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ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

FOIの高橋大輔

2013-09-22 16:54:00 | 日記
※拍手コメントへのお返事(並びにFOI全体の感想)は前の記事に。
※あと、3月24日の記事への拍手コメントへのお返事をこっちの記事の下に書いてます。大変遅くなって申し訳ありません。

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長くなったのでの続き。今年のフレンズの大ちゃんについて。

思えばバンクーバーの前、2009年のフレンズは、あの大怪我の後の初めての公の場での演技。
まだ無理のできない時期だった事もあり、どこか儚い空気感と柔らかい演技、そしてスケートが印象的でした。

4年後の今回は別物のようにエネルギッシュ。

田村岳斗氏&イリヤ・クーリック氏の長野イケメンコンビとの競演によるユーモレスクでは、3人ノリノリでコミカルな演技を披露。大ちゃんのオシャレな抜け感のある演技に改めてセンスの良さを感じたものですが。

オリンピックメドレーの「Eye」では、まるで獣のようにパワフルで思わず圧倒されました。エロ紳士どこ行った。
決して荒々しい訳ではないのですが、どこか人間ではない何かのような、野生的なパワーが凝縮されているような印象で。
痛いポエムで申し訳ないですが、神様の使いの神聖な獣が人の姿を借り出て来たらこんな感じなのかな、と思ってしまいます。

北海道合宿を取材した記者さんが、見出しに「精悍!」て書いちゃった理由がわかったような気がしました。

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そして、新プログラム。「ヴァイオリンのためのソナチネ 嬰ハ短調」
私が見に行ったのは土曜日の昼。初披露から2回目ということもあり、滑り慣れた旧プログラムやショー用のコラボプログラムに比べると、まだ若干の堅さや緊張感は感じられました。
それでも終わるとあっという間で、まだまだ見ていたいのに、と思ってしまいます。

今の時期、特にジャンプが万全でないのは、特に心配の必要はないと思います。
競技用のプログラムなのだから、出来てすぐに完璧な方が逆に、「簡単な事しかやってない=点の出ないプログラム」なのかな?と思って不安になってしまうので。
得点のためのわざわざ難しい事をやる必要のないショープログラムや、滑り慣れているはずの旧プログラムで調子悪いと、ジャンプそのものの調子を気にしなければなりませんが。

私が見た回は4T両着氷、3Aがすっぽ抜けてたかな?もう一つのジャンプ(多分3ルッツ…違ってたらすいません)はすごく丁寧に降りていた印象でした。

そして演技を見ている内に、ふと降りてきた言葉が「静かな怒り」でした。

はい、ここで再び痛ポエム入りますよ(笑)。

…その場で発散するのでなく、深く胸の内に秘めた怒り。人を攻撃する形には向かわず、けれど断固として何者にも屈しない、揺るぎない強い想い。

この曲の背景については、大ちゃんがこの曲を発表した時点で色々な所から情報が出てきたので、もちろん私も知っています。
耳の聞こえない作曲家が、義手のヴァイオリニストの少女のために創った「戦いの曲」。
ハンディキャップは生涯に渡って付いてくる。それに向き合い、これからもずっと戦って行くという決意の曲、なのかなと、大ちゃんの演技を見て改めて感じました。

毎回不思議に思うのですが、予め曲だけ聞いていた時よりも、大ちゃんの演技と共に聞く方が、その曲の持つメッセージを明確に感じられるんですよね。
今回も、曲の背景を知識として知って、理屈で「きっとこうなんだな」と漠然と考えていた事が、大ちゃんの演技を見た瞬間に実感を伴って迫ってきた、という感じです。

深く内に秘めた戦う意志が、やがて大きなうねりを持って大地を揺るがし、山を動かす。
そんなイメージが浮かんで来ます。

このプログラムが、このシーズンにどう成長し、ソチの舞台でどんな演技を見せてくれるのか、とても楽しみです。

それにしても、宮本さん濃いな、色々と…。
宮本さんの大ちゃんにかける想いって、私たちファンが思うよりきっとずっと濃いんだな、と思いました。
お互いにリスペクトし合ってるのを改めて感じます。

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そしてフィナーレ。
ノリノリの曲に合わせてノリノリで踊る大ちゃん。
カンペキなストリートのノリ。

