地上を旅する教会

私たちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。
でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

父を礼拝する時【新指導者決まるウクライナ正教会 / 追加制裁の恐れあっても人道支援】

2014-09-09 13:15:25 | 今日の御言葉


わたしどもの先祖は
この山で礼拝しましたが、
あなたがたは、礼拝すべき場所は
エルサレムにあると言っています。

イエスは言われた。
「婦人よ、わたしを信じなさい。
あなたがたが、
この山でもエルサレムでもない所で、
父を礼拝する時が来る。 」

「ヨハネによる福音書」/ 4章 20、21節
新約聖書 新共同訳



富は、精神的なものであれ、
物的なものであれ、
正しく用いられないなら、
息苦しさを与えます。

マザーテレサ
(マザーテレサ『日々のことば』より)




オヌフリー府主教

★ウクライナ正教会:新指導者決まる -

◆毎日新聞 2014年8月14日



【モスクワ田中洋之】ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)は13日、先月5日に死去したウラジーミル府主教に代わる新たな指導者としてオヌフリー府主教を選出した。オヌフリー府主教はウクライナ西部出身。選出後の祈祷(きとう)では、「(ウクライナ東部での)流血の惨事が終わり、平和が訪れることを心から望む」と述べた。同正教会を管轄するロシア正教会指導者のキリル総主教は13日、オヌフリー府主教選出を承認し、祝福した。

一方、独立系のウクライナ正教会(キエフ総主教庁系)は、オヌフリー府主教が「ロシア派」であり、分裂状態にある両組織を一つの独立教会にするための対話は期待できないとの見解を示した。

国民の7割が信者とされるウクライナ正教会は、ソ連時代から続くモスクワ総主教庁系と、ウクライナ独立後に分離したキエフ総主教庁系が対立しており、最近のロシア、ウクライナ間の緊張激化は両組織の確執を深める要因となっている。

(毎日新聞 2014年8月14日)


◆追加制裁の恐れあっても人道支援

★ロシアNOW2014年8月14日

http://m.jp.rbth.com/politics/2014/08/13/49661.html


アメリカ大統領とイタリア首相は、モスクワがウクライナ南東部の住民に人道支援を行うことを、ウクライナへの内政干渉と呼び、欧米からの新たな対ロシア経済制裁を示唆した。ロシアの専門家は、ロシアとアメリカが回帰不能点、これまでにない新たなレベルの対立に向けて、さらに勢いよく進んでいると考える。


▲マクシム・ブリノフ/ロシア通信

タス通信によると、ウクライナで食糧、薬、飲料水を供給するための人道支援車列は、トラック280台からなるという。人道支援物資はあわせて2000トン。モスクワ州政府によると、穀物400トン、砂糖100トン、離乳食62トン、救急器具・薬54トン、寝袋1万2000袋、発電機69台などだという。


ウクライナ情勢については、世界で異なる評価がなされている。ウクライナはテロリストとの戦いと呼び、ロシアと国際的な専門家の一部は内戦、人道危機と呼んでいる。国連はウクライナ南東部で起こっていることを人道危機とは正式に認めていない。ロシアが赤十字国際委員会とともに開始した一般市民に対する人道支援を、欧米は強く批判している。アメリカはロシアに対して次の制裁を行おうとしており、ヨーロッパの賛同者を探している。ロシアと欧米の関係における今後の政治的シナリオについて、またロシアの現在の動きが純粋な人道支援なのかについて、ロシアの専門家に意見を聞いた。

▼セルゲイ・カラガノフ氏、ロシア国立研究大学「高等経済学院」世界経済・世界政治学部長

アメリカでは、あきらめるべきではないと考えられている。ロシアも引き下がろうとはしていないようだ。ロシアとアメリカには次の対立に進むよりも、以前の関係に戻ってほしいと思っているが、次のレベルの対立の方が近そうだ。このような敵意は、冷戦時代ですら記憶していない。

アメリカは自国が強い分野すなわち経済分野で動くであろうし、ロシアは軍政分野で動くであろう。

▼アレクサンドル・コノヴァロフ氏、戦略評価研究所長

アメリカとヨーロッパは、人道支援物資を積んだ車列の目的について、異なる意見を持っている。ロシアは支援について、赤十字国際委員会、ウクライナ政府の了解を得たと言っているが、ウクライナ政府も赤十字国際委員会も今のところ、これを認めていない。

