以前から、キッチンのすぐ外に容器を置いて、ドライのキャットフードを入れておくのが習慣になっている。自身の住まいにネコはいない。別のペットがいる。
この前までは、いつも近辺で見かけていた白黒のネコが、ワタシの処に来る中心だった。時にトラ毛の、首に鈴をつけた家ネコらしきのだとか、他にも稀に食べに寄るネコもみかけることもあったが、ともかく中心は、その白黒。
それが10日ほど前に別の体の大きな白黒のネコが現われ、どうも辺りを縄張りにしてしまった模様。前の白黒も見かけなくなった。キッチン外の草叢向こう、ブロック塀手前に置き去りになっていた袋の上を居場所にして、そこで眠ったりなどしている。姿の見えないこともあるが、またそこに戻ってくる。戸を開く。相手は外で生きてきたちょっとキツイ目で、こちらを見る。姿を見ると餌をやりたくなる。ドライのものだけではなく、缶詰、あるいは他にも食べそうなものがあるとあげる。
体の大きな、明らかに雄猫。眼が鋭い。人には慣れていない。そうした姿を見ていると、これまでどんなところでどのように生きてきたのかと、思ったりなどする。その大きさを見ると、誰かに餌など与えられなくても、これまでも生きてきたし、これからも全然、問題なく生きていくだろうことが分かる。でも今、そこに居場所を定めて、食べるものを見つける必要のないような状態。すぐに平らげてしまう食欲。彼にとって、今の時間はこれまでの生活からすると、どういうものとなるのか、興味がある。恵まれている状態と言えるのか。ともかく、他のネコは近づけないようだし、近づこうとすれば、彼は排除するだろう。そんなネコ同士の鳴き声を、きいたこともある。