月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space  象

2008-11-24 22:12:25 | 

      掠りもしなければ    
      唸りもしない
      あの景色
      気配がないので
      象
      頭振る
      見たい見たいと
      空高くまで跳ね上がる
      歩きに
      歩いたところで
      ただ重たい頭
      はこんでいるだけだと
      険悪になる
      踊るのもいい
      声駆けさせるのもいい
      象など止して
      黒猫に変身
      でなければ金の眼の虎
      鷹もある
      蛇もある
      問われれば
      いやだいやだ
      あれが消えれば
      これはこれでなくなるもの
      これはこれでなければ
      空も空でなくなる
      強硬に
      尻
      また
      揺らす

                       from Six Poems No.10 2005   

詩-Space  遠隔

2008-11-16 23:23:14 | 

                            一万キロ
                かなたの
       海
       空色の
       小石が
       ひとつ
       ただひとつ
       ダンス
       ダンス
       どこまでも
       いつまでも
       スルリ
       スル
       スル
       空間のような
       海中を
       どこまでも
       いつまでも
       舐め
       伝うように
       シュル
               シュル
                       シュル

                               シュル
       どこまでも
       いつまでも
       シュル
               シュル
                       シュル
                               シュル
       旅する
       様を追う
       日


                     from Six Poems No.3 2001     
 
       

詩-Space  夢の木

2008-11-08 23:02:38 | 
      その
      かたち
      いただきます
      そのかたち
      いただきました
      その
      なんだか
      その
      なんだか
      その
      うんと外れた
      なんだか
      きわどく
      思いもかけず
      夢に描いた
      地を
      旅できたような
                     なんだか
              なんだか
      なんだかの
      そのかたち
      その味
      その図柄
      その冒険
      その放埒
      パレットを手に
      なんだか
      なんだかの
      粘つき 
      歯ごたえ加わる
      揺曳


                     from Six Poems No.3 2001