数百台の「カマズ」トラックの車列が進むと、アメリカとウクライナには、積まれているのが人道支援物資だけではないと懸念する理由ができる。アメリカは、ウクライナにトラックが無断で入国すれば侵略と見なされる、と警告している。また、トラックが空の状態で戻らない可能性もある。人民共和国の幹部をこっそり乗せて、ウクライナ南東部から運び出すかもしれない。それが起こったら、私は歓迎したい。情勢を不安定化させる者を全員運び出すことは、地域のためになるからだ。

▼セルゲイ・ミヘエフ氏、政治学者

アメリカとEUの立場には狂信的なところがある。分離独立派への支援ではなく、ウクライナ軍の攻撃によって死にそうになっている一般市民に人道支援を行うことに対して、ロシアに新たな制裁を科そうとしている。

制裁と、アメリカがヨーロッパにかけている圧力は、ロシアとヨーロッパの関係を破壊している。死にかかっている市民に薬を送ったことでロシアがEUから罰せられるというのは理不尽であり、またEUがアメリカに完全に依存していることを意味する。

ウクライナ南東部に武器を供給したいなら、わざわざ人道車列をつくる必要もない。

南東部の幹部を運び出すという話については、本当に必要であれば、何の問題もなく実行できると述べておこう。

ウクライナ軍は、独立を宣言している人民共和国の国境地域を再びコントロールしようと、大々的な戦いを組織したが、結果的に失敗した。ウクライナ国家安全保障会議のアンドレイ・パルビイ書記は、国境地域の再コントロール作戦を指揮したが、約3500人のウクライナ軍人が行方不明となったために、辞任を余儀なくされた。ウクライナは現在でも、国の多くの地域をコントロールできていない。したがって、わざわざ人道支援を装って幹部を運び出すという話には、塀の落書きレベルの信憑性しかない。作為のある情報、素人のブロガーとプロらしからぬマスメディアが今日、あまりにも幅をきかせすぎている。

▼ヴィクトル・リトフキン氏、軍事専門家

ロシアが深刻な経済的、政治的損失を被りながらも、現在ウクライナ軍の攻撃にさらされているウクライナ南東部の市民を助けようとすることは、人間として当たり前の行動。一般市民が多連装ロケットシステムで撃たれ、住居が壊され、きれいな水を飲むことができず、基本的な人間生活を送れないでいる。命を助け、人道支援を行うことは、人間の義務である。そのため、50万人とも70万人とも言われているウクライナ難民を、ロシアは受け入れているのである。紛争地帯に残っている人には、食べ物や薬を届けなくてはならない。これは人間の聖なる義務であり、できるなら実行する。

イリヤ・スラスチョノフ

(ロシアNOW 2014年8月14日)



▲ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会の
スヴィトスラフ首位大司教
(写真:ウクライナ宗教情報サービス)



★ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会と
ロシア正教会が互いを非難、
世界のキリスト教共同体や国際組織に支援・擁護求める : 国際 :

◆クリスチャントゥデイ2014年8月25日

http://www.christiantoday.co.jp/articles/13924/20140825/ukraine-greek-catholics-russian-orthodox-church.htm

ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会のスヴィトスラフ首位大司教は各国のカトリック司教協議会や政治指導者、及び善意ある全ての人々に対し、ウクライナの情勢とギリシャ・カトリックに対するロシア正教会の非難について述べた。ウクライナ宗教情報サービス(RISU)が22日に伝えた。

「ウクライナには世界のキリスト教共同体の効果的な支援と善意ある全ての人々による支援が必要です。メディアで宣伝が蔓延しているという文脈の中で、私たちはあなた方に情報を批判的に評価するよう求めます。私たちには、あなた方の祈り、あなた方の識別力、あなた方の良い言葉と効果的な行いが必要なのです。沈黙と怠惰はさらなる悲劇につながるでしょう」と、スヴィトスラフ首位大司教の書簡には書かれている。

「プロテスタントはロシア寄りのテロリスト集団によって標的とされ、もっともゆゆしい暴力に苦しんできました。福音教会『メタモルフォシス』のアレクサンダー・パヴレンコ牧師の2人の息子たちと、その教会の2人の執事であるヴィクトール・ブロダルスキーとヴラディミール・ヴェリチコは、そのテロリストたちによって教会の礼拝から連れ去られ、拷問を受け、そして殺されました。彼らの遺体はスロヴィアンスクの合同墓所から発見されました」と、スヴィトスラフ首位大司教はその書簡に記している。

