ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

試練のシーズン

2013-03-24 22:46:00 | 日記
大ちゃんお誕生日おめでとう&世界選手権お疲れさまでした。

まだ国別対抗が残ってるけど、一応12-13もほぼ終わったという事で。
まずは、大きな怪我なく終わったのが何よりです。

タイトルの意味なんですが、何となく思いつきで。
突然ふと「試練って試して練習する事なんだな」と頭に浮かんだので。今シーズンはそういうシーズンだったのだと思うことにします私が。

4大陸、世界選手権と終盤の試合で結果が振るわなかったのをモロゾフのせいにする人もいるけど、私はそんな単純なもんではないと思います。
少なくともジャンプについては、素人がどうこう言えるようなもんでもないと思うな。特に4回転なんて、誰それが教えれば必ず飛べるようになるような簡単なもんじゃないはず。

今シーズン、GPFで優勝できたのは大きな収穫だったと思います。大ちゃんが今まで取り残していた数少ない「日本男子初」ですから。
ここで一つ心残りがなくなった、と同時に、次のオリンピックと同じ会場の大会で、事前の調整まで含めたシミュレーションができた事は、来年きっと生きてくると思います。

今シーズンはなにより、SPが上手くいかない事が多かった。そういう意味では、マンボで苦労していた10-11シーズンを思い出します。
あの時も、後で審判の評価が高かった事を知って誇らしく思うのと同時に、「だったら何でシーズン中にもっと点数の上で報いてくれなかったのよ!」って気持ちがありましたから。

「月光」は返すがえすも滑り込む時間が短かった事、そして多分「月光」を滑り込む時間を確保するためにオーバーワーク気味になってしまった事が惜しまれます。
ただ、プログラム変えた途端にあっさりステップでレベル4が取れたんだから、決して「間違い」ではなかったんだろうなと思います。

世界選手権ではステップだけでなくスピンでもレベル4を揃えて来たから、猛練習は決して無駄にはなっていないと信じたいですね。

それにしても、FOIの時のロックンロールに対する一部のファンの拒絶反応ってなんだったんだろう。
「私はあんまり…」みたいな感じならまだしも、「こんなのヤダヤダ~!変えてくれなくちゃ絶対ヤダヤダヤダ~!」みたいなの。あれ、私でもイラっと来たから、大ちゃん的にも負担だったというか、あれではプログラムを信じて賭けてみようって気分になれなかったのも分かる気がします。

割と毎年FOIで新SPがお披露目されてるけど、いつも思うけど、いくら大ちゃんがプログラム覚えるの早くても、初披露の段階ではやっぱり滑り込みが足りてないと思うんですよね。特に競技用のプログラムは、簡単には完成させられない難易度の高いものを作ってるんだし。
ついでに衣装も、あの段階ではまだ大ちゃんのイメージが固まってないんだろうな、絶対変えて来るだろうなと思ってました。
で、その辺を差し引いた上で、1シーズンかければ面白いものになるかもと思ってたんですが…。

でも全日本であんな採点されてしまったら、変えたくなるのも無理ないかなとも思いますけど。

NHK杯の鈴木明子選手もそうですが、勝てる演技をしたのに(採点のせいで)勝たせて貰えなかったという事があると、選手の心理面で後々まで響いてくるものがあるような気がします。
虚しさとか徒労感とか、審判に対する不信感とか、私だったら拭おうとしても拭えないと思う。

そういう意味では、日本スケート連盟って本当に選手を潰すための組織だなと感じたシーズンでもありました。
日本選手を試合で勝たせるのではなく、広告代理店が目を付けた一部の選手を広告タレントとして売り出してスポンサーからお金を引っ張る、その為に試合に勝たせて箔を付けさせるのがお仕事、という感じ。
勝たせたいのはあくまでタレント選手だけ、それ以外の選手はむしろ目障り、くらいの感覚なんだなと。

それがエスカレートして、とうとうファンの応援にまでケチを付けられたのには、精神的に本当に疲れました。
個人のブログじゃなくて、一応プロのジャーナリストが公的な媒体であれをやったんだから信じられない。
フィギュアより遙かに商業主義でお金に絡んだエグい話の多いF1でも、ファンに対しては「応援ありがとう」が基本です。
自分の応援が(思ったよりも)少ないからって「(自分の勝利を)誰も喜んでくれない」なんてぐちぐちひがんだり、それをまた「なんてかわいそうなの!」とばかりに記事にするジャーナリストなんて聞いた事もない。
(とりあえず、今後青島とかいう記者の仕事にお金を出すのはやめようと思いました。お金を取れるレベルの仕事をしているとは到底思えない)

私たちファンでもそうだったんだから、大ちゃん本人にもさぞかし余計な精神的負荷があっただろうな、と思います。
これはあくまで私の憶測ですが、来シーズンはそれこそ集大成の五輪に向けて集中しなければならないからこそ、実験的な試みは今シーズンの内に済ませておきたかったのかな、とも思うんです。
先シーズンが予想以上に上手く行ったからこそ、今シーズンはちょっと余裕を持って色んな事が試せると。靴の種類やエッジを変えたり、モロゾフとの再タッグにもそう言う意味合いがあって、そうやって色々試した中から最善と思えるものを来シーズンに持って行きたかったのかなと。
最大の誤算は、業界の介入により予想以上にひっかきまわされてしまった事かな、と思います。

