空飛ぶ自由人・2

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映画『渇きと偽り』

2022年10月07日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

長篇第一作にして
英国推理作家協会賞ゴールド・ダガーを受賞した、
推理作家ジェイン・ハーパーのミステリーを映画化し、
オーストラリアで大ヒットしたクライムサスペンス。

メルボルンの連邦警察官として働くアーロン・フォークは、
親友ルークの葬儀に参列するため、
20年ぶりに生まれ育った町・キエワラに帰郷した。
ルークは妻と息子を惨殺した後、
自殺したとされている。
赤子の命は奪われなかった。
アーロンは、ルークの両親にせがまれ、事件の真相を調べることになり、
新任の警察官と共に捜査にあたり、
滞在日数はどんどん延びていく。

アーロンには、故郷に対する屈折した思いがある。
20年前、17歳の時、
同級生の女の子エリーが川で溺れ死に、
川に誘ったアーロンの手紙が発見されたことから、
殺人犯と疑われ、
父親と共に故郷を離れた過去があったのだ。

ルークの心中事件を捜査しながら、

20年前の事件が重なり、
その真相があぶり出されて来る。

一方、ルークの一家心中事件には、
不審なところが沢山あり・・・

という、よくある展開、
というより、王道の展開

現在と過去が交錯するのだが、
その過去が、苦い青春の記憶としてアーロンの心を責める。
アーロンの中でエリーの死は、まだ終わっていないのだ。
それも、あの時した嘘( 偽り) が原因だった。

そのアーロンの悩みと、
青春時代の追憶のさじ加減がちょうど良い。

舞台となったビクトリア州の内陸にある架空の町キエワラは、
1年近く雨が降らず、10年も続く干ばつにあえいでいる。
田舎町の閉鎖性、温暖化・旱魃による農業の衰退など、
荒涼とした景色と灼熱の町の雰囲気が物語を彩る、
重厚なミステリー& サスペンスとなった。
原題は「The Dry」。

アーロンを演ずるのは、
オーストラリア人俳優のエリック・バナ


原作にほれ込み、プロデューサーも務め、
13年ぶりに母国の映画に主演した。
見応えのある一篇。

ケチをつけるようで恐縮だが、
撃たれる前にあんなに石で殴られていたら
検死では、自殺とはされないのではないか。

エンディングに流れる「Under the Milkyway」(天の川の下で)が耳に残る。

続編が製作中だという。

監督はロバート・コノリー

5段階評価の「4」

新宿シネマカリテで上映中。

 



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