「残念なことに、ウクライナ東部で包囲されたギリシャ及びローマ・ウクライナ・カトリック、キエフ総主教庁のウクライナ正教会、そしてプロテスタントは、ロシアの正教会指導層の誇張によってさらに危険にさらされており、それはロシアの政治当局やメディアの宣伝にますます似るようになってきています」と、スヴィトスラフ首位大司教は続けて述べている。

さらにスヴィトスラフ首位大司教は、「ロシア正教会の最高位でモスクワにおいて発行された最近の文書の中で、それもとりわけ各正教会総主教に宛てた書簡の中で、ギリシャ・カトリックとキエフ総主教庁のウクライナ正教は、失礼にも『東方帰一教会(ユニエイト)』とか『分派たち』と呼ばれ、名誉を毀損されています。彼らはウクライナ東部の軍事紛争について責任があるとされ、その戦闘、とりわけ軍事活動の結果続いている正教の聖職者や信徒に対する暴力を生み出しているとして非難されています。ロシア正教の指導者たちはギリシャ・カトリックや他の信仰告白について中傷的な情報を広げては、自らをロシア正教のための戦士とみなしている分離主義の武装勢力による危険にそれらをさらしているのです」と記した。

「私たちはこれらの主張や非難を強く拒否します。ウクライナ軍は教派的な存在として構成されているわけではありません。従って、さまざまな教派の従軍聖職者たちが反テロリスト作戦の地帯で奉仕しています。従軍聖職者たちは地元の宗教共同体の生活に干渉することを認められていません。ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会の従軍聖職者たちが他の諸教会や宗教団体の会員に対して暴力行為を犯したという非難は真実ではありません」と、スヴィトスラフ首位大司教は述べている。



▲ロシア正教会モスクワ総主教のキリル1世(写真:Presidential Press and Information Office)

一方、8月18日、ロシア正教会モスクワ及び全ロシアのキリル総主教聖下は国際連合と欧州委員会、及び欧州安保協力機構に書簡を送った。その中でキリル総主教は、「ウクライナ南東部において現在続いている武力紛争の状況の中で、ウクライナ正教会の聖職者や信徒の権利がひどく侵害されている数えきれない事実」について述べたという。19日にロシア正教会が公式サイトで伝えた。

ロシア正教会によると、「キリル総主教聖下は、ウクライナ南東部の敵対者たちによって引き起こされている現在の困難な状況を利用してウクライナの正統な正教を害するユニエイトや分派の試みをめぐるロシア正教会の憂慮をこれらの国際組織の高官に伝えた」という。

その書簡の中でキリル総主教は、「ウクライナにおける武力による内紛の被害者となってしまったウクライナ正教会の聖職者たち数人の悲劇的な死亡事件に言及するとともに、ウクライナ正教会の聖職者たちに対する暴力のけしからぬ事実に対して、またそれらの聖職者たちを迫害や脅しにあわせようとする現在続行中の試みに対して、それらの国際組織の指導者たちの注意を喚起している」という。

また、キリル総主教は「ウクライナ正教会の教会や修道院に深刻な物的被害が引き起こされてきており、それは何千人もの多くの難民にとって最後の避難所となってきたと説明している」という。

ロシア正教会によると、キリル総主教は「ウクライナ最大の宗教団体であるウクライナ正教会が直面している諸問題にこれら高位の国際組織が無関心のままでとどまらないようにという自身の希望を表明している。ウクライナ正教会は、いかなる政治的関与とも相容れることなく、現在のこの非常に困難な状況の中で牧会的配慮を何百万人ものその信徒たちに行い続けていると、ロシア正教会の総主教は述べた」という。そして、「キリル総主教は国際連合や欧州委員会、欧州安全保障協力機構に対し、自らの権威ある声を上げてウクライナ東部の正教のキリスト者たちを擁護するよう呼び掛けている」という。

(クリスチャントゥデイ2014年8月25日)


▲『物語ウクライナの歴史』黒川祐次 (写真)

最後のヨーロッパの大国

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