地上を旅する教会

私たちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。
でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

パンと石【教会でパン 安らぎの味 / ウクライナ正教会: トップの府主教死去 葬儀でも露と対立】

2014-07-11 20:33:09 | 今日の御言葉
photo 山梨フルーツレディー 2014.7.9



あなたがたのだれが、
パンを欲しがる自分の子供に、
石を与えるだろうか。

「マタイによる福音書」/ 07章 09節
新約聖書 新共同訳



お互いに、心の底から
愛し合っている人たちは、
この世でいちばん幸せ者です。

彼らは少ししか、いいえ、
まったく何も持っていないかも
しれません。

でも幸せなのです。

すべてのことは、
どのように愛し合うかに
かかっているのです。

マザーテレサ
(マザーテレサ『日々のことば』より)




★教会でパン 安らぎの味

トルコ 海外リポート リポーター発


◆中国新聞アルファ 2014年7月7日



人口の99%がイスラム教徒とされるトルコで、キリスト教徒が多く住む東部マルディン県のミディヤットを訪れた。彼らはスリヤーニと呼ばれ、キリストの誕生以前から住み続けているという。しかし、これまで多くの統治下に置かれたため、大多数は世界中に散らばった。現在、数百人しか残っていないという。

チェックインしたホテルの部屋から、丘の上に立つ三つの教会が見えた。お祈りの時間になると、鐘の音も聞こえる。トルコにはイスラム教徒が通う寺院(モスク)があちこちにあるが、教会を見掛けるのは珍しい。

日曜の朝、お祈りがあると聞いて教会を訪れた。多くの男女がリズムに合わせて何かを唱えている。時にはハモっているようにも聞こえる。人が守るべき規律や道徳などを、曲に合わせて唱えているらしい。

お祈りが終わると、1人ずつ壇上に上がり聖書にキスをして教会を後にする。出口では小さなパンを載せた皿を持った男の子が立っていて、参加者がパンのかけらをつまんで口に入れている。

このパンを作るのは神父で、「十字」の模様を12個かたどった木型を生地に当ててから焼き上げる。これはキリストの12人の使徒にちなんだもの。宗教上重要な数字が、食べ物に反映され、生活に密着しているのだ。

お祈りは神と近づく時間。神にささげた食べ物はその後で口にする。わずかなやりとりだが、人はその瞬間、神の存在を感じることで安心して生きているのかもしれない。

私の古里でも、神社の祭りで、米や餅、お神酒をもらうことがある。尊敬や感謝をしながら食べ物を口にすることで、心を落ち着かせたり、自分を戒めたりする。場所は違うが似た行為だと感じた。

ミディヤットには歴史上、多くの人種や民族が入り込んだ。スリヤーニは、少数派となった今も誇りを持って住み続けている。血縁を重視するため、他の地域へ女性を嫁がせず、受け入れもしないという。

お年寄りからそんな話を聞いている途中、子どもたちが教会の外で無邪気に遊んでいるのが見えた。わずかな時間だったが、スリヤーニが団結して生きていることを強く感じるひとときだった。

(岡崎伸也=コンヤ在住)

http://www.chugoku-np.co.jp/reporter/article/article.php?comment_id=2149&comment_sub_id=0&category_id=393&pl=4588880869



★ウクライナ正教会:
トップの府主教死去 葬儀でも露と対立

◆毎日新聞 2014年7月8日



▲ウラジーミル府主教の葬儀でひつぎを
担ぐ司祭ら=キエフで7日、AP


【モスクワ田中洋之】

ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系のトップ、ウラジーミル府主教(本名=ビクトル・サボダン氏)が5日、首都キエフで病気のため死去した。78歳だった。府主教の葬儀が7日にキエフで行われたが、ウクライナとロシアの対立を反映し、ロシア正教会トップのキリル総主教は参列を見送った。

国民の約7割が信者とされるウクライナ正教会には、ロシア正教会と密接な関係にあるモスクワ総主教庁系と、ソ連からの独立後に設立されたキエフ総主教庁系、さらに独立正教会の3組織がある。

ウラジーミル府主教は1992年の就任後、新生ウクライナで正教会の発展に尽力。葬儀には本来であれば、キリル総主教が参列してしかるべきだった。

しかし、ウクライナではロシアのクリミア編入などで対露感情が悪化しており、ロシア正教会は「ウクライナ過激勢力の挑発を避けるため」として総主教のキエフ訪問を断念。代わりに渉外担当責任者のイラリオン府主教を派遣した。イラリオン府主教は今年5月、ウクライナ東部の空港で入国を拒否されたが、今回は認められた。

一方、キエフ総主教庁系のフィラレート総主教は6日の会見で、モスクワ総主教庁系がロシア正教会の影響下から脱すべきだとの考えを示した。

(毎日新聞 2014年7月8日)



▲『国難の正体』馬渕睦夫 (写真)