敢えて日本GPではなく鈴鹿GPと書くこの気持ち。
皆さんこんにちは。16万1000人の一人として鈴鹿に行って来た虹川です。
個人として、通算5回目の鈴鹿。7日の予選と8日の決勝を観戦して来た訳ですが、予選の時から明らかに例年より人が多かったです。決勝並みの込み具合。
毎年のことで、F1の大観衆をさばき慣れているはずの伊勢鉄道の職員さんが「今年はかつてないくらいの混雑」と言っているのを聞いて正直、「明日はどうなるんだろう」と恐れおののいた、そんな土曜日でした。
そして向かえた日曜。「チャレンジングなコース」「ドライバーズサーキット」として愛され、親しまれた鈴鹿へ賭けるドライバーたちと同様、観客もほとんど戦う気持ちで鈴鹿へ向かいます。決死です。マジで。
以前の観戦ポイントだった第二コーナー付近が今年はスタンド席になっていたため、今年はS字付近で観戦。足下のすぐそこを通って行くF1マシンと、秋晴れのひんやりした空気を切り裂くエキゾーストノート。ああ、鈴鹿に来たんだなあ……と幸せな気持ちになりました。
会場のアナウンスに合わせて観客みんなが拍手や歓声で答える。チャンピオンシップの主役であり、今年でF1を去るシューマッハにはもちろん、琢磨や左近にも大きな声援が送られていました。それにフェラーリと並んで、ホンダやスーパーアグリの応援グッズを身につけたお客さんの姿がとても目立ちました。みんななんだかんだ言って日本人ドライバーを愛してるんですね。
そして何よりみんな鈴鹿が好きで、だからこそ一旦は区切りを付ける20年目の鈴鹿を見届けたくてここに来た、少なくとも私はそのために来たんだ、と思うとちょっとウルウル来てしまいました。ミカが優勝してタイトルを決めた98年と99年の鈴鹿、破れはしたけれど名勝負を見せてくれた2000年の鈴鹿。私の中で、いつでもここは美しい思い出と共にあります。
決勝レース前のメモリアルランでは、ベルガーの駆るマクラーレンホンダ・亜久里さんの駆るランボルギーニ・そしてイワン・カペリのレイトンハウスが登場。カペリ&レイトンハウスは知名度は低いですが、F1を見始めた頃の原風景のひとつに「プロストの駆るフェラーリを押さえてトップ走行するカペリのレイトンハウス」がある私にとってはすごくうれしかったです。鮮やかなレイトンブルーも好きでした。
そんな今年の鈴鹿GP。
鈴鹿ラストラン、そして直前の上海で一躍トップと並んだシューマッハがここで王座を手にして去るのが最も美しいシナリオだったかも知れません。シューマッハのファンも(そしてアンチも心のどこかで)それを望んでいたはず。
しかし結果として、終わってみれば彼の最大のハイライトは予選で叩き出した脅威のコースレコードだったということになりました(Q3スタート前の睨み合いとその後の競り合いもすごかったですが)。
一方、最近結果が発表されたアンケートで現役チャンピオンなのに世界的に人気がないことが露呈し、レース前には「僕は孤独だ」とか愚痴っていたアロンソが、終わってみれば逆転で王手をかけ、俄然有利に。これだからF1は分かりません。勝利をほぼ手中にしながら、37周目でエンジンが止まったシューマッハ。やっぱり日頃の行いのせいか?と思ったのは私だけでしょうか。
「(次戦ブラジルGPについて)ライバルがリタイアすることを望んでレースに向かいたくない」この言葉だけを聞くと立派だけど、94年のオーストラリアGPや97年のヨーロッパGPで彼がやったことを考えると、なんだか悪い冗談みたいな気がして来ます。ファンや本人はなかったことにしたいのかも知れないけど。
バトンがもうひとつ順位を上げて表彰台に乗れば盛り上がっただろうけど、予選の状態、それにトヨタ勢を押さえてホンダの面子を保ったことを考えればよく頑張ってくれたと思います。
それに琢磨も左近も、与えられた状況の中ではめいっぱいの結果を出してくれてたと思います。
フィジコ表彰台おめでとう。
シューマッハが最後に残した1分28秒台というタイムは、去り行く皇帝からの、鈴鹿への最後の贈り物なのかも知れません。
レース終了後、友人が「ホンダブースが見たい」というので向かったら、何やらライブが。これはもしや、T-スクエア?! 「それでは最後の曲、『Truth』です」……なんて良いタイミング。この鈴鹿で、生演奏でTruthが聴けるなんて!
