月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space  不能エリア

2009-12-05 22:39:52 | 



      猫でなければ
      大型の亀のような
      なにかがそばにいて
      たしかにこちらを見るのだ
      刺すような光を見せたり
      遠いのどかな奥地の
      水のきらめきを思わせたりする
      邪魔ならば追いたてる
      見えないところに
      サラバ
      食べるもの
      あとで差し上げるから
      などと良心胸底に見せてから
      首の向きを変え
      出掛ける
      あまりに明るすぎて
      盲目状態になる
      不能
      と名づけられた
      マーケットエリア
      ならば
      倍の明るさで
      呑み込んでしまえとばかりに
      できるものなら
      画策したいものだが
      見ればあちらで
      天空へと向かう
      太い樹木のような
      水晶柱が
      ガツン
      ガツン
      砕かれ打ち倒されそうな気配
      立ち止まる
      見上げる


                      from Six Poems No.8 2004
      
      


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