるようになる(んじゃないか)」という情報があり、実際に設定したところ確かにA-GPSが利用できているような感じでGPSのつかみが改善された感はあります。確実なのはrootをとって接続先をグローバル版XPERIAと同じ設定かGoogleのものに変更することでしょうが、rootをとれない端末やrootをとりたくない端末の場合は効果があるかもしれません。ちなみにdアカウント自体はdocomo契約時よりできることが大幅に制限されますがdocomoユーザー以外でも取得可能で、ID設定すればA-GPSのつかみが改善されます。
dアカウント自体はもともとこのIDを使ってるサービスである「ショップらっと」を利用していたこともあり、ほとんどのdocomoサービスをadbを使って完全無効化していた中唯一有効にしていたのですが、このサービスが7月に終了となり、それ以降docomoの設定メニューを再有効にしないとID設定アプリを呼び出せないためドコモサービス関連の項目”のみ”再有効化することにしました。
ただし設定メニューにある「ドコモサービス/クラウド」というメニュー項目と「ドコモサービス」自体別アプリ扱いになっており、メニュー項目を有効にしないとドコモサービスを利用するアプリを入れないとID設定に一切アクセスできず非常に不便ですのでどの項目を再有効にすべきか覚書としてメモしておきたいと思います。A-GPS対策でdアカウントを設定する場合、以下の項目のみ有効のまま(or再有効化)にしておいてください。
- ドコモサービス(ドコモのサービス設定メニュー本体。これを有効にしないと後述の設定メニュー項目を有効化してもアクセスできません)
com.nttdocomo.android.docomoset - 「設定」メニュー内の「ドコモのサービス/クラウド」メニュー項目(上記ドコモサービスとこれを有効にしないとdアカウントを利用するアプリをインストールしない限りdocomo ID設定にアクセスできません)
com.sonyericsson.docomo.settings - docomo ID設定(docomo IDの設定アプリケーション本体)
com.nttdocomo.android.idmanager - ドコモアカウント認証(認証サービス?一応念のため再有効)
com.nttdocomo.android.accountauthenticator
これで設定からdアカウントの設定を行うことができるようになります。ドコモアカウント認証のほうはdアカウントとは違うもののような気もするのですがググってもあまり情報が出てこないうえにパッケージ名を見た感じだと認証時に使ってる可能性もあるので念のため再有効にしておきましたが、ショップらっと経由でdアカウントを設定した際はこのサービスを無効にしたままでもA-GPSのつかみの改善は見られたので有効にしなくてもいいかもしれません。
dアカウントを設定することによるA-GPSのつかみ改善についてはいまいちよくわからない部分や挙動も多く、すべてのdocomo端末でMVNO回線利用時のA-GPS利用時のつかみが改善されるかどうかもいまいち不明ですが、少なくとも手持ちのZ3cに関しては改善が見られたのでとりあえずdアカウントを取得して設定しておいても損はなさそうです。