ちょっと話は飛びますが、大ちゃんとも親しい森下雄一郎さんて、ストリート色の強いバスケ(元)選手ですよね。
私もちょっと色々あって実感したんですが、バスケットって単なる「スポーツ」の1分野じゃない。
多分バスケだけじゃないと思うけど、そこにはそのスポーツを育てた「文化」が付随してるんだなと。
バスケはアメリカの黒人によるストリートの文化が育てたスポーツなんですよね。
かのマイケル・ジョーダンがNBAに持ち込んだぶかぶかのユニフォームや、ダンスミュージックに合わせてボールを操るフリースタイルのパフォーマンスなど、ストリートの文化と切って切り離せない関係にある。

一方でフィギュアは完全に白人の文化ですよね。以前にも書いたけど、ヨーロッパの貴族の文化であるバレエやオペラが背景にあるから、今の流行の先端であるストリート系の音楽やダンスとは真反対で今イチ相性が良くない気がする。最近は黒人のスケーターも増えているから、彼らが多数メインストリームに出て来た時にまた変化しそうな予感もありますが。

閑話休題。

フィナーレの大ちゃん、単にリズム感がいい、踊りが上手いというだけじゃなくて、アドリブの入れ方や表情が完璧にストリートの人でした。
踊りの上手いスケーターは他にもいるけど、一番サマになってたのは大ちゃんだと(ヒイキ目かも知れないけど)思います。

でもこういうの見ちゃうと、つくづくSweatが惜しいですね。先シーズンは1回限りのはずのピアソラEXが余りに素敵過ぎて結局正式EXになってしまったっていう事だと思いますけど、Sweatをシーズン通してやってたら、あれはあれで大ちゃんにしか出来ないCoooooool!!なプログラムになってたかも知れない、と思ってしまうのです。
また機会があればぜひああいうのもまたやって欲しいですね。

***

それにしても、ユーモレスクのコミカルさ、Eyeの美しき野獣、ソナチネの意志、そしてフィナーレでのダンサーっぷり…と一体幾つの顔を持っているのかと思ってしまいます。
大ちゃん一人でも盛りだくさんに色んな顔が見れて、大満足のFOIでした。

真夏の夜の夢・FOI

2013-09-22 16:53:00 | 日記
※大ちゃんの演技への感想は次の記事に。
※拍手コメントへのお返事はこの記事の下に。
※あと、3月24日の記事への拍手コメントへのお返事をこっちの記事の下に書いてます。大変遅くなって申し訳ありません。

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という訳で、今年も行って参りました。
荒川静香さんプロデュースによる、「スケートファンが見たいもの見せまShow」ことフレンズオンアイス。

昨今流行のオタク向けビジネスについて、こんな文章を目にした事があります。
「人気のキャラクターとコラボした商品だからと言って、必ずしも売れるとは限らない。お金を出すのはマニアだから、マニアのツボをついた企画でないとウケない。マニアの世界や嗜好を理解せず、上辺だけの理解で企画してもダメ」
フレンズオンアイスを見てて、アイスショーにも当てはまるなと思いました。
荒川さん自身がスケートが好きでスケートのファンで、出演する“フレンズ”スケーターたちのファンなんだろうなというのが伝わってくる。
それくらい、「こんなのが見たかった!」というファンの気持ちに応えてくれるショーだなと思います。

それともう一つ印象的だったのは、演技の前の出演者のアナウンス(このショーでは毎年定番)で、「フレンズファン・スケートファン」に対する感謝の言葉を口にするスケーターが多かった事。
見に来てくれるファンがいるからこそ、このショーをここまで続ける事ができた、という意識を、出演者たちが共有している事が感じられました。
それが出演者たちの一体感や、「お客さんに楽しんで貰おう!」という気持ちの伝わる演技につながり、このショーの魅力になっているのかなと思います。

今回、荒川さんが区切りめいた発言をしている事などから、今回がラストになるのではという憶測がファンの間に飛び交っていたようです。それに対して荒川さんが、「毎回これが最後というつもりで全力を出している」と応えていました。

これも自分自身の経験から思う事ですが、イベントは最初の1回を実現するのが大変。そしてそれを毎年続けて行くのはもっともっと大変な事なのです。
1回やってフォーマットが出来たから次からも同じようにできる、というものではなくて、今年はどうにか開催できる状況が整った、でも来年以降も同じ状況が作れるとは限らない、というのが現実。
(だから大ちゃん(たち)が神戸チャリティーを現時点で3回続けてると言うのも驚異だと思うのです)

第一回のフレンズオンアイスは、1回こっきりの平日開催。前日まで同じ会場で行われていたPIWのセットを流用して、本当に手探りで、手作りで創ったようなショーでした。きっとあの当時、8回も続けられるなんて誰も思ってなかっただろうなと思います。

