空飛ぶ自由人・2

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映画『RRR アール・アール・アール』

2022年10月28日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]


                                       
「バーフバリ」シリーズのS・S・ラージャマウリ監督の新作、
と聞けば、観ざるをえない。

1920年、英国植民地時代のインド。
肌に絵を描く技術を持つ少女の才能を見込んだ
英国の総督が無理やり少女を連れ去ってしまう。
村人の要請を受けて少女を救うため立ち上がったビーム。
デリーに出かけ、少女の行方を探るが、なかなか見つからない。

もう一人の主人公は、
英国政府の警官となったラーマ。
活動家の救済を求める住民との闘いで活躍したラーマは、
村が放った奪回者ビームの捜索に抜擢され、出世をかける。
実は、ラーマには秘められた思いがあり、
警察での出世を望むのは、
その計画ゆえのものだった。

その宿敵ともいえる二人が
一人の少年の命を救うために力を合わせ、
無二の親友になる。
お互いが追う者、追われる者であるとも知らずに。

しかし、ある時、ビームの正体がばれ、
ラーマは友情と使命の狭間で苦しむことになる・・・

「バーフバリ」が架空の王国の話だったのに対して、
本作は100年前、英国が植民地支配するインド。
イギリス人たちは徹頭徹尾悪辣非道な悪人として描かれ、
これは反英映画だといえる。
イギリスでは上映されるのだろうか。
インド系のスナク氏がイギリス首相に就任したのは、
微妙な適合。

見どころと期待は、そのスーパー・アクション
見たことのないような場面が次々と繰り広げられる。
たった一人で群衆の中に飛び込み、闘う姿。


炎に包まれる少年を助けるために、
宙づりになり、空中で手を取り合う二人。


少女を救うために、屋敷に動物たちを放ち、
そのさなか、少女を連れ出そうとする計画。

死刑執行の間際、縄を解き、警察官たちを次々と倒していく。
冷血の総督夫妻の立てこもる豪邸に
馬とバイクで向かい、最後の闘いを挑む二人。


そして、拷問に耐えながら、
決して敵に屈することのないビームの歌う歌。
ケレン味たっぷりの描写が胸をゆさぶる。


音楽がそれを助ける。
インド映画ほど音楽での盛り上がりに長けている国を知らない。
アクションだけでなく、
男の友情と祖国愛が背景を貫き、
植民地支配からインドを解放するための闘いが胸を焦がす。
血湧き肉躍る、とはこのことだ。
映画は、こうでなくっちゃ

ビームを演ずるN・T・ラーマ・ラオ・Jr. 
ラーマを演ずるラーム・チャランは
二人とも知らない俳優だが、

その肉体美、面構え、苦悶の演技が素晴らしい。
二人のためにダンスシーンが用意されており、
早送りではないかと疑念を持つほど
キレッキレなダンスを披露する。


そのダンスシーンは違和感なく必然として挿入されており、
物語を歌でつなぐ手法はいつものとおり。

3時間の大作で、
インドでは休憩が入るが、
日本では通して上映。

タイトルの「RRR」は、
「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」
の頭文字を取ったもの。

5点満点の「4」


新宿ピカデリー他で上映中。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
快作  (もののはじめのiina)
2022-11-01 08:58:11
滅茶苦茶に面白かったですね。アッという間の3時間でした
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