月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

旅人は戻らない

2010-07-20 05:31:13 | Weblog
No Traveller Returns
「旅人かえらず」
という西脇順三郎の詩集あり。
タイトルから、普通に連想されそうなあるイメージ。
その長篇詩の最後の二行。


      幻影の人は去る
      永劫の旅人は帰らず



地上、というわれわれが訪れる唯一の場所。
無二。
ここでの体験の語り方。
そのようなことに思いを馳せて、No Traveller Returnsの詩の言葉なども、思う。
彼に与えられたような優れた能力が、可能にしてくれること。
更に更に別の、別の人々の、別方向、別領域の言葉のことなどを、思う。
すべてここでの体験の中に含むものとして。
発したそのひとびと、当人にとってのね。


それらに触れて、自身が最も好ましいと感じるのは、どのあたりの言葉か。
そのようなことを、考えたりなどする。
共感覚える言葉ある辺り。
彼の豊かさもね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある人物のここのところの印象

2010-07-14 23:17:26 | 日記・雑感
昔親しかったある人の顔に、良く似ていると思うことが、これまで幾度となく。
同系、ということなんでしょう。たまたまながらか、出身県も同じ。
親しかったというその人は、医学部の教授。
だから、同じに理系ということになる。
ということでもあって、何というのかな。ともかく、彼を見ると昔、知ったその人の顔とダブる。ただ、性格的には、違うようでありますがね。私の知った人は、気が短いというようなこともなく、常に冷静、温厚な人でありましたから。

そうしたことはともかく、これまで私は、現在この国のトップになっているそのK氏に対して、印象として良いものを持ち続けてきたと思いますね。一貫して、変えられることのないある印象の悪くないイメージ。
ところが、何故であるのか。トップになってから、これまでついぞ見たことのないようなものを、その表情に感じるようになりました。時に作る過剰とも感じさせる、笑顔。それが、非常に気になるもの。本来の彼の内にあるものに、反している何かしらを感じさせる。
以前の彼の、良い部分を崩している。そうした変化。と言っても良いか。
そうした変化によって、彼が放棄しているように思える、その人本来のの持つ、魅力。存在感。

自然体を失っているという憾。その作り過ぎている笑顔に、如実に私には、感じられてしまう。と同時に、それはそもそもがその器を持たないからではないのか、という印象にも繋がる。別の人を演じようとしている人。そして、それには不向き、というような弱さを感じさせる。国のトップ、というような役どころには向かないのではないか。別の位置では、以前私が感じていたような印象を、持てたに違いないように思えてしまうのですねえ。
勝手な印象、感想ながら、それが目下のところの、率直な眺め。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「荒城」/夜の光る眼

2010-07-09 22:42:03 | 日記・雑感
運動公園。
夜の8時。
坂のコースを上がりながら、口笛を吹く。
二音。
ヒ―、ホー。
上がりながら、ちょっと間をおいて繰り返す。
この頃は、懐中電灯を持つことにしている。
照明灯の立っているところは、辺りが見えるけれども、通っている辺りは先まで行かないと薄暗いまま。
口笛を吹くのは、野良猫のジュニアを呼ぶため。
坂脇下の広場にいれば、こちらに上がってくる。
待っていたように坂下にいることもある。その場合には、そのまま後をついてくる。
行く先は、坂コースの中途、左に入って階段を上がった先。石垣のそば。
そこを、私は「荒城」と名づけている。
「荒城の月」からのものですよ。夜のその石垣のある辺りの感じに、なんということなくそのイメージ抱かせるもの、感じたことがあって。
私は、ウォーキングのためにやってきているのだが、先ずはジュニアに会ってからというところで、その坂のコースを最初に通る。
時にジュニアの現われないこともある。例えば、その前日。現われなければ、そのままに先に進んでいくだけのことなのだが、気にはなる。
「荒城」の下辺りまで行ったところで、振り向いて見る。薄暗い。ジュニアはトラ毛だから、そうでなくても暗がりの中では見にくい。いるとすれば、その中で動く気配でそれとなく分かるというところ。だが、その感はない。前日に続いて、現われないようだな? 思いつつ、口笛。懐中電灯を坂の下方に向けてみる。姿はない。
ところが、もう一度照らしてみると、50メートル位下方、坂の下辺り道の左サイドに小さく光るものがある。何だろう、と思わせる光。二つ並ぶ。
ジュニア。と思う。でも、薄暗く遠すぎて確認ができる感じではない。
また、口笛を、吹く。
反射で、その二つの光るものが、少しずつこちらに向かう。その移動で、ジュニアと確認して良さそうに思えた。
他に、そんな動きを見せる者は、辺りにいない。
懐中電灯の光を反射したジュニアの眼。
良い発見だった。
待っているこちらの、そばにやってきたジュニア。道から石垣に飛び上がり、その上を伝って、階段上方側へと行く。いつもの、パターン。上の石垣の同じ位置に、私はキャットフードを置く。
ジュニアは、食べ始める。
私は階段を下りて、「荒城」を後にコースに戻り、ウォーキングをつづける。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする