月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space  宝

2010-10-03 22:16:07 | 


         あちらには
         どのような景色が
           あたりにあるのか
         なにをなにを
         頭のへりに置いているのか
         そんなところにゃ
         なんにも置いてない
         そうであろうとなかろうと
         そちらを向いているので
         景色の中で
         なにを見ているのか
         一足す一の数みたいに
           分かるところもあると
         言わせてもらいたい
         それはむにゃむにゃの中
         むにゃむにゃの中
         言葉ではきこえない
         霞のなか
         ではありながら
         紛れもなく
         あのかたちそのものと
           見える見える
         あたりのことなんだが
         はこばれている
         その意味あり霞に
         はこばれている日々の
         空気の変化に
         気づかぬわけはない
         日が過ぎ日が過ぎながら
         どこかで弾けては割れ
           弾けては割れながら
         生みだされてひろがる
         もののようである
         誰かがいろを塗る
         それに震える声を合わせる
         秘密の宝をかかえる
         空に達する
           空間のような宝

                      from Six Poems No.1 2000
コメント
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