シーズン当初若手が「世界最高得点(SP限定)」を連発するのを何でだろうと思ってたんですが、4大陸で生で滑りを見て納得しました。
〈あの〉スケーティングやステップにあんだけ気前よく点数出して貰えるなら、そりゃ誰でも高得点が出せるわ。
審判の人たち、素人にはスケーティングの善し悪しなんて分からないと思ってるのかも知れないけど、会場で見ると寧ろ一番分かりやすいのがスケーティングだと思いました。
上手い人ほど気持ちよく滑ってますから。細かい理屈は分からなくても感覚的に一目瞭然。

得点と言えば、採点に対する疑問がロイターのニュースになっていましたね。

フィギュア=世界選手権、不透明な採点システムに疑問の声
http://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPTYE92H03J20130318

今までも採点に文句言ってる人は多かった(というか私も言ってる)けど、ロイター通信みたいな所が真面目に取り上げてるという事にはびっくりしました。
そういう意味でも、やはり曲がり角に差し掛かっているのかも知れません。
件のニュースで取り上げられているのはP.チャンの得点だけど、私的に一番の肝は、フィギュアの審判が事実上のブラックボックスと化しているという指摘でした。
以前にも書いた事ですが、審判の主観で大きく点数が左右されるのに関わらず、その審判の判断が正しいかどうかをチェックする機能がないのはシステム上の不備だと思います(それもかなり根本的な)。
今迄にも物議を醸す審査結果が出た試合は幾つもあったけど、一度出た結果が覆った事はありません。
故に、後でどんなに文句を言われようとも審判の「やったもん勝ち」になってしまっている。
田村岳斗コーチがブログで問題提起したのも、この辺に疑問を感じての事じゃないかなと思います。

去年の夏のロンドンオリンピック、個人的には柔道と体操という2つの競技で、一度結果が出た後に審判の判定が覆り、試合の結果が変わるという事があったのが印象的でした。
どちらも物議を醸してはいましたが、審判の判断を以て絶対とせず、2重にチェックできる余地を設けている分フィギュアよりは先に進んでるなと思いました。
特にフィギュアと同じく採点競技である体操で、審判の判定に見直しを要求出来るのは大きいですね。
関係者の方が「陸上での100メートルは必ず100メートルだが、体操では95メートルにも105メートルにもなる」とコメントしていましたが、それはフィギュアも同じ事。
だからこそ、より多くの人が納得する「客観的な採点」が必要なのではないかと愚考する次第です。

大ちゃんに関しては、本当にお疲れさまでしたと言ってあげたい。
何より演技そのものが素敵な人だから、試合の結果がどんなでも最後まで付いていきますけどね。
彼はいつでも悪かったシーズンの後には良いシーズンが来ていたし、過去に失敗した部分は必ず修正して失敗を繰り返さない人だと思っているので、来期の事は実はそんなに心配していません。占い的にも、運気が上がるのは今年後半からだし。

お疲れさまだけど、まだ国別が控えているんですね。
見に行かれる方は、是非大ちゃんに大きな声援をお願いします。
あと、無良くんにもね。マスコミは何も言わないけど、彼が入賞してくれた事も嬉しかったです。これからまだまだ伸びてくれるのを期待しています。

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拍手コメントへのお返事

■2013/3/18 10:55
miwaさんこんにちは。
私たち素人が専門家に文句を言った所で意味はないですし、絶対に間違えないのではなく、間違えた所にきちんと向き合えるのが大ちゃんの良さだと思えますので、黙って付いて行くのみだと私も思っています。
スケートを習ったからと言って全てが分かる訳ではありませんが(当たり前ですが選手クラスの人たちとはレベルが違い過ぎるので)、自分で滑ってみて初めて分かる事もありますし、何より楽しいですよ!前滑走ができるようになるだけでも世界が変わると思います。まずはお気軽に一般滑走でどうぞ!
指先までの繊細な表現は「ダンス」としてのセンスになりますのでスケートとはまた別ですが、体の軸がまっすぐでないとエッジにしっかり乗れないのは確かです。
でも何よりも、現地で、それもできればリンク全体が見渡せる位置でエッジの動きのスムーズさを見れば一目瞭然ですよ!
「月光」は振付けがシンプルな分大ちゃんのエッジ捌きを堪能出来るプログラムだと思います。
国別はお祭り試合なので、大ちゃんにもリラックスして楽しんで貰えたら良いですね。

■2013/3/23 3:01
こんにちは、お久しぶりです。お疲れ様でした。お気持ちはよく分かります。
国別の若手選手の欠場、連盟の甘やかしっぷりには呆れる他ありませんが(他の選手と対応が違い過ぎ)、正直私も試合であの選手を見ずに済むことにほっとしています。
広告業界の戦略(笑)に乗っかった連盟やマスコミも醜いですが、それに乗ったのは本人の責任でしょう。何よりスケートそれ自体に魅力がないのは本人のせいです。
私も、倉敷ゆかりの町田選手や無良選手、刑事くんなど応援したい選手はいますが、大ちゃん引退後あの選手が「主役」として君臨するならそんなフィギュアはもう見たくないなというのが本音です。
大ちゃんですが、世界選手権に比べて圧倒的に完成度の低かった4大陸でも、「月光」のステップは楽しめました。テレビだとどうしても横から振付けを見る感じになりますが、あれは上からエッジの描く軌跡を見るのが良いんですよ♪ 国別では是非楽しんで下さい。
ファンにとってもしんどかった今シーズンですが、試合に勝つから大ちゃんが好きなのではなく、スケートそのものが魅力的なのだと、勝てばもちろん嬉しいけど、どんな成績だって気持ちが離れる事はないと、改めて感じたシーズンでもありました。
残る1年、悔いが残らないよう応援しましょう!