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小説『倒産続きの彼女』

2023年01月31日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

「このミステリーがすごい!大賞」を受章した
「元彼の遺言状」の剣持麗子シリーズ第2弾

といっても、今回はその1年後輩の美馬玉子(みま・たまこ)、28歳が主人公。
剣持麗子に苦手意識を持ちながら、コンビを組まれれてしまう。
玉子は80歳を越えるシマばあちゃんの世話をしながら、
猛烈に弁護士業務をこなしている。
彼氏はおらず、時々開催される合コンに出かけては、
「なんだ、女弁護士か」
と侮蔑の言葉を投げかけられている。

今担当している案件の一つに
倒産の危機に瀕している
老舗のアパレル会社・ゴーラム商会の救済がある。
そのゴーラム商会からの内部告発で、
経理部社員の近藤まりあという女性が
転職するたびに、会社をつぶしている
というメールが届く。

調べてみると、
確かに過去就職していた3社が、
近藤の在籍時に倒産している。
それで2、3年ごとに転職して、
今いるゴーラム商会も倒産間近になっている。
しかも、近藤がアップしているSNSの写真は、
分不相応の高価なバッグを所有し、
生活ぶりも派手だ。
近藤の給料では、そんな生活は出来ないはず。

そのうち、ゴーラム商会倒産の原因である
ランダール社との契約不備が、
何らかの策略で、
事前の契約案文と実際の契約書と違っていたことが分かる。
しかし、経理部社員である近藤が関与した形跡はない。

剣持と玉子はゴーラム商会で近藤と面談するが、
その並びの会議室で、
総務社員の只野愛子が死亡する。
首元を切られて
使用された刃物には、只野の指紋しか残されていない。

その上、先輩弁護士の川村が、
事務所で背中をナイフで刺される。

謎を解明するために、
剣持と玉子は、
過去の3社の関係者に接触し、
調査を進めるが、
倒産した会社の社員を
テトラ貴金属という会社が
毎回引き受けていることも分かる。
しかも、シマばあちゃんの結婚予定の相手が
テトラ貴金属の元社長だという偶然も起こる・・・

という話に、
所長の津々井や同僚の哀田弁護士の動きがからむ。

なぜ近藤まりあは転職を繰り返し、
その都度、倒産させているのか。
その背後に、ある組織が関わっている事実が判明し・・・

とにかく話がすいすい進むので、
心地よく読み進めることができる。
が、真相の解明は、
やっぱり、???が付く内容。
要するに、軽い。

作者の新川帆立は、弁護士(作家業のため休職中)
周辺にいくらでも題材が転がっているに違いない。

 



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