最後まですごく楽しい鈴鹿でした。その後の鈴鹿脱出は予想通り大変なミッションとなりましたが、今となってはそれすらも想い出です。
Nunberの鈴鹿特集にミカからのメッセージも載ってました。「ファンに『さようなら』を言わずに鈴鹿を去ってしまったのが心残りだったから、今この場を借りて言いたい」と。
ありがとう、ミカ。その言葉確かに受け取りました。あなたのいないF1はまだちょっと寂しいですが、あなたが幸せならそれでいいです。
時代は常に流れて行くもので、一人のヒーローが去った後には、また新しいヒーローがきっと生まれるでしょう。今回のレースでもそれを感じました。
そしていつかまた、それほど遠くない未来に、また鈴鹿でF1が見れることを信じています。
※時間があったら写真もアップしたいんですが、何せ遊んでる間に宿題が貯まってしまってどうなることやら分かりません。
※10/11一部修正(シューマッハがリタイアした周回)&追加コメント。
※10/12今度は追加コメントの間違いを修正(涙)。94年や97年に何があったかは、ルノーの首脳陣も言及してます。フラビオ・ブリアトーレは複雑だろうな。
皆さんこんにちは。16万1000人の一人として鈴鹿に行って来た虹川です。
個人として、通算5回目の鈴鹿。7日の予選と8日の決勝を観戦して来た訳ですが、予選の時から明らかに例年より人が多かったです。決勝並みの込み具合。
毎年のことで、F1の大観衆をさばき慣れているはずの伊勢鉄道の職員さんが「今年はかつてないくらいの混雑」と言っているのを聞いて正直、「明日はどうなるんだろう」と恐れおののいた、そんな土曜日でした。
そして向かえた日曜。「チャレンジングなコース」「ドライバーズサーキット」として愛され、親しまれた鈴鹿へ賭けるドライバーたちと同様、観客もほとんど戦う気持ちで鈴鹿へ向かいます。決死です。マジで。
以前の観戦ポイントだった第二コーナー付近が今年はスタンド席になっていたため、今年はS字付近で観戦。足下のすぐそこを通って行くF1マシンと、秋晴れのひんやりした空気を切り裂くエキゾーストノート。ああ、鈴鹿に来たんだなあ……と幸せな気持ちになりました。
会場のアナウンスに合わせて観客みんなが拍手や歓声で答える。チャンピオンシップの主役であり、今年でF1を去るシューマッハにはもちろん、琢磨や左近にも大きな声援が送られていました。それにフェラーリと並んで、ホンダやスーパーアグリの応援グッズを身につけたお客さんの姿がとても目立ちました。みんななんだかんだ言って日本人ドライバーを愛してるんですね。
そして何よりみんな鈴鹿が好きで、だからこそ一旦は区切りを付ける20年目の鈴鹿を見届けたくてここに来た、少なくとも私はそのために来たんだ、と思うとちょっとウルウル来てしまいました。ミカが優勝してタイトルを決めた98年と99年の鈴鹿、破れはしたけれど名勝負を見せてくれた2000年の鈴鹿。私の中で、いつでもここは美しい思い出と共にあります。
決勝レース前のメモリアルランでは、ベルガーの駆るマクラーレンホンダ・亜久里さんの駆るランボルギーニ・そしてイワン・カペリのレイトンハウスが登場。カペリ&レイトンハウスは知名度は低いですが、F1を見始めた頃の原風景のひとつに「プロストの駆るフェラーリを押さえてトップ走行するカペリのレイトンハウス」がある私にとってはすごくうれしかったです。鮮やかなレイトンブルーも好きでした。
そんな今年の鈴鹿GP。
鈴鹿ラストラン、そして直前の上海で一躍トップと並んだシューマッハがここで王座を手にして去るのが最も美しいシナリオだったかも知れません。シューマッハのファンも(そしてアンチも心のどこかで)それを望んでいたはず。
しかし結果として、終わってみれば彼の最大のハイライトは予選で叩き出した脅威のコースレコードだったということになりました(Q3スタート前の睨み合いとその後の競り合いもすごかったですが)。
一方、最近結果が発表されたアンケートで現役チャンピオンなのに世界的に人気がないことが露呈し、レース前には「僕は孤独だ」とか愚痴っていたアロンソが、終わってみれば逆転で王手をかけ、俄然有利に。これだからF1は分かりません。勝利をほぼ手中にしながら、37周目でエンジンが止まったシューマッハ。やっぱり日頃の行いのせいか?と思ったのは私だけでしょうか。
「(次戦ブラジルGPについて)ライバルがリタイアすることを望んでレースに向かいたくない」この言葉だけを聞くと立派だけど、94年のオーストラリアGPや97年のヨーロッパGPで彼がやったことを考えると、なんだか悪い冗談みたいな気がして来ます。ファンや本人はなかったことにしたいのかも知れないけど。
バトンがもうひとつ順位を上げて表彰台に乗れば盛り上がっただろうけど、予選の状態、それにトヨタ勢を押さえてホンダの面子を保ったことを考えればよく頑張ってくれたと思います。
それに琢磨も左近も、与えられた状況の中ではめいっぱいの結果を出してくれてたと思います。
フィジコ表彰台おめでとう。
シューマッハが最後に残した1分28秒台というタイムは、去り行く皇帝からの、鈴鹿への最後の贈り物なのかも知れません。
レース終了後、友人が「ホンダブースが見たい」というので向かったら、何やらライブが。これはもしや、T-スクエア?! 「それでは最後の曲、『Truth』です」……なんて良いタイミング。この鈴鹿で、生演奏でTruthが聴けるなんて!
最後まですごく楽しい鈴鹿でした。その後の鈴鹿脱出は予想通り大変なミッションとなりましたが、今となってはそれすらも想い出です。
Nunberの鈴鹿特集にミカからのメッセージも載ってました。「ファンに『さようなら』を言わずに鈴鹿を去ってしまったのが心残りだったから、今この場を借りて言いたい」と。
ありがとう、ミカ。その言葉確かに受け取りました。あなたのいないF1はまだちょっと寂しいですが、あなたが幸せならそれでいいです。
時代は常に流れて行くもので、一人のヒーローが去った後には、また新しいヒーローがきっと生まれるでしょう。今回のレースでもそれを感じました。
そしていつかまた、それほど遠くない未来に、また鈴鹿でF1が見れることを信じています。
※時間があったら写真もアップしたいんですが、何せ遊んでる間に宿題が貯まってしまってどうなることやら分かりません。
※10/11一部修正(シューマッハがリタイアした周回)&追加コメント。
※10/12今度は追加コメントの間違いを修正(涙)。94年や97年に何があったかは、ルノーの首脳陣も言及してます。フラビオ・ブリアトーレは複雑だろうな。
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