でも私、第一回を見た時から、「次もあるなら次も見に来よう」と迷わず思いました。
他のショーや試合なら、大ちゃんの出演が正式にアナウンスされるまではチケットは買わないけど、FOIなら、例え大ちゃんが出なくても絶対に見て損はしない、と確信出来ました。

今回の「オリンピックメドレー」は本当に、ファンの思う「あの時のあのプログラムをもう一度、生で見れる!」という夢のような企画でしたが、ここであのトゥーランドットの衣装で出てきた荒川さんを見た時、改めて第一回を思い出しました。

トリノで金メダルを取って、あの衣装でイナバウアーする映像が何度もテレビに流れたけど、荒川さん自身は当時、トリノのフリー以降全くあの衣装に袖を通していなかったと思うのです。
それをフレンズでは惜しげもなく披露してくれた、という所からして、彼女のこのショーにかける心意気というものを感じたものでした。

そして今回、ゲットアチャンス枠で登場した本郷理華選手。そう、記念すべき第一回のキッズスケーター。
荒川さんもMCで言ってましたが、あの頃は本当に、今回のキッズスケーターと同じくらいのちびっ子だったのが今では荒川さんと同じ位まで背が伸びた立派な大人のスケーターに成長し、改めて7年という月日を思って何とかにふけってしまいます。

思えばトリノ(の後)で大ちゃんにハマり、「バンクーバーまで応援するぞ!」と決めて初めて会場に足を運んだのが第一回のFOIでした。
まさか、バンクーバーの次のオリンピックまで追いかけることになろうとは(笑)。

後どうでもいい話ですが、まだ全然フィギュアに興味がなかった頃、「ここはグリーンウッド」のスケートの回で「女子シングルには八木沼純子も佐藤有香もいるもんね」という台詞でこの2人の名前を覚えた私に取って、お二方の競演を見るのもなにやら感慨深いものがありました(笑)。
ていうか、荒川さんだからできるキャスティングですよね。永らく座長としてPIWを引っ張って来た八木沼さんももうじき卒業なんですね。細いは目は大きいわで、アラフォーとは思えない美しさでした。

今回は光るリストバンドなどの新しい演出もあり、コラボも個人のプログラムも豪華で本当に楽しかったです。
「え、この人を第1部で出してしまうの?」と思ってたら、第2部でも次から次にどんどん豪華な出演者が出てくるという満漢全席のようなゴージャスさ。

今回は諸事情で1公演しか見ていないのですが、十分満足できる充実っぷりでした。
次回以降がどうなるかはまだわかりませんが、続く限りは見に来たい、と今年も思って新横浜を後にしました。

長くなったので大ちゃんの演技への感想は次に。

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■拍手コメントへのお返事

□2013/9/16 23:12
こんにちは。熱いコメントありがとうございます。
私も安藤選手に特別な思い入れがある訳ではないです。
折角ハマった時の演技はすごくエモーショナルで見応えがあるし、身体能力は良い意味で化物だと思うのでもっと要領よく立ち回ればいいのに勿体ないと常々思ってますが、それ以上に彼女を批判する人たちの理屈がツッコミ所満載で、見ててツッコミたくてうずうずして来るんですよね(笑)。
大ちゃんに対しても、良く知りもしないで語ってるのが丸分かりの人に限って上から目線でしたり顔で語ってるのが、見てる方が恥ずかしくて何とも歯がゆい気分になります。
でもフィギュア自体を偏見の目で見ていた男性で、あの怪我をきっかけで見る目が変わったという人が少なからずいそうな所は、ある意味有難いかな、と思います。

□2013/9/19 17:56
なおさんこんにちは。長らくサボってて申し訳ありません。
音と光のイリュージョン個人的には楽しかったのですが、次回の予定が立ってませんね…。
観客席については私もちょっと期待したのですが、お客さんの入らない普段の使用時にも客席まで冷やさなければならない事を考えると、冷房の効率の面で厳しいのかなと思います。
最近作られた&改装されたリンクと比べてもポートアイランドのリンクは設備も建物も立派で、あれが出来た当時の神戸市は本当にイケイケだったんだなあと改めて思いました。
それに交通の面でもポーアイのリンクの方が便利だし、時期は限られるけどショーをするならやっぱりポーアイかなと思います。フレンズとは主旨も方向性も全然違いますが、大ちゃんは大ちゃんで神戸チャリティーを大切に育てているので、まずはそちらを何とか継続していける事